やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

札幌から台北までは関空経由の便だったので、帰りに大阪に寄る。

ちょうど今年ホルベインスカラシップ奨学生にも選ばれたり特注品をお願いしてたり何かとご縁のある、ホルベイン工業の絵具工場見学目的だ。

観光ではまず行かないだろうエリアに赴くと見えてきた工場。これはテンション上がりますわ!
初めて見る専門の機械が並ぶ中で、担当の方から説明を受ける。
顔料とエマルジョンを精細に混ぜるローラー、 混ぜた絵具から気泡を除去するための真空機、耐光性をチェックするための箱、粘度を調べる機械、、、次々に繰り出される色の品質安定や発色へのオタク的アプローチの数々。質疑応答はつい延長戦、授業状態となる。

以前、ドイツで大きな作品を購入してくれたお客さんから、とにかく耐久性のことを何度も聞かれたことがあった。この絵画は10年保つか?パネルはどんな素材か?絵具はどこのメーカーのどの種類か?などなど。その時の回答として、同じ素材と同じアプローチで作った7年前の作品は劣化していないことを確認しているので最低でも7年は大丈夫とか、使ったメーカーの画材は口頭で説明したのち素材を写メして後でギャラリーに送ったりした。
そんな質問は初めてだったが、そりゃそうだ、100万円レベルの買い物だもの確認人できることはしておきたいよね。。。
それ以来、素材に対する自意識を強めに持つようにしていたので、今回の訪問は悲願であった。
直接画材研究しているメーカーとの関係性を持てる強みよ。ありがたい。
 
絵具製造過程の中には想像以上に手作業感も多く、僕の特注絵具を混ぜてくれている技術者さんからは「これはじゃじゃ馬って呼んでるんですよ(笑)」と。混ぜ方を間違えると、ある粒子が摩擦で熱を持ってしまって均等な粘度にならず塊が発生するんだって。最近ようやくそのさじ加減がわかってきたんだとか。ふへ〜、頭が下がります。。。
化学実験室のようでありながら、町工場的なアナログ感もあって、絵具に対する愛着が全く変わってくる。アクリル絵具はいかにも工業的でそこが気に入っているんだけれども、それでいて絵具そのものに人の気配を意識することができるようになったのは大きいなあ。 

同じ日の僕が来る前にも、外国の絵描きさんが工場見学に来てたらしく定期的な見学需要があるようだ。
北海道からはなかなか遠いけど、今は飛行機も安いし画学生有志で団体見学ツアーとかオススメしたい。 

台湾ももう3度目だ。出張感があります。台北の街歩きも慣れてきた感じ。

今回は台湾で一番規模が大きくレベルも高いアート台北にAdmira Galleryより参加するのが目的だった。
会場に着いてみると、初対面、ギャラリーの通訳係としてL君が入ってくれていたので、言葉の問題がめちゃくちゃ楽!
L君は日本に2年滞在してたらしく、にしても信じられないくらい日本語が上手い。敬語とタメ口も完全に使い分けている。。。すげえっす。普段はフリーでデザインライターなど色々やってて、日本と台湾のデザイン他文化紹介のためのウェブサイト運営もしてる。(http://designsurfing.biz/about/) 頼もしい。

ブースの壁が高くてなかなか綺麗だ。会場もデカイし通路も広く、フェアにしては随分見やすい。
Liang galleryのHSU-Chia-Weiの映像作品や、日本から日動コンテンポラリーの坂本和也さんの大作などがざっと見て回った感じいいなあと思うなど。
自分のお向かいにはパトリシアピッチニーニの作品が!久しぶりに見た。
当時よりフィクション要素20パーセントくらい減らした感じ。

時間が少しあったので、台北ビエンナーレも鑑賞する。
うーん、前回の台北ビエンナーレがやたら面白かったので、
それと比べると印象が落ちてしまうな。ポリティカルでリベラルな側面が強めなんだけど、
飛行機でこっちに向かってる間にアメリカでトランプが大統領選に勝ったというタイミングだったので、
なんだか時代の方が先に行ってしまった感じもして。
ここでもフェアで面白かったHSU-Chia-Weiの映像が好印象。台湾イチオシの作家なのだろうか。

