やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

2010年10月

伊藤先生が出品している旭川美術館のウルトラマン!アートを見に行く。
普段札幌から旭川に行く場合、国道12号という日本一長い直線道路(個人的には風景が平凡すぎてすこぶる運転がツラい道)を車で行くのだけど、今は期間限定で岩見沢〜旭川間の高速道路が無料実験中なので、ズビューン!と2時間ちょいで到着した。すごい快適だけど変な感じ。

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入って最初の部屋は写真OKなので、自慢の一眼レフでウルトラマンのチャックをパシャリ。

ウルトラマンの変身シーンで使われてる模型のグーの拳が、パース強調するためにめちゃくちゃデカかった笑

展示の中で特に面白かったのは、高山良策さんという怪獣の造形制作をしている方のブース。個人ドキュメントとウルトラマン制作ドキュメントが合体してて非常にリアリティがあった。アトリエの風景や、奥さんにも手伝ってもらっていたり、画家なのに絵が描けない葛藤とそれでも造形物を作る誇り。子供用の記事にも現実的なインタビューが載っていたり。

ちなみに現代アート作品は伊藤先生の作品のみだったので、ウルトラマンの制作自体のアートワークに注目した展示内容なのだった。なのでガンダム展やドラえもん展の構成とは若干異なる。しかし確かにウルトラマンのアートワークは、普通のエンターテイメントとはなんか趣が違うので、たくさんグッときた。

実際、展示を見る前と見たあとに、ウルトラマンをDVDで借りて見てみた。実はちゃんと見た事がなかったんだ。
急ぎで見たので1話、2話、最終話をチェック。
バルタン星人のフォッフォッフォも初めて見て感動!!バルタン星人でって人間サイズで登場してたのか!!アキコ隊員がめちゃ美人なことにも感動!!と、そういうレベルの知識の僕。
セットや特撮シーン、セリフまわしや全体のノリが、当時の独特さでかなりおもしろい。

それはさておき、とりわけ最終話で出て来たゼットンがシュールでサイケ。怪獣デザインももちろん変だし、妙な鳴き声もヤバい。光線のオプチカル効果もそのサイケ感を増幅させている。現代のポップなエンターテイメントにはあまり感じない、なんともいえぬ独特の不穏さが漂っているんだ。たまらん。
っつーかポップとかサイケとかって60年代ビートルズなどほぼ同じところから出て来てるんだよなと思えばなんとなく納得。現在のポップの要素が表層的すぎるんだよなー。

そんなこんなで、モノを造ることやポップのこと、エンターテイメントのこと、時代性のことなどについて考えさせられた。ちゃんとウルトラマン見たほうがいいなこれは。想像以上に深みがあるぞ(影響されやすいんです)!

 ブログ更新頻度が減っている時は、あまり余裕の無い制作状況なエブリデイだということ。ここ一ヶ月近く、500m美術館に向けた2つの小作品を作っている。9-10月はなにかと刺激的な機会に恵まれて胸がカッカしたので、この熱気を持続させたいという思いで作っている。

 attaの飲み会とか武田さんとかけんさんとか書きたいブログネタを書かなければと思いながらアトリエで絵具を塗り、ヤスリをかけて、乾燥中にツイッターでも眺めていたらもう寝る時間だ。ああー

ひとまず今日は、展示の告知をそろそろしなければ。

その1
現在開催中の道展に、個展で出品してた作品を一つ出品しています。

第85回道展
10月20日(水)〜11月7日(水)
月曜休館
10時〜17時半
札幌市民ギャラリー
北海道札幌市中央区南2条東6丁目


その2
個展で発表した3点+新作2点を展示予定

500m美術館
11月1日(月)〜12月12日(日)
地下鉄バスセンター前駅〜大通駅を結ぶ地下通路内


実は、広報さっぽろの10月号に作家として僕がちっちゃく載ってました笑
そして原稿確認のミスのせいで、アクリル画ではなくパステル画ということになっていました。。。札幌市のホームページでは、ちゃんと直ってた。これ。
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大家さんに家賃を払いに行ったら、この記事をちゃんと見てくれていたらしく、がんばってくださいねって言われた。ちょっとうれしい。別段有名でもなく学生でもない絵描きなんて不審者に近いので、こういうことで信頼を獲得できるのはありがたい話。

ちなみにゴボウのように配置されて不敵な笑みを浮かべる自分は完全に記者さんの指示に従った結果です笑。

というわけで、半分以上はついこの間発表したばかりの作品ですが、未見の方、違う展示場所でもう一度見てみたい方、ぜひぜひよろしくお願いします!!


