やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

3日目、朝から豪華な朝食を頂き檜風呂を満喫。のち、皆さんと菅さんの作品が大量に保管されている倉庫美術館ツアーへ。
大きなインスタレーション数作品と、壁の小作品が100点くらいズラリと並ぶ。素材のフェチ感覚と、作業痕跡と物質の構成や関係に没頭してる感じが伝わる。

これらの作品群を眺めながら大黒屋公募で選ばれた今までの作品群を頭に浮かべると、なんとなく、選ばれた理由がわかる気がした。

すっかり満喫し、皆さんにお礼。新幹線で再び東京へ向かう。強風にヤられたのか、目眩と頭痛でフラフラになりながらうたた寝しつつ、上野到着。なんと暖かい!マフラーとかアホのようだ。VOCA展を見る。

札幌で会って以来、大野智史君の作品ファンなので彼の作品を見るのが目的。デカい!!
ポートレイトの作品、目眩状態の自分をさらにグラグラにしてくる。
う〜んしかし、展覧会全体としては正直ちょっと違和感!

長谷川等伯も見たかったけど、混んでそうで時間が無いので泣く泣く断念…

上野駅のホームで大学の後輩坂本っちゃんと山本さんに偶然遭遇!目がテンになって幽霊を見てるような眼差しの坂本っちゃん。一瞬だったが会話できて良かった、なんとか絵も描いてるみたいだ。

そこから川崎まで向かい、岡本太郎美術館に太郎賞を見に行く。
後輩で現在登り竜の東方悠平君が入選してます。彼の展示はちょっと可哀想な収まり方だったけど、それでも十分に可笑しいインパクトで1人で笑ってしまった。
勢いのあるエネルギーな作品が多くて刺激的。コンペや作品の中身やアートの文脈について色々考えた。

太郎美術館は大学2年生の時以来約8年ぶり。赤い入り口が懐かしくて感動した。岡本太郎については個人的に思い入れが強く、常設展で昔を思いだしながら熱くなったので、後で改めて書こう。

東京に戻り時間ギリギリで2121designsightのクリストとジャンヌクロードで締めようと思い走ったら、なんと火曜閉館ショック!北海道大学でのレクチャーにも行けなかったし今年は縁がない…。

あっという間に時間切れ、エア・ドゥで札幌に戻る。寒い!!雪が懐かしい!
そして気温差に完全ノックアウト、次の日風邪をひいた。


2日目は東京から栃木県那須塩原市まで電車に揺られ二時間半。さらにそこから送迎タクシーで山の間にある板室という温泉街へ。

大黒屋は清流と山のすぐ横にあり、非常に良い雰囲気!社員さん1人1人が挨拶してくれたりで親和的。菅さんの作品が通路にもたくさん。本当に良いところです。

コンペの入選作品は、サイズ制限もあったので小ぶりだけどもハイクオリティで作りこんだ「モノつくり」な作品が多くおもしろかった。1人の作家さんの作品をまとめてみたい。

受賞式では社長と熱いお話を交わし、審査員の皆さんともお話できた。う〜ん、とにかく、これからまた地道に制作して、来年のここの個展でまた勝負。

作家の皆さんは自分も含めて審査員さんに作品ファイルを見せたくて全体的にソワソワしながらも互いにトーク。

ほぼ皆さん学校を卒業して数年経ちながら踏ん張って作品制作を粘り強く続けてる方ばかり、アラサーのフリーターが多くて興奮した。

ご飯もとても美味しくて大満足。温泉なので風呂に入ったら出展作家さんはいるわ 天野さんは入ってくるわ小山さんも入ってくるわで、こんないきなり裸のお付き合いができるコンペはなかなかないのでは!?
82歳の大黒屋常連さんの方ともお話。ここの魅力を語ってくれた。心地よさそうでなんだかいいなあ。

話の流れでさらにその後天野さんの部屋に行き、スリーさんチームと戸田さんチームと飲む。
天野さんの関西ノリに大ウケしながらローカルトークやら美術トークやらに花が咲き、関西チームのトーク力になんとか対抗するため僕は秘伝の下ネタで太刀打ちする(太刀打ちできてたのか!?)

