やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

2012年05月

5月31日
ブラブラ。美術館年間パスを購入したので
(この買い方をもっと早く詳しく聞いとくべきった…)
絵画館再見。
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あれ!フェルメールの作品1つがさりげなく無くなってる!
どっかの企画展に貸したんだろか。
2回目なので少し落ち着いてみる事ができた。

帰りにMartin Gropius Bauの画集屋さんでセール品のリキテンスタインとポルケのレゾネ購入。
持ち合わせが無いのでカードで購入したのだけど、
帰ってみたらユーロ最安値更新とのニュースが。なんと!

昼も夜もドナーケバブー。
もうすぐ体の組織はすべてドナーケバブーで構成されることだろう。
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僕を連日救う、近所のMERVAN BISTRO。


明日レジデンスに引っ越しなので片付け。


5月30日
画材屋さんでパネル追加購入と、
メディウム購入。
しかし、メディウムのツヤが若干キツいのを間違えて買ってしまった。
ツヤがキツくなると乾いた時もベタつき度があがるので、
ヤスリをかけるときにうまくいかない。
全く使えないことはないのだけれど、やれやれ。
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この仮住まいもあと2日でさようなら。


5月29日
夕方から、新美術館でギャラリートークがあると誘われたので、
行ってみる。
行く前に、まず街で腹ごしらえ。
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ケバブーの次に便利な食事。ホットドッグ。
アレクサンダープラッツ前の大きな広場に、
こういうホットドッグ売りがいっつもいる。
モバイル焼きマシーンと傘…重そう!
1.35ユーロ、130円くらい。しかもそこそこウマい。

その後ベルリンビエンナーレの別会場に寄る。
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やはりポリティカル。キツいなあ。
写真撮影もやる気がでない…というか撮影してもあまり意味ねえ。
この映像作品とかは、言葉がわかればまだ見れるような感じだったが。

その後ギャラリートーク、
戦後のドイツ美術について。
全てドイツ語なのでさっぱりわからん!
雰囲気だけ確認。


5月28日
絵具でも買い足しに行こうかと近所の画材屋さんに行くと、
閉まってる。。なぜ。あれスーパーも閉まってる。
どうやら、祝日のようだ…。
カレンダーで祝日知っておかなければ。
洗濯する。


5月27日
特に何もせず。制作と英語。

5月26日
酒翌日、やっぱりだるー。
ここの本来の住人エリックが荷物を取りにくる。
エリックと1時間ほど英語で会話。
3割くらいは解ったかな…。
エリックはゲームエフェクトのプログラミングをしていて、
仕事の都合で半年フランクフルトにいるらしい。
趣味がドラム。今日はベルリンの祭りがあって、
ドラム叩くのでその一式を取りに来たんだって(たぶん)。

時間あるなら後でお祭り見に来なよ!すごいよ!
と言われたので(たぶん)、行ってみる。
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たしかに大規模。いろんな人種ミックス。
いろんなライブやってるし…。場違いすぎて何となく一周して帰る。
日本だったら行かねえよなあ…新天地、何事も経験なり。
でももういいや!
僕はみんなでワイワイイベント!ってなってるのは苦手なんだ。

ドナーケバブーを食べて安心する。


5月25日
夕方からけんさんちに。
今はまだ住所不定なので日本からの荷物はけんさんのところに届くようにしてもらっていたのだ。
出国前ギリギリに手続きしたけど発行が間に合わなかった、
りそな銀行の海外で使えるキャッシュカード、実家から送ってもらった。
キャッシュカードとか送り方がよくわからんかったので
ドイツ語教本の中にテープで貼って送ってもらったが、
無事に届いた。良かった良かった。

公園で少し卓球する。ドイツの公園には卓球台が設置されている。
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中学時代卓球部! 唯一普通にプレイできる球技だ笑

だいさんの格闘技を喰らってみる。
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自分がどう動いてるのかわからんスペクタクルだ。

その後酒飲みながら美術トーク、また遅くまで長居しちゃう。
けんさんちに来ると、食事のレベルが数倍あがって、
いい食事って、いいよなあと思うけど、
結局自分ではやらないんだな…

おでかけ。
街の中心部にある立派な

Contemporary Fine Artsというギャラリーでシュナーベルの新作展

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ここも入り口のドアはチャイムを鳴らして開けてもらうので変な感じだ。

この立派なドアの横にあるちっちゃいの。

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うおぉ、めちゃ良い。

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スニーカーの足跡がついてるよ笑

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こーゆー変なのももちろん健在してた笑
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必然性があるのかないのかわからんプリントされてるポリエステル布に、
絵具をぶちまけてるような巨大作品群。
映画監督やりながらも、コンスタントに絵画やってるんだ。

やってることってポルケとそんなに変わらんようだけど、
より乱暴っつーかマッチョっつーかアメリカンつーか。
力技で絵画にしてしまうところが好きだ。


上階は違うギャラリー(名前忘れた…)、
でダミアンハーストの展示。こちらは撮影禁止。
スポットペインティング実物初めて見た。
…舐めてるな!笑
いや、舐めてるというか絵画が成立するギリギリラインを攻めている。
丸の等間隔配置でサイズが決まる、綿キャンバスは丁寧に貼られ、
下地も丁寧に塗られ、手作業で塗られたグロスツヤのカラフルドット。

装飾性があってキレイだし、いろんな切り口を持った抽象性はあるけれど、
コンセプトと、絵画そのものが同列な感じ。
良い絵画は、コンセプトを超えてしまうようなモノだと思うが、
そういうタイプの絵画では無い。
故に、物足りない…

僕もカラフル丸を使う絵を描いているので、このシリーズについては
見解を持っていないといかんな。見れて良かった。

その他、薬並べたやつと、蝶のやつと、手術道具の絵画など。


次に、ギャラリーから徒歩2分でペルガモン博物館。
巨大な建物の中に巨大な古代建築がばんばん。
これぞタイムトラベル。
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その後またかずえさんに実験音楽に誘われたが場所を発見できずに今日は断念。
かずえさんは、毎晩何かしらのイベントを見ているらしい。
すげータフだ…英語もスペイン語も話せるしどーなってるの!

ウェブサイトをちょこっとだけ英語仕様にしてみる。
あーこの作業面倒!!

毎日行ってる近所のケバブー屋さんにはもう顔を覚えられたので、
スマイルが増えた笑

ついに洗濯をする。
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この、日本のと形の違う洗濯機に困惑し、一度トライするも
動かなかったので保留にしてたがさすがにもう限界。
先日けんさんのうちで使い方をアドバイスしてもらいリトライ。
単に元栓が閉まっていたのと、
フタをがっちり締めてなかったのが悪かったらしい。

昨日の一枝さんからメールで、
近くの公園でリヒターのドキュメンタリーの上映があるから来ない?とのこと。
もちろん行きます。
同じレジデンス住まいの韓国の女性作家さんもご一緒。
オシャレさんである。かずえさんに、ほら英語の練習と
レッスン代わりの英語会話を必死に…30秒で頭が疲労する。


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おおーヨーロッパスタイルっぽい。ちなみにこの明るさで夜8時半くらい。
日中は暖かかったけど、上映中に気温が下がって寒い映画体験。

言語はドイツ語、字幕は英語って少しは読めるかなとがんばってはみたけれど、
やっぱりダメだ!一割…
それでも、スタジオ風景が主なドキュメントなのでかなり楽しめた。
リヒター爺さんは想像通りストイックで謙虚、想像以上にチャーミング。
何度も会場でドッと笑いが起きていたのをみると、
さらりとジョークを言っているようだ。
2人のアシスタントが大量の油絵の具を混ぜてたり、
作品整理したりしている。

個展会場の綿密な模型、広くて整理されたスタジオ、
脚立に乗って画面に絵具を塗ったりひきずったり。
塗る音とかもキレイに録ってて臨場感あり。
絵の前で、しばらく葛藤してる姿をみてグッとくる。

美術館の打ち合わせ、搬入、オープニングパーティ、
奥さんとのやりとり、無駄の無い良いドキュメントだった。

しかし、映画の観客いっぱいいて、
やっぱりリヒターて「誇れる国民画家」なんだな。
そりゃあ、年取ってもチャーミングでさ、
そもそも若い頃からすげーイケメンだし、
作品も話し方も知的だし、
トータル佇まいがカッコいいんだもんな。

日本の国民画家は…

5月22日
来月から入居するglogauAirにご挨拶に行く。
ナイスロケーション。
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スタッフの人達と話すもやはり英語がわからん…本当にやばい。
ひ汗かきながら必死にコミュニケーション。

救いで偶然日本の作家さんが1人入居していたので、
助けてもらう。田口一枝さん。
そして、どっかのギャラリーのオープニングイベントに誘ってもらう。
ベルリンでは毎日何かしらのアートイベントが行われており、
こういうサイトに情報がまとめられているとのこと。
http://artcards.cc/berlin/
なるほどーこれは便利だ。

近くの川には白鳥がいる。
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晴れてて暖かく、人々もリラックスして河原に寝そべっているので、
僕も小一時間ぼーっとする。

その後オープニングに向かい、ビールを飲みながら建築の展示を見て
、さらにその後実験音楽の演奏会に誘われ聞きに行く。
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なかなかおもしろかった。
かずえさんは、光のインスタレーション作家で、
音楽とのコラボレーションなどもやっていて音楽イベントにも詳しいようだ。
コミュニケーションはここも英語で、
英語に触れる機会が増えるので助かる。

