やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

2012年06月

バーゼル以降、月末にオープンスタジオも控えてるということで、
割と引きこもって制作する日々が続く。

そしてなんとか小作品8展を用意完了+大きい作品を下地まで作った段階で、
28日にアトリエ掃除して綺麗にこんな感じに展示。
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29日と30日がオープンスタジオ。
29日18時スタートだったが沢山のお客さんがひっきりなしに来場。
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僕も出来る限り英語で説明を試みるも…課題多し。 
普通にたくさんの質問の皆さんしてくれるのだけど、
その9割はどうやって作っているのか?素材は何か?だった…。
あまり画面の中身には興味がいかないんだろうか、

絵画の場合展で直線の作品を作ったが、
秋の個展は丸のシリーズでやることになっている。
で、あの直線の作品からヒントを得たりしながら
最近は丸の構成に意識的に取り組んでいるのだけどなあ。

しかしベルリン、
いろんな国の人とか、美術学生さんから近所のおじさんまで客層の幅が広い。
他の入居作家つながりで、美術関係者も見てくれたり。

オープニングイベントのパフォーマンスもあったので、
深夜12時までずーっとお客さんでいっぱいだった。

日本の方々も、けっこう見てくれた。
僕が大黒さんと2年前に参加したポーランドのレジデンスイベントに
今年参加する世羅さんと竹原さんにお会いして、いろいろ話す。

鈴木君も再び来てくれた。明日ベルリンを発つそうだ。

みきこさんに「作ってますよ!」アピールをしたかったのだが、
ハンブルグ方面では嵐がきて電車が止まってしまったとのこと。残念!

30日にはけんさん夫妻が見に来てくれた。
全体的に日曜日で人の入りもゆったり。 
空いてるスキに他の作家さんの部屋を撮る。

中国のLiang Yuan wei
画家。この作品は紙に口紅で描いていたけれど、
かなり大きな油彩がメインの仕事のよう。
僕と同じタイミングで入居しているので、作品は今はこれらのみ。
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韓国のYi Kyung Cho
いつもお世話になってるお姉さんは、映像作品。
写真じゃわからないけれど、近くの風景をフォトショップでレイヤー加工して
2台のプロジェクターで像をさらに重ねて投影。
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こっちはドローイングに映写。
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台湾の Cheng Ting ting
コンセプチュアルだけど展示も丁寧。
SNSなどで人と会って、秘密を語ってもらうという
プロセスを見せている。人が語っている映像は無音。
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チリのGuillermo Lorca
日本のアニメイメージを写実に置き換える油彩。
女の子の髪の毛が緑だ笑
ギレルモも僕と同じタイミングの入居なので、
この絵はキャンバス巻いて持って来たとのこと。
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左のマッチョマンがギレルモ。


オーストラリアの Rebeca Smith
フォトブックと映像の展示。
とても詩的な表現で、
日本のそういう文脈にも親和性がありそうな空気。
レベッカも僕と同タイミング入居。
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日本のKazue Taguchi
かずえさんは光のインスタレーション。
ギミックのある自作の反射物に回転する光を当てて、
オーロラのような光を出現させる。
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アメリカのMegan Cotts
西海岸の作家で、
飛行機の羽のハニカム構造を用いた彫刻作品と、
ドローイング、映像とマルチ表現。
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 一階のイベントルームでは、
ギリシャのDiamantis Sotiropoulos
が企画したドローイング展。
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これがディアマンティスのドローイング。かなり個性的。
日本じゃあまり見られないタイプの作風が新鮮だ。
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この作家のドローイングが自分は一番好きだった。
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こんな雰囲気でした。おもしろいなあオープンスタジオ。
3ヶ月置きにやるみたいなので、次は9月だ。
僕はちなみにとりあえず11月までこのレジデンス滞在延長できそうなので、
次回も参加だ。
個展前だし作品もぐっと増えてることだろう!

オープンスタジオも無事終わり、
一安心した夜中、ベルリンにも嵐が。 
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2時間くらい、常に空が雷で光っていた。怖ええ。
怖ええけど、雷の夜空はとても好きなので、
夜更かししてずーっと空を見ていた。
あまりにピカピカ光るから、フラッシュ効果で
雨粒が空中で止まって見えてキレイ。 
あまりの自然のスケールに思考が飛ぶ。

札幌の作家友達の鈴木君も、ドイツ入り。
鈴木君はこっちの大学で学ぶためにやってきた。

ベルリン偵察週間てことで、再会する。
近所のドナーケバブー屋さんで乾杯! 
僕がベルリンに来た時にけんさんに教えてもらった良い情報を
そのままお伝えし、
逆に僕の知らない情報ももらう。
ベルリンで一番でかいベタニエンというレジデンスが、
実は近くにあるようだ。見てみたい…!

ベルリンの印象の話でも盛り上がる。
そこら中にいる犬の達観した感じや、
やたら変な場所にあるグラフィティの本気度など。

ちょうどこの日、大きめのギャラリーコンプレックスの
オープニングの日だったので、一緒に回る。

バーゼルとかに出してるレベルのギャラリー群で、
確かに一定のクオリティは感じるがううむ…という感じ。

と、そこに親子連れが現れ、明らかに小学生の娘さんが、
ものすごい眼差しでデジカメ片手にガンガン作品の写真を撮っている!!
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マジかよ…将来どうなっちゃうの?
ちなみに後ろには、犬も映ってます笑
ギャラリーのオープニングには子供から犬まで!!これが美術大国!! 

いやしかしホント、美術館もギャラリーも子供多い。
ベビーカーも…。
こんな小さい時から現代美術に慣れてるってどんな感じなんだろ。 


帰りには、EUROの試合でやはり街中のカフェがこんな感じの人だかり。
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すごいね…

鈴木君は1週間ベルリン偵察し、
その後一旦オランダのレジデンスに滞在するとのこと。
ぼくの知らない有益な情報をどんどん教えてもらおう!