良い夜だったなー


さて 大黒屋の受賞式のため、関東に出向いた。

しかし、年を取るほど飛行機がイヤになってきたなぁ。あの滑走路にでてからグォォっと一気にスピードをあげるとこが特にイヤだ。
自分じゃどうすることもできない圧倒的スピードがかかっている実感が一番ある瞬間だから。飛んで水平飛行してしまえばスピードの実感がなくなっちゃうのがまた恐ろしいのだけど。

着いてまずGEISAI14を見に行った。出展しようかギリギリまで考えて止めたので、実際どんなもんかを見なきゃということで。

ビッグサイトは期待通りコスプレの人たちやキャラの袋をもつ若者がいて、これぞクレイジー東京だと興奮しつつ、それと比べるとゲーサイの会場は割りと閑散としていた…さすがアアト界だ!

ゲーサイは、もっとたくさん作品を見てみたい実力派から、謎の中年さんの暴走表現など様々。あの1人1人が出展料を払ってるのかと考えると、ふーむ不思議だなあ。しかしファイルとか名刺とか置いてるけどインパクトなきゃ容易に素通りされそうで、なかなか難しそうだなと感じた。

その後国立新美術館でアーティストファイル2010を見る。非常に安定感のある内容でおもしろかったー桑久保徹さんの作品、ホンモノ初めて見た。ホンモノ良いなあ。日本人ぽくない空気があった。

O JUNさん、なんか最近東京いくと必ずOさんの展示を見てる気がする!今回のは、展示室に入ると 津波のように絵が押し寄せてくる感じ。あの天井の高い部屋を存分に利用しており、またしても新たな異質の衝撃をくれたのだった。

続いて同行していたYと共にkockaというハイ・アナログな映像チームを組んでるゴンちゃんこと金子さんのカード展を見に丸ビルへ。

ずっと切り絵の作品を作っている。アートな文脈とは違うし非常にかわいらしいモノなので本来僕のようなウサンクサン者は門外漢なんだが、このゴンちゃんの作品、完成度があまりに高いしイメージの作りが丁寧でかわいい。ので素直に驚いてしまう。額に入ってた作品が良かった。

以前見たゴンちゃんの切り絵アニメーションがまたすさまじくて NHKとかイケるよ!て騒いでたら マジでその後デジスタで賞とってた!

その後後輩達となぜかYの兄と飲み、そのまま兄部屋に泊めてもらった。



札幌在住で同い年のいとこに三人目のお子様が生まれて、かつしばらく遠方に引っ越すとのことで、地元帯広から現れた我が妹と共にいとこ一家に会いに行った。そこは大家族なので、僕は若干サザエさんちに遊びに来たノリスケ状態。

生まれて1ヶ月のベイビーは小さすぎて奇跡。なんとまあかわいい。同い年なのにいとこはすっかり一家の母。自分との時間の過ごし方がいかに違うかと驚く。

我が妹もいつのまにやら大人であり、たまに会うと一瞬、誰なんだこいつは!と思うことがあるほどだ(笑)。精神年齢はもう明らかに僕が下。血族達よ、僕を置いて遠くに行ってしまったのね!

ということでいつの間にか無意識に精神年齢の近い、いとこの長男(小2)と暴れたりマリオをしたりキャッキャと遊ぶことになるのだ。しかし君もいつか、遠くに行くのか(泣)

こんなことを言い出すとオマエはピーターパン症候群かと思われそう、それはちょっとニュアンスが違う!
子供時代の感覚を忘れられないまま自動的に大人になった人という感じか?