その他ギャラリー巡りも何件か。特に印象強かったのは、誠品画廊(ESLITE GALLERY)。
フェア会場からも近い市政府エリアにある誠品信義店というめちゃデカい本屋兼オシャレな雑貨屋さんもいっぱい入ってる面白いデパートがあるのだけど、なぜかその最上階にこのデカいギャラリーがある。日本のデパートのギャラリーのような類では全くなくて、明らかに国内有数の現代美術の企画ギャラリーだ。僕が見た時はマイケル・リンの新作展をやっていた。 
台北のギャラリー事情、次回来る時はもうちょっとリサーチしたいな。

ちょうど同じ時期に、けん先輩も台北国際芸術村でレジデンスに参加していたので現地で乾杯!
作家活動してて異国で再会なんて嬉しい話だ。
レジデンススタジオに入れてもらったけど、制作環境として充分なスペースでした。
レジデンスによくいるリサーチタイプではなくて、工具もがっつり持ってきてモノとしての作品をいつも通り作っていたけん先輩。レジデンスでもこういうアプローチは可能だということ。
けん先輩に、隣のスタジオの韓国のペインターYoon Jongseokさんを紹介してもらって盛り上がる。
絵の具を注射器に入れて、それでのみ描写をしているので極細なラインの集積でイメージが出来上がっていた。けん先輩と同じく、がっつしモノ作る系同士気が合うんだそう。いいなあ。
 
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ずいぶん前に地元の伝説のラーメン屋のことを書いた。
この記事は6年経った今も定期的にアクセスがある。
http://yamamotograyzone.ldblog.jp/archives/51983583.html

あれ以来僕は寶來(宝来 ほうらい)ロスとなり、ラーメンというジャンル自体に対するある種の諦念すら感じていた。

ところがである。
お盆で帯広に帰省した先日、寶来の魅力を僕に教えてくれたM君から衝撃の情報が伝えられた。
寶来の味を再現した「衆來(しゅうらい)」というラーメン屋がつい最近オープンしたというのだ。
すでに食したM君が言うには再現率は88%とのこと。

本当なのか。こんな奇跡が起こるのだろうか。
いったい誰がどう情報を知り、M君まで届くに至ったのか。そして誰がどんな経緯でお店を始めたのか?
次々と浮かぶ疑問、しかし何よりも今すぐに自分でその味を確かめたい。

翌日さっそく家族を誘い、衆来へ向かった。
住所は西19条南5丁目、春駒通り沿いだ。
あの寶来とは似ても似つかない、シンプルな店内。
入口から臭い蒸気も出ていない。
メニューには、寶来では隠れメニューになっていた「シナチクラーメン」の表記が。
厨房に立っているのは若いお兄さんで、彼がラーメンを作っているようだ。
本当か?本当にここであの味をまた体感できるのか?注文待ちの時間もまだ信じられない。 

ついに目の前にシナチクラーメンが現れた。息を飲む。
見た目や臭いは確かに近く、期待に胸が躍る。
こんなに全集中力を注いでの食事の機会はなかなか無い。
寶来では定番だったホワイトペッパーをしっかりと振りかけて、実食!!!
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夢ではないのか。。。確かにこれは寶来の味だ。
謎の酸味と爽やかさ、そしてゴボッと口に入ってくる極太麺。
欲を言えばもう少し味を濃く、シナチクもより細かく裂いてくれれば文句無し。
それでもこれは唯一無二、あの寶来を継いだ味に違いなかった。美味しい。
母も妹も、もちろんM君も同じ感想だ。
しかしあまりの胸の高揚に、まだ状況を把握できていない。 
だってこんなに嬉しいことがあるかい。
美味しいだけではない。奇特な体験の記憶が鮮明に蘇るんだ。
 
母も早速友達の寶来ファンにLINEで伝えたところ、
その友達は情報だけで涙がでてきたそうだ笑

M君も感動しすぎて3日連続で食べていたようだ。少し濃いめと注文すると再現率はさらに上がるらしい。
僕も負けじと翌日、札幌に帰る前にまたどうしても食べたくて再訪し、濃い目注文で食べた。うーん、確かに昨日より近いぞ。
あとは時間が経って発酵成分が熟成したら完璧ではないか。静かな興奮が収まらない。
店内にいるお客さん達のオーラ、聞こえてくる会話の断片に寶来ファンとしての一体感が伝わってくる。

