やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

予定日から10日が経った昨日の朝からゆきちゃんは病院に入院して、陣痛促進剤を投与された。しかし結局昨日は生まれるまでは進まなかった。

今日はLINEの音で朝起きたら9時、内診からの点滴が始まったようだ。

今日の夜までにはさすがに生まれるかな、くらいの気持ちでいたら、 11時20分には分娩室へという展開に。 12時半に、病院の駐車場に呼ばれた。そんなに早いの!?

今日は日差しも強く20度超える暖かさ。家に停めてる車の真正面に大きなタンポポが咲いていて、幸先いいね、写真におさめる。
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病院の駐車場に着いてから約2時間、音楽聞いたりkindle読んだりしていたが、 そういえばどうやって連絡くるんだ?本人から?看護師さんから?もしかして連絡来ないまま生まれちゃったりして?とか考えてたら、15時3分に電話が鳴る。ものすごく苦しそうな声で「2階 きて」と、本人からだった。生まれる寸前で、電話を操作してかけることができるのか!? ほんの数秒の声の雰囲気でさすがにこちらも現実味が増す。

駆け足で入口に入る。へえ、院内こんな感じなんだ、、、とはんぱにキョロキョロしながら、余裕もなくエレベータに直行、2階の受付で確認事項を記入する。あっち、こっちから、赤ちゃんの泣き声が聞こえてきてた。 受付からすぐの部屋に案内され、靴をスリッパに履き替えて部屋のカーテンをくぐると、 分娩台で酸素マスクをつけたゆきちゃんが辛そうにいきんでいた。助産師さんはずいぶん若そうで、やさしくゆきちゃんに声をかけている。ゆきちゃんが言ってた通りやわらかj-popインストBGMがかかっている。

部屋の洗面台で手洗い誘導され、割烹着みたいなのを着用される。呆然と景色を咀嚼してるあいだだったので、上着も脱がないまま割烹着を羽織られてた。 ゆきちゃんの横に立つも、本人を触っていいもんなのかもわからず、くだらない質問を助産師さんにしてもいいのかもわからず呆然としながら、いきむゆきちゃんを間近で見ると、顔を起こして首がぐわーって膨らんで血管が爆発するのでは、というくらいの圧力が伝わってくる。握り棒を握る手、腕の震えもググググと凄まじい。 ヴーっっっっっ、といきんだあとは、バタッと頭が枕に戻り、ほんのすこし落ち着く。 ようやく、すんごい小声で、がんばれとか痛いねとかたしかそんなような声を思わずかけた気がする。

助産師さんは3人体制、ひとりが「はい、じゃあ枕の下に手を入れてもらって、いきむときに一緒に枕あげてくださいね」と役割を与えられて、なんか少しホッとする。棒を強く握ってるゆきちゃんの手を上から触ったら、ゆきちゃんの親指が一瞬反応を返してきた。親指からも力を感じる。 ヴーっっっっっという次のいきみの波、枕を持ち上げる。こんなんギャグのひとつも言えないね。 叫んだり、罵声を浴びる、みたいなイメージを持っていたけれど、割と静かに、とはいえ呼吸は必死に、いたい、、、つらい、、、みたいに言いながら、いきみの波がまた落ち着く。顔色も思っていたより悪くない。

自分も気持ちに少し慣れができてきたのか、助産師さんについに聞いてみた。
「そ、そっち覗いてもいいですか?(小声)」
看護師さんは、やや、え?みたいんだ?的なニュアンスを孕みつつ、ゆきちゃんに「見ても大丈夫ですかー?」と確認、ゆきちゃんも苦しそうながらOK、ついに出てくる途中の赤子を観察!!!! 思ったよりも血とかへっちゃらで、それよりなにより大きく膨らんだ性器のインパクトと、コンニチハしている後頭部に夢中。こんな大きな頭が出てきつつある実感、髪が生えてる、頭が鏡餅みたいに2段になってるみたい、ふへ〜、、 、、、ブラッケージのように撮りたい、とよぎる。しかしスマホを出してる余裕も、撮っていいか確認する余裕もない。肉眼で見る、で精一杯だ。

助産師さんが、ゆきちゃんにも「触ってみます?」と問う。ゆきちゃんはやはり苦しそうながら「ええ!?」と驚きながら手を伸ばして、3割くらいコンニチハしている頭を触っていた。初・ナデナデできて驚いていた。そしてまた、ヴーっっっっっっ。 こっちも覗くことに気が引っ張られてて、何回波があったかうろ覚えだ。黒髪もじゃもじゃの先生も登場して、ラストスパートか。