先日のジェフクーンズ動画のエンドロール音楽が気になって、
調べたら Raymond Scott レイモンド・スコットって方の曲だった。
早速このCDをアマゾン中古で購入。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00004TC68/ref=oh_details_o04_s00_i00?ie=UTF8&psc=1  

出品者がドイツの人らしく、
住所指定したら早く届いた。
日本のアマゾンサイトでドイツの人に注文してドイツに届く…
変な感じ。

ブックレットが付いててその写真がめちゃカッコいい〜
スコットさんがデカい機械に囲まれて幸せそうな顔しているという。
アメリカの電子音楽の父的存在のようだ。
アニメのサントラを手がけて、その稼いだお金で
電子音楽機材を自分で開発制作していたらしい。ヤバイな。

 

ギャラリーのみきこさんが、
ハンブルグからベルリンにやってくる。
ベルリン自由大学で、具体美術についてのレクチャーがあるとのことで
お誘い頂いたのだった。
大学の学食でランチ。
どの国でも、大学生の眩しさってのはイイっすねえ。

しかし、ベルリンでも具体か!?
渡航前に都現美で散々具体を浴びたんだよな、
アメリカでも具体展やるらしいし、 
この現象の発端はなんなのだろう。

日本の学芸員さんで、通訳付きのレクチャーだったので、
僕も普通に聞く事が出来た。
ドイツ人向けなのか、前半は教科書的な具体の流れでやや集中力散漫になってしまったが、
おもしろい話も聞けた。
兵庫のブルジョワ階級だった吉原治良の資金が運動の重要ファクターだったり、
政治的アプローチのないノンポリ系派閥だったこと、
初期の実験的志向に比べ、後期はミシェルタピエを通じて
アンフォルメル運動と結びついたため、絵画の枠組みに回収されてしまう…
などなど。
そうだ田中敦子展も、後半絵画ばっかりで間延びしてた印象が、。
電気服とか、ベルの作品あたりは異彩放ってたもんなーなるほど。

 
その後、僕の大きな作品用に、
ホームセンターの材料探しを助けてもらう。
さらに強力な助っ人も呼ぼうと、
以前札幌のレジデンスに来ていた、
セバスチャンのアトリエにお邪魔して、
一緒にバウハウスへ!
セバスチャンに初めて会ったけど、親切すぎて感動。

今まで大きなベニヤ板が見つからなかったのは、
専用の窓口で指定した大きさに切ってもらうような
仕組みになっていたからだった。こりゃ1人じゃわからん。
配達も、20ユーロかかるけど手続き可能で、
無事に購入できた。助かります!

そしてみきこさんに、
さあこれで大きな作品も作れる環境が整ったので、
完成するまで旅行禁止!もうバーゼルで充分見たでしょう!
と、シメられる!!
そ、そうですね…
ということでドクメンタはしばらく後になりそうだ。

月末にはオープンスタジオもあるし、
頭を本格的に制作モードに切り替えるかー

朝5時半起き。
さてチェックアウトの手続きと思ったら、
フロント誰もいない… 
昨日、早朝にチェックアウトできるか聞いたら、
大丈夫って言ってたのに!
係の人への内線とかも無いので困った、
ノロノロしてると飛行機逃すので、
もう代金払ってるし、朝出発と言ってあるし、
鍵を部屋に置いて出て来てしまった…まあ大丈夫だろう。

あとは問題なく、飛行機の手続き完了。
居るだけでお金がガンガン吸い取られる恐ろしいスイスから撤退!!
子供の頃って、スイスはハイジのイメージや、中立国!的刷り込みで
謎の憧れがあったりするが、
金をたくさん取る国だと実感しました笑 
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ものすごく遠くにアルプス山脈も見えた。
いやしかし、バーゼルホント小さい街で、
でも街並みがとてもヨーロッパらしい
キレイなとこだった。

なんでこんなとこにデーンとアートフェアが?アート植民地的発想か?
と思って後で調べたら、
小さいとはいえ、スイスでは主要都市の1つで、
ライン川があって古くから物流の街として栄えてて、
ドイツフランスと隣接してる場所というのもあり、
文化的な街なんだとか。

今回は全然街を回る余裕がなかったけど、
たくさん美術館もあるようで、かつデカい銀行の本部もあったり、
なるほどもともとそういう基盤のある場所なわけね…。

ベルリンに戻って、こうガサガサした雰囲気に落ち着いて、
駅のアジアフード屋で焼きそばを食う。3ユーロ!
この感じ、やっぱいいなあ。

バーゼル2日目。たっぷり寝すぎた。
まず今日の宿は少し歩いた別の宿なのでチェックインし直し。
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すげー適当な中国人の家族経営宿…
安いだけあって、ホントに適当!wifi完備って書いてあったのに
全く使えないし笑
いやでも一泊くらい何も問題無し。
レラハ便利です。 

ここはドイツなので物価が安い。途中昼飯用のパンを購入し、
アートバーゼルに向かう。 
2日とも晴れて良かった。
原チャのおっさん。
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チケット一日通し券は約4000円。高い。でもその価値あり。
撮影禁止なので入場時にカメラ検査があり、クロックに荷物預けなきゃならんのだけど、
いざ会場に入ってみると、みんな普通にiPhoneで写真とってるし…どういうこっちゃ。
僕はとてもマジメなのでそんなことしないし、故にここにアップできる写真もございません!

