やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

なえぼのアートスタジオの今村育子、進藤冬華、山本雄基3人が、
北海道アートフォーラムで北海道立近代美術館のリニューアルに関するインタビューを受けました。
記事はこちら↓ 
ちなみに北海道教育委員会が4月8日(土)までこの近代美術館リニューアルについてパブリックコメントを募集しています。インタビューをたたき台に、何か思われた方はご投稿を。
https://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/bnh/kinbirenewalpubcom.html?fbclid=IwAR3rhbVoFpNnEo0fz12PPkv7o4XenoBp-jlupm_rFcnSwYSrkJ95-nEZ7z0


以上について余談:

インタビューを受けたものの、これがどこの誰に届くべきなのか、届いたら何か変わるのか、
イマイチわからないのが正直なところ。

道近美、そもそも近年は配管の老朽化で水漏れして工事したけどまた漏れるとか、収蔵庫がパンパンで展示室の一部を収蔵庫代わりにしているとか、満身創痍な話が多い。
これはもう、文化にお金を回す余裕がない北海道という自治体自体の構造問題であって、国の意向な気もする。さらに飛躍すれば、日本の地理的な条件(南北に長い、島で別れている、気温と雪、周辺国との位置関係)からくるある程度の必然なのかもしれない。
誰かから見れば、北海道は北の果ての辺境、田舎、外地。札幌は190万人規模の大都市であっても、その辺境属性から外れることはない。「早くこの土地から出ちゃった方が良い仕事ができる」なんて話もずっと前から度々聞こえてくるし、認めざるをえないという実感もある。

だとすれば結局何を言おうと何をしようと、大きなことは変えられない。
美術家だけでなく学芸員にとっても不憫な環境で、どうしよもないのかもしれないが、
それにしたって、ただ諦めて何も言わずに、自分の好きなことをやってればいいのかと言われれば、それも何だかつまらないし。

そういう場所で美術作家をやっていることの意味や、そういう場所だから考えられることやもがくことに、僕は興味もある。自分自身、美術や文化の面白さや、自分にとって無くてはならないものだと知ることができたのは、札幌で専門教育を受けたことによる部分が大きいからだ。
 

アートフェア東京2023 会期:2023/3/10(fri)-12(sun) ※9日は招待制 開催場所:東京国際フォーラム ホールE/B2F Booth No 55 ギャラリー門馬から出展します。新作8点もっていきます。 web:ticket.artfairtokyo.com

 
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サッポロパラレルミュージアム2023が始まりました。
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ファンダメンタルズ プログラムでペア進行中の山本雄基+巴山竜来 名義での出展。
作品は、札幌駅すぐ近く、北3西3ヒューリック札幌建替計画(仮囲い)にあります。3DCGで作ったイメージを、3m×10mの大きさで屋外にプリントしています。
webでのみ鑑賞可能な作品もサイト公開されました。 P Cならカーソル、スマホならタッチでゆっくり色や残像が変わるリアルタイムCGの作品なので、お試しください。
( Mac版 SafariだとmacOS Montery以降でのみ動作するので、それ以前の環境の場合他ブラウザをお使いください。)

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コラボレーション作品も3DCGでの発表も初めての試みだったので、驚きの連続でおもしろかったです。関係者の皆さま貴重な機会をありがとうございました。
Sapporo Parallel Museum 2023
2023年2月4日㈯ ―2月12日㈰
11:30-19:30
会場|赤れんが テラス(5F テラス計画)、大丸札幌店(1F・6F)、札幌駅前通地下歩行空間(憩いの空間/北1東)、sitatte sapporo(B1F ステップガーデン)、ヒューリック札幌建替計画(仮囲い)
出展作家|大橋鉄郎、沼田侑香、藤倉麻子、山下拓也、山本雄基+巴山竜来
主催|札幌駅前通地区活性化委員会
ディレクション| 札幌駅前通まちづくり株式会社、
〈共同企画〉 一般社団法人PROJECTA
〈コーディネート〉 CAI03
助成|令和4年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業
特別協力|さっぽろ雪まつり実行委員会、札幌駅前通振興会
協力|ファンダメンタルズプログラム、有楽町アートアーバニズム「YAU」、NEVER MIND THE BOOKS

