やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

2011年11月

せっかくauからiPhoneが出たのでiPhoneに変えたいと思ってたけど、MacがOS10.4だから同期できねえという問題がある。
10.6にアップグ レードすると、たぶんほとんどのアプリケーションが使えなくなる。
もう中古で買った黒MacbookもボロだしいっそAir買うか?
いやどっちにしろ、アプリケーションが問題だ。 iPhone変更ハードルは高い。

…とそんなことをつぶやいたら、10.6でもアプリはイケる!という情報を耳にして、
一気に実行!
外付けHDDにtigerをまるごとうつして、本体はsnow leopardに上げた。
今の所アプリも動いてるぽいし大丈夫そうだけど、いろんなセットアップにえらい時間がかかる。
まだ油断はできない。

んなわけでOS問題も一応解決したので満を持してAppleストアへ出向き、
あっさりiPhoneに機種変してから一週間が経つ。

そう、今までの僕のスマートフォンはIS01!
未だに、それは何ですか?と聞かれるような機種で、
起動するたびにエラーはでるわ、OS上がらないから非対応アプリ多すぎるわ、Androidなのにフラッシュ見れないわ、
何かと問題ばっかりだけどその色や形、レア度で意地でもかわいがっていました。
が、実際iPhoneにしてみると、圧倒的にiPhoneがいいや!!

う〜ん、まさかこんなに差があるとは…。触ってるだけでも快適さが違う。
Android張り合えてるのか…?
今まで、なんだよ皆してiPhoneiPhoneて同じものもっててもおもしろくないじゃん、
なんつって斜に構えていた部分もあったかもしれない。
しかしこりゃ持ったモン勝ちだった実際。

最高のオモチャを手に入れてしまったので、時間奪われ気味。ヤバいヤバい。
Instagramって、iPhoneアプリだったんだな…。
シャレオツなフォトを何かしてなんたらかんたらな何かと思ってたけど、
やってみるとハマっとる!こりゃ楽しい。
iPhone4Sのカメラは思った以上に使い勝手が良くて、
これでいちいち一眼レフ持ち出さなくて済む。
同期も楽なので快適だ!

真駒内の六花文庫で第2期に続き、第3期六花ファイルにも入選しました!
作品は、2013年9月まで六花文庫で保管されていますので、宜しくお願い致します。

六花ファイル ウェブサイト
http://www.rokkatei.co.jp/rokkafile/

というわけで見に行って来ました。35作品1つ1つ箱から出してじっくり見ると、
結構時間がかかります。作家プロフィールのファイルもあるし。

道外作家さんの作品もあり、初めて見るので新鮮です。
特に気になった作品は、ウェブサイトの11番、守屋美保さんの作品。
愛知の若い作家さんで、繊細なドローイング作品。
パネルや額装の作りもしっかりしていて、モノとしても魅力的。
ファイルに載っていた大きめの作品も良さそうでした。

芸術の森美術館で、プレビエンナーレこと、
「表現するファノンーサブカルチャーの表象たち」を見る。

入り口の映像やくつした企画の展示がトッツキ辛い、
仮にもビエンナーレの冠がついているのになぜか学生企画がある、など、序盤で困惑。
カスタムバイクは良い印象、もっと台数があったら圧倒されそう。

うさぎちゃんのメイドカフェは実際カウンターに座ってにゃんにゃんじゃんけんなどを体験すればかなりの破壊力あり。
ただ、あの空間だと、素通りできてしまう間延び感がもったいない。
あれは、狭めにがっちり喫茶ブースを固めて、いやでも濃密なメイド喫茶空間を通過せざるを得ない状況に持っていくのがベストだと思った。

花輪和一さんの作品は、サブカルというかアングラ臭が満載で作品として魅力的。手書きでデカイサイズなので迫力もある。

一番残念だったのは、痛車が痛くなかったこと。。。
痛車はどうしよもないくらいオタク臭と子供にみせられないようなエロ要素などがガッツリ描かれていて、
それが美術館にあるからおもしろい、そういう狙いだったはず。
おそらくいろんな問題で最初の構想が実現しなかったのだと見た瞬間にわかるような質になっており、
それがわかってしまうから見ててやるせなくなった。難しいのは当然解っているけれど、
そこを実現させなければ、たぶんここに車がある意味がないんだろう。

美術作品の中では、二次創作という観点から村田真さんと高橋喜代史君。
二次創作の面白さってそういうことではないような…そんなこじつけ感は感じつつも、
村田さんの作品は絵画としておもしろかった。