ついに、頭がぜんぶでた。頭がでたら、肩もでてきた!「どういう状態!?」とゆきちゃん。 肩がでてきそうだよーでてきたー、そのまま一気にニョロン!と、全身がでてきた。15時15分。 電話きてから10分くらいしか経ってないのか。なんか長いのか短いのか時間感覚超越してる。

へその緒、白くて立派で半不透明で、綺麗だ。それを切る前か切った後かうろ覚え、赤子の初泣き声を聞く。思ったより声小さくて、泣き声かわいい。 初顔合わせで、赤子も僕も泣く。

股の下の台の上でへその緒処置などされ、助産師さんが台に体をくっつけて赤子を落ちないようにしてハサミやガーゼなど色々やってる。落ちない?大丈夫?とハラハラするが大丈夫のようだ。 ゆきちゃんのお腹の上に、赤子が乗っけられた。 ここでようやく、助産師さんから撮らなくていいんですか?と背中を押され、慌ててスマホをポケットから出して、初撮影。生まれる瞬間は撮り逃したー!でもいいや。動画を撮ると泣き止んじゃって場が和み、ゆきちゃんも笑っとる。ああがんばったねえ。体重を計ってるところも撮る。3088グラム。

色々計る台に移動するたびに、ババっと赤子を持ち上げる看護師さん達の慣れた感じに感心してしまう。ゆきちゃんの横に戻り少し話してたら、いてててと胎盤が引っ張られてきたので、それも覗く。「胎盤もみたいのー?」と先生。 実物、ズッシリ量感がある。立派だ。ゆきちゃんは見えてないので、「グロい?」「うーんグロい」でも不思議となんとも気持ち悪さを感じない。 まだ膜が残ってるねーと、ひきつづき先生が処置をする。ビローンと、血に染まった膜もでてきてそれも見た。まだまだ、その後傷の処置で、麻酔注射を何箇所も打たれてて(ここは直接見てない)、産んだ後も痛そうだ。

拭かれて少し綺麗になった赤子に、小声で話しかけて、チョンチョンと恐る恐る触ってみる。お腹の外からしつこく話しかけてきたけれど、認識してくれているのだろうか。ようやく会えたなあ待たせてくれちゃって。 15時30分、区切りのよいところで、タイムアップ。夫はここまでよ。

あまりにあっという間、次に会えるのは6日後だ。なんとも宙に浮いた実感って感じのまま家に帰り、お腹が減ったのでどん兵衛を食べた。祝いのカップうどん。

さっき撮ったばかりの動画を繰り返し見る。実際対面した時間よりも、動画を見てる時間のほうが長くなりそうだ。両家の親とアトリエ回覧板に報告など。さて知人への報告はどうするか、、、このような報告が苦手である。SNSにアップするのは明日ゆきちゃんに確認してからかな。

5月18日生まれの有名人、南方熊楠、グロピウス、槇原敬之。渋い。熊楠という名前かっこいいが、畏れ多い。

夜、何を意識したわけでもなく久々にアトリエに行き、少しだけ制作をした。 少しだけ今日の赤い色を思い出しながら、赤い絵具で円描いた。ガラナをたくさん持ち帰ってきた。モスバーガーをテイクアウトした。

予定日が過ぎ、感染状況も過去最悪を更新する中なので、
しばらく家でダラダラと生まれてくる時を待っている。

お腹が重いゆきちゃんは、お昼を食べたあとに苦しくなって横になってるうちに眠ったようだ。
寝息を聞きながら僕は、居間の椅子で本を読んでいる。2年前くらいに友人が勧めてくれた「僕はイエローでホワイトで少しブルー」という本。普段読んでる(読もうとして読めない?)小難しい理論本に比べてエッセイはサクサクいける。英国に住む中学生が毎日の中で対面する多様性の難しさや希望を見出せる内容だ。

今日はあまり暖かくはないけれど日の光が部屋に入ってくる気持ちよさで、
遠く東京の個展も数日後から再開できそうで、ネット上ではすでに作品のほとんどが売約済みになり、作品買っていただいてる方々のおかげで安心して1ヶ月くらいは育休がとれそうだ。

ニュースで聞こえてくるパンデミックの不安状況とは裏腹に、平日昼間にこのような平和極まりない時間を過ごしている状況を自覚し、ふと立ち上がって広くもない部屋を見渡し、この「幸福な瞬間」に時間のピンを立てておこうと思った。 

