やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

2013年01月

DC2日目。またモールへ。
_MG_3716
博物館前に、倒れたまま放置された屋台が。

今日はハーシュホーン美術館からスタート。
_MG_3718

円形の広い回廊状の展示スペースが特徴的。
企画はアイウェイウェイの個展。
去年はまだ軟禁されてたはずなのに、この規模の個展か。 
_MG_3724

_MG_3732
まとまった展示を見るのは初めてだ。
実際背景について詳しくないので深い鑑賞ができたとは思えないけれど、
中国の形に木を掘ってる割と有名な作品から、大きなインスタレーション、
映像作品まで幅広く、空間認識とユーモアのセンスがある。
監視カメラの彫刻家などおもしろいが、
全体的には、造形だけ見ると、そつなくこなせる器用な優等生って感じがする。
全活動を通してこそ重要な作家だと思う。
後にちょっと調べたら、アメリカ時代の大学の先生がショーン・スカリーで
そっからジャスパージョーンズ、デュシャンと系統を学んでいったとのこと。
なるほどねえ。

上階の常設は絵画が多くてうれしい。
_MG_3737
不気味なウォーホルを黒いベルベットの支持体に描いてるシュナーベルの絵画や、

_MG_3733

_MG_3735

_MG_3734
マークグロッチャンの厚塗りストライプの絵画。これは見応えがある。

_MG_3745

_MG_3750

_MG_3778

_MG_3780

_MG_3781

_MG_3782



次はスミソニアン航空博物館へ。
_MG_3800
飛行機とか宇宙船の実物展示。子供でもかなり楽しめそうだ。
説明など読んでるヒマもなく割り切って駆け足でザーッと見る。

ナショナルギャラリーを一瞬再訪する。昨日閉まっていたマティス部屋を見に行く。
昼の数時間しか入れないようになってる。
_MG_3814
巨大な切り絵作品が額無しで見られる喜び。
だからこの部屋だけ時間絞ってるんだろうな。 

自然史博物館も覗いてみる。

_MG_3862
動物剥製ゾーンは、やけに動きを強調した展示。

鉱石&宝石ゾーンに思いのほか長居。
_MG_3882
透明の物質ってそれだけで興味をそそるんだけどそれはまあ自分の作品が
そういう傾向にあるからでもあり。。。

_MG_3893
展示もすごい綺麗!

何よりダイヤモンドの反射光に思いがけず見とれてしまった。
_MG_3884

_MG_3888
ティアラとかすげー。
絞って反射光だけ撮ってみる。
宝石なんて無縁の世界と思っていたが、学術的なものとして見せられると
一気にハマる。博物館おもれーな。

あと虫ゾーンがやべえ。タランチュラを見た。
_MG_3872
それとイモ虫と戯れるオシャレお姉さんとちょっと引いてるその彼氏な光景を見た。
このような類いの女の人は、妙に魅力的に映るのだった。 

モールの博物館群は入場無料なのですばらしい。
満喫して、駅の上階から発車してる深夜バスを待つ。

さすがに気温も下がって来て冬に戻ったな、寒い。
バス到着。grayhoundというメジャーなバスだ。
IMG_3761
バスの中ではなんとフリーwifiが飛んでいる。
しかしまた夜間の移動だと風景が見れない。
真っ暗だなあ。 

次の行き先は伊藤先生におすすめされたピッツバーグ。 

午前中に本来予約してたホステルに移動、
荷物を置いてナショナルギャラリーへ。
_MG_3594

そういえば映画「ハーブ&ドロシー」でたくさん映ってた美術館だったな。
 見覚えのある場所もちらほら。

通路にやたら植物が茂っている。
_MG_3846

まずは古典美術巡り。
またしてもまたしてもビザンチン美術からの美術史の流れを
順に追える展示だ。
海を超えてもしっかり勉強できるレベルでなんでも持ってますね… 
それにここにもダビンチ作の小さな肖像画。
_MG_3604
背景の植物がいい。 