ここからは雑感ですが、、
道展はもう辞めたいなあと思っている!

学生時代には、出品してしっかり良い事もあったし出す意義もあった。北海道内で絵画を続けるならば堅実に毎年道展に出して入選すれば、審査に通ったという最低限の説得力になり、たくさんの人に鑑賞されるし、美術のことよくわからん家族も喜んでくれる笑。
それに社会人になってもうん十年絵を描き続けている人たちの作品と、描き始めてまだ数年の自作が並ぶのだ。古くさいうんぬんは置いてといて、いろんな切り口からの比較はできる。他にもいろいろ思うところはあった。

教師時代にも、出品していれば、周りの学校の先生もほぼ出品しているので連携がとりやすいし、勤務学校内でのハクが付くような気がした!

でも今現在は、やっぱり自分がこれからも人生賭けて絵画をやっていく上での事を考えると、キモチの方向がどうも違うし、会費はキツいし、道展を盛り上げよう!といった愛情も無く、会場を歩いていると、気分がどんよりしてくるんだ。そんなヤツが毎年どんよりしながら続ける理由も見つからず。

今続けている唯一の理由は、恩師山本勇一先生が「お前が辞めたらオレも責任を取って一緒に辞める!!」という約束のみである笑

なのでヤマユウ先生、このグチグチを読んでくれているのであれば、すこんと一緒に辞めましょう!

あるいは、先生は残ってくれても嘘つきなどとは思いません。
毎年道展を見に行く楽しみは先生の新作をニヤニヤしながらじっくり眺めることと、毎年なぜかザルを描く、種市会員のザルっぷりを確認することですから笑、先生がいなくなれば道展の楽しみが減ってしまうのです。
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今回の山本勇一作品『暁(YASUからのおくりもの)』

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細部。この堅牢なボッコボコのマットなマチエールと色彩と構図を見よ。机の雰囲気ヤバいっす。箱を積んで足がわりにしている。いい。
つーかここはどこだ。孤独に座る女は何者だ。なぜ机の横に樹木が生い茂っているんだ。
謎を残すドラマチックな作品。
このような作品が第2室の出口付近で毎年待ち受けているんだ。

いや、でもやっぱり辞めて今年3月の時計台での個展でみんなの度肝を抜いたように、ソロで!?それとも毎年2人で「やまゆう展」でもやりましょうか!?

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この写真は先日後輩がくれたもの。やまゆうツーショットin襟裳岬。いい写真だ!!
というわけで先生、何かあれば、この文章の下にある、"Comments"というところをクリックすると、コメントが残せるのでぜひなんでも仰って下さい!!

おっとしまった、、この話は置いといて…

500m美術館は、今年の作家さんはがっちり「モノ」を作っている作家さんが多い。先輩の画家小林麻美さんや、映像作家大島慶太郎さんなども出品するので、気がまた引き締まる。

初めは、満月とかちくわとか旧作を並べて展示してみようかなというプランもあったけど、やっぱし今作ってる作品をいっぱいいろんな人に見てもらいたいということで、近作オンリーに決めた。

で、個展を見てない人が通行人のほとんどなので、個展から選別した3つ。プラス、個展を見た人が飽きないように新作2つ。こいつらは明日明後日にはなんとか完成するか!?
といったところ。

どっちも色が、地味です笑
個展では割とポップンな色で攻めたので、ちょっとズラしてみているところ。引き続き、透明色ばかり使っている。そしてちょっとだけ構図実験。

制作中に、側面で試したいことが突然思い浮かんだ。
つーか今までこの選択肢が浮かばなかったのは盲点だった。気付くのに数年かかるとは。次作でちょっと実験してみようかなーまた手間が増えそうだ…

さてアトリエに戻ろうー

今日のBGMはキセルのハナレバナレだ!!