超有名ギャラリーは、バンバン巨匠を展示。
現存ビッグネームの作品はほぼ見る事ができた。
テリー・ウィンタースの近作、マジでヤバいっす。
表面はボコボコ塗りっ放しで荒く新しい感じはしないのだけど、
不思議なバランスの抽象形態との掛け合わせがおもしろい。
Matthew Marks Galleryのサイトで見れます。
このギャラリーは僕のツボどころばっか展示してて、
テリーの他にも、ブライス・マーデンの大理石ペインティングが良い。
フラット表面のある不定形大理石に絵具で線引いてるだけなんだけど…。

昨日も見たジェフクーンズの絵画、
こっちでは、色面分割してない境界線をボカしてよりフォトリアリズムっぽく
描いてる作品が展示されてた。地味に塗りのアプローチ変えてんだね。

村上隆氏、デカい3つのギャラリーで全部新作展示していたが、
いづれも目立つ良い場所に飾られており、他の巨匠と並んでいても、
あれだけ作り込みを徹底したペインティングは無い。
やはり強烈なインパクト。

一方で昨日も見たウールの作品なんかはスカッとしていながら、
村上さんの作品と同等かそれ以上の絵画の力を持って見えることもあり、
作り込みがすべてじゃない絵画の深みというか難しさを感じる。

作家を挙げればキリが無いのだけど、
とにかく一番多いのはやっぱり絵画なので、
絵描きとしてはヨダレもの。しかも抽象が多い気がした。
ドイツ系の渋くてストイックな抽象作家なども初見できて興味深い。

具象で目についたのはアレックス・カッツがやたらいろんなとこあったなあ。

近代の作家の作品を扱ってるところもあって、
キリコの自画像だけ10枚くらい並んでるブースとか、
異彩を放ってて良かった。
美術館に収蔵されず、
ギャラリーが持ってる近代作品ってのもけっこうあるものなんだな。

ここでもやっぱり普段見られないような巨匠のヘボい小っさい作品がちょこちょこ並んでて、
いやあ、恐ろしいもんだ。
例えば車のスクラップ彫刻で有名、最近亡くなったチェンバレンの作品も
いろんなところで並んでたけど、手のひらサイズのスクラップ彫刻があったり笑、
ピータードイグのサムホールなんかも、
こじゃれた学生が描いたようななかなかヒドいものだった。

このような名のある作家達の多くは、とにかく大小ピンキリ、
しっかりしたものから片手間でホイホイやっちゃったものまで、
作品をものすごく作ってるんだ、おそらく。

アートバーゼルには、Art Unlimitedというインスタレーション専門の巨大ブースもある。
ものすごいデカいフランツ・ヴェストのピンク色の彫刻があったり、
ダミアン・オルテガのパーツ吊るしたインスタレーションなどいろいろ。
でかい空間の割に地味なのが多かったけど、会場のスケールの新鮮さもあり
おもしろく感じる。
映像作品もあったけど時間が無くて全部は確認できず。

いやしかしやはり膨大な数、
結局閉館時間まで7時間かけて、全部見て回ったけれど、
見落としが必ずあるだろうなあ。
昨日と作品を若干入れ替えてるギャラリーもあった。

ごたごた多くの人が行ったり来たりしていて、
じっと一点の作品と向き合えるような環境ではない。
各ギャラリー、もちろん最大限作品がよく見える展示をしているけれど、
美術館のような崇高な演出とはずいぶんと違った、
即売会なのだなあと実感。
ちなみにどの作品がいくらで売れてるのかはわからない。
赤マルつけてるギャラリーもあれば、
全くつけてないギャラリーもあるみたい。

現実的なマネー雰囲気の中、
ぐっと存在感のある作品の強さ。
作品の強さは、そのものだ。
どんな場所でも強いもんは強い。


僕のような地方に住んでて鑑賞貧乏!本物見たくて餓えている!
みたいな立場の人には、てっとり早いお得な鑑賞場。

逆に、もうウンザリするくらい作品見てる人は、
わざわざ見に来なくてもいいのかもしれないなあ。
コレクターは別だと思うけど…もう社交場だもんこれ。

明らかに美大生かあるいは卒業して必死に食いつないでるプアーアーティストと、
明らかにお金持ち風格をだしつつラフな格好のオッサン、
みたいな客層のギャップが不思議だ。

かずえさんもこの日別ルートで見に来てた。
友人宅がバーゼルにあるらしく、移動がラクそうでうらやましい。
閉館後に入り口で待ち合わせ、バーでヘトヘトになりながら感想会。
景色の良いバー。
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つーかかずえさんとどっかイベント行くと、
必ず誰か知合いに会って、オ〜!とハグ挨拶している笑
世界中に友達がいるのだろうか!?
帰りがてらアートバーゼル入り口でも、何やら気取った青年と沢山話をしてた。
後から聞けば、彼はけっこうやり手の写真家でコレクターがついているらしく、
これからブルジョワ界のパーティに行くと言って去って行った。


僕はまた国境をひょいと超えて、レラハの適当宿に戻る。
明日はまた朝一の飛行機で戻る。
時間が余れば周辺の美術館も行きたかったけど、今回は無理。

バイエラーで少し眠ってしまった後、アートフェア方面へ戻って昼食。
噂には聞いていたが、困った事に物価がベルリンの3、4倍! 
ドナーケバブー、ベルリンなら250円くらいなのに、
バーゼルだと800円近くする…!厳しいなあ
でもそれが一番安くてラクなので しゃあない。
腹ごしらえして、今度はSCOPEを見る。
Art Basel以外にも、同時期に幾つかの
若手ギャラリー系のアートフェアが開催されていて、
その中の1つ。
ザーッと撮った写真をいくつか載せますが、
前半はそれなりにパシャパシャやってても後半はバテタので偏りが…
そのため良い悪いのピックアップできてません…
雰囲気だけでも。
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ん?この抽象、ニューヨークで見た覚えが。

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おもしろいのは、こういう巨匠の普段お目にかかれないような
スーパーラフな小さいスケッチまであったりすること。
このウェッセルマンはまだマシな方で、
こんなヘボいのまで見せていいんだろうか…というのまであった。
巨匠になると、ゴミみたいなスケッチも摂取されちゃうのか。