キーボー君の作品は、ゆったり空間を使ってて、しかも相当お金賭けてる感じからガッツを感じる。
巨匠のオマージュ作品群で気になってしまったところは、取り上げたのがミニマルやコンセプチュアルの作家で、
コスース、ジャッド、ホルツァー。
コスースの文章パネルが裏の両面テープが透けていたり、モチーフの台の汚れが気になる。
ジャッドが壁と垂直になっていない、サビの発生が気になる。
結局、この辺りの作家はバリバリコンセプチュアルだけれど、
それだけに無駄の無い「見栄え」にかなり気を遣っているんだよな。

だからこそ、細部が荒くなってしまうとどうしても、無味乾燥で知的なクールさが出なくなってしまうんだろうと
思ってしまった。リキテンスタインのも、リンゴの継ぎ目が気になってしまう。
ホルツァーのオマージュは完全に別物になっていたのでそこはおもしろかった。

奥の部屋のバスケットゴール作品はいいバランス感だったと思った。

そんなわけで、展示を見ただけではなんとなく何処にも着地できずに終わってしまった感じ。
美術館に行くということは、美術館のマジックにかかりに行くんだ。
例えば映画館って、2時間暗闇の中でデカイスクリーンで集団で静かに同じ映画に浸かってるけど、それは映画館のマジック。
あの瞬間は、あの空間でしか体感できないマジックにみんなが掛かっている。

美術館も同じ。便器を置いて物議になるのも、何にも置かないで真っ白な空間だけってのも、美術館マジックを逆手にとってこそ。
だから展示にも演出力が相当必要になってくるはず。
そういう美術館マジックへの意識があまり感じられなかったのと、
サブカルチャーの過剰なオタクっぽさやぶっ飛び感、サブカル愛を見たかったけど、やっぱし難しいのだろうか。

時間が無くてみれなかったイベントはどうだったのかな。春のプレビエンナーレはイベントかなり見に行けたのでそれがおもしろかったけれど。
芸森遠いからな…。

Approach アートとデザインの接近 会期終了しました!
ご来場していただいた皆様、誠にありがとうございました。

まずは会場風景を。
今回の写真はApproach展公式として、
山本顕史さん(株式会社ハレバレシャシン)に撮影していただいたものです。
山本さん、ありがとうございました。

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奥には大きめの作品を。久々に、密度を抜いてみた作品。



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この作品は初日はこのように下に置かれていたのですが、僕の強いわがままにより
2日目からは、壁掛けにしてもらいました。


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藤沢レオさんの作品とコラボ

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Julia Lohmannさんの作品とコラボ


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村田佳彦さんの作品とコラボ


以下は僕の撮影です。

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窓越しには伊藤千織さんの作品。千織さんは向かいの窓に展示していたので、
コラボできなかった。。壁でも見てみたかった作品です。


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チビ作品壁掛け後はこんな感じ。



グループ展には久々の参加でしたが、
きっちり作品を作る方々とご一緒させていただき、刺激的でした。
記録も、ご覧頂いたようにきっちりしています。

今展は企画の本間真理さんの展示です。

「デザインとアートの接近」というタイトルでまとめられた内容でしたが、
境界論のような展示内容ではなく、
別のジャンル、創作の方向性から、
共通する何かを抽出してコラボレーションを試みた内容となっていました。

ですので、前にも書きましたが札幌では見たことの無い組み合わせのグループとなり、
新鮮な空間になっていたと思います。

こういう5作家をセレクトして、1つの展覧会を作る本間さんの実行力に驚き。
しかも1歳のご子息様もいるという中で…!
女性の文化パワー恐るべし、です。


昨年本間さんは、「日常にアートを。」という企画をギャラリー門馬で行っており、
http://www.g-monma.com/archive/2010/0707_nichijo/photo/index.html

それに続く2回目が今回の企画だったので、今後の展開も楽しみです。

本間さん、room11の古島さん、お手伝いしていただいた久野さん、そして作家の皆様
ありがとうございました。

僕は今回はあまり会場にいられなかったので、
お会いしたかった方々とも結構すれ違ってしまいまして残念でした。
次回は3月に札幌でグループ展がありますので、また宜しくお願いします!


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ブログでの告知が遅れてしまいましたが、Approach、絶賛開催中です。よろしくお願いします。
僕は、5点作品を出品しております。

room11さんのウェブサイトはこちら
http://www.room11.in/04_16_exeibition.htm

先日11月5日のトークショーでは、40人以上のお客さんにご来場して頂きました!
それぞれジャンルの違う作家3人が同じテーマについて話したので、
視点の違いがしっかり現れた内容でした。

企画の本間真理さんのセンスが空間全体に現れた内容になっており、
札幌では見たことのない新鮮な組み合わせになっておりますので、ぜひご覧下さい。
11月13日までです!