怠けていたブログの更新を連発4本やってみた。なんだかスッキリ!!

しかしネタを一つ忘れていたのでさらに追加。

 個展に大谷短大の学生マルちゃんが来てくれた時、出身地が近いと言う事で話が盛り上がった。まるちゃんは十勝の池田町出身で、子供の頃よく十勝川の堤防で遊んでいたという。

 僕は子供の頃に隣町の豊頃町に住んでいたことがある。そんで「堤防」というキーワードにピンッときた。僕の中で、十勝の田舎で堤防とくれば、十勝石なのだ。マルちゃんに、十勝石探ししてた!?と聞いたら、やっぱりしてたんだって!非常にエキサイト。

 十勝石とは、要するに黒曜石で、十勝岳あたりの火山活動で生成された石らしいのだけど、ググって見たら画像があったので載せちゃいます。

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こんな風に、割ると中が真っ黒でとてもキレイな光沢がある石。
なぜか当時の僕たち小学生はこの十勝石の存在をどこかから聞きつけて、ジャリの中に混ざっていることもいつの間にか知っていた。

なので、学校が終わってからみんなで十勝川の堤防の上に行って、ジャリ道の中からこの十勝石を探すのがとても楽しかったんだ。

たまに、真っ黒だけでなく赤い模様が入っているものもあって、それは桜十勝と呼ばれ、見つけたヤツはその希少価値具合にうらやましがられた。

僕らにとって十勝石は宝石のようなものであって、定期的に探しに行っては、ちっちゃいカケラでも大事に持ち帰って貯めこんでいたものだ。たくさん集めていたのに、あれはどこに行ってしまったんだろう。引っ越しの時に大地に返してしまったのかな。

去年僕は、ふいに豊頃町が懐かしくなってフラリと一人で遊びに行った事があったのだけど、その堤防の道はもうずいぶん舗装化されていた。今の小学生達は、同じように十勝石を探す場所を見つけ、興奮したりしてるんだろうか。

そんな原体験を突然思い出し、やたら盛り上がってしまった。しまいには、自分の絵の絵肌を光沢加工してるのは、十勝石に原点があるんじゃないかな!?とまで言い出す始末。いや、案外その線はほんとにあるかもしれないな。ひっさしぶりに十勝石探ししたいなー

ポーランドにいる時から徐々に調子が悪くなっていたけれど、ついに我慢できないほどダメになってしまった。

景色を撮るとこんな有様。とにかくなんでもリヒター。
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もうこれはいい加減普通のコンパクトデジカメで記録するのは止めて、しっかりしたカメラで作品の撮影などをしなさいというお告げなんだと思う事にして、カメラの買い替えを検討している。今まではキャノンのIXYシリーズだったので、引き続きキャノンにお世話になりたい。画質の雰囲気が好き。

いろいろ調べてる訳で、最近発売したばかりのPowershot G12もカッコ良いし写りもよさそう…ポーランドで中国作家さんのクーさんに同シリーズの前の型のG9を絶賛されたので、気になっていたところだ。
いやでも待てよ、同じくらいの値段で、一眼レフも買えるぞ。。。EOS Kiss X4、スペックも問題無さそう。一眼レフに目を向けてしまうとEOS 50Dも気になるが、まだちょっと高額だしペーペーなヤツがこんなズッシリしたカメラを持っても仕方がないんじゃないか。店員さんに話も聞いたけど、撮れる写真の質もKissと変わらないみたいだし…

最近はカメラ情報に夢中で困っちゃう。早いとこ購入しなきゃ、この病気は治まらない!!

お誘いを受け、栃木県の板室温泉大黒屋に行ってきた。
先日は広報担当の小野塚さんが札幌まで個展を見に来てくれたばかり。
今回の訪問は、菅木志雄さんの新作展が大黒屋にて開催されるので、その搬入手伝いというレア体験や、来年の個展の話などをする、なども含め大黒屋と和気あいあいしてこようということで!