瞬間というのは、その都度偶発的に現れては消える。瞬間は瞬間であり持続には期待しない。
「幸福な瞬間」 は、人の属性、生まれた時代、性別、貧富、国、、、に関係するのだろうか。瞬間の総量には関係するかもしれないけれど、本質的にはどうだろう。

東京から帰ってきてから、しばらく感染対策で僕はひとりぐらし。臨月妊婦は実家で待機だ。
安心度を高めるために、昨日ネットで予約済みの、狸小路にある民間PCR検査を受けてきた。
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昼間に行ったので、若干混んでるなー同じ会社の人たち5人らしき人がまとめて検査しにきてたり。

鼻ズボなタイプではなくて唾液タイプなので良かった、、、
キットを渡されて、奥のブースで必要量唾液を容器にダラダラと吐き続けるのだが、これがけっこうな量が必要で、ブースの壁に梅干しの画像がプリントアウトされて貼ってある。解像度の低さが気になって効果は薄く、5分くらいダラダラと貯めた後提出して終了。
 
検査結果はその日の夜にメールで通知がくる。 
陰性、よかったーとりあえず。それでも1週間程度は隔離は続ける。
その間に陣痛が来ませんように、、、。
ここから子が生まれるまでは最低限の外出を徹底し、できる限りの感染対策だ。
出産時に新コロナに感染したら、病院は強制チェンジの強制帝王切開の、面会不可だもの。 


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短期滞在ながら、
お酒を嗜んだり、そこそこ展示を回ったりして、札幌に戻る。

個展がスタートした翌日に、2日後から東京に緊急事態宣言が出て、大型商業施設が休業という話。
ええ!?発動は29日からって話だったのが、いきなり25日からに繰り上げか。。。

個展会場のOIL  by 美術手帖は渋谷パルコ内にあるので休業対象となり、
スタートして3日で一旦見れなくなってしまうことになった。 ガーン。

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まあ、そんなことになるかもしれないと心の準備はしてたので、むしろギリギリ宣言前にスタートできて良かったし、
これからOILのECサイト(オンライン販売ページ)にも掲載されるし、
ありがたいことに担当の皆さまに調整をしただいており宣言終了後にも会期延長の予定なので、
今後の展開に身を委ねる。

ちなにみ同じ渋谷PARCO内にはニンテンドートーキョーがあり、任天堂から多大なクリエイティブ影響を受け今もリスペクトの気持ちが強い僕は、自分の個展会場に行く前に連日通った。
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山本雄基展
会場 OIL by 美術手帖
会期 2021年4月22日(木)〜5月10日(月)会期中無休
※緊急事態宣言の影響で25日より休業中。会期延長の可能性あり。 
開場時間 11:00〜20:00
住所 〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ2階
観覧料 無料
アクセス 渋谷駅ハチ公口徒歩5分https://oil-gallery.bijutsutecho.com/exhib.../yuki-yamamoto/ 

東京は20度超えで別世界。僕はこれまで渋谷という場所に縁がなかったので、若者に溢れてるこの感じの中を歩いてると地に足ついてない感がすごいが、慣れない土地をゆっくりと歩くのはいいね。
明治神宮が近いので初めて入ってみたり、上野まででかけて鳥獣戯画を堪能したりしながら、なんか緊急事態宣言が大型店舗に影響を与えそうなニュースをキャッチしながら、夜のパルコで搬入。事前にシミュレーションしてきた通りにキマりすぎて、こんなに想定通りにすんなりいく搬入は珍しい。

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『山本雄基展』
会場: OIL by 美術手帖
住所: 〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ2階
会期: 2021.4.22(木)〜5.10(月)
会期中無休 11:00〜20:00
観覧料: 無料
アクセス: 渋谷駅ハチ公口徒歩5分

 公式ウェブサイト:
※営業時間は渋谷PARCO営業時間に準じます。状況に応じて変更の可能性がございます。
最新の情報は渋谷PARCO公式ウェブサイトをご確認ください。



作品販売について:
本展出品作品は、4⽉24⽇(⼟)16:00にオンライン販売サイト「OIL by 美術⼿帖」(https://oil.bijutsutecho.com/)にも公開いたします。(会場での販売開始後の公開となりますので、作品によっては公開時にSOLD OUTの可能性もございます。予めご了承ください。)

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明日発送だ。IMG_6284
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個展用作品、まとめて撮影。IMG_6244

解放的な気分で、なにやらもしかしたら何か起こりそうな近所の古民家の偵察に行く。
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個展用の作品が全部完成した。ここから撮影、梱包と続くので、梱包資材を買いに行くついでに、気分転換できそうな寄り道を。

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豊平川と石狩川の合流地点でした。

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