それと、札幌市の助成金が通ったという正式通知が!
やったー飛行機代がだいぶ楽に!
すべての予定が終わってからの支給なので、
まだまだ先だけど、やる気が出た。

5月21日
酒を飲んだ次の日は、起きてからだるーくてなかなか動けない。
2日酔い?そんな量でもないのに…。
年々、飲む事自体よりも次の日のだるさが辛くなってきてる。
午後からグッゲンハイムベルリンでRoman Odak展。
本屋さん巡り。街の中心の大きな本屋と、博物館島の横にある
美術書のお店いいなあ。

5月20日
夕方からけんさんのおうちに招待される。
おもしろい知合いを紹介してくれるとのこと。
もうすでに何度もこうやって気を遣って頂いている。
ありがたい。

そして岩元さんと志水さんと初対面。
2人ともベルリンで活動しており、
やはり肝が座っているというか、
良い意味でヒトクセ持っているような印象で、
初対面でも芸術談義に花が咲く。

Martin-Gropius-Bauで二つの展覧会を見る。
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ここは撮影禁止だったので残念ながら作品紹介は出来ず。
ひとつはKunst In Los Angels1950-1980という展示。
ググったらなんか作品リスト載せてるサイトが出て来た。
http://purple.fr/diary/entry/pacific-standard-time-crosscurrents-in-l-a-painting-and-sculpture-1950-1970-part-2-at-the-getty-center-los-angeles

ホックニーの水しぶきの作品とルシャのガソリンスタンドの絵が並んでいて感動。
驚いたのはどちらも20代中盤~30代前半の作品だったこと。
よくよく考えてみれば、
ポップカルチャーに一番親和性があるのはヤング世代なのだし、
それは無理矢理納得できるにしても、
絵作りが上手いよな。特にホックニーは。。
形の処理能力、書きかけの線を残す判断、絵具の使い方の多彩さ、
構図と色彩、がずば抜けてる。画家らしい画家。
水しぶきの描写がやっぱりすごい。
水の粒とか流れ、ブラシストローク、こんな風に変換できるのかと
思う。

ハードエッジの地味な抽象作家ゾーンがあり、
Frederick Hammersleyという人の作品がちょっと良かった。

Vija Celminsの若い頃の小さい作品があって、
劣化リヒターみたいなモノだった。

Ronald Davisという作家は、
ファイバーグラスやポリエステル樹脂を使って平面的な抽象作品を作っていたが、
それも60年代。この作家のもの以外にも、
樹脂系の透明素材を利用した実験的な造形作品がたくさんあった。
素材の強度が前に出すぎてて造形作品としてはどうなんだ?
というものが多かったけれど、
積極的にそういう新素材に向き合っていってる熱は感じる。

ブルースナウマンの作品がまたあって、
四角い回廊の曲がり角部分に一台ずつテレビモニタが置いてあって、
ライブカメラも4台各曲がり角の上に設置されてて自分の後ろ姿が横倒しで映るっていう作品。
曲がるたびに自分の姿が一瞬見えて、追いかける形式。説明しづらい笑
しかしこの人の作品っていろんなとこで何度か遭遇してるけど、
全部違う作風で、だいたい良い作品だな。天才肌。

いくつものムーブメントを包括したなかなかおもしろい展示だった。


もうひとつの展示は、Art and Pressという企画で、
タイトル通り新聞記事・報道をテーマに
実際は最近の巨匠だらけのグループ展みたいな豪華展。
このサイトのKunstlerて所をクリックしたら作家一覧出て来ます。
http://www.artandpress.de/ausstellung.php

キーファーリヒターポルケとドイツ絵画御三家も揃っていた。
キーファーは、こないだ見たのよりさらにデカい笑
巨大で黒いトゥオンブリみたな作品と、
鉛か何かで出来てる旧型印刷機からヒマワリ生えたオブジェ。
デカくてトゥオンブリっぽい所以外は、うーむ…。より劇的な感じが苦手。
リヒターはそこそは良い作品だけどやや見すぎた感。

やっとポルケをまとめて見れて、やっぱり変な絵で笑える。
このハンパな物質性があって特異的なユーモアの交え方が良いよなー
でも古い作品だったので、個人的にはもっと素材の洗練された後期の作品が
もっと見たい。

作品として優れているのかわからんけれど、
ウィリアムケントリッジのコンピュータ仕掛けなのにアナログ感満載の
人形劇が、異彩を放っていた。シリアスな内容なんだけれども。

デュマスの絵画はアパルトヘイトの壁を描いていた作品で良かった。
大きな絵画3枚なのに距離が取りづらく鑑賞しづらい展示のされ方で残念。

その他グルスキーのF1の写真作品
ロバートロンゴのドローイング作品、
angel vergaraの映像にペインティングしてる作品
など、なかなか面白かった。

それと、ここの画集屋さんが充実している。
いつもセール本があるようで、めぼしいのが何冊かあったので今度買いにこよう。

横には、ベルリンの壁の跡がある。
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特に変化の無い日常。
が、
ついこないだまで住んでたボロ家が、
更地になっていたというメールが届いた。
添付写真を見ると、本当に跡形もない…ええええ!?
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結局潰しちゃったのね大家さん!
しかし、切ねええええさすがに泣きそうになった。

しまった起きたら10時。少しずつ生活リズムに乱れが…

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急いで近くのカフェで朝食を食べる。パン安くておいしい。
このCLUB MATEていう炭酸飲料、よく若者が買って飲んでる光景を
目にするので飲んでみた。そこそこおいしいけど何の味なんだろ。

昨夜いろいろ検索した展覧会巡りを少しだけ。
まずは郊外のHaus am waldseeで小金沢健人さんの個展を。
http://www.hausamwaldsee.de/index.php?option=com_content&view=category&layout=blog&id=65&Itemid=170&lang=en

大きな映像作品数点と、カラフルでオシャレなドローイングで構成されていた。
会場も素敵な雰囲気の場所で、軽やかで美しい展示。
バランスが良くて、見せ方のうまい人だなあと感じる。
映像作品初めて見たけど、映像の方がよりグッと来た。
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この映像作品の無重力感が一番グッと来たけれど、動いていないとわからず…

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飛行機雲をモチーフにした映像などもあり、
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このアプローチは素直だ!と、こないだ見たベルリンの空を思った。

美術館の裏には、すてきなお庭と湖が。
なんというグッドロケーションだ。
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心地よい。


その後、一流作家を多数展示してるらしいGalerie Max Hetzerというギャラリーへ。
こちらも別の郊外にあり、大きなテナントビルの三階にあった。

入り口は鍵がかかっており、チャイムがある…。
鳴らすとギャラリーの人が空けてくれるという
若干緊張する仕組みの入り口をくぐると、美術館サイズのデカいホワイトキューブ!!
こりゃすげえ。
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展示されてる作品は好みではない彫刻だったけど、いやびっくりだ。
ベルリンのギャラリー事情、もっと詳しく知りたいな。
今年のバーゼルのリストを見ると、
ベルリンだけで30くらいのギャラリーが出展するようだ。
多いよ…!ちなみに日本からは5つのようだ。
つーかバーゼルって見に行けるのか!?
行けるなら行ってしまいたいなあ…

帰り道でいつものケバブー&コーラ。
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これ、なんだかんだうまいんだよなあ。
新鮮野菜もたっぷりで栄養ありそうだし、安いし。
マクドナルド行くより500倍くらい健全だ。

そしていつものカイザーでパンとハムを炭酸水を買い、
絵を描き、英語の練習をして、終わり。
出かけても出かけなくてもこの日常リズムは定着してきてるのでなかなか良い。

着いて落ち着いたらすぐに書くぜ!と威勢良く恋人に約束した手紙を、
案の定しょっぱなからすっぽかしたため、メールで失望される。

仕事や直接美術に関わることと遊ぶこと以外は、
とことん面倒というか、
後回しにしていくうちに忘れてしまうので、困ったものだ。
家族とか恋人とかよくつるむ後輩とか近い人達になればなるほど、
そのズボラさが増す。

それは悪だよ悪の甘えだよ君、と自分に言い聞かせ、
右耳から左耳やスルーリと…わかっちゃいるけどもねえ!
多大なご迷惑をおかけしている皆様、
ヨーロッパのジェントルスタイルも一緒に学んできます。
だからこの機会に記憶から消去しないで下さい。

優れたアーティストは筆まめだと聞く。
まずは美術のためだと思ってクセつけよう!(こういう発想がキタナい)

気分転換で自転車で少し遠い方のバウハウスというホームセンターへ行ってみる。
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晴れた日のベルリンの空っておもしろくて、
常に飛行機雲が散らばってる。

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紙ヤスリなどしか買わなかったけど、
ここも良さそうなホームセンターだ。
帰って来てから英語の勉強。
買ったヤスリで下地作りの続き。いい調子。

あとは来月入居するレジデンスに送るためのステートメント作り。
もちろん英語で書かねばならんのだけど、あー頭痛い…

試しに書いてみてみきこさんに添削をお願いしたら、
やっぱし訂正多数必要だって。ゲボ吐く!

ハンブルグ小旅行の疲れで
さすがに丸一日家でダラダラ過ごす。

なんとなく下地作りと、
英語の勉強と、昼寝。
英語の勉強をすると自動的に眠気が…いかんな。
そこで、洋楽を聞き取ってみるという作戦にでた。
もちろん選んだのは、
ビートルズとカーペンターズ!!