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あ、ここはカイカイキキギャラリー。

やたらギャラリー数があるので、
睡眠不足と疲労でどんどん鑑賞力が落ちる。

次はVOLTAへむかう。
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 途中コンテナが大量に積まれててカッコ良い

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個人的にはSCOPEよりVOLTAの方が引っかかる作品多め、
あとギャラリー毎のパンフレットを挟めるバインダーをくれたり、
会場が少し離れているので、他のアートフェア会場への送迎バスを出していたり
細かい企画側の配慮が丁寧な感じだ。
体力の限界でフラフラだけど、送迎バスがあるもんだから、
ここまできたらもう一個行ってしまえとLISTEに向かう。
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このビル全部会場!うげえもう倒れそう…
LISTEは会場構成がダイナミックだったな。

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しかし、3つ通して見ると
おもしろいギャラリーもちょこちょこあったけど、
全体の空気はなんとなくシャキッとしてない感。
普通に弁当食ってるギャラリーもあったし笑

そして微妙な作品の方がだいぶ多いわけで、
そうなるととにかくものすごく疲れる。

ああ…このなんというか「周辺」の大多数感、
とにかく作品作ってる人も作品売ってるギャラリーも
めちゃくちゃ大勢いて、
自分も続けていけばこの雑多な中には
もしかしたら飛び込んで行けるかもしれないが、
その後この膨大な数のハンパな雑多な中に埋もれたまま抜け出せず萎んでいくのは、
うんんんぬぬ…
とかなんとか考え始めるとだんだん暗い気持ちになってきて、
 会場を出る頃にはうつむいちゃってんの笑。
若手を一気に見すぎるのは、健康的じゃないな!!

また朦朧としてフラフラ歩く。
バーゼル中心は、何か作ってるようだ、デカイ工事。
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でその隣でやってるのが、Art Basel!!
明日に取っておこうと思ってたが、
この鬱々とした気持ちのまま今日を終えたくないのと、
夕方5時以降はチケットが安くなるので、
下見程度に覗いて行く事にした。

さすがに、スケールのケタが違う。
通路がカーペット状でフカフカしてるところから違う!!

 そしてArt BaselのiPhoneアプリがあり事前に
入れておいたんだけど、これが凄い便利。
どのギャラリーがどこにあってどの作家を出してるのかを検索できる。
作家名でも出来るので、見たい作家から優先して探せるという、
なんという優れたガイドだ。 

というわけで、速攻でクリストファーウール検索。
ついにあの擦ってるデカい抽象作品を生で拝見することができた。
これは感動… !
スプレー吹いて擦って、どうして良い絵画に成ってるのか。
ざっくりしてるのに絵画の良さの謎を浮き彫りにしたような すばらしい作品だ。
ああー絵画はこれだよー

他のギャラリーにも別のウール作品があった。
シルクスクリーン全開の作品はあまりグッとこなかったが、
点々を打ってる作品等もけっこう良かったなあ。

その他ザーっと会場を確認し、一日目終了。これは明日が楽しみだ。
…いやまだ終了してなかった。国境を超えて宿に行かなければ。 

電車で行けるはずだったのに乗り方がわからんので、
とりあえずトラムで終点の国境前まで行く。レラハって書いてる。
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 この高速道路の出口みたいなのが国境?
なんか、人も車も普通に行き来してる… ので、
歩いて超えてみたら、何も言われなかった笑
初、国境徒歩越え!!

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あるいて10分で宿に着いた。
何とかなって良かった…

※先に言っておくと、メインのアートバーゼルとバイエラー財団美術館内は撮影禁止だったので画像無しです。Art Basel43やFondation Bayelerでググったら雰囲気は伝わります。


さて、結局寝付けずに30分くらいしか睡眠をとらず朝の4時起き。
ボワーッとしながらシューネフェルト空港へ向かう。

お、アイウェイウェイの何かの広告がドーンと。
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ドキュメンタリー映画チラシか。美術映画の宣伝を堂々と。

空港のベンチで堂々と眠る人々。
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easy jetというヨーロッパではメジャーらしい格安航空を初使用。
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バスのように自由席。
安い時は国をまたいでも往復1万円以内とかで乗れるらしい。

少しは寝れるかと思いきや
バーゼル空港までたった1時間で着いてしまった。
興奮してるのかやはり寝付けず。
札幌-東京間とさほど変わらないのか。近いな…

朦朧としながら群衆に付いて行き、
見よう見まねでバスのチケットを購入、ひとまずバーゼル駅前まで辿り着く。
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あっ、駅の時計がスイス魂!!
なんか小さい街っぽいけどすでにリッチ感が漂う。
 
さてまずは一番早く朝9時開館のバイエラー財団美術館のジェフクーンズに行くことに
していたのだけど、駅から電車の乗り方が全くわからない…
そういえば下調べをほとんどしていないんだもの。
おまけに国が変わったからか、wifiの機械が使えなくなった。
情報検索もできない…。
30分程狼狽したのち、トラムで行きたいところは殆ど行けそうなムードを感じ取る。
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Art Baselのノボリもトラム乗り場にパタパタ羽ばたいてるから大丈夫だろう。
乗り場の路線図を写真に撮って、印刷してきたバーゼルの地図と見比べればいいんだ。

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おお〜ライン川!!ライン川を渡った!
しかし眠すぎて写真がいつにもまして微妙。

20分トラムに乗れば、バイエラー美術館前でトラムは止まった。よしよし。
いきなりケリーの彫刻の横に、デカいフラワー彫刻が!
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テンション上がるわー入館料はやや高かったけど!