ヨーロッパ各地と違って、各国均等な分量で展開されてる流れで、バランスが良い。
IMG_3645
ルーベンス、ライオンを描く。

IMG_3651

_MG_3614
ルーブルで見れなかったシャルダンもそこそこまとまってる。

_MG_3610
またフェルメーる。これはタッチを消してボカしを効かせてる。

_MG_3842

_MG_3843
アングル、こんな画中画…というか
システィーナ礼拝堂の中のローマ教皇ってな作品も描いているのか。

当然1800年代から突然妙なアメリカブースが出現する。
畏怖の念があんましないようなロードオブザリング的な広大ロマン風景画とか、
IMG_3670
すでにちょっとアメリカンオリジナルなエレメントを感じる。

IMG_3710
印象派ゾーンでは、いつものメンツに紛れてメアリー・カサットがたくさんある。
良作が多いです。

_MG_3818
ピカソはこういう傑作をきっちり残してるから参る。

_MG_3831

_MG_3616
ルドンはいつもこっそり気に入る。

地下通路で繋がってる別館は現代美術。
_MG_3619

_MG_3620

_MG_3632

_MG_3622

_MG_3637

_MG_3638

_MG_3639
チャッククロース細部。

_MG_3662
お、見た事ある夫妻が…

_MG_3697

_MG_3642

_MG_3645

_MG_3650
おお〜スティルがどーんとあると、アメリカに来たなあって感じがします。 

IMG_3717

_MG_3649
後期ポロックも、良い。

_MG_3659

_MG_3652
これ小振りのマザウェル。やっぱマザウェル、かなりイイ。

_MG_3667

_MG_3700
HOWARD HODGKIN 初見。イギリスの画家のようだ。

_MG_3683


撮影不可ゾーンの一番上の階のバーネットニューマンの企画、
晩年のシリーズ。これもとても良い。 

20世紀絵画のラインナップはやっぱヨーロッパとだいぶ違うな。
こっちの流れで勉強してきたので、しっくりくる。
_MG_3621
新館の建築、この感じはなんか知ってると思ったらは
ルーブルガラスのピラミッドとか、ドーハのイスラム美術館と同じ
イオ・ミン・ペイだって。

美術館を出てナショナルモール、どれ記念塔のふもとまで歩いてみるけれど
歩いてもなかなか近づかん…どれもこれも建物がデカいので距離感が狂ってるようだ。
結構遠い!!
_MG_3710

IMG_3734

_MG_3711
ホワイトハウスも遠目に眺めて、戻って来たらヘトヘトだ。
それにしても、どうしちゃったのというくらい暖かい。
なんと10℃以上あるようだ。春かと思うわ。汗だく。

夜は、大学の研修旅行でアメリカ滞在時期がかぶってる
(というかこっちがある程度合わせたんだけど)、
伊藤先生ご夫妻と久々に再会。旅行会社のM吉さんとも8年ぶりくらいに再会(笑) 
皆さんフライト直後でかなりお疲れのようだったけど、
いやあアメリカで顔合わせっつーのも不思議なもんだなあ。
OBOGをイジろうと思ったら近い年代のOBOGは居なかった…
自分よりかなり若い世代の見覚えのある子達3人のみを覚えた。
顔と作品がようやく一致した。 

今度はアメリカ東海岸視察だ。
オフシーズンのせいか、airberlinの航空券はなんと往復約450ユーロ。
円安になってきてても50000円以下ってとこだ。
日本からNYに行くのと比べたら半額くらいだし飛行時間も8時間。

NYの知合い作家さんも増えたし、
今回はフィラデルフィアとワシントンDCまで足を伸ばして
デュシャン巡礼もしてしまおう!
と年明けすぐに勢いで決めたのだった。

寝坊もせずに、ベルリン入りした時以来久々のテーゲル空港到着。
余裕をもって到着したが、窓口を間違えて並び30分程無駄にする。
そして正しい窓口に行ったら今度は、
「書類が足りないのでこれでは飛行機に乗れませんね」と言われた。
え??

わけがわからないので必死に質問すると、英語の説明が複雑になってきて
頭が混乱ひ汗。何度も聞き返してなんとかわかったことは、
ESTAが無いとアメリカに行けないということ。

ESTA?なにそれおいしいの?

どうもアメリカに入国するには観光ビザの代わりになるような
ESTAという証明をインターネットで取る必要があるらしい(15ユーロかかる)。
そしてそれを知らない僕の様なアホの為に、
空港内にESTAを発行できる窓口があると教えてもらう。
しかしさっき無駄にタイムロスしたせいでゲートクローズ時間が迫る。

空港内を超ダッシュでその窓口を探し、4回程窓口を間違えながらなんとか見つけるも
係のおっさんが英語全く話せないという新たなピンチに見舞われる。
 
イッヒ メヒテ ESTA!!!