ビートルズはネット上にたくさん和訳があるし、
ビートルズで覚える英語サイトなるものまである。
カーペンターズは英語の発音がとても良いと聞いたことがある。

いやあしかしやってみたものの
聞き取り間違いが多すぎて意味不明になる上に、
必死にリピートしてやっと聞き取れたところで
訳せないという無惨な結果に。やれやれ…

ビートルズとカーペンターズだけで練習し続けたら、
奇特な平和主義と失恋については雄弁になれたりして。

試しに聞き取りずらそうな音楽にも挑戦、
ipod適当に探して、これは聞き取りずらそうだけど単語数少なそう、
ジザメリのjust like honey!
エロいこと言ってるところまでは理解できた…


ベルリン生活も早一週間だけど、食生活に関しては
すでに何度もケバブー屋さんにお世話になっている。
家にいる時はパンとチーズとハムしか食べてない。
食器はこっちにきてからコップ一つとバターナイフしか使ってないし、
コンロやレンジも動かしていない。
このまま一年間、食に関しては変わらなさそ…。

とは言っても考えてみれば、
パンとチーズが日本でいうご飯と納豆、
ケバブーが日本でいうドンキーか吉野家かコンビニ弁当なので、
なんだ日本にいたとしてもほとんど変わらないじゃないか。安心だ!!
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あと、milkaというチョコレートが気に入ったのでものすごい食べている。
コーラもやたら飲んでるので、不健康に太るかもしれない。

しかし、こう一日でもダラついていると、
時間ばかりが過ぎて行って、
それにコストがかかっている重圧が恐ろしい。
定職についていないということは、
この一見自由に見える時間は、高額で買っているようなもんだ。
僕の全財産はどんどん減るばかり。

そうやって考えると少しは気が引き締まって筆が動く。

まず、昨日のHamburger Kunsthalle。
現代美術ゾーンは、Neo Rauchを中心にした企画。
その他2人の古い画家(どちらもヘンテコな具象だったので関連性をもたせているようだ)
の作品と
ゆったり展示されていた。
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この作品らはオイルオンペーパーだった。

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この絵作りとかヤバいっす

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これが一緒に展示されていた、Aleksandr Dejnekaという人の作品。
結構おもしろい絵画だった。

加えてミニマルの企画も。
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ロバートモリスの作品は実物初めてみたかも。良い。

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この写真群カッコいいなと思ったら、エド・ルシャでした。
こんなシリーズもあるんだ。

次は近代美術以前ゾーン。ノルデとかあたりの地味だけど変な系のな表現主義系が続き…
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これはなんかいいなと思ったら実はムンク!

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さらさら薄塗りで描いてる感じがややマチスっぽい。

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意外にグッと来たのがオスカーシュレンマー。
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イメージ作りもおもしろかったし、数点あったけど絵具の乗せ方を全部変えていた。

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ドガの絵画と彫刻。ドガの彫刻を以前メトロポリタン美術館で大量に見て、
この人はただ事ではないと初めて実感したけれど、
やっぱし異質だ。

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これはドニ。いつ見ても色彩センスがオシャレだ。

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モランディ!!ヘンピなところに飾られていた…
が、すばらしい!

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ここでもフリードリヒが目立って展示されていた。
これはあの有名な絵だ。

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やっぱり、描写はけっこうざっくりしている…


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ジャコメッティ。ホントいいですねー

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ホックニーとベーコンが並んでいた。

ちなみに一番感動したのはさっきのとは別のムンク。
この左2点にはグググっと来たなあ。
ずっと見たかった作家だったのでなおさら。
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これは有名なマドンナ。これも薄塗り透明油彩感がたまらん。
周りのモヤモヤもクセのある曲線であってすばらしい。

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目のあたりの処理とかこうなってるんだなあ。

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この作品も相当ヤバい!!
構図もうまいなあ…
これって似た構図で上半分もあるスクエアのバージョンもあったよな。

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右上の部分。サインの辺りがわかりやすいけれど、そうとう透明な塗り。

まだまだいろいろあったけれどとりあえずこんなところで。
他にもルイーズブルジョワの企画もやっていたけど、タイムアップだったし
カタールでも見たので、今回は断念。
ここもまた、見に来よう。


さて、本日はみきこさんと武田さんと少しハンブルグをぶらぶらした後、
2人は先に特急でベルリンへ。
自分は安く済ませるためにまたバスターミナルへ向かう。
途中強風で5ユーロが風で飛ばされて、
必死に追いかけたら車にひかれそうになった笑。

バスのチケット購入は行きよりすんなり手続きができて上機嫌。
出発まで時間が少しあったので、
近くのデザインミュージアムへ。家具やタペストリー等がおもしろい。
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これはウィリアムモリス。

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これとかおもしろい。ココシュカ(だったかな?)
のドローイングみたいな絵が、織物になっているという。
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アジアのコーナーには日本の茶室が丸ごとあったり。
型紙なんかもおもしろかったなあ。

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ゲームボーイが展示されていて感動。
この離れたキャプションの作家名欄には
しっかりYokoi Gunpeiと書かれている…!

その後3時間半、バスに揺られ、ベルリンに戻ってからは武田さんの
個展開始お疲れさま会をけんさん家で。
けんさんと武田さんはとても仲が良い。
学生時代からお互いを尊敬しあっていたんだろうと感じる。
途中みきこさんとけんさんがバトル、
お互いファイター気質なのでぶつかり合った時には大変そうである。
ギャラリストと作家の関係、タフネス。
楽しかった。

深夜にトラムで帰る。最寄りのトラムは24時間動いているみたい。
知らない街の深夜は多少怖かったが、
思ったより治安は良いらしい。とはいえ油断はできんな。
とても変なファッションで頭の悪そうな若者が乗っていた。

一泊二日でハンブルグに行く。
先輩の武田さんの個展を見に行くためだ。
会場のMikiko Sato Galleryは、
秋の僕の個展会場でもあるので、会場下見も込めて。

というワケでZOBという長距離バス乗り場へ。
予約もしないでカタコト英語で、
ハンブルグ行きのバスに乗れるのかはデタトコ勝負。

窓口のオッサンに若干困られたけれど、
チケットも買えたしきちんと乗れた。
札幌帯広間のバス乗る時とほとんど同じだ。
距離も似てるし親近感。2階建てバスってところが違う。
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2階建ての乗り物って大人になってもなんとなくテンション上がりますね。
3時間半、見える景色は風力発電の風車にキレイな菜の花畑の黄色、
牛や馬。しかし、平野だなあ…
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このヒョロイ木の集まりは新鮮に映る。
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お昼に着いたハンブルグは、ベルリンとはずいぶん違う雰囲気、
なんかブラウン系の色彩が多めでリッチな感じ。
中央駅のバスターミナルで降車。
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昼過ぎに到着、MIKIKO SATO Galleryは
中央駅から徒歩5分。良い場所だなー。
徒歩10分圏内に美術館もたくさんある。良いロケーションだ。

武田さんの個展は18時からオープンなので、
まずはすぐ近くでやってるゴームリーの個展をみる。
ギャラリーじゃないのに入場無料…どんな仕組みで無料なんだろ。
しかもめちゃくちゃスケールでかい!!
靴を脱いで入場、とてもデカい板が宙に浮いていて、階段で上に登る。
パッと見、ゴームリーな感じがしない。
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登るとこんな光景が。
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黒い反射床になっていて、くつろいだりできる。
なるほどイレギュラーだけどゴームリーっぽいのはこれでわかった。

その他ドキュメンタリー映像なども見れた。

今度は、ハンブルグ美術館Hamburger Kunsthalleへ。
ここもまた非常に良い美術館で、2時間くらいいたけれど、
写真が多くなりすぎるので詳細は次の記事に書きます。

さて武田さんのオープニングに向かう。
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ピンクコーディネイトに蝶ネクタイ!!
キュートな反面、
黒ぶちメガネとおかっぱと蝶ネクタイは大木凡人でもある
と思った僕は悪い後輩です。

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ここ数年のポートレートシリーズがまとめて見られる総決算的展示になっていた。
個人的にはチビシリーズと、大きな縦長シリーズがやっぱりグッとくる。
また、中央の階層のある神殿はトオンカフェで出展していた作品で、
これについて以前ムリクリ辛口意見を言ったところ、
そこがしっかりバージョンアップされていた。できる人だ…

そしてこの作品達をすべて送ったガッツがすごい。
そうとうお金もかかったらしい。
梱包もずっと大変そうだったし、恐ろしい。

ギャラリーの空間は、
天井がとても高く開放感がある。
ただ外光の差し込む方向や、壁と壁が垂直でない部分があるなど、
絵画の展示をするには少しクセのある空間で、
武田さんもかなり試行錯誤したような感じだ。

僕の時はどうやろうか、イメージを練ってみる。
六花亭さんでやったときみたく、
またしても照明などでワガママ言いそうだ…!

お客さんはひっきりなしにたくさん出入りしていたし、
作家にたくさん質問をしたり、
日本でみてきた感覚と違った。
なので武田さんもみきこさんも、忙しそうだ。

けんさん夫妻はもちろん、
先にケルンに渡航した大島さん夫妻も来ており、
皆ドイツで再会。

この日は近くのギャラリーが同じタイミングでオープニングパーティを
やっている日で、ハシゴできた。
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こんな絵画があったりしました。絵画が多めだったけど、
うーん、なんとなくモヤモヤ感。

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ハンブルグ街並。なんかリッチ感!