そしておもしろかったのが、同い年いとこの弟にあたる21歳のいとこもいて、こいつは春から結構本気でお笑い芸人を目指して状況するらしい…マクドナルドのドナルド柄の変な帽子を堂々と被ってるあたり、自己顕示欲だけはイイ感じのようだ。応援した。アートとは違えど地獄の道なんだろな。

あーあ、こんなんですいません。と誰に向けるでもなく謝りたくなりますな。

さて明日からはアート漬けの東京栃木行きだー

宮の森美術館で、教育大の特別講義として、写真家の森山大道さんと美術評論家の赤坂秀人さんの最終講義の日。

5年前の最初の講義のときにギリギリ学生だった時に赤坂さんと知り合えて、以来東京で何度もお世話になっていた。作品ファイルを見て頂けたり、大竹伸朗の全景展を一緒に見に行き、その場で大竹さんと話す機会を作って頂けたり。

そんなこともあり、今回はなんとか手伝いに行かなければ!ということで事前に懇願したら、突如打ち上げの会場係を任命され、こりゃあタイヘンだということで居酒屋を探してたのでした。

講義は森山さんと赤坂さんの対談。内容は非常に充実していて、メモを取るのに必死だった。
時代が流れていろんなことは変わっているけど、モノを作るということに関しての原則は、変わっていないと思う。という一言にえらく感動した(それはモノを作る人としての希望として常に思っていたいことだったので)。

写真の特性の話、アートの文脈で取り上げられることについてやギャラリストの話、デジタルの話、アメリカの話、ウォーホルの話…正直で深みのある一言一言に、作家としての構えが重く伝わってきた。

やる気のドーピングだ。

バタバタ企画した打ち上げは、大人な関係者ばかりで、頭くるくるになりながら、なんとか無事に終われて良かった…。一瞬森山さんとお話する機会があったが、雰囲気に緊張して何を話したらいいかわからんくて、それ自体良い経験だった。

その後さらに山本先生と伊藤先生(また!!)と全体反省会。次の日は、入試で朝が早いらしいのに。
とにかく、作家はタフだ。



昨夜ほろ酔いで家に帰ってきた時、家の隣の雪山ががっぽり削りとられてそこにパワーショベルやらトラックがドーンと停められていた。

これは嫌な予感だなと思ったら案の定、朝から家の脇の道路工事でガタガタガタガタ。震度2くらいで家が揺れてるんじゃないか!?

家の周りの地区は札幌でもまだ未整備部分が多いところで、袋小路があったり、入りくんだ小道が残るなかなかおもしろいとこなんだけど、ここ最近新しい道ができたり、整備が進んだり慌ただしい。
雪が降る直前には近くの公園を2割ほど削って、代わりにキレイな舗装道路ができていた。新鮮だったなーあれは。

ちなみに家の隣はなんかの整備工場、家の前にはすごく小さな昭和の美容室、その向かいにはデカいマンションという感じで、新旧が混ざった風景。

我が家もその地区整備の流れで 、あと2年経ったら取り壊されることがもともと決まっている。その時はまたアトリエを探さなければならん。家が潰されたら、新しいアパートか、駐車場などに生まれ変わるんだろうか。なんとセンチメンタルな!

住んでる場所の風景がどんどん変わっていくダイナミズムは、札幌の辺境の地にあった大学近辺でも日々体感していた。毎年建物の数が倍増して 原っぱの向こうにデカいマンション群がそびえてた印象はみるみる無くなっていき、すっかり新興住宅地になった。

なんとなく、失われていく風景に寂しさを感じながらも、新しい風景が出来ていく期待感も同時にあって、そんな気持ちのバランスが、いい作品を生み出すための一つのヒントになりそう。

ただ、地区整備のせいでゴミステーションが50mほど遠くなってしまったのが誠に残念なところ!