これは大変なことになるぞ。今おそらく帯広中、水面下でこの情報が広まっていることだろう。
なにせ寶来の閉店時には地元の地方紙かちまいで特集されたほどである。 

結局このお店が始まった経緯は謎のままだ。謎のままの方がいいのかもしれない。
ただこの味を再び帯広に復活させたいという願望が継続して存在したままで、
その願いを形にした衆来は、多くの人達を救済するに違いない。
僕もこれからは帰省の度に必ず通う事になるだろう。
大変な決断をされた若い店主さんを、全力で応援したい。 

(追記:2017年1月4日、再訪。新年開店と同時に入店、満席である。シナチクラーメンは表メニューとしては消えており、シナチクは細くなり、もう濃いめで頼まなくても良いように味がチューニングされていて完璧でした。)

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衆來
西19条南5丁目24-19
11:30-14:30
17:00-20:00
水曜、第2第4木曜定休(水曜祝日の場合は翌日) 

先月にギャラリー門馬より参加したアートフェア東京。
今年で3回目の参加で今回はソロ展示。毎年続けて出品すると認知のされ方も変わってきたなという実感があった。めちゃくちゃ熱心なお客さんにも出会えたり、今月の個展への問い合わせなんかにも繋がったりしているようで、札幌からの攻めの姿勢モデルの一つになるのではないか。
 

ところでそのフェアの時にひとつだけムッときたのは、某ギャラリーツアー団体様がやってきて、ガイドさんが僕らのブースの前で説明を始めた時だった。
僕はギャラリースタッフのフリしてどんな解説しているのかをこっそり聞いていたところ、たまたま向かいのブース展示だった「具体」の展示と比較して、
「コッチ(僕側)の水玉作品はカラフルでキレイでわかりやすい、誰でも目に留まる。一方アッチ(具体側)の作品はパッと見ただけではわかりにくいけど、アッチこそが玄人向け」
といったようなことを仰られていた。
ゴラア!!誰よりもパッと見で判断してるのオメエだろ!!せめて近くで20秒以上見んかい!今から一緒にこれから一緒に殴りに行こうかYAHYAHYAHと思うに留めてガイド氏をそっと睨みつけておいた。そのガイドさんは某ギャラリストだと思うんだけど。
「具体」と比較されるのは構わないし、単純にキレイだな〜と思ってもらうのもいいことだ。しかしこのように、いかにも現代美術わかってますという方に「卑下的な意味でただの装飾」と判断されるのがとっても許せないわけで、ましてそれをお客さんに説明するなどとんでもないことだが、そんな話は100年くらい前にピカソとマチスが散々議論してるだろとも思いつつ、あまり僕自身でグチグチいっても仕方が無いのだ。だいたいどの美術家さんだって、自分の作品こそはただの装飾なんかじゃねえとか思っているので、井の中の蛙の可能性があるものだ。だから次の目標はちゃんとしたレビューや展評の掲載かな。

しぶとく長期戦のアプローチを続けるのみ。

山本雄基展
 
会期  2016年6月18日−7月18日(休廊日6/20, 6/27, 7/4, 7/11)
時間  11:00−19:00
OPENING RECEPTION 6/18(土)18:00〜
会場  ギャラリー門馬 
札幌市中央区旭ヶ丘2丁目3-38 TEL:011-562-1055

http://www.g-monma.com 

一周して、最初のステージの裏ボスを倒せないまま、時間に余裕がなくてやらなくなった。
このゲーム、この裏ボスを倒せるようになったら完全に馴染めて面白くなるのだと思う。
ラジコン飛行機のような客観視点モードと、独立した照準移動の組み合わせ。
一周目のベノムでのスターウルフ戦及びラスボスあたりでようやく操作のクセがつかめてくるまでは、
とにかく慣れない。しかも他にこのような操作のゲームが思い当たらないので、このままやらなくなればすぐに操作を忘れそうだなあ。
Wii Uゲームパッドを活かしたゲームという命題に、こんな変化球な回答って! 
少なくとも、ハード売り上げを引っ張るような内容では無い。

僕は宮本さんファンだが (と言っても全てのゲームをプレイしているわけではないので胸は張れない)、
ピクミンあたりから宮本さんがメインで関わるゲームの方向性が随分変わったような気がする。
そしてそれらのゲームが僕はちょっと苦手。
とっつきにくい操作とシステムなので慣れるまでに時間がかかり、
そこまでの時間をゲームに使える状態じゃないからというのが理由で、
仮に時間があってみっちりそのゲームと向き合えば楽しめるのかもしれない。
DSやWiiでゲーム人口の拡大路線を実行しつつ、
かといってコアゲーマー向きでもない妙な操作系のゲームを好んで作っているって、
作家性が以前より増したんだと思うし、巨匠の後期っていう感じがすごくする。
まあでも、そういうとこ含めて尊敬の念は変わらないなあ。
ピクミンは可愛さで何とかなってても、トッツキにくい作品はあんま売れてないってのがちょっと悲しい。