オープニングが終わって、打ち上げ。各ギャラリーの打ち上げも行われていたので
かなりガヤガヤ。隣の夫婦やお兄さんと超ブロークンな英語で話してみるも、
やはりムズ痒い気分に…これではイカン!
とりあえずこういう英語で話せる機会は逃せない!

打ち上げハシゴでクラブにも行ってみるも、場違い気分満載ですぐに退場。
あのカルチャーはホント苦手。自分の人生観にまったく必要性を感じない。

みきこさんのトコに泊めてもらう。
半ば強引駆け込みのため、
武田さんと同じベッドで一夜を共にした笑

晴れていて気持ちがよいので、観光デーにしようと決めた。
まずは博物館の島へ。
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こういう風景こそ、ヨーロッパ来たぜ!!て感じしてきた。

旧ナショナルギャラリーAlte Nationalgalerieを見る。風格ある建物。
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あら、こちらにもリヒターのノボリが。
あの有名なoctober,18 1977のシリーズが全部まとめて展示されていた。
MOMAに所蔵されてる作品群。

このシリーズはとても良かった。
他の作品と手法などは変わらないのに、なぜか良い。
おそらく失敗できない大事な主題で、特別な緊張感で取り組んで、
実際成功したんだろう。そういう感じがした。
それに、選んだ画題がリヒターの絵画においてやりたいことと
うまく一致しているんだろう。

また表面の処理を撮る。キリが無いので少しだけ…
しかも死体とか暗い絵なのであんまりアップで見ると疲れます。
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チェーンで吊ってるのが勿体ないなあ…
しかしなんかこう画面から出てくる虚無感というか、独特の含みが
先日見た作品の多くよりも、漂ってるんだよな。
技法の処理も丁寧な気がする。

隣はフリードリヒの部屋。
さすが一部屋まるまま、特別扱いのようだ。
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細部。反射してうまく撮れていないけど、人の小ささ。

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フリードリヒ、描かれている大気からの質と地面からの質が特殊。
どの絵を見ても光の美しさの中にある畏怖の念みたいなのを描いている気がする。
なんとなく怖い。宗教的な崇高さがある。
意外に描写も荒いし、オーソドックスな風景画スタイルなのに不思議だな。


その他、近代ルームでは印象派やナビ派がチラホラ。
ボナールの大作やドニの小作などが良かった。
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ボナール。日本画っぽい。

とアップしてるのは有名どころだけど、
展示の大半は胸焼け系の古典絵画なのでした。


隣の建物Neues Museumにも入ってみると、エジプト博物館だった。
でかくてめちゃカッコイイ展示室に大量の展示物。
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すごかったけれど中が乾燥しすぎていて頭が痛くなる。
教科書などで見た事ある有名な王妃の胸像があったけど撮影不可だった。
広い部屋に一点のみ、上から光がさして展示演出が凝っていた。

さすがに周りの他の博物館は今日はスルー。
これは旧博物館、
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こちらはベルリン大聖堂、
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こんなのがまとまっているのが博物館島。世界遺産のようで、
いつも観光客がぶわーっといます。

次はブランデンブルグ門へ。
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ここも観光客と変なパフォーマーだらけ。
なぜここでダーズベイダーなのかはわからない。

通過してお隣の国会議事堂へ。でけえええ。
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満を持して入ろうとするも、
英語で「レジスターが必要だから準備してからまたきてね!」
と、おそらく言われた気がした。

レジスター?なんじゃそりゃ。
数年前は普通に入れたらしいけれど…警備強化されたわけか。
ちなみにここは過去にクリストが包んだ建物なのだった。
こんなにデカい建物だったとは…圧倒的だ。

国会議事堂に入れなくて心に穴が空いたので、
それを埋めるべく結局美術館に向かうことに。
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途中の、セラのパブリック彫刻だけれども。
落書きひでぇー。

そして古典絵画だらけの、
その名も絵画館Gemaldegalerieへ。

ずっと古典絵画を浴びたかったんだ!!
尿漏れしたらどうしようっ!!
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デューラーの細部。キますねえ〜

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ホルバインの細部はさらにヤバい。
左の容器の楕円がやや狂ってたり右下の机の柄のやや違和感が逆に嬉しくなるが、
それにしても狂気。

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クラナッハの変な絵。左上の岩の形が変だし、真ん中の、
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これらの描写がやや狂気じみている。

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ブリューゲル。絵の前に、それぞれの人物が何してるのか書いてあるパネルが。

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全体的におもしろいけれど
例えば右上のオッサンとか、その下の歩行タマゴがウケた。
ことわざみたいなことをを絵にしているようだ。


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レンブラント。クセあるなぁ。

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中央のこれもレンブラントらしい…ホント? だって青い空のイメージがないもんね。
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細部はこんな感じ。


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真ん中とその左はどちらもフェルメール。
とくに左側の有名な作品は本当に素晴らしい!
今まで何点かフェルメール見たし、打率が良い作家だけれど(作品少ないし)
これはその中でもかなり良い気がするなあ

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下部の繊細な暗い部分は反射してしまって撮れません。
しかしこのやわらかな光の捏造っぷり、
光の像を描く意識、
矩形にどうやって空間を収めるかのセンス、
結果持ち得る、時間とかぶっ飛ばす特異な絵画性。
これぞ魔法のような絵画だ。

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プッサンも何枚かあったけど、この作品の画面構築ごり押しっぷりにグッと来た。

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カラバッジョの天使の絵、の向こうにはベラスケス。この辺は壁がピンク。
古典絵画が並んでる美術館てだいたいどこも壁に色付いてますな。

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ベラスケス注視。
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この顔の描写、素晴らしい
髪とか襟のヒラヒラとかはササっと描いてる。

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顔のボカしに比べて装飾はエッジを効かせて描いている。


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ラファエロ。初めて実物みた!
とりわけ好きな画家ではないが、まずはラファエロを見れたこと自体に感動した。


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これはティツィアーノか。なんか妙なバランスだな。左上のパイプの違和感。

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顔の左側のカーテンの形も三角になってて不思議だし、
右下にはブサイクな犬がこっち見てくる笑 左上と右下に異質なモチーフを置いて、
対角線で画面を散らしているのか。

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ボッティチェリも初めて見た。横にあるのは謎の現代美術作品…

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これは、あの有名な絵の、ヴィーナスだけ描いたやつ。
こんなに精巧に単独で描いてるんだな。
さすがイラレのアイコンだっただけあって、コピペの素材のようだ。
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さらに時代を遡る。この辺も全部初見でエキサイトしてしまう。
ピエロデラフランチェスカの小作。
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妙にモダンに見える…陰影がないからかな。しかしよくこんな些細な絵が
今まで残されてきたもんだ。

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フィリッポリッピ。頭の形が凄いけれど、
描写の処理や色彩はすばらしい。


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これもフィリッポリッピだったかな…
この植物の描写とか。

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ジョット。ここまで遡れるとは感激。
手が小さいな。人類の絵画テクニックの当時の最先端を感じ、ジーンとくる。

そしてなぜか館内の中央に、
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ウォルターデマリアの作品がポツンと設置されていた。
知的シンボル?

…これで一部。もっと他にも有名な巨匠の作品もあったし、
それ以上に有名じゃない画家の作品がごっそり。
巨匠と、その周りを固める画家たちとの大きな差は一体なんなんだ。
巨匠の作品の中でもホントに名作は、遠くからでもこれはただごとじゃなさそうだ的な
オーラが漂っているんだ。

3時間くらいグルグル回ったけどさすがに体力の限界。
カメラを構えると集中力がやや下がるので、また改めて見に来たい。

天気が悪かったので、部屋にこもってぼちぼち制作など。
ネット環境があるとまあしかし便利で、
こうやってこもっていてもベルリン情報も入手できるし、
その反面実際日本にいる時とあまり変わらない生活になってしまう。

元々ネット依存気味な自分であるし、予想通り。
せっかく遠方の地にいるのにこれはこれでつまんないなあと実感。
ほど良い付き合い方ができるだろうか…

夕方から晴れてきたので、自転車で10分ちょいのところにあるらしい
ホームセンターを探しに行く。

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あったあった、HELLWEG!