板室温泉までは、千歳空港から福島空港までAIR DOに乗り、空港からバスで福島県郡山市、郡山からJRで栃木県黒磯へ、さらにバスで板室温泉へ。だいたい4時間くらいの移動。

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先日聞いた話によると、大黒屋は創業460年で栃木県で一番古い企業なんだとか。460年っつったら、室町時代!!時間のスケールがでかすぎてよくわかりません。すごい。


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 本館の庭にも菅さんの作品が設置されている。そもそもこの宿がアートとのつながりを深めたのは、社長の室井さんが若い頃、お客さんに「楽しそうに働けていない」と言われ、どうしたらいいかそのお客さんに尋ねたら「東京の銀座界隈に貧乏だけど生き生きしてる連中がいるから見てくると良い」とアドバイスを受け、ギャラリー巡りをしてそこで菅さんの作品と出会ったのが始まりとのこと。その後実際作品購入して館内に飾る事で、手応えがあったのだとか。以来毎年菅さんの個展を行い今年で9回目。

そんなわけで室井さんがアートや文化のチカラを大事に思ってくれているという場所なのだけど、その室井さんの有言実行力や前向きな考え方がハンパなくて、話をしていると精神力のガソリンを注入されるようだった。

僕は通路の小作品の展示を任され、ドリルと水平器とメジャーをフル活用。まさか宿でいつものこの作業をやるとは笑
作品の裏側なども見れてラッキーだ。
作業してるうちに、菅さんは直接会場での作品制作を進めていた。

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菅さんのシャツの柄がかわいかった。


展示が終わってからは皆さんとお食事。
大黒屋のご飯は、めちゃくちゃおいしい!!
食べながら、室井さんと菅さんのこれまでのお話や、文化から政治の話、アートの話。
内容は、ひみつですw
菅さんは今年、ロンドンのテイトギャラリーに作品が収蔵されたそうだ。ひー
難解な話題もでてきて、なんだか階層の違う世界の話のように感じたけれど、そうも言ってられないんだろうな。
勉強しなきゃ。。。

夜は菅さんの作品説明会。お客さんも宿の社員さんも集まって話を聞いたり質問したり。おもしろいなー
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菅さんと記念撮影。

その後さらに、第一回公募の大賞の矢部さんと、カメラマンの鈴木さんと飲む。矢部さんはすっかり大黒屋に馴染んでおり、展示手伝い中に始めて会った時はエキゾチックな社員さんかと思ったw 情熱的なお兄さんで、作品はパワフルなものからポップな小作品まで幅広い。 鈴木さんは都道府県をまたいだ新聞の切り抜きや読んだ本のフレーズなどをノートに貼りつけているものを見せてくれて、インターネット時代を吹き飛ばすようなリアルな情報集めだった。魅力的なくせ者さん!言葉にも敏感で、適当なことを発言したらすぐに怒られた笑 おもしろかったなー

ゆっくりお風呂に浸かり、次の日は外を散歩。
デジカメの調子が最近とても悪くて、ピントが変。こりゃもうだめだなあ。
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別館には、過去の大賞受賞者の作品も。
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菅さんの展示、夜と日中では趣が変わる。
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菅さんの作品は、コンパネや木の枝やロープなど、素材をそのまま使っていながらどこかキャッチーなポップさも同居していて興味深く、そのバランス具合がなんともこの宿に合っている気がしました。

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室井社長とも記念撮影。

帰る頃には社員さんとも馴染んでおり、濃密な2日間だった。もっとゆっくり何週間かまとめて滞在したくなる不思議な宿です。

帰りはまた同じルートで福島空港へ。ちなみに福島空港にはこんなウルトラな方がいます。
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福島は円谷プロの円谷さんの出身地だそうで、空港にはいろんなウルトラマンが!しかしデジカメの調子が悪いのに、なぜかこのウルトラマンははっきりくっきり写ってる…さすがウルトラなマンだ。

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