従来の任天堂路線はスプラトゥーンで確信犯的に、下の世代に託した感あり。

板室温泉大黒屋さんのブログで、
個展に合わせてインタビューを公開して頂いております。
http://itamuro-daikokuya.blogspot.jp/2015/11/blog-post_29.html

ここ1年くらい、どうもネット上に自分の言葉を残すことに抵抗を感じていたので
当ブログでも更新頻度が下がり気味。
なのでこのインタビューにいろいろまとめてもらった。
文字起こししてもらった後の校正にもたいへん時間をかけてもらってありがたい。
ハンブルグの個展に合わせてヨーロッパ移動してる最中に電車酔いしながら原稿チェックしてました。
中身も長くなってしまった。最後まで読んでくれる方は果たしているんだろうか。
というわけでツッコミお待ちしております!!
 

ホルベインスカラシップに受かった!
http://www.holbein-works.co.jp/topics/547-20151125csr30.html

ホルベイン工業さんありがとうございます。
先日のメディウムの件といい、連続して助けていただけるなんて嬉しい話です。
学生時代から応募してたものの落ち続けてたなあ。
何回くらい出してきただろう、今回で4回目くらいかな?
いやまあようやく。。。粘り勝ちって感じだ。



[個展のお知らせ]
Infomation of my two solo shows in this November.

◎山本雄基 作品展
2015年11月1日(日)~29日(日)
アーティストトーク 7日(土)20:00~
板室温泉大黒屋
栃木県那須塩原市板室856番地
Yuki Yamamoto Exhibition
1st - 29th. November, 2015
Artist Talk: 7th,Nov 20:00~
Itamuro Onsen Daikokuya
856-Itamuro, Nasushiobara-shi, Tochigi, Japan
http://www.itamuro-daikokuya.com



◎Yuki Yamamoto Solo Exhibition
MALTIFACETED ACTS
opening party : 13.Nov 2015 / 19:00~
14th. November - 17th. December, 2015
MIKIKO SATO GALLERY
Klosterwall 13, 20095 Hamburg, Germany
http://www.mikikosatogallery.com/…/13_novemb…/2015-11-13/74/



11月に栃木とハンブルグにてそれぞれ個展があります。
どちらもほぼ新作15点程度になる予定です。
ぜひご覧ください。

先日結婚式を挙げました。
僕のような美術家でも結婚できるんですね。
受け入れてくれた妻には感謝しかありません。
お付き合いしている方のことをこのようにブログとか、友人に話すとか言った時、
「彼女」とか「恋人」とか、言いづらい感覚があったのだが、
結婚することで「妻です」「配偶者です」て言えるようになるのが地味に助かる。

昔々、某オトナの人と飲んでた時に、美術云々の話の流れで「結婚とかすればいいんだよ!」と言われたので、「結婚てどうやったらできるんですか!」 と聞いたら、
「簡単だよ!役所に紙を提出すりゃできるんだよ!」と言われた。
そりゃ確かにそうだけど、その紙の提出までが簡単じゃない笑。 
簡単じゃなさは、
・結婚の意思の同意をとる段取り
・指輪でもなんでもいいけど担保的な証明態度
・親にあいさつする段取り
・結婚式やるやらないでひと揉め
・結婚式どこまで呼ぶでふた揉め
・お金とかどうするの会議
・その前になによりリボ払いを止めろ各約
、、、など、細かくあげれば色々あったはずが、
いまこうやって後出しで書いてもすでにけっこう忘れ始めている。

書いておきべき勉強になったことは、
結婚式やりたくねーとひたすら駄々をこねた僕に、
「自分らのためにやることではない。社会、および普段お世話になってる人たちによろしくお願いしますと報告、承認してもらうための場なんだから、アンタのやりたくない意思など、どうでもいいんだ」(超訳)
っていう感じで妻に諭されたことだろうか。
あんまり余計なことを書くと自分だけの問題でもなくなってくるので、
この辺にしておきまして、、、

みなさま今後ともよろしくおねがいいたします。





 

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