チェルシーから歩いてとりあえずMOMAへ向かう。
なかなか寒い朝だけど、歩きたかったのマンハッタン。
子供の頃、「ニューヨークに行きたいかー!」という
某巨大クイズ番組があった。毎回楽しみにしていた。
あれがNYに行きたいと思わせる初期衝動だったに違いない。
あれを見てたか否かでアメリカに対する意識はだいぶ変わるんでないか。
自由の女神には行ってないし今回も行かないけど…。
しかしまさか2回目、しかも美術目的で来る事になるとはな。
MOMA。
あら、インフォメーションの上にクリストファー・ウールのイケてる抽象!
ウール作品もだいぶ見たなあ。やっぱりこの抽象シリーズがかなりいい。
6年前のMOMAは改築後まもなかったので
各方面からの展示構成の悪評を聞いたが、それでも初めてだったので驚きの連続だった。
あの時マティスの部屋に感動しすぎて自分の絵画観が変わって修論もマティスを書いて
今もマティス作品は1つでも多くみておこうといろいろ回ってるのだ。
今回はそのマティス部屋に、ダンス1も移動していたし
(前回はハズレの階段のとこに高く架けられていてとても遠くて見ずらかった)、
念願のピアノレッスンもあったので大満足。
しかも隣の部屋ではムンクの小企画をやっており、俺得ゾーン…。
マティスとムンクは同時代だし、薄塗り基本の装飾的バランスに共通したニオイがある。
でも表と裏みたいな。南と北、人格者と狂人、みたいな。
あとモンドリアンの部屋、モンドリアンも各地で見て来たが
MOMAだけがガラスに入れない剥き出し展示をしてて見やすい。
ブロードウェイブギウギ、やっぱステキだ。
その他前回との比較で少し思った事をちらりとメモ。
全体的に前回よりも流れが良い気がする。
60年代以降は今も細かく並びを組み替えているんだな。
ポップの後に、FRPとか新素材使った系のアメリカ西海岸ムーブメントの部屋があったり、
ボイスからポルケあたりのドイツ部屋などがあったり。パレルモの作品も。
ポルケはなんかスパイダーマンの微妙な作品が展示されててやや残念。
ただ、60年代以降は作品に必要なスペースもデカくなってるので、
すでにこの部屋数ではフォローしきれていないような感じもした。
2階が現代の部屋だけど、
今回のラインナップはサーレ、ロンゴ、G&G、
など80年代つまみ食いと、ドイツ・ケルン周辺に限った部屋など。
わざわざドイツから来てドイツ部屋を見せられるとなんとなく損な気が。
アルバート・オーレンのこれはなかなか。
あとはマシューバーニーの微妙な小作や、
すでにいろんなトコで同じ様なインスタレーションを見て
割と飽きちゃったティスマンスのいつものやつなどが並ぶ。うーん。
小泉明郎さんの展示ゾーンがあって、すげえなあ…て思った。
作品もおもしろいし。
上階の企画展示は撮影不可なので入り口だけ。
まずTOKYO展。
ユニクロが協賛企業になってるのか。
かなり詰め込んだ展示で疲れる。作品ラインナップはおもしろく
この中身だともっと広い空間が必要と思う。
それよりも個人的に超ヒットだったのだその隣の部屋でやってた
INVENTING ABSTRACTION1910-1925という展示!
渋い抽象画がメインで、ピカソの分析的キュビズムをスタートとして
画面内の色面形態がザクザク分裂しまくってる絵画ばっかり
ズラリと並んでいて思わず笑ってしまうほどのマニアックな内容。
この絞ったテーマのしつこさがすごく丁寧で企画展の意味を思い知る。
時代的には第一次世界大戦を挟んでいる時期だけど、
そういう時にエッジが効いてやたら分割線が多い抽象を描いてる画家達が
こんなにもいたんだという、別視点ての時代の証明になっているのも面白い。
別視点って例えば飛行機などの速度や空気を切るエネルギーとか、化学兵器の登場とか、
人が扱うスケール感の変化など決してそれらを直接テーマにしているわけではないのだろうけど、
個人の感覚レベルでリンクしちゃってるように見える。
個別の作家ではクプカやドローネーの他にもDavid bomberg、Vanessa Bell、
Ivan Klium、Georges Vantongertooなどグッときた。
あと、この時期のデュシャンの絵画はやはり出来が良い。
フィラデルフィアでは見れなかった回転マシーンもこっちで見れた。
展示は実験音楽や演劇の映像等も交えながら
レジェやピカビア、ロシアアバンギャルド、
デステイルと流れて行って抽象アニメーションあたりで締め。
いやあ参った。
同時期のピカソやマティスは最後まで抽象を選ばなかったし
だから最初のピカソ以外は展示の中には組み込まれていないけれど
そのパラレルな感じも脳においておかねば。
2013年にまさに色面ザクザクで地味な抽象をやってる自分にとっては
なんというか勇気の湧く内容な反面、さあ今地味抽象やってどうすんべ、
というプレッシャーも同時に感じる。
図録もあります↓
夜はDCに続き2度目の伊藤先生達と飲みアゲイン。
待ち合わせ場所までまた歩く。夜の中心部はモニタだらけで明るすぎ。
黒いゴミ袋の山も懐かしい。
先生達は明日日本に帰国との事。
アメリカらしい肉をほおばりつつ、ここ数日の情報交換いろいろ。
あとは先生の2012年の活動が活発すぎて気になっていたので
作品の話をいろいろ聞きまくった。
なかなか寒い朝だけど、歩きたかったのマンハッタン。
子供の頃、「ニューヨークに行きたいかー!」という
某巨大クイズ番組があった。毎回楽しみにしていた。
あれがNYに行きたいと思わせる初期衝動だったに違いない。
あれを見てたか否かでアメリカに対する意識はだいぶ変わるんでないか。
自由の女神には行ってないし今回も行かないけど…。
しかしまさか2回目、しかも美術目的で来る事になるとはな。
MOMA。
あら、インフォメーションの上にクリストファー・ウールのイケてる抽象!