さすがDIYイメージのドイツ。ホームセンターもデカい。
工具はやはりBOSCHが主流のようだ。
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価格は日本よりやや安い。

あとmetabo…?ごっつい。
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木材はそんなにお値段変わらない様子。
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なるほど様子はわかった。今はまだ工具を使えない環境なので様子見のみ。

帰りにスーパーに寄る。パンとチーズとハムが僕のドイツでのエサだ。
でもこんなのも売ってる。
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日清ってグローバルなんですね!心強いぜ。

パンクした自転車を直してもらおうと、
近所に発見した自転車屋さんへ。
Maybe back tire was punk!
と知ってる単語並べただけのブロークン英語を披露したら、
何が起こったかと、英語がカタコトとうのは伝わったようで、
そして何かを説明してくれた。
チューブを変える必要があるということと、2種類の金額だけ聞き取れた。
安い方で!と言ったら、自分で交換できる?と笑われた。

ノーノー、お願いします!と訂正して快く引き受けてくれた…
みんな親切ですなあ。

夜にできるみたいなのでそれまでブラブラ。
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Alexander駅。
イメージいていたヨーロッパっぽい駅だ。
この駅と、Hackescher Market駅と、Friedrichstrase周辺がmitte地区というらしく、市街地だ。
オシャレ系服屋さんやレストランがたくさん。

ギャラリー街もHackescher Marketから歩いて行ける、
August通りにたくさんあるとのこと。
そこでやってるらしいベルリンビエンナーレを少しだけ見る。
KWというメイン会場。
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これはどっかのキリスト像を再現してるのか。

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芽がでてたり

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これはエコロジストとか、アナリストとか、そういう単語が糸で繋がっていた。

政治的な作品が多く、イマイチ入り込めず。
映像見てもまず何いってるかわからんし…。
裸のおねーさん達が叫びながら反体制みたいなことをやって警察に捕まってる映像とか、
何してるかわからなくても見てるとグッタリ。
壁にブワーって文字が書かれてたり、読めねえ…
困惑したまま去る。

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路駐が多い。

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おじいさんがキティのバッグ。。

その後、U8のMoritzplatzで降りてすぐの場所、
昨日教えてもらったmodulorという東急ハンズがオシャレに洗練されたようなお店に行く。
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ゴールデンの絵具が売ってた。問題ないけどやや割高。
昨日買った違う会社のメディウムで上手くいけばよいのだが。
紙ヤスリや、仮作業場用のビニールシートを購入。

その後、アパートに近い昨日の画材屋さんboesnerのチェーン店も見て回る。
ややわかりづらく、Marienbueger Str.にある。
だいたいのモノはここでも揃いそうだ。

自転車を取りに行ったら、
パンクは治ったけれど
なにやらトラフィックに問題があるかもしれんとかブレーキがどうとか、
いろいろ警告される。
やはり詳細は聞き取れんので、OK!フリマで買ったからしょうがない!
No problem!っつって終了。
はーやれやれ。そうなんでもうまくはいかないぜという警告だな。
結局パンク修理15ユーロ。

帰って、パネルに下塗り。

しかしベルリンビエンナーレって本当にあれだけなの!?と思って
ちゃんと調べてみたら会場が複数だった。やっぱり…
また改めよう。

けんさんに、郊外にある巨大な画材屋さんを案内してもらう。
S2バーンのBuckower Chausseeを降りて徒歩5分、
boesnerというホームセンター並の画材屋さん。
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なんじゃこりゃあ。いろんな絵具がズラリ。サイズもでかい。
これでアクリル絵具棚の一部。

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こちらはアクリルのメディウム棚。

僕が普段使っている半ツヤのジェルメディウム、
日本ではゴールデンのセミグロスゲルのみだったけど、
ゴールデンは扱っていないみたい。
でも半ツヤはいろんなメーカーから出てるみたいなので、
実験用に買ってみる。
リキテックスはバッチリ。これでグロスポリマー系は問題無し。
あとは仕上げニスの最適な物をいろいろ探らないと。
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既製キャンバスもズラーっと。僕は使わないけれど、
大きなサイズのロールキャンバスもあった。

また、既製の木製パネルもたくさんあって、出来が良い!
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自分で作るより精巧だし
小作品用ならサイズもちょうど良いので、これも買ってみる。
思ったよりすぐに制作に入れそうだ。
その他いろいろ、ひと通り何でもありました。
お値段は日本より少し安いくらい。

その後、けんさんの奥さんのあやさんと合流して、
まずは携帯ショップへ。
ネット環境整備だ。

メールもネットも出来ないといろいろ問題。
言葉の手助けをしてもらいながら話を聞くと、
プリペイド式のwi-fi機器なら契約不要ですぐ使えるみたいなので、それに決める。
機器代は80ユーロくらいで、
ひと月25ユーロで5GB通信可能。5GB超えると速度制限がかかるとのこと。
5GBはすぐ達してしまいそうだけど、安いからOK。

3人でお酒を飲んだ後、帰宅しようとすると、
あら!自転車がパンクしてる!?
なんてこったボロはやっぱりアブねえな。
5kmくらい、無理矢理乗って帰る。帰り道は上り坂なので辛い。

さてwifi機器を充電して、接続テスト。
無事に繋がったー!!
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これで日本からそのまま持って来たauのiPhoneがマトモに機能する。
料金体系やオプションは最低にして、
メールやネットはすべてwifiで。
通話すると高額なので、できるだけskypeを使う事に。
とりあえずこの態勢で様子をみてみよう。

さっそく朝から行動開始。
トラムに乗ろうとするも、昨日のSバーンやUバーンのように
乗り場にチケット販売機が無い。
そこにいたお兄さんに、どうやってチケット買えばいいの?と聞いてみたら
笑顔で、トラムの中でだよと教えてくれた。
確かに車内にあった。ピッとやんなくても良いタイプのチケット。
これもSバーンUバーンも共通で使えるみたい。

まず昨日教えてもらった公園のフリーマーケットに行ってみる。

広い!
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これは入り口付近で、奥に延々と出店が続く。
毎週日曜日はこの規模のフリマが行われているとのこと。

今日の目的は自転車。
やっぱり、住むって実感するにはその街でチャリを買って、
走り回ってこそ。

怪しいおっさんとカタコト英語でなんとか交渉して値切った結果、
50ユーロでボロい自転車購入。テンション上がるぜー。
自転車の乗り方ルールもイマイチわからないので、
道ゆく人を観察してみると、基本車道を走ってる。
場所に寄っては自転車走行ゾーンがある。

恐る恐る見よう見まねで道路を走って、
まずはベルリンの有名現代美術どころ、
Hamburger Bahnhof Museum fur Gegenwart,Berlinへ向かう。
なんて立派な現代美術館!
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ここではまず、リキテンスタイン、ウォーホル、トゥオンブリ、ラウシェンバーグ、キーファーと巨匠のしかも良質な巨大絵画が並ぶ企画展が。
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リキテンスタインは2点、どちらも扱ってるイメージが玄人チック、
片方は矩形の構図ずらしだし、
もう片方はピカソのアレンジを、ガラス反射のイメージで抽象的な手法に落とすっていう。
画家だ。画家!!

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ウォーホルも大作をゆったりと大きな部屋で。
左のモノクロの自動車事故のシリーズがウォーホルの無感情な怖さがよくわかる。

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迷彩。側面の処理が適当。。

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トゥオンブリ。これもでかい。でかいし、スッカスカ笑
でもなんか良いんだよなー

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トゥオンブリはこれら以外にもまだ数点ありました。

次の部屋はラウシェンバーグ。
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この右側の絵、イイな

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反射板と逆さの椅子に、

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薄い布に
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透明色の重ね合わせ。
素材ミックスが本当に上手いコラージュの天才性と、
構図や色彩の空間バランス能力も高い。

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その奥に、キーファー。
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とりあえず、でかああああ!! 
僕キーファーって劇的演出過多なトコはそんなに好みじゃないけれど、
このデカさと物質押しなところはやっぱり圧倒されてしまうな。

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近くでみたら上の方に船がくっついてたり。

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重すぎるのか、支え棒がちょっとおもしろい笑

別展示。こっちはダン・フレイヴィンの展示、
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写真じゃ全く意味がない。。。
この人のは現物初めてみたな。
蛍光灯の裏側にも別の色の蛍光灯を仕込んで光の微調整とかしてて
部屋全体の光量とか色彩のバランスは繊細であった。

こっちはボイス。ボイスとダンがコラボっている。
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ボイスもけっこうわけわからんことやって無理矢理言ってるるような感じもするけど、
結局造形物が優れてて、空間をグッと制するパワーがある。

あと初めて知った、Anthony Mccallという作家の光のインスタレーション。
これも写真じゃ伝わるわけないんですが、
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こう壁とか床にこんな風に光が投影されてて、その光の線がスモックがかった空間で
可視化されてるというやつ。投影される形は変わったりもする。
部屋や投影距離はもちろん広い。

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子供が楽しそうに光に自分の姿を投影させて遊んでいた。
エンターテイメント力って感じもするけれど、
実際自分も光の中に入って行けばラインの形とか大きさは
それなりに心地よいものだった。

さらに建築寄りの美術作品などが並ぶ企画展も。
あんましこっちは琴線に触れなかったけれど、
ジェフウォールとかありました。
思ったよりグッと来ない…おかしいな。
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などなど、一つの美術館でいきなり盛り沢山。
ちなみにこんなに大きな美術館にもwifiは来ていない…
ベルリンはフリーwifi環境整備はあまり良くないのかも。

気持ちが盛り上がってしまい、鑑賞衝動を抑えられず
そのまま次はNeue Nationalgalerieのリヒター展に向かう。
30分くらい並んだ…休日なせいでもあるけどやっぱ人気あんのね。

リヒターは何度か実物を見ているので、わりかし予想通り。
絵肌とか側面とかの処理はとっても適当。
絵画殺ししてるけれど、絵画になってるという絵画。
アブストラクトは絵具がしわっしわになってて心配になる。
ブログでも何度も感想書いてるので今回は省略。
有名な作品をたくさん見れて良かった。
作品によっては、良いなあと思うのも何点もありました。

何より撮影OKなので、撮りまくり。
facebookに投稿したので、
ここから撮影した写真見れるはず。
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.350848838308954.78661.100001515216496&type=3&l=84c341f9e3

地下には常設展も。ちょっとさすがに鑑賞力の限界を感じつつも、
貧乏性で見る事に。
ステラ、ロスコ、ルイス、トゥオンブリ、イヴクライン、などいつもの人達のこれまた良作が、
あんま知らない作家の微妙な作品の間にさりげなく並んでるなど。
パイクやリーボンテクーなんかもあった。
ブルースナウマンの、半裸の男がずっとバウンドしてる映像作品がとても良かった。