と多分間違ってるけど多分通じそうなドイツ語を披露し、
おっさんも急いでくれる。が、なかなか何言ってるかわからん。
必死にボディランゲージと指差し連発してなんとかESTAの発行に成功。

猛ダッシュで窓口に戻ったけれど、結局10分オーバー!!
めっちゃ頼んだけれど完全にゲートクローズしたとのこと。
…ス、ストックホルムに次いで、またおれは飛行機に乗れないのか
しかし今回は損害のスケールが違うぞ…一体どうすれば。

頭真っ白になってると窓口のおばさんが
「airberlinではどうすることもできないけれど、
この便はデュッセルドルフで乗り換えの便だから、
デュッセルまでの飛行機が他の会社であればまだ間に合うかもしれない。
あっちのルフトハンザならあるかもよ。」
と奇跡の助言をくれた。こういうときは英語がすんなり耳に入って来るから不思議だよ。

ダンケダンケダンケシェーン!
超絶感謝をして、ルフトハンザの窓口へ行って汗だく半ベソで事情を説明すると
「あなたはラッキーですね。ちょうどぴったりの便がありますよ」だって!!
ダンケダンケダンケシェーン!!!!!
当日券の250ユーロ(痛い)を購入し、
無事にデュッセルで乗り換えることができたのでした。
IMG_3600
airberlinの機体!!!!泣けるわ!!!

ドイツの人の優しさに僕は感動した。
こんなアホな日本人に親切に教えてくれるんだねえ…。
いやあしかしハナからアメリカは敷居が高いわ。
機内でも入国の為のチェックシートを書かされたし。

ところで機内ではダークナイトライジングを見た。
映画が見れる程の英語力は到底ついてないのだけど、
なんとなく話の流れはわかった。
なぜ変な井戸の中で修行が始まるのかは解らなかったが、
きっと言葉がわかっても突っ込み所なんだろうなと思って最後までみた。
ダークナイトには到底及ばないが、
結局いつものハリウッドノリの集合で満足した。

さて奇跡的に到着できた6年ぶりのJFK空港に思わず笑みが…。
ボロい地下鉄も懐かしい。
うおーニューヨークのニオイがする。
マンハッタンのチャイナタウンから、
かずえさんに教えてもらったチャイナバスっていう格安バスに乗る。
IMG_3603
乗り場。
まずはそのままワシントンD.Cへ向かう。約4時間半で20ユーロ。安い! 
NYから出るってことにまずちょっと興奮、
遠ざかる摩天楼をバスの窓から眺める。

せっかくの長距離だが、NYを離れると景色も真っ暗。
何も見えなくて味気ない。昼だとどんな光景なのだろう。
そして特に問題もなくDCに着いたのが深夜11時。
IMG_3604
降り場もまたチャイナタウン。

ここから歩いて15分くらい、予約してたホステルに行ってみると、
おいおい!!10時半ですでにフロント終了してて、中に入れないじゃないか…!
 
なんで今日はこんなにピンチが続くんだ(理由は自分が馬鹿なことのみ…) 
仕方がないので深夜の街を徘徊しホステル探し…
深夜ウロウロしてて大丈夫なのか!?
…だめだ見つからねえっす。
その辺のホテルだと一泊200ドルとかだった〜無理です。
絶望しかけたその時、眼前にマクドナルドがぁー救いのMマーク!

腹ごしらえでセットを頼み、ドリンクを
「コカ・コーラ プリーズ!」と全力の発音でお願いするも
は?という顔される。コカコーラが通じねえ。完全に自信喪失させられた。
あ、「コーク」って言えばまだ通じるのね…。
横暴な態度の店員がアメリカっぽい。

店内で飛んでるフリーwifiを捕まえて、
無事に別のホステル発見。さらに歩いて15分で到着、ステイすることができた!!
つ、疲れた…
まだ何も始まってないのにアメリカは1日目から攻撃力高い。

朝一の特急に乗ってアムスからオランダ北部の街レーワルデン(Leeuwarden)へ。

レーワルデンにあるオランダの司法省のエントランスホールに先輩のけんさんこと谷口顕一郎さんの彫刻がある。けんさんのサイトのトップ画像になってるのがその作品だ。
けんさんは前日にレーワルデンに入っていて、現地で再会することに。