しかしなんてリッチ臭のする美術館だ…
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裏には牛がのんびりしててのどかな光景も。

ジェフクーンズ。
掃除機の作品から始まり、陶器、木彫、ソフビの代表的な彫刻群、
ローゼンクイスト+フォトリアリズム風な巨大絵画群、
ツルピカのステンレス彫刻群まで。
こりゃあすげえや。

一度だけ森美術館で木彫をひとつ見た事あったけど、
一気に並んでるのを見るとキッチュすぎてエグいレベル。
でも、エグさが一周して謎のハイカルチャーオーラを纏ってるようにも見えてくる。
ブルジョワ観客とバカ顔したおもちゃモチーフのコントラストが際立ってて面白い。
美術「製品」な仕上がりは徹底されているなあ。木彫は微妙だけど。
バルーンの彫刻は想像通りものすごいギラギラしてて、
どこか変態イズムを感じ、圧倒的な存在感だった。

安っぽいオモチャや日用品が美術の展示に殿堂入りする皮肉は
わかりやすくデュシャンイズム、
加えて、巨大化、バルーン→ステンレスなどに見られる物質変換、
取り上げるモチーフのチョイス、
この辺の重要要素にとても性格の悪さを感じたのだった。

デミアンハースト、村上隆、と共に後期資本主義を象徴する3大巨匠って感じだが、
それぞれ立ち位置が違っておもろいな。
ジェフのこの感じ、思いのほか好きだ。
彼らのようなハデな作家はもう今後出てこないんだろうなあ。

意外に絵画が面白くて、(Jeff Koons Paintingでググってください)
完全に工房制作なんだけど、
イメージ作りはフォトショなんかで仕上げてるようだが、
とにかくモチーフのチョイスがバカっぽくて
ポップアートのそれとは全く違う。
一見しょうもない子供のダサい安っぽいおもちゃみたいなものを、
馬鹿でかく、そして絵として構成して、
細かく色面分割されててとてもキレイに平塗りしてるのな。
80年代ハイパーリアリズムとも似てるようで違う。

絵画まで「製品」感がプンプン漂ってるのがちょっと新鮮。
そしてこのカラッとしたポップカラーをなぜか油彩で描いてるっていう…。
こういう人達は、絵画って言う形式の利用の仕方が上手いなあ、と思う。
絵描きのアプローチではないが、絵画のことはとても詳しいというか。

そんなジェフ絵画を見ていると、見覚えのある日本人の方が…小山さん!
そりゃここはバーゼルだけれども、こんなところで出会うとは。
一瞬挨拶を交わしたあと、
美人スタッフさんとともに凄いスピードで鑑賞していた。

いやあジェフ恐るべし。
このドキュメントを合わせて見るとさらにグッと来る。
英語はまあ1割しかわからないが…それでもおもしろい。
こういうので、聞き取り練習。
音楽のチョイスも良いな。
http://www.youtube.com/watch?v=-otjIj2Ql3M


ジェフクーンズ以外にもコレクション常設があって、
並んでるすべての作品の質がめちゃ高い。
バイエラーさんは相当な目利きなのか。
モンドリアン、カンディンスキー、クレー、カルダー、
ピカソにモネにジャコメッティにロスコにニューマン…などなど。

Philippe Parrenoという映像作家の作品展もやってて、
それもおもしろかった。

2時間近く見てすでに眠さの限界、ソファーで30分気絶する。

今日は、キュレータのためのレジデンスの皆さんが、
うちのレジデンス見学しに来る日。
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お昼に作家も含め集合し、軽い挨拶の後に見学開始。
立っているのがディレクターのイレーナ。
レジデンスの説明しています。

学生さんは20人くらいいたのだけど、見事に全員女の子!
ちなみにレジデンス作家も、僕入れて3人しか男がいない。
現代の女性はタフネス。。。

さてここから各作家の部屋を回るという流れになり、
あら、最初のティンティンが完全に作品のプレゼンしてる!
これはヤバいぞと焦ってこそこそgoogle翻訳(笑)でカンペ制作。
今日居る作家は8人で、みんなけっこう話してるなー。
幸運にも僕は最後の順番。

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ほんとぶっつけに近かったので、もうデタトコ勝負…
2回程ジョークでややウケ(失笑?)とりつつ!
どうやって作ってるのか、マルを描いてること、
視覚表現と絵画のこと、をもうめちゃくちゃな英語で説明。
ピンチの時は、かずえさんに助けてもらいながら、
なんだかんだ10分くらいは話した…ハアハア。

マジでブロークンですいませんって感じだったけど、
けっこう皆さん、いや言いたいことはわかるレベルだから大丈夫!
とフォローしてくれた。
まずは伝えたいという意思ですよねははは…勉強せねば!
そしてむしろやっぱり皆さんからの質問が全然解らず、
かずえさんに訳してもらわなきゃ何も答えられぬ。
会話において聞き取れないのが一番問題。とにかくこればっか毎日悶々としてます。

イベントが終わって落ち着いたらもう夜。
やばい明日の朝一の飛行機でバーゼルに行くんだ…。

昨日からラストスパートで探し続けてる宿、
近くの街なら取れるかも?という情報を頂き、
低い検索能力フル活用で、ついに発見!!

バーゼルはドイツ国境との境の街で、
国境を越えたすぐのところのレラハという街のホテルが
そこそこ安いお値段でギリギリ空いてた!