あとこんなの。
タピエスとかまあ渋いけども。
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このキタイとか変な絵だな!新鮮に見えた。

あ、ポルケ!ウォーホルと並んでる!ちなみにこの壁紙ウザい。
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いいっすねえ たまにスプレーで吹いてるドットがあったりで。
でも本当はもっと後期のテクニカルなヤツが見たい。


くたくた。詰め込みすぎた…焦って量ばっか見るもんじゃない。
街の中心部を通ってアパートへ戻る。
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風景を全然撮ってない。これは東側の中心部のシンボルテレビ塔。

ベルリンの名所はだいたいどこも自転車で行ける距離だなーいい規模だ。
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ボロチャリ、盗まれませんようにー




4時間のフライトを経て、
ベルリンのテーゲル空港に到着。
寒い!北海道とさほど変わらないけど、
さっきまでサウナのようなドーハにいたので。

ケータイの電源を入れると、
あら!?空港なのにwifiが飛んでいないのでネット不通。
まあ仕方がないか。

けんさんが迎えにきてくれる。
2年前、僕の個展を札幌で見てくれたけんさんが、
ドイツでの活動を提案してくれて、
以降色々とドイツ行きの手助けをしてくれていたのだった。
そしてやっとベルリンで再会。不思議な感じだ。
地図をプレゼントで貰った。ドラクエの冒険が始まった気分だ笑

さて5月中はとりあえず、
ギャラリーのみきこさんのお友達のお友達が、
ちょうど仕事の用事で自分の部屋を空けるので、
そこに住む事になっている。

本格的に制作ができるのは、
6月からアーティストインレジデンスに入れるので、そこからだ。
それまではまずベルリンに慣れよう。

さっそくけんさんに5月に住むアパートまで案内してもらうことに。
電車チケットの買い方から教わる。
Sバーン(JR的な)とUバーン(地下鉄的な)とトラム、共通で同じチケット。
Sバーンだったのでホームで購入。市内中心部区間は同じ料金2.3ユーロで
2時間乗り放題という仕組み。
これは便利。
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チケット買ってピッとこの機械に入れたら時間が印字された。

風景すべてが新鮮。
落書きがめちゃくちゃ多い。
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アパート周辺。
良い雰囲気の住宅街だ。
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ここの3階が住む部屋。
今まで住んでた家がボロすぎたのでギャップがすごい。

部屋の中はキレイで天井が高い。3mちょいくらいあるのかな。
小さい作品ならここでも作れそう。
けんさんと、部屋の手続きを仲介してくれたクリストファーが話しているけれど
英語での会話が1割くらいしか聞き取れない。不安がよぎる。。。

その後トラムに乗ってけんさんの家へ。
アトリエが整理整頓されてて作品も並び、部屋自体インスタレーションみたい。
かっこいいなー
居間もすげーオシャレ!
生活環境に潤いのカケラもない自分にとっては新鮮すぎる光景。

けんさんの奥様のあやさんにもご挨拶して、
おいしいものをごちそうになったり、
ベルリン情報を教えてもらう。
美術館や、フリーマーケットや、ケバブーの食べ方などなど。
とても助かります。

帰りのトラムの停留所名を忘れてしまったが、
地図を見てなんとか帰れた。
さて明日からどうしようかなー。

二日目。まずは昨日行った食堂で腹ごしらえ。
どうやらここは味がいいようだ。
お客さんもひっきりなしに入ってくる。

その後、イスラム美術館へ。
昨日のMURAKAMI EGO展の会場の隣にある。
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海辺にそびえるとてもカッコ良い建築!!

建物の中は神殿のようだった。すげー。
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実際内部の端っこの方にはモスクもあった。

館内のカフェからは、対岸のビル群を眺めることができる。
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なんとゴージャスな。。。

展示もカッコいい。
いやーヘンなものがたくさんあって
おもしろかった。
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展示物挙げるとキリが無いのでほぼ割愛。

この美術館はGoogle Art Projectで見る事ができるので、ぜひ。
http://www.googleartproject.com/collection/the-museum-of-islamic-art-qatar/


特に興味深かったのは、
これはちょっと不思議にセンスいいなって感じる物は、
だいたいイランのものだったこと。

こんな感じ。
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この織物とかオシャレ。
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細部。
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そういえば以前鈴木悠哉君がイランで撮った写真を
見せてもらった際、魅力的なものが沢山あったけど、
こういうことだったのか。

テラスからも良い眺め。
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船の形がカッコ良い。

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そこから少し視線を右に持っていくと、
あら、あれはリチャードセラの彫刻だ!
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でけー10m以上ありそう。右の方にちっちゃく人が映ってるので比較できる。

しかし3フロアーもあったのでそのボリュームにすっかり体力を奪われる。
しかも外はもの凄く暑いのに、美術館はどこもがんがんクーラー入れてるので、寒い。
長袖着ないと風邪ひきそう。

次はまた郊外の、アラブ現代美術館へ向かう。
蔡國強の個展をやっているようだ。
タクシーはやっぱりボラれてたみたい。
10キロちょいを往復3000円くらい。まあいい兄ちゃんだったけどスピード120kmは怖いよ。
向かう途中にも、変な建物が次々現れる。
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なんだこれは…ここにも中にルイーズブルジョワのでかい蜘蛛がいた。

運ちゃんが自慢気にどんな建物なのか説明してくれるんだけど、
言葉がわからないので何なのかわからず。
なんたらかんたら〜プレジデント〜って言ってたので、
大統領レベルの人達がくる場所なんだろう。

荒涼とした風景の中に寂しく美術館があった。
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変な彫刻が。どうやら地元の作家作、らしい。
プレステの名作ペプシマンを思い出した。

UIがカワイイなあ。
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さてこちらの個展もかなりボリュームがあった。かつ撮影OK。
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全体的に蔡さん無邪気!
キャラ立ち感が強い。

火薬ドローイング、たまに良いのがある…
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剥製のインスタレーションもパッと見はいい空間だけど
作りは粗くてなんとなく稚拙な感じもする。
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やっぱり、映像で一通り流していた
火薬のパフォーマンスが圧倒的に良い。
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絵画まであって、
これはけっこうギャグレベル、
いや実は良いかもしれない。
爆発を描いている笑
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あとプランドローイングが無垢っぽすぎてステキ。
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これだけの広い空間を埋めるのはすごいし
ユーモアもあっておもしろいと思うけど
なんとなく絶賛はできなかったなあ。

高密度の鑑賞ツアー。
イスラム美術館は置いておき、
現代美術系はどこの美術館も人がまばらで、
たまに見かけるお客さんはおそらく欧米系の人ばかり。
確かに街の雰囲気からはまだまだ浮いてる印象で、
そりゃそうだよなあ。
ただやってる展示はどれも見応えのある高レベルなものだったので、
美術ファンは楽しめる。今後どのように根付いて行くのだろう。
現代美術館の中はどの国でも風景がほぼ同じだ。

戻って来て、
またスークワキーフの屋台チックなところでご飯。
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おばちゃんがクレープみたいの焼いてくれた。
最初の3口くらいだけおいしかったけど胸焼け。

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バングラディシュ移民の食堂でもカレーを食べた。
日本人と言ったらおなじアジアだからなのか
親近感を持ってくれた。

またしてもクタクタ。
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ここが僕らが泊まったホテル、FUDAホテル。
ネパールの人が経営してました、
結構移民が多いのかな。
ヤングなお兄さんがいろいろ助けてくれた。

ホテル見っけてくれたヒガシ君ありがとう。
めちゃ適当だが旅慣れしてるオトコはなんだかんだ心強い。
彼は後1日ドーハに滞在した後エジプト観光して帰るらしい。
ノープランで、寝る前にアブ・シンベル神殿の行き方などを調べていた。

翌朝ヒガシ君に別れを告げ空港へ。
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免税店のDiorのナタリーポートマンが美人すぎて
思わずシャッターを押す。

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カタールさらば!新鮮すぎた!
薄い色の風景の国だった!

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そしてついにドイツへ。ベルリンまで4時間のフライト。

まずはとても長々とドーハ初日…。

カタールの首都ドーハには早朝6時に到着。
とりあえず換金。通貨はカタールリヤル。なんかカッコ良いぞ。
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2人して引っ越しで頭が一杯になっていたため、
ドーハ情報の下調べはほぼ無し。
よって、空港から市街地に出る方法もわからん!
まず空港の敷地内から出られない。
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空港にwifiが来ていたので検索してみるも、
ドーハ情報ってサッカーの事以外あんまし出てこないの。
仕方が無いのでタクシーに乗る。運転がとても荒い。
空港を出たらあとは芸術新潮のドーハの地図だけが便り。


5分程度で村上隆展の会場とイスラム美術館が見えてくるけれど、
早朝なので開館してないし、まず大荷物をなんとかしたいので
ホテルの住所に近いらしいスークワキーフというところで降りる。
50カタールリヤル(約1000円)。これは適正価格と思いきや後から聞けばボラれていたようだ。
本当はその半額くらいみたい。

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向こうにはデカい建物建設中。

スークワキーフがどういうところなのかもよくわかっていない。
市場のような場所みたいだけど早朝なのでひっそり。
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そしてまだ地理感覚もさっぱりわからんので、
結局1km以上歩くハメに。
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アスファルトの下は砂!