 黄色の絵の側面処理も終わり、表面の最後のヤスリがけ。一番丹念にヤスリをかけるので、粉の量がハンパじゃない。ヤスリの目の段階は、今は3段階。120番 150番 320番。

 320番までいくと、マットな平らにしあがり、それまでの雰囲気とは違ったオモムキがでてくるのだ。光の反射の仕方と光の入り方が一気に安定するので、絵の見え方の純度が上がる気がする。この320番の表面バージョンは、僕だけが堪能できる完成まで9割5分地点の裏バージョン。

このあと、最後にツヤありのニススプレーで仕上げるのだけど、それがまた辛くて…家が毒ガス充満になるので、本日は保留。

 同時制作中の小さな絵達も、ようやく形になってきて、あと3〜4層で、見えてくる予感。よしよし狭いアトリエの空気が充実してきた。


 夕方過ぎに街へ出向いて、訳ありで居酒屋リサーチ。のれん横丁 エムズスペース こんなおもしろそうな店があるとは。

 その足で、CAI02で開催中の、大黒 淳一 音の彫刻展をみる。こりゃあ面白かった!けっこう長い時間ふらりふらり展示空間をさまよいながら、耳と目をを傾けて鑑賞してた。謎のスピーカーからでるレーザーのような音の感じ方は新鮮だったな、なんなんだあれは。

 さらに、大学院生の飲み会に乱入、またしても山本先生と伊藤先生とお話。最近会いすぎてる。変な後輩達もいつもおもしろいね。

 ラストはなぜか山本先生の息子さんと初めて熱燗を飲みながらトーク、山本先生を家族の立場から見たストレートの意見がすごくおもしろかった。先生は深夜2時でも早朝5時でも構わず家の中で電動ヤスリの轟音を鳴らすとか。それはさすがに嫌だろうなあ。
 

本日の朝刊、北海道アートエリア21世紀という、文化欄のコーナーに載せて頂きました。家で道新をとってるかた、チラッとみてみてくださーい。

この間の久米さんから受けたインタビューを元に、記事にしてもらえたのでした。久米さん、北海道新聞さん、ありがとうございました。

やはり、立派な言葉で書かれると、日頃の自分の怠惰で適当な感じとのギャップがありすぎて恥ずかしいです。


あら映像はとっても良かったけど、なんか妙に主観的なドキュメンタリーに仕上がっちゃったのはなぜ!

最近の海系映画はサメよりイカの方が怖く見えるんだな。


鈍い黄色の絵の描写が終わり、あとは最後の透明を平らにして、ニススプレーでコーティングすれば完成だー。しかしこれがまたなにより大変で、気が重いのだが…。

いや実はしかしその前にやることがもう1つ。側面の処理…。これまた地味に面倒だ。今の作品たちの側面は、描写の邪魔にならんように、白に1層だけコーティングして平らに仕上げている。
描写による厚みが3〜5mmくらいになっていて、むき出しでその厚みを見れるようにしている。

描写中は、透明層を筆で厚塗りした後にヤスリとペインティングナイフで平らにしていくので、絵のエッジがガタガタになっていく。このガタガタをわざと残していた時期もあったけど、厚みをわかりやすく見せたいので、ガタガタを無くしてエッジをスッキリさせる必要がある。カッターで大まかにエッジを切り落として、あとは表面加工と同じように透明層とヤスリだ。面が細長いので、非常にやりづらい。

こういう処理を側面にもするので、鑑賞者は作品の土台が木製パネルだとはなかなか気付かないはずだ。そして描写の厚みがアクリル板だと思われることがあるのもエッジをスパっとさせているからだと思う。


側面のベストが今の形式で良いのかはまだわかりかねるところだ。白じゃなくてもいいかもしれないし、キャンバス地もいいかもしれない。絵具のはみ出しを許容するか、しないか。支持体の厚みもどの辺りがいいか。エッジはハードかソフトか。
むしろ額に収めてみたほうが良かったり。
もうこの辺りはフェチでいいのかも…?

いずれにしろ、描写の邪魔にならないように、かつ絵画としての存在感を意識できるような側面である必要がある。

描写が終わってから完成までが結構長くて、その作業行程がすべてめんどくさいのがとってももどかしい!

最初の木枠&下地作りと合わせて、一番やりたくない作業です。
やりたくなくても、やらないと見栄えがショボくなるので、ものぐさ自分のための心の試練だと言い聞かせながらやるのです。ああ、イヤだ!

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