国境の超え方も解らんが、どうも普通に電車で行けそうなので、
予約クリック!!野宿は回避!!
こんなんで大丈夫なんだろうか…けっきょく準備終えたら深夜。
寝る時間1時間も無いじゃないの。参ったな。

6月13日
6月新入居の作家が揃ったからか、
ディレクターのイレーナが、
みんなでランチ食べましょう企画をしてくれる。
オフィスのメンバーが6人くらいと、
作家8人が集合。
英語圏の作家の英語はホントに早くて聞き取れない。
オフィスメンバーはスペイン人なので、
かろうじてブロークン英語同士でいける…ような。

しかし、ものすごく頭が疲れる。
全神経を会話の言葉に集中して聞くのだが、
あまりに聞き取れないと途中で脳みそがリスニングを放棄する…
切ねえ〜 絵画制作と同じ、一歩ずつ進むしか道はないのだが。

さらにドイツ語も覚えるとなったら、
このメモリの足りない僕の頭はどうなってしまうのだ。

日本語に逃げるようにYahoo!ニュースをチェックしたら、
通り魔殺人のニュース。こっちの方こそ本当に辛い…
無差別の殺人は情報全部が苦しいよ。
人の心のエラーと
社会の仕組みの影部分
運命 やりきれぬ。


6月12日
昨日に続き、
今日はかずえさんに昼ご飯をごちそうになる!
アジアのお姉さん達にすがる毎日…。
一方台湾のティンティンは、
ほぼ僕と同じ生活クオリティなので、
きちんと自炊生活しているお姉さんがすごいと
言いながら、ケバブー屋の話で盛り上がる。


6月11日
先日プリペイド追加したはずのwifiの機械、
使えないことに気付く。
あのやる気の無かったおばちゃん店員め…さては追加できてねえな!

仕方がないのでもう一度アレクサンダープラッツに行き、
今度は親切そうな店員を狙って、
やっぱりカタコトで事情説明に挑戦!
すると店員さんはどこかに問い合わせをし、
全く聞き取れないドイツ語で何かを伝え、
「OK!15分後に使えるようになるぜ!今日から一ヶ月有効だ。すまんね!」
と。。。おお〜よくわからんがなんとかなった!

せっかくアレクサンダープラッツまで来たので、
サターンというヨドバシカメラのような巨大電器屋でプリンタを購入。
EPSONの最もロースペックのプリンタは、なんと3000円で買える。
印刷の質は普通に作品ファイル印刷くらいなら充分の機能を持ってる。
日本から持ってくるより安上がりだ。

レジデンスに帰ると、イキョンが「米食べたい?」と聞いて来たので、
もちろん食べたい!と答えると、晩ご飯を分けてくれた!

いっつもパンかケバブーしか食べてないと以前話したところ、
「信じられない!私は絶対ケバブー食べない!自炊しなさい!」
と言われたのだった。さすが超しっかり者。
でもmy生活改善の気配がないので、お情けを頂けたようだ。
こうやって弱った野良犬のように優しい人に助けてもらうんだ。

オシャレお姉さんなので、英会話のやる気ボルテージも上がる笑
超必死にGoogle翻訳フル活用の美術話をした。

師匠のY先生がオススメしているという情報を聞き、
郊外のブリュッケ美術館に行く。
こりゃノーマークでした。
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小さな美術館。周辺は緑が多くキレイな環境。
同じベルリンでも全く雰囲気が違う。

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後ろに手を当ててお子様が奇特なキルヒナーの絵などを鑑賞中。。。

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ブリュッケ、ハンブルグの美術館でもたくさんあって異彩を放っていたけど、
こうまとめて見ると改めて可笑しなムーブメントだな。
色彩も使いづらそうな組み合わせが多いし、(オレンジと緑の組み合わせとか紫ベースとか)
なんとも気の抜けたというかヘタウマ的な画題が気になる。

一部を紹介。

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これらは有名どころのエミール・ノルデ。


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これらも有名どころキルヒナー。
キルヒナーは画風をちょこちょこ変えてるようで、
絵の質の当たり外れも大きい。
この2枚などは普通に良い。

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これらはOtto Mueler
なんかアブねえ雰囲気を感じ取った笑 
キルヒナーもだが、裸の女の人を異様にカクカクに描くブームは
ピカソのせいか。妙な嫌悪感…
上の絵の真ん中の女の人の胸の描写とかも、いや〜な感じ。


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この人おもろい。Karl Schmidt-Rottluff。
3枚目、左上の男の髪の分け目とか…
目にグリーンを大胆にいれてきたり…
右上の男の顔がなぜそこに収まってるとか…
変だろ、変すぎるだろ。

ちなみにY先生は、
額がどっかから拾って来たようなボロボロ具合でそこが
おもしろいと言っていたようだ。
その目の着けどころはホントY先生らしい。
確かに、この3枚目のもボロボロだけど。

企画展では、ブリュッケの作家達の絵ハガキ展。
こっちもオカしいぞ

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ヤバすぎる笑

こりゃあ言われなきゃ来なかったなあマニアック!
でもドイツならではのまとめてブリュッケは意外な刺激物。
ポルケのバカっぽいドローイングとか、
案外こういうところからの影響もあるのかなあ。
満足して帰宅。


深夜、突然部屋のドアをノックされ、開けると、
凄くテンションの高い皮ジャンの男が現れる。
新しく入って来たチリ人のアーティスト、ギレルモ君の挨拶だった。
「ギレイって呼んで!!!」とガッチリ握手、
彼は日本文化が大好きで、youtubeでアニメをチェックしているらしい。
ひぐらしのなく頃に、も知ってる(むしろ僕があんまし知らん)
クレイジーな日本アニメイラストイメージを写実油彩(しかも上手い)に置き換えるという
変なヤツだ。

6月9日
引き続きApple製品が売ってる店を必死にググったら、
フリードリヒ通りのcyberpointというPCショップを発見!
さっそく行ってみると、トラベルキットもあった!解決。
近くの絵画館を覗く。

レジデンスに帰ったら、一緒にサッカーを見ようと誘われる。
EUROという2年に一度の大会が開催中で、街中大騒ぎなのだ。
普段絶対見ないサッカーだが、英語の訓練にはコミュニケーションが大事。
同フロアのYiKyungと上のフロアの台湾作家Ting Tingと3人でビール飲みながらPCモニタで観戦。
2人ともけっこう詳しいようで、誰がカッコいいなどと盛り上がっている。
「僕の周りの美術やってる女の子で、そこまで盛り上がってる人はあまり多くないよ、
あなた達活発だねー」と話したら、「美大時代は周りの友達冷めててつまらんかった!建築学部とかのほうが盛り上がってたよね」と辛口。
こっちは会話の聞き取りと発言に必死でサッカーどころではなかった。


6月8日
Macの電源プラグのコンセント部分がショートして使い物にならなくなった。
タコ足配線で日本のプラグを使ってたからだろう。これは困った。
トラベルアダプターキットさえあればACアダプタを買い直す必要は無いはずなので、
Appleストアを探してみるも、ベルリンにはAppleストアが無いようだ…首都なのに!?