彷徨いながらもなんとかホテルに到着。
方向感覚が少しだけわかってきた。
どんどん気温が上がって猛烈に暑い。
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部屋がカラフル。
そういえば朝9時くらいだったのにチェックインできました。
すばらしいサービスだ。
ロビーでwifiが使えたので助かる。

すでにもの凄く疲れたので、近所の食堂でご飯にする。
頼み方もよくわからんけど、勢いでカレーとかパタラに挑戦。
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普通に美味しい!たらふく食って300円くらいだし。
周りのお客さんが右手で食べてるので、こちらも挑戦。
なかなか難しい…

腹ごしらえ後、郊外のカタラという場所にある
QMAギャラリーで
ルイーズブルジョア展をやってるので向かう事に。
これも行き方が解らないのでホテルのフロントに聞くも、
フロントのお兄ちゃんもよくわからなくて結局またタクシーを呼んでもらった。
10kmくらいを往復で3000円くらい…これもボラレてたようだが。

途中の市街地、ビル群が近未来都市すぎる。
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変な形のビルがたくさん。

カタラはその市街地よりまだ向こうにある、
海辺の複合文化施設のようだった。

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平日だからなのかあまり賑わっていない。青い海の向こうに遠景の変な建物。

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砂の山の上にブルドーザーがガガガとやっていて、
まだまだ拡張していく様子。
ドーハは建設中風景だらけだ。

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お!ブルジョアさんの蜘蛛がいた!
その奥の方にひっそりQMAギャラリーがあった。入場は無料。
残念ながら撮影はできず。

全然人がいないので、ゆったり見る事ができた。
クモのパブリック彫刻しか知らなかったけど、
初期の作品なんかもあって、堅実な造形作家なんだと知る。
作家のドキュメントチックな写真も並んでて、
ウォーホルと映ってたり、蜘蛛の作品を抱いたりしてそれがキュートな感じ。
作品とのギャップがおもしろい。

中期の、服を縦長に伸ばして型取りした作品が良かったなあ。
90年代には、同時代的なジェンダー&パーソナルチックな布や糸を使った作品も作ってて、
それも造形的に優れていて感動しました。
テーマとか主題はシンプルっぽいんだけど、良かったなあ。

満足してまたタクシーに乗り戻る。
運ちゃんが、暑いから俺にも飲み物くれよとか言って来て
仕方が無いから水を与えたら嬉しそうだった…
ナメられてるな…
宿に戻り小一時間昼寝したのち、いよいよメインの
MURAKAMI EGO展へ!
海辺のイスラム美術館の隣、ALRIWAQというところ。

ホテルから近いので歩いて行く。
風が熱風。気温は45度と言ってました。
歩くだけで疲れる。

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この建物だけやたらカラフルなのでひと際異彩を放ってる。
鼻の穴の色が違うし鼻毛が…。
入り口はこの壁の反対側。

撮影可能なのはエントランスのみなので、
こんな感じで撮ってみた。
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確かに体はバルーンっぽい。
毛は、バッチリ描写されている。

展示会場は撮影不可だけど、
MURAKAMI EGOでググったりすれば、
こういった高画質展示画像付きの
http://ism.excite.co.jp/art/rid_E1330088005005/

http://sugohaya.lammfromm.jp/?p=535

公式現地レポが結構でてくるので、
実際もうこれを読めばいいんじゃないか
、て話ですが一応感想を…。


展示は部屋毎に区切られていて、
それぞれまとまった展示が展開されている感じ。
どの部屋も、抜きの作品がなかった。
絵画、立体、映像とどれも高密度の超絶技法でボリュームがあり、
圧倒的。
これだけのマッチョな仕事を日本人がやってること自体
信じられないので、絶賛するしか無い前提になる。

超絶技法でマッチョ、イコールすばらしい、
というわけでわないはずだけれど、
他の太刀打ちできる別価値を提示しないと、
何も言い様が無いくらいの気迫はある。

最初の部屋、
正面にいきなりゲロタンがでてくる。
この作品は画像の時点で好きだったけれど、
本物を目の前にするとまず考える間もなく、
「でけえ!!!」と。で次に、
「色きれい!!」て思います。
これは相当コントロールしてるバランスだと思った。

近寄ってみると思った以上に、「塗ってる」感覚が強い作品だったのが意外。キャンバスの目もほのかに残っている。描写自体は筆跡無しだけど、表面がツヤツヤで、そのニスが塗ってる感があったのだった。
でもそこに変な違和感はない。不思議とスケール感にわずかな手作業感がマッチしている。

また実物でなければ確認できない細部情報が多くて、小さいキャラに吹き出しがついてて喋ってたりもした。フラット空間の中にパースを効かせて広い世界観が高密度で表現されていた。
輪郭線はシルクで刷ってるぽい。線の太さもキャラによって様々。

これを最初に展示したのは確かパリでのぬりえ展。
パースペクティブを強めにして青空が背景で煽ってるカメラ視点の
ランドスケープ状なイメージになってるのは
ヨーロッパ絵画を意識してるのだろうか?
それに、巨大化したモンスターがゲロを吐いてるという絵は、
原発事故後に見ると関連性を考えてしまう。
事故も日本型資本主義経済の問題点が露になった象徴のようなものにも思えるし、
この絵はそういうことを1つの自画像として表現しちゃってると考えると
また深みもでてくる。

これは村上さんの作品を代表するマスターピースに間違いない。
そのマスターピースが今展いきなり始めに来る。

同じ部屋には90cmくらいの正方形作品が2つ、こちらはキャンバスの目止めがしてあって、ニスも塗ってなさそうな完全フラット作品。
おそらく輪郭線はシルクではなくて手描き。
僕が札幌で見たいくつかの作品の印象はこちらに近い。これも好きだ。
側面にも同じように描写が続いているので、
角の部分の線やヤスリ掛けなどはどうやって描いているのか不思議だ。
出来る限り側面を覗いたけれど、
どうやら裏までは描写はされていないようだ。
同部屋にはキノコ群の立体作品も。

この辺のキャラクター作品て、
ナムコのワギャンランド的世界観に少し通じるなと
思ったけれどそれは超個人的感覚なのでさておき。

ゲロタンにやられたのちの次の部屋は、
またデカいDOBシリーズとタイムボカンのキノコ雲シリーズの部屋。
DOB君シリーズは、2009年と新しめのシリーズでこれも意外だったのが、フラット、じゃない。
目とか歯とか背景とか顔の肌部分とかそれぞれに異なる技法を使ってて、場所によっては絵具の厚みが明らかに感じられる部分もある。

極端にボコボコなマチエールというわけではないけれど、
物質感はかなりある。
それに、厚めの側面は布地がむき出し。
絵具がしみ込んだりしてる。

DOB君も、キャラクターのイメージにパースが効いているので、その曲線に特殊な気持ち良さがあるし、見た目以上のスケール感が発生してる感じ。顔の部分など、広い色面の気持ち良さもあり、
鑑賞してて純粋に見応えのある絵画らしい作品だった。

キノコ雲の方は、構図はシンプル、背景と雲の質感が違う。
背景はニス掛けしてないようだ。
雲はツヤあり。ニスの塗りにもいろんなパターンがあるようで、
厚めに重ねて深いツヤを出している。
背景に迷彩柄があったりしてウォーホルを思い出す、
主題も、説明の記号化を全面に出してるように見える。

次の部屋は、カイカイとキキのキャラクター絵画。これもデカい。
だんだんこのサイズに慣れてくる。
フラワーバックの画面中にキャラクターの顔が配置されている。
たくさんありすぎて全部確認できないけれど、
すべて違う表情のようだ。
この絵画群は、ほぼ完全フラットだし、ツヤも一定のツヤ。
そうなると、大友展のAKIRAに感じたように、
人の仕事という感覚を超えてしまう。超絶技法とわかっていても、
絵柄的にシールを貼ったように見える。
この辺の手仕事感の感触の在り方というのは難しいなと、思った。

同じ触感が、後の自画像シリーズでも感じられる。
自画像はしかし、鼻毛の描写等、ウッとなる。
あと、キャンバスの折り目を見ると、
これは描写をしてから枠に貼ってるようだ。

抽象画、構図や技巧のバリエーションはかなり好み。
芸術新潮の自作解説で、テリーウィンタースの絵画から
インスピレーションを得ているということが書かれていて
おもしろい。
画面内には様々なツヤが混在している。
ニスをスプレー仕上げしてる部分もあった。
側面のむき出し感もカッコ良い。
だけどこちらも描写の技巧がカッチリ決まってて、
版画よりな印象は受ける。

次の部屋はフラワーの和風バリエーション床に柄あり。
この部屋には和風で円形キャンバスの作品。画面の奥を向いてる花があったり。
フラワーにもいろんなバリエーションがあったけれど、
一番大きな部屋の金箔背景のフラワーが圧倒的に良かった。


一番大きな部屋には、五百羅漢やその他の大きな絵画、
巨大彫刻、カイカイバルーン、見世物小屋のようなテントの中には映像作品。
五百羅漢は度を超えたデカさで絵画というかなんというか、
他にあまり見た事がない異例の凄いモノだ。

絵画としては、ゲロタンが総合的に安定感ありで、好みでもあり、
しかしそういうレベルのものとは違うような…。

絵画と版画のちょうど中間のような感覚のする作品で、
表面をみるとまぎれも無く絵画的物質感。
ニスも厚めに塗ってあるけど、
背景の部分部分はむき出しになっていたり。
どこを見ても高密度でハイクオリティ。
技巧に関しては、今までのシリーズの技巧を
全部投入しているような総決算絵画。

先にボストン展で見た絵巻物にも近い。時間軸がある。
大渦の波があって、災厄があって、
宇宙があって、祈りがあって。
宇宙の部分の広いラメの部分は黒バックで、
特に繊細なニス塗りが施されていてピッカピカ。
羅漢一体一体に個性があって、動きも違うし、着てる服の柄まで色々。
100mを6往復くらいしたので600mは行ったり来たりしたけれど、
鑑賞しきれる情報量じゃなかった。

羅漢の肌の質感は、ナイフで塗ったようなちょっと複雑な塗りがたくさん見られたんだけど、あれを集団制作でどうやってやってるんだろうなあと不思議に思う。
しかしどの作品よりも、日本人っぽいというか西洋感覚の絵画から
離れた作品になっていたように見えたなあ。
村上さんの作品の流れからでてきた積み重ねのアレンジ、
主題の出所がいつもと少し違う、装飾感覚もより日本的、宗教的、など。

この作品だけで見たかったなあとも思う。
周りにテントや大きな彫刻もあったので。
あと、ところどころ明らかに不自然に照明が消えていた気も?