ギャラリートークのゲスト、Schwanenbergerさんのご厚意で、特別にドイツ電子シンクロトロンの加速器見学をさせてもらうことに!!今はもう稼働してないけど、グルーオンが発見された加速器とのこと。ハンブルク郊外にあったんだ、、。メカメカしさが剥き出しになってる感じが70sで感激。コイルをグルグル巻きにした機械とか、アルミホイルでカバーして少しでも温度を下げるとか、アナログDIYな試行錯誤がそのまま残ってる。

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オープニングにたくさんお客さん来てくれて良かった。
今年は過去イチで制作ペースがキツく子育ても重なって、これ以上やるとマズいなという限界ラインがみえた感じがあったが、この展示でようやくピークを抜けた。
そのせいかドイツではいつものように美術館ギャラリー漬けというモードではなく、ゆっくり歩いたりしている。

国際線は何年ぶりだろう。2019年以来かな。ハンブルクは2018年ぶり。念のため2週間前に4回目ワクチンオミクロン対応のやつも打ってある。
戦争の影響でフライト時間も長くなり、出発から到着まで約25時間だ。


新千歳空港ではチェックインが行列。ほとんどが香港からの人かな。もうこんなに北海道と行き来している人が増えたんだな。ゲートの周りのお店が閉まっていて、コーラ一本買うだけで200mも歩く羽目に。機内ではラッキー、三列シートの端で真ん中ひと席空席だった。

香港国際空港乗り換え。トランジット中のお店がほとんど閉まってるのは、深夜だからなのか、コロナ対策なのか。ああ今度は4列シートの2列目だ、トイレに行きづらいな。
なぜかスターウォーズのプリクエルを見始めてしまう。どこで何度見てもやっぱりいいんだよな。
航路はどの辺を飛ぶんだろう。追っていると地図上で見る限り、思っていた以上にロシア国境ギリギリを飛んでいる。コーカサス山脈南から、黒海の南側へ。、同じ海の北側ではミサイルが飛んでいるのかと思うと、飛行機という乗り物が持つ独特の距離の感覚の不思議さを思う。それにしても、機内食の美味しい航空会社だな。さらにルーマニア上空に抜け、ドイツへ。


フランクフルト空港乗り換え。早朝なのにたくさんお店が開いている。やっぱりアジアに比べて欧州の方がもう開放的になってるのかな。ギリギリのトランジットで焦っていたら、ブルガリアの青年に気にかけられ、大丈夫だよよくあることだから、と一期一会な会話が弾んだ。

そしてハンブルク空港。国際便に乗る感覚を取り戻しているうち、あっと言う間に着いてしまった。

昨年度まで僕は、札幌文化芸術未来会議のメンバーとして色々ディスカッションしてきたのですが、未来会議の働きかけによって今年度から芸術従事者の方々向けに、札幌市の新しい助成金制度「札幌市文化芸術創造活動支援事業」が生まれました。

その仕組みは、札幌市が専門性の高い中間支援団体を公募し、審査に通った中間支援団体がそれぞれの方法で、芸術従事者向けの助成金を分配するというものです。

先日、その中間支援団体4組が採択されました。
市のウェブサイトにも公開されていますが、
(市サイト↓)