6月7日
かずえさんの照明作品と実験音楽のコラボイベントに行く。
同じレジデンスの作家さんも集合、
相変わらず英語の聞き取りが困難でマトモなコミュニケーションはできず。
ただ、演奏者の1人の台湾メンとアニメの話で盛り上がる。
ペガサス幻想を熱唱してくれて、爆笑した。

それと、バーゼルは絶対いくべし!と数人からゴリ押しされ、
そのまま勢いで夜中にバーゼルの飛行機予約をする。
もう一週間前なのでやや高額になってしまってたが、
札幌東京間よりちょい高と思えば問題無し。
問題なのは、バーゼルの宿が空いてるわけなかったこと。
野宿とか可能なのか?


6月6日
wifiのプリペイドが切れるので、アレクサンダープラッツ(札幌で言う大通り)のO2ショップで
プリペイド追加してもらう。ややメンドクサそうな接客をしてくるおばちゃん
で、こっちがカタコトのためますます不機嫌気味だ。通じたようだけど。
前回来た時はめちゃ親切なお兄さんだったのになあ。

ベルリン1ヶ月記念としてマイブラのCDをサターン(ビックカメラ的な電器屋)で購入。
いつの間にやらEP+未発表音源集が発売されてたのな。
Tremoroの4曲が元々好きだし、you made me realiseから始まるし、
sugerがいいので満足。

昨日はニンテンドーダイレクトを見て今日は引き続きE3。
アメリカのイベントなので毎年日本では時差のせいでかなり深夜スタートで辛いのだけど、
ドイツだと昼くらいに優雅に見られるので良い。

僕は4歳の頃から、
TVゲームというドラッグに溺れた。
僕がスポーツにほとんど興味を示さないのも、
いつまでも大人になれなかった(今もなれてないけど)のも、
本をちっとも読まなかったのも、
モテなかったのも、
40%くらいは任天堂に原因があると思っている笑

同時に、
人が作り出した世界がここまでおもしろいものになるんだ、
ということを実感させてくれたのも、
TVゲームの影響が大きいので、
何とも言えないところ。

絵画を本格的に始めてから、
ゲームにドップリ浸かるということは無くなったけど、
任天堂がその時期その時期で、ジャパニーズTVゲームのパイオニアとして、
エンタメ界にどのようなアプローチを提示するのか?
そのアイデアの部分が今もずっと気になっているのだよなあ。

そういう、コンセプト部分を楽しむエンタメ性を
任天堂ウェブサイトで存分に提示するのも、
子供だけでなく僕のように子供の頃ゲームやってて
今オトナ、な人にも興味関心を持たせる為なんだろう。

そしてコンセプトがどう形になったのか確かめるために
一応ゲームは買うけれど、
チラッとプレイして結局全クリできないゲームが溜まって行くのです。

E3は年に一度のゲームの祭典なので、年に一度のお楽しみ。
よし始まったぞというタイミングでK君が突然連絡してきたので、
「オメーにとってのワールドカップ観戦みたいなイベントなんだから
少し待っててくれ!」と怒ったら、
にわかに信じられないという返答が来た笑

Wii Uはもう僕日本帰ったとしても対応テレビが無いので、
なんとなく傍観者だけど、
3DSに引き続きネットワーク部分がおもしろそう。
Wii Uと3DSの連携がどうなるのか気になるところだけど。

しかし次の次世代機は、
コントローラと携帯ゲーム機がイコールになるのではないかな。

新居からの主要自転車ルートを探りながら、
また絵画館に行ってみると20分くらいで到着。
少し近くなった。
ベルリンは自転車で回るのがちょうど良い規模の街だ。

そろそろありがたみが薄れてきたので気持ちに余裕があると
天井とかチェックしたり。

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ここ基本的に絵にライト当ててないんだよな。
ハンブルガーバンホーフもだったけど、
自然光がフラットに部屋に入るようになっている。
この日は天候が不安定だったので、部屋が暗くなったり明るくなったり
せわしかった。

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これはデューラー。
昔の絵でも、こんなにカラフルに構成してるのもあんのな。すばらしい。


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ゲインズバラのクセのある絵。好きな人は熱狂的に好きそうな甘美さがイカス。

あと、巨匠クラスじゃなくなると、
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こういう微妙な絵が並んでたりする。
左のオッサンの顔青すぎだろ…


同じテーマの絵画を見比べたりするとおもしろい。
聖セバスティニアヌスの絵画がざっと見て3つ。
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これはリューベンス。僕リューベンス苦手なんだよなあ…
この聖セバスティニアヌスて世界最古のゲイアイコンらしい。
それにふさわしくムキムキグネグネしてて痛そう、
ただでさえ苦手な画風なのにさらにウゲぇって気持ちになる。
ウゲぇと思わせる劇的な演出がうまい。

そこから100年ちょっと遡った時代の同テーマ、
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これはボッティチェルリ。劇的なリューベンスに比べると、
なんとなくやる気が感じられない笑
ささった矢もしなしなだし、痛そうじゃない。
100年の間に人類の絵画表現の進歩があったのももちろんだけど、
ボッティチェルリが男性に興味なさそ〜って
伝わって来るような気がする作品だ。

さらに無名の作家の作品、しまった時期をメモし忘れたけど背景の描写を見ると
ボッティチェルリとさほど変わらないか少し後かも。
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矢を撃ってる「シーン」になってる。
いやあおもしろいな。