ウール作品もだいぶ見たなあ。やっぱりこの抽象シリーズがかなりいい。
6年前のMOMAは改築後まもなかったので
各方面からの展示構成の悪評を聞いたが、それでも初めてだったので驚きの連続だった。
あの時マティスの部屋に感動しすぎて自分の絵画観が変わって修論もマティスを書いて
今もマティス作品は1つでも多くみておこうといろいろ回ってるのだ。
今回はそのマティス部屋に、ダンス1も移動していたし
(前回はハズレの階段のとこに高く架けられていてとても遠くて見ずらかった)、
念願のピアノレッスンもあったので大満足。
しかも隣の部屋ではムンクの小企画をやっており、俺得ゾーン…。
マティスとムンクは同時代だし、薄塗り基本の装飾的バランスに共通したニオイがある。
でも表と裏みたいな。南と北、人格者と狂人、みたいな。
あとモンドリアンの部屋、モンドリアンも各地で見て来たが
MOMAだけがガラスに入れない剥き出し展示をしてて見やすい。
ブロードウェイブギウギ、やっぱステキだ。
その他前回との比較で少し思った事をちらりとメモ。
全体的に前回よりも流れが良い気がする。
60年代以降は今も細かく並びを組み替えているんだな。
ポップの後に、FRPとか新素材使った系のアメリカ西海岸ムーブメントの部屋があったり、
ボイスからポルケあたりのドイツ部屋などがあったり。パレルモの作品も。
ポルケはなんかスパイダーマンの微妙な作品が展示されててやや残念。
ただ、60年代以降は作品に必要なスペースもデカくなってるので、
すでにこの部屋数ではフォローしきれていないような感じもした。
2階が現代の部屋だけど、
今回のラインナップはサーレ、ロンゴ、G&G、
など80年代つまみ食いと、ドイツ・ケルン周辺に限った部屋など。
わざわざドイツから来てドイツ部屋を見せられるとなんとなく損な気が。
アルバート・オーレンのこれはなかなか。
あとはマシューバーニーの微妙な小作や、
すでにいろんなトコで同じ様なインスタレーションを見て
割と飽きちゃったティスマンスのいつものやつなどが並ぶ。うーん。
小泉明郎さんの展示ゾーンがあって、すげえなあ…て思った。
作品もおもしろいし。
上階の企画展示は撮影不可なので入り口だけ。
まずTOKYO展。
ユニクロが協賛企業になってるのか。
かなり詰め込んだ展示で疲れる。作品ラインナップはおもしろく
この中身だともっと広い空間が必要と思う。
それよりも個人的に超ヒットだったのだその隣の部屋でやってた
INVENTING ABSTRACTION1910-1925という展示!
渋い抽象画がメインで、ピカソの分析的キュビズムをスタートとして
画面内の色面形態がザクザク分裂しまくってる絵画ばっかり
ズラリと並んでいて思わず笑ってしまうほどのマニアックな内容。
この絞ったテーマのしつこさがすごく丁寧で企画展の意味を思い知る。
時代的には第一次世界大戦を挟んでいる時期だけど、
そういう時にエッジが効いてやたら分割線が多い抽象を描いてる画家達が
こんなにもいたんだという、別視点ての時代の証明になっているのも面白い。
別視点って例えば飛行機などの速度や空気を切るエネルギーとか、化学兵器の登場とか、
人が扱うスケール感の変化など決してそれらを直接テーマにしているわけではないのだろうけど、
個人の感覚レベルでリンクしちゃってるように見える。
個別の作家ではクプカやドローネーの他にもDavid bomberg、Vanessa Bell、
Ivan Klium、Georges Vantongertooなどグッときた。
あと、この時期のデュシャンの絵画はやはり出来が良い。
フィラデルフィアでは見れなかった回転マシーンもこっちで見れた。
展示は実験音楽や演劇の映像等も交えながら
レジェやピカビア、ロシアアバンギャルド、
デステイルと流れて行って抽象アニメーションあたりで締め。
いやあ参った。
同時期のピカソやマティスは最後まで抽象を選ばなかったし
だから最初のピカソ以外は展示の中には組み込まれていないけれど
そのパラレルな感じも脳においておかねば。
2013年にまさに色面ザクザクで地味な抽象をやってる自分にとっては
なんというか勇気の湧く内容な反面、さあ今地味抽象やってどうすんべ、
というプレッシャーも同時に感じる。
図録もあります↓
夜はDCに続き2度目の伊藤先生達と飲みアゲイン。
待ち合わせ場所までまた歩く。夜の中心部はモニタだらけで明るすぎ。
黒いゴミ袋の山も懐かしい。
先生達は明日日本に帰国との事。
アメリカらしい肉をほおばりつつ、ここ数日の情報交換いろいろ。
あとは先生の2012年の活動が活発すぎて気になっていたので
作品の話をいろいろ聞きまくった。