4団体はそれぞれ、
○一般社団法人AISプランニング ​

○HAUS(Hokkaido Artists Union Studies)​

○一般社団法人PROJECTA​
※2022年9月1日公募開始予定​

○公益財団法人北海道演劇財団​
※2022年9月1日公募開始予定

となっており、AISとHAUSはすでに公募を開始しています(上記リンク参照)。


この事業は、札幌市で芸術活動に携わっている市民からのアンケート結果を反映させて生まれたものです。現場の声が反映されているので、従来の助成システムよりも当事者が応募しやすく使いやすい形式になってると思います。
なので、コロナ禍で困っているたくさんの芸術従事者の方々に情報が届いて、応募していただければ、会議で色々言ってきた1人としても嬉しいので、関係する皆様にもどんどん情報を拡散していただけるとありがたいです。


初年度の試みでまだ認知度が低いこともあり、
8月31日、次の水曜日に、
助成プログラムについても合同説明会が急遽開催されるようです。​

オンラインでも視聴可能、
現地に行くと個別相談などもできるようです。​
以下、合同説明会のお知らせを転載します。​
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「札幌市文化芸術創造活動」中間支援団体による​
【助成プログラムの合同説明会&相談会】開催!​
あなたにピッタリな助成金がきっとある! ​
今年、札幌市は新たな発想に基づいた「文化芸術の助成プログラム」をスタートしました。民間の4つの中間支援団体が文化芸術活動の現場の皆さんの声に耳を傾けて、札幌の実情に応じた「助成プログラム」を実施するものです。​
そこで、8月から募集が始まった、「文化芸術の中間支援組織」それぞれの助成プログラムの全てを知っていただきたく、担当者が皆さんに直接紹介する機会を用意させていただきました。​
札幌を拠点に活動している民間の中間支援団体が考えた助成プログラムは、行政の既存の助成金事業と何が、どのように、違うのでしょうか。​
各団体が助成プログラムの目的や期待する効果等の違いを説明しますので、ぜひ会場に足を運んでみてください。あなたにピッタリな助成金がきっと見つかります!​
なお、中間支援団体の担当者と話せるブースもありますので、個別相談できる絶好の機会です。どうぞお気軽にご参加ください。​
‣プログラム ​
18:30〜18:40 「札幌市文化芸術創造活動支援事業」とは​
18:40〜19:40 「北海道演劇財団」、「AISプランニング」、  ​
       「HAUS」、「PROJECTA」の助成プログラム紹介 ​
19:40〜20:00  質疑応答(対面参加者限定)​
20:00〜20:30  個別相談(対面参加者限定)​
*説明会開催時の質疑応答の内容については各団体のHPにて後日公開します。​
‣日時:2022年8月31日(水)18時30分〜20時30分(終了予定)​
‣会場:国立大学法人 北海道教育大学札幌駅前サテライト教室1​
   (札幌市中央区北5条西5丁目7 sapporo 55, 4階)​
‣参加方法:ハイブリッド(対面・オンライン)​
 *当日はYouTubeでライブ動画配信を行いますが、アーカイブ配信を後日視聴することも可能です。​
 *開催前日までに、当日視聴用のURLをメールでお届けします。​
‣主催:北海道教育大学岩見沢校芸術文化政策研究室、一般社団法人AISプランニング、一般社団法人PROJECTA、Hokkaido Artists Union Studies(HAUS)、公益財団法人北海道演劇財団​
‣お問合せ:min.jinkyung@i.hokkyodai.ac.jp(北海道教育大学・閔 鎭京)​
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ファンダメンタルズ
という、科学者とアーティストが対話をするプロジェクトに今年度参加しています。
https://www.fundamentalz.jp

それで先日、科学者とアーティストの直接の対話の場となる、ファンダメンタルズバザールというイベントに参加するため東京へ。
自己プレゼンが20分。参加科学者の中で僕との興味関心に共通性のあった宇宙論の難波亮さん、神経科学/計算論的音楽学の大黒達也さん、それぞれと40分ずつ対話。
数学者の巴山竜来さん&哲学者の桑原俊介さんとの3人90分対話。
自身の対話パートがない時は他参加者のプレゼン対話を傍聴、といった具合に2日間みっちり対話がつづきました。
今まで話す相手が少なすぎてただ溜めるだけだった科学トピックの領域が開けそうでかなり高揚しました。見えない事象をみる感度をビシビシあげていきたい。