それと、主題がギリシャ神話のほうもおもしろい。
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これは前にも載せたプッサン。何度見てもいい。不自然具合が笑
入念に構図プランを練った上で
カメラの前で、はいポーズ決めてそこでちょっと止まってて!
ていう感じの絵だ。ヤギの視線に釣られて奥にスーッと目がいくのもイカス。
この絵の中の赤ん坊は後から調べると、
ゼウスの赤子時代らしい。

でゼウスが成長した姿の絵が別の部屋にあった。
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コレッジョのめちゃエロい絵。すごいいい。
コレッジョてあんま有名じゃないけど、どっかで見たような聞いたようなと
記憶の引き出しをぬぬぬぬと開けてたら、わかった。
某絵描きのM.Iちゃんのアトリエで見たんだ!
マニアックな所を参考にしてるんだなと感じたんだった。

でこのエロい娘さんを華麗に襲ってる白鳥がゼウスなんだって笑
あの赤ん坊がこんなに立派な姿になったと、
ゼウスの成長を垣間みることができる。

美術館ておもしろいですね。

引っ越しも完了し、滞在2日目。
とりあえず3ヶ月の滞在が決まっているGlogauAIRの紹介を少し。
http://www.glogauair.net/

僕はギャラリーのみきこさんに手配してもらいながらここに入れたのだけど、
サイト等でエントリーして入居審査を通ったら滞在できるレジデンス。
スタジオ兼寝泊まり希望だと、光熱費等も全て込みでひと月450ユーロです。

滞在できるアーティストは10人。3ヶ月か6ヶ月の滞在可能。
とりあえず3ヶ月の話で応募したのだけど、制作しやすそうな環境なので、
もう3ヶ月追加したい。
ディレクターに相談するも、ただいまキャンセル待ちとのこと。

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ゆったりした玄関前。

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裏にも広い空間がある。

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玄関入って日本で言う1階は、
(ちなみにドイツでは、建物の1階は0フロアで、2階が1stフロアという。)
事務所とイベントスペース。階段を登って2階3階がスタジオ。

各フロアに1作家1部屋で5部屋のスタジオと、
キッチンとトイレとシャワーがある。
学生時代の寮生活を思い出すなあ。
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僕のフロアはキレイです。

そして僕のスタジオ。
各スタジオ内にはベッド、机、椅子、棚が備え付け。
Wi-fiもバッチリ。
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とりあえず作品をかけてみる。右端以外はこっちで作ってる作品です。
前述したように、僕はキレイな部屋を貰えたのでした。
このレベルを持続したいものです。

なかなかストイックな環境で、いい感じ。
天井も高いし、ヤスリも外でかけられそうなので、問題無し。

今月末には早速オープンアトリエがあるし、
がんがん制作しなければな。

まだ作家10人は揃ってないせいもあるかもしれないけれど、
何人かにご挨拶した以外は、
一日通してけっこうひっそりしています。
皆自分のペースで籠って作品制作してるんだろか。

まだわかりません。
早めに皆と仲良くなって、英会話訓練しなきゃな!


↓ オープンアトリエの情報です。

GLOGAUAIR OPEN STUDIOS EXHIBITION

 

Friday, June 29th. from 19 to 24 h.

Saturday, June 30th. from 15 to 21h. / Artist talk from 18h.

Performance by Tizo All from 21h

 

Open studios Exhibition

Diamantis Sotiropoulos / Megan Cotts / Grace Kim /

Yi Kyung Cho / Guillermo Lorca / Jose Monu / Rebeca Smith /

Kazue Taguchi / Cheng Ting ting / Yuki Yamamoto / Liang Yuan wei

 

 

Project Space: We Can Draw It! with: 

Filippos Kavakas
Dionisis Kavallieratos
Angela Liosi
Sifis Lykakis
Diamantis Sotiropoulos

 
Curated by Carolina Jimenez


引っ越し。
このアパート最終日にアクシデントが。

溜まったゴミ出しをしようと身軽に外にでたところ、
うっかりカギを部屋に忘れてしまった。
こっちのアパートはオートロックなので、
見事に閉め出されてしまった。

ケータイも財布も頼れるすべての情報が部屋の中。
僕が持っているのはゴミだけだ。
これから引っ越しだというのに、 絶望しすぎて泣きそうになったが
茫然としていてもどうにもならないので、
隣の住人に助けを求めることに。

これが超ラッキー。
やたら親切な(しかも美人な)お姉さんで、
なんとか事情を説明したら、鍵屋さんを呼んでくれた。多謝!
鍵屋さんは30分くらいで到着し、
「ちょっと下で待っていてくれ」と言い、
ガチャガチャわからない方法で鍵を開けてくれた。
見られるとマズいらしい笑

そして80ユーロも取られた…がっくし。
よりによって最後の日にやっちゃうんだもんな。 やれやれ。
何とか無事にアパートを去り、ケバブー屋さんにお別れの挨拶付きの昼ご飯を食べ、
glogauairへ。

かずえさんが同じタイミングで広い部屋に移動するとのことで、
その空いた部屋に入れるようにしてくれていた。

かずえさんは光のインスタレーション作家で、
部屋の壁も床も自分で塗り直しており、
他の部屋より圧倒的にキレイだ。ラッキー!
部屋によっては、床が真っ赤とか、めちゃくちゃタバコくさいとか
前の作家次第でけっこう当たり外れがあるらしい。

しかも同じフロアには先に知り合った韓国出身のYiKyungがいて、
この人めちゃくちゃキレイ好きのようでキッチンが全く汚れていない。
上のフロアはなかなかの荒れ具合なのに…
これは、汚せないな…。タイヘンだ。

移動が一段落したところで、 けんさんとだいさん、
それにアパートの仲介してくれた クリストファー夫妻が見学に来てくれる。
皆で少し飲んで解散。 移動疲れで今日は終了。

さー明日から本格的活動だ。

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