月間ギャラリーの11月号に、こないだ賞を頂いた上海AAW2011の記事と、
なんともジャストタイミングで大黒屋代表の室井さんと文化庁の方の対談が載っています。

http://www.g-station.co.jp/book/backnumber.html

帰って来て、まずはApproach展の展示確認。白いroom11の壁にぴったりな作品群。
いい展示。
その後に道展チェック。

後輩の金吉の絵画が良かった。
現代版女性キリコ!という感じ…?この子はおもしろいセンスがあるのに、
いつも混乱してるので、うまいこと注目されていけば良いのだけど。

500m美術館。公募展作家から現代美術作家、書道まで、ズラリと並んでいた。
美術館とはいえ、通路だ。去年僕も展示したけれど、今年からは展示スペースとして作り直しているので、壁や照明は去年よりかなり良くなっている。

しかしこの広い壁をこの人数のペースでやっていくと、セレクトできる作家も尽きるだろうし、
面白いことになっていくにはどうしたらいいのかなど考えた。
自分がここに展示するならどうやるかなどもイメージしてみた。あの場所で、絵画でお客さんに魔法をかけるには、ひと工夫いるなあ。
沢山の人を並べるより、1人で個展形式でこの空間を使ったりするとおもしろい気がする。

針さんのデカいライブペインティングはインパクトがあるし、絵としての強さもあって良かったな。
あの大きさの絵をどうやってコントロールしているのだろう。針さんはこのくらい極端に大きな絵と、
鉛筆やペンのドローイングが良いなあ。

個展を終えて、皆さんにご挨拶。
帰りに小野塚さんの車に乗せて頂き、宇都宮で人気のジャンボ餃子店に連れて行って頂き昼食、うまい!
会津のラーメンに始まり、宇都宮の餃子で締める。小野塚さんとの食道楽、ありがとうございました。

東京へ向かう。
丸2週間ずっと大黒屋さんにいたので、人混みとかそもそも街並に慣れない。時間の質が違いますな。

駆け足でまずゴヤ展へ。
ゴヤはメトロポリタン美術館などで見たことがあったが、同時代の巨匠と比べると、なんとなくヘタで変な絵が多いという印象だった。

今回改めて見てみると、うまさの種類が別のところにあったような印象を受けた。
ゴヤはイメージ作りが非常に上手いんだ。

変な絵が多いのは、妙なポーズの人とか、表情とか、独特のユニークさがあるからだった。
版画とかドローイングが多かったけど、そっちのほうが狂った絵が多かったな。
着衣のマハ、けっこうデカかった等身大くらいか。裸と並んでたらすごいインパクトだろうな。

途中、GALLERY MoMo Ryogokuで大谷有花展 MORI YU GALLERY TOKYOで山本理恵子展も見る。

さらにギリギリで畠山直哉展 ナチュラル・ストーリーズも間に合った。
大判の写真がキャプションも無くスッキリした展示。

先日赤坂さんから聞いていた話だったけど、
畠山さんの実家は陸前高田で津波被害にあい、お母さんが亡くなっている。
その後本人もダウンしてしまって、
その前からこの個展のスケジュールは決まっていたので、どうなるか心配だとのことだった。

実際その内容は、
人工的な起点からの強いエネルギーを感じるシリーズや、
人のスケールを大きく超えるランドスケープなどの代表的な作風がメインで、
テリルのシリーズなどはなんだか神秘的な不思議さがあってとても良かった。

それらに加え、被災地の写真が並んだ部屋もあった。
驚いたのは、被災地の瓦礫や廃墟が、
なんと今までのシリーズと同じような強いエネルギーと儚さや美しさの同居が表現されていることだった。
途方も無いエネルギーが作り出したこの風景が畠山さんのカメラを通すとこのように見えるのか。
これがプロとしての作家の性なのかなあ、感動してしまった。
また並んだ被災地の写真と対比される形で、
デジタルフォトフレーム1つに故郷の何気ない写真のスライドショーも展示されている。
こちらは他のシリーズとは違った、何気ない目線の写真だった。こちらも、良かったなあ。

ミュージアムショップでカタログ買ったら、
「画家たちの写真」という図録が600円で売ってたのでこちらも迷わず購入!おもしろい内容。

恵比寿まで来たので移転してから初めてナディッフ寄って、羽田最終便で北海道に戻る。
予想通り、異常に寒いわい。さてまたストイックな日常が始まる…
今年一番のビッグイベントが終わり、一呼吸といきたいところだけど、
札幌では参加させて頂いているApproach展が始まってたり、やることまだまだ沢山で、
休めない。

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