今回のイベントはいわばお見合いのようなものでまだこれスタート地点、ここから希望ペアを要望し、ペアが成立した場合、交流を一年続けることが本編となります。
反省メモとして、、
・数学者×哲学者×美術家のとき、モンドリアンの話がでてかなり雑に流してしまってたなと考えている。方眼と黒線の一マスずらしテクとか、ブロードウェイブギウギの読みきれない多数の揺らぎ要素などから、デジタルやコンピュータとの比較ならモンドリアンはむしろあまり適してないかも、などと投げてみたかった。
・自分への質問回答に必死で、こちらからの質問が減り気味になってしまった。もっと聞きたいことがたくさんあったのに。

というわけで、その対話を録画した、
「ファンダメンタルズ バザール一般公開2022」がyoutubeで限定公開されました。
2日間限定で、哲学者を媒介とした、科学者とアーティストの対話6篇を配信しています。
僕が参加した対話は、
巴山竜来(数学/グラフィックスプログラミング) × 山本雄基(アーティスト) × 桑原俊介(美学)
となっております。
開催期間:20228月6日(土)10:00〜7日(日)24:00
(追記: 8月16日まで再公開されることになりました!) 
以下のリンクよりぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/c/ファンダメンタルズ

板室温泉大黒屋での個展、ギャラリー門馬での個展がともに始まりました。

ここ2年くらいの間に、自分専用のPCアプリケーションを同じスタジオのプログラムが組めるアーティスト大橋鉄郎くんと共同開発して、乱数による描画システムが完成。このシステムを使った作品も両会場で半数くらい展示しています。例えばレイヤーの数とか、各層における円の最大最小サイズ、各層における円の数、色の範囲、などを数字で入力し、ボタンを押すと、ランダムで円を配置して作品の素を作ってくれるみたいなやつです。ほとんどはヒドイ構図の出来なのですが、たまにビビるくらい良い構図を提示してくるので、そういうのを採用してるうちに、ああ無意識的に避けてた円の置き方がかなりあるんだなとか、まだこういうバランスの取り方があったのかとか、アプリを使った場合と使わなかった場合では、自意識がどこに働くかの位置が変わるんだなとか、発見が次々にでてきて面白いです。自動描画システムを使ってるのに、結局プロセスが全く楽にならないどころか複雑化してしまったこともまた想定外ですが。デジタルプロセスの介入具合と自意識の往来の感触なども含めご鑑賞いただければと思います。

山本雄基個展
2022年6月9日(木)-7月4日(月)
11:00-18:00 火曜、水曜休廊
GALLERY MONMA
064-0941
札幌市中央区旭ヶ丘2丁目3-38

山本雄基展
2022年6月3日(金)-6月27日(月)
作家在廊 6月3日、4日、5日
会期中の休館日 6月14日、15日、16日
※6月3日、6月17日のみ 12時から開館
板室温泉大黒屋
325-0111
栃木県那須塩原市板室856
www.itamuro-daikokuya.com

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しかし、子育てしながらのダブル個展の準備はなかなかしんどかった、、、!
が、家族の多大な協力でなんとか乗り越えられた。
こういう状況でどこまでできるかの確認も込めて自分に負荷をかけてみたかったのかも、とも今更思ったり。
今年はまだまだ制作と展示が続きそう。 

育児で朝型生活になった影響で、朝ドラをみる習慣がついたのだが、
「おかえりモネ」が素晴らしかった。何が素晴らしいのか書くにはもう少し時間が必要、、、
一つのコンテンツにこんなに長期間没入したのは2017年のゼルダBotW以来だ。
物語オンチな自分がまさか長期の連続ドラマにハマる日が来るとは。
最終回だった今日から高木正勝のサントラもサブスク解禁で、早速これ聞いてたらNHKオンデマンドで2周目いきたくなるな。

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