IMG_3564

朝やけを眺めながら電車で移動。
ところが雪が降って特急が遅れてしまい、
途中の乗り換えがうまく行かず1時間以上遅れてしまった。
こりゃあピンチで困ったなと思ってたら、
なんとオランダの特急は車内でフリーwifiが使える事が判明。こりゃすげえ。
メールで伝えてなんとかレーワルデン駅前で再会することができた。
もー迷惑かけてばかりです… 

_MG_3584
これがオランダの司法省。建築がカッコいい!
司法省は厳重セキュリティで一般の人は入れないので、
作家さんが事前にアポをとって一緒に中に入るようになっている。
なので今回はご家族のみなさんに見せるタイミングにオジャマして見せてもらうことに。 
 
_MG_3582

_MG_3573

_MG_3580

幅10mの巨大彫刻がモダンな建築の中央に堂々と浮いている姿を見て、
思わず口が開きっぱなし。
この彫刻は過去に何度か移転をした司法省の建物跡地からの
凹みをトレースして、それを元に彫刻化してるとのこと。
一般の人が見られないのは勿体ないけれど、
どの階のデスクからもガラス越しにこの黄色い彫刻が見える様な建物の構造になっていて、
ここで働く人達にとっての大事なシンボルになってるんだろうなあと思った。
写真撮影基本NGで、
お願いして数枚撮らせてもらったけれど絶対人を写さないように厳重注意を受けた。
そういう張りつめた空気の中に浮かぶ作品の存在感。

_MG_3578
壁には各パーツの採取マップ。

完成まで3年もかかった大きなプロジェクトだそうな。
このような大きな規模でかつしっかりとした完成作品になっていくまでに
多くの人が関わって、多くのお金が動いて、
総合的な作家力がかなり必要なのは間違いなくて
今の自分からは到底想像できないスケールだった。

大きく年齢も離れていなくて昔から知っている自分の大学の先輩が、
札幌での学生期から一歩一歩経験を積み重ねて、海外に渡って、
この目の前の素晴らしい作品を完成させたっていう事実を体感するのは、
それはもう特別な経験だった。

無理してもらっちゃったけど見る事が出来て本当に良かった。

じーんとしながら、
電車でレーワルデンからベルリンに戻る。一度乗り換えしながら約6時間。

2週間ぶりのベルリンのこの感じ、なんか落ち着くわー。
ファッキン アレス!!などと叫んでる迷彩服のバカなおっさん達を冷笑する乗客達、
な夜の地下鉄。

朝起きると、ドラッグ兄ちゃんは普通の状態に戻っていた。
「Sorry,昨日の記憶があんまりないんだけど騒いでしまったよね…きみ名前なんだっけ? 」
とか言ってる。 ユーはドラッグとか風俗とかやらんのか?と聞いて来たけど、やらんよ!!
アムスって…。 

さてまずは第一目的の国立美術館へ。
_MG_3178
裏側。これまた改装中で2013年4月にグランドオープンとのこと、惜しい。
カウントダウンの電光掲示板らしきものが。

横の別館で簡易的なマスターピース展示をやってる。
_MG_3180
こういうのが並んでると海洋国家の美術館って感じがして良いなあ。

_MG_3189
レンブラントの、怪しい絵の前で何を学んでいるのだ。

_MG_3191


ここにはフェルメールの「牛乳を注ぐ女」とレンブラントの「夜警」がある。
これまたどちらも素晴らしい。

牛乳女はめちゃ小さい画面内にやはり完璧に計算されたピカピカの画面。
IMG_3532

_MG_3236

フェルメールも振り返ればもうけっこうな数を見たけど、

デルフト眺望と牛乳女のピカピカ感は群を抜いてる。
寄って見た時の描写スケールがたまらん。
意外に荒い作品もチラホラあるんだよな。 

夜警はデかい!
IMG_3538
本当はもっとデカかったらしいけど、いつかの展示移動の時に
部屋に納まらなかったので左側をカットしてしまったとのこと。

カットする前の夜警を模写した小さい絵画が同室に並んでいて、
_MG_3215
確かにそっちのほうが
構図はゆったり余裕があるように見えてくる。

この大きさで視界がスッポリ絵に包まれる上に、
真ん中の人物2人がそれぞれ手と槍をこちらに突き出す様な絵なので
さながら3D映画のような感覚に陥る。
_MG_3211
手前に迫るこの描写はタイヘンだろう。
描写の実験を画題の中に紛れ込ませてるのは古典絵画のおもしろい点だ。

説明書きも相当丁寧に書かれていて、
_MG_3232
~年に客が絵を切り刻んで、ここが修復した跡だみたいな説明まで書かれている。


近くのアムステルダム市立近代美術館(Stedelijk Museum Amsterdam) へ。
ロッテルダム、デンハーグと近代以降のコレクションに
オランダの底力みたいな妙な迫力を感じていたが、
さらにここはデカくて質がめちゃ高い。
どうやらこっちは改装が終わったばっかりで新しいみたいだ。
_MG_3252
裏から見たら古い建築なのに表に回るとでーんと現代的な宇宙船チックな見栄え。

_MG_3253
入り口の雰囲気もジャッドのカラフルな作品を中心においてスタイリッシュな展示。
まずお決まりの近代美術の流れを順に回る。
もちろんデ・ステイルは幅広く、ってな感じだ。
キリが無いので割愛するが、マレーヴィッチのドローイングがズラリと並んだ部屋があり、
その作品群がおもしろく
_MG_3268

_MG_3275
チラ見せ。

デザインの展示はやはりここでも充実。
余裕が無いので駆け足モード、この椅子欲しいわ〜。
_MG_3330

2階が戦後現代美術コレクションと企画展、
まず戦後コレクションが素晴らしい!
_MG_3340
ケリー

_MG_3339
ライマン

_MG_3344
マーデン

_MG_3346
ガストン

_MG_3349

_MG_3352
Daan van Golden初めて見た。良い。

_MG_3355
マチスの切り絵も

_MG_3359
デクーニングが充実してたり。オランダ出身なんだもんなあ 。

_MG_3366

_MG_3375

_MG_3368
ニューマンのコレクション、装飾的。

_MG_3382

_MG_3386

_MG_3539

_MG_3540

_MG_3542

_MG_3543

_MG_3544

_MG_3545
ジャスパー多めに撮っちゃった。
1枚の作品の中に意識的な行為が詰まってて飽きない。

_MG_3387

_MG_3546

_MG_3549

_MG_3552

_MG_3393

_MG_3394
突然、金山明の作品が!

_MG_3410

_MG_3413
キーンホルツ、ルイジアナ美術館に続き2度目。うまく撮れんが異彩放ってる。

_MG_3418

_MG_3420
工藤哲巳も。

_MG_3425

_MG_3449

_MG_3481

_MG_3491

_MG_3496

いや〜、揃ってる。ヤバいわ。

さらに企画展のマイクケリーがめちゃくちゃおもしろい。
後期作品をメインにした展示。
_MG_3497

_MG_3501

_MG_3521

_MG_3525

IMG_3545


_MG_3504

_MG_3511

_MG_3513

_MG_3514

_MG_3516
わけわかんなさの中に一貫したファンタジアが存在しているような…これは一体なんだ。

子供の劇の映像とそれに合わせたセットのインスタレーションも
正直何がなんやらなのだがどうも引っかかる。
ヨコトリで見た都市フィギュアみたいなシリーズも、
あの時はまるでピンと来なかったが妙に腑に落ちる。
いや、全然困惑したままなんだけども。
都市部分とその他の繋がりに危なさを感じる。
が大きなボンベに繋がったガラス玉に囲まれていたり、
ごつごつした岩みたいなものの上にボワッと存在していたり。

映像作品は先日デュッセルでも見たあの映像の他に初期作品も見る事ができた。
通して相当ヤバいのだが持続して気になってしまう。 


トラムで今度は中央駅前のホステルに移動。
小さな運河とレンガの目立つ狭い街並をトラムで抜ける感じに
テンションがあがる。また来るときはもう少しゆっくり歩いてみたいもんだ。


駅前は危ない雰囲気が強い。
IMG_3557
「コーヒーショップ」(ドラッグ屋さん)がいたるところに普通にあって
変なパイプとか売ってるし、とても入れる雰囲気ではない。

また「飾り窓」(風俗)ゾーンも近かったのでどれせっかくなので社会科見学してみたら、
IMG_3560
赤ランプの付いた怪しいアパートの部屋でカーテンが開いていて、
ブラックライトで光る下着を身に着けた黒人のブリッブリのお姉さんが
部屋の中から体をうねらせて誘惑してきた。
そういう部屋が並んでいて、20mくらい歩いたら恐ろしくなってきて逃げ帰って来た。 

これらが朝の兄ちゃんの世界なわけだな。
アムス…クレイジーな街だ!! 

デンハーグの朝。
ホステルの近くからトラムに乗ったら違う方向に行っちゃったので
すぐに降りて仕方なく中央駅まで20分程歩く。
_MG_3031
駅周辺の高層ビル。この街もフランクフルトのように金融街っぽい。

デン・ハーグには有名なマウリッツハイス美術館があるけれど、
現在改装中なので入れない。
改装期間中なのでここの目玉作品のフェルメール「真珠の耳飾りの少女」が
日本に貸し出されたりもしてて、残念ながら今は見れない。

ただ、もう1つフェルメール代表作「デルフトの眺望」は
デン・ハーグ市立美術館(Gemeentemuseum Den Haag)に
移動して展示されているとのことで
それを見に来たのだ。 
中央駅前からトラムに乗ってさらに20分程。
_MG_3036
到着。街の中心から少し離れたところにあった。

IMG_3515
チケットがなんとなくシャレとる…が、
モンドリアンの前で子が首を傾げてジャンプって
意味はわからない。

マウリッツハイス展示ゾーンだけは撮影不可。
レンブラントの解剖の絵もあってこれも相当凄かったし、
やはり目的のデルフトの眺望は素晴らしい!!
まずフェルメールにしては思ったよりも画面が大きい。
ガラス額に入ってるのだけど、
フェルメールだからなのか低反射ガラスで鑑賞もしやすい。

しかし、なんとまあ、絵肌の輝いていること…。
絵具を塗るというより優れた工芸作品のように小筆で絵具を置いていったような建物の描写は
感動的だ。物と物のキワのボヤけた色彩もたまらんし、空の色雲の面積、川の描写、
それぞれ塗りも変えて超テクニカル。

同じ部屋の別作家の細密な風景画も十分テクニカルなんだけれど、何が違うのか…
色も構図も絵具に対する愛情というのか、熱意が違う気がするな。
これだけカッチリ描ききっても、
そのカッチリさからはみ出る魅力を保ってる風景画、
いやー感動。

そしてこの美術館、近代以降のコレクションが中心で、その質が高い。
オランダもまたいいもん持ってるんだな〜。
_MG_3059
ルイーズブルジョワや、

_MG_3060
ブルース・ナウマンとベーコンを組み合わせた展示。
ベーコンは僕全然好きじゃないけど、ナウマンのせいでちょっと良く見える?
しかしナウマンもいろんな美術館でだいたい1つは見かける常連。
しかもだいたい良い作品、打率の高さ凄い。
この作品、左に見える赤いボタンを押すと、
メリーゴーラウンドのようにグルグル回る。

_MG_3061
PAEL THEK、う、ケルンのコロンバ美術館でグロい作品作ってた作家か。
めちゃくちゃ苦手だが、こんな絵画も描いてるんだな。

_MG_3068
グロいゾーンもまとめて続く。

_MG_3069
サスナルの小ちゃいけど気になる絵画。

_MG_3094
ライリーの丸使ったシリーズは、自分の作風もあり参考になる。
計算されたパターンの繰り返しによって画面に現れてくる、
ひっかかりのあるイリュージョン。

_MG_3132
ルウィットのウォールドローイングもいくつか。
これはマットな平塗りのパターン。

そしてさすが、デ・スタイルのゴリ押しゾーンがあるし
_MG_3098


何よりモンドリアンのコレクションが凄い充実。
_MG_3115

_MG_3118

_MG_3117
初期風景画もやっぱり画面内の構築がしっかり考えられているし
重ね塗りの色彩豊かでザクザク筆跡の残る感じ。
普通に、うまいしカッコいい。

_MG_3113
これもモンドリアン…これはどういうことだ。

_MG_3102

_MG_3103

_MG_3105
遺作の「ビクトリーブギウギ」!チケットで子が飛んでたのは、
展示位置が高かったからなのか笑

色面が貼り絵状になっていて、
手作業的な感覚がかなりダイレクトに残っている。