テントの中では、
もうこんなに作っていたのか、というアニメ作品や実写映画が上映されていたけど、
アニメを作って、表情とか動きとか時間軸の要素が絵画にもフィードバックされているのかなあと思った。
個人的には明確なストーリーがある作品より、
カニエウェストのPVぐらいがテンポも長さも丁度良かった。

手描き感満載のでかい龍の作品は、前日に曾我蕭白を予習して行ったのもあって、臨場感倍増。曾我蕭白のさくひんよりさらに龍の顔がでかくて、表情がイッちゃってるのがおもしろかった。キャンバス地も見えてるし生の線の感じでライブ感あるけど、しっかりニス掛けしていた。

広い部屋でだいぶ疲労して、
まだまだ自画像、ドクロ、達磨と続く。
ドクロシリーズもいろんなバリエーションがあり、
ニス厚塗り、ステイニング、獅子を入れた構成。
達磨シリーズは抽象画と質感が似ているのと
デジタル処理のギザギザを強調してる点が目立った作品だった。

最後の部屋は作りかけの大きな彫刻のメイキング的展示。
そこからゲロタンの部屋に戻れるので、グルッと周回したことになる。
一周してゲロタンに戻ると、また違って見えてくる。
で、何周かした。ははあ、展示構成がうまい。
全部で3時間くらいいたのかな。

立体作品については、絵画作品に比べるとキャラクターの実物化の欲なのかなと思ってたけれど、
ステンレスの大仏作品や制作途中の最後の作品はやっぱりデカイし、
それだけではないクセのある造形物だった。

というわけで、この10年間の村上さんのバトルを一挙に見ることができた。いつものクセで絵画の表面を特に注視して見てしまったけれど。

エロ要素は抜かれていたけれど、
作風をズラしてあの手この手を繰り出していろんな手札を作り出して行くような臨場感が演出されていた。

何を描くか、については、
いろんな暗喩を込めたり、
過去のイメージのリミックス絵柄を作り込んで、
現代的でコンピュータ描写土台のポップな絵柄にアレンジにするというやり方が基本的。
その辺はリキテンスタインとの共通性を感じる。
リキテンスタインはキャンバスむき出しで塗りもサッパリ風味な
画風は固定させて、主題を次々にアレンジしていったし、
抽象具象を絵画に落とし込むやり方も似ている。

龍の作品や五百羅漢はまた違う印象だけれど、
過去のイメージをリミックスしている点では一貫している。

どう描くか、については、
その大きさが必要だと思わせる巨大画面サイズとそれに合った構図や色バランスや描写密度。こういう絵作りの技術面は非常に優れている。
過去の戦後超有名作家の大作絵画作品て、意外に荒削りな出来映えでそれはそれで魅力的なのだけど、
それに対抗するような丁寧な技術押しマッチョ感。
アクリル絵具とニスを使ってる点も、カラッとした色彩や絵柄を、物質感を持たせて表現するのに最適に見えた。

文脈理解については、
芸術新潮や、今までの村上さんのいろんな説明からの話はわかるけれど、
それ以上の部分についてはまだまだなんとも言えないところだ。

でもシリーズ毎に、
その文脈読み取り重視のためのイメージに寄らせたり、
自作のアレンジのためのイメージになったり、
またそれらに関係なく思考を超えた何かすごいパワーが
宿ってしまったり。
そういう揺れがあるのはモノを目の前にして実感できた。

ゲロタンにはその変な何かが宿っているように感じたし、
それと相対的に五百羅漢が、
ぶっ飛んだ異例の作品として象徴的だった。

にしても…
そもそもこれらを自分の会社作ってシステムから全部
コントロールして相当なお金も動いて、
実現させているのがやっぱり信じられないレベル。

外は暗くなっていて2人してヘトヘト、
市場の再現観光地だったスークワキーフで食事して、
周辺を少しだけうろつく。
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すでにこの食事スタイルに慣れ始めている東方くん。

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ネコが食べ物狙ってる。

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しかい暑いし疲れたのでビール買おうとしても、
なんとアルコール類がどこにもない。
そういうのは厳しいようだ。
代わりにレッドブルにして宿に戻ったら、
2人して電気つけっぱで一瞬で寝てました。

すっかり月日が流れてしまった。すでに僕はベルリンにいる。

前の記事を書いてる辺りから本格的に家の引き払い準備に追われ、
半ば記憶化する余裕も無いまま、あらら気付いたら渡航しちゃった感。

やっと少し落ち着いたので、これまでの流れを書いてみる。
これは5月9日に書いてるけれど 日付改ざんして5月2日ということにします。
以降カタール、ドイツ記も実際に動いてた日に日付改ざんします。
いつものことですが。

さて遡るは4月後半。
家の引き払い準備はは結局1人ではどうにもならないので、
同居人に叱られながら助けてもらったり、
後輩の西田君を呼んだり、最後には両親、妹夫妻、
ばーちゃんにまでご迷惑をかけるハメに… ホント申し訳ない。

大きな絵は同居人のばーちゃんちに置かせてもらう。
他にも、自分でも忘れていたデカい犬の置物もなんとかする必要が。
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今まではポルトの研究室に置かせてもらっていたが、
仕方が無いので半ば強引に自分のじーちゃんばーちゃんちに押しつけ。
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玄関に設置された犬を眺める我が祖父。
祖母はこの犬を「まもるくん」と命名していた。

この犬は、6年前くらいにJRタワーの企画で20人くらいが
好きな絵柄をこのデカイ犬に描くというもので、
最後は自分の元へ返って来た。
他の19人はどうやって保管しているのだろう。



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これら大量のゴミも、もうゴミの日とか言ってられず、
最後には便利屋を呼んで持っていってもらった。

これによって予想以上にお金が減る。
やれやれ引っ越し楽じゃねえなあ。
 一方で美術仲間、地元友達にも追い出し会もやってもらったり、ありがたや!!

実生活的にはそんな感じだったのだけど、
美術生活的には、いくつかの席で、
僕が札幌美術界のご意見番として慕っている
伊藤先生や磯崎さんに絵画の場合の感想をいただく。

引っ越しと渡航準備に追われ全く制作ができてない状況+キビシいご意見で、
袋小路な気持ちに。
美術について、絵画について、改めて考え直す時期に来てるような感じだ。

そうしたダメダメな流れを背負って、5月1日に北海道を発つ。
さらば、5年間住んだ築48年のアトリエ兼住居!!
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まずは東京で、ひっくりかえる展、大友克洋GENGA展、田中敦子+靉嘔展、
ボストン美術館展を見る。
とりわけボストン美術館展はおもしろかった、曾我蕭白には本当にびっくり。
チラシになってる有名な龍の絵はデカい!あんなのを飾っていたお屋敷も異端センスだが、
きっちりそれを重要物としてアメリカに持ち帰っちゃった摂取センスも素晴らしい。
他にも絵画の構図的に優れた大作や、人の動きや表情に相当の技術力を感じた。

噂のGENGA展も面白く、個人的には初期の作品で作品毎にいろんな画風を試してる器用さや、
カラーフィルムを貼ってるカラーイラストなんかに特にグッときた。
後半にいくにつれ描写の技術力が創造を絶するレベルに到達しているので、
AKIRAの後半とかは、
人がこれを描いてるという感覚を忘れてしまって、
逆に凄みがよくわからなくなるのだった。
この現象は、山口晃の作品を見た時にも発生したなあ…。
どうなっているのか分析のしようがない描写力は才能としか言いようが無い気がする。

東方君とも合流。彼も、同じタイミングで退職&家を引き払ったそうで、わたわたしていた。
大学時代の友人の家に泊まり、
芸術新潮を片手に5月2日に日本を発つ。いざカタールへ。
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カタール航空は噂通り快適。 機内食もそこそこ美味しい。
12時間のフライトは、まず芸術新潮を読破。芸術新潮は濃密な内容で、村上氏が自作を説明してるところは唸る…。また学生時代の行動などが今に繋がってて興味深い。
後は映画。忙しすぎて見逃したスピルバーグ「戦火の馬」にチャレンジしようとしたけど英語だし字幕はアラビア語で断念、仕方が無いので邦画をチョイス…お、三谷幸喜の「ステキな金縛り」!深津絵里に癒されたのち、あとはほとんど安眠して気付いたら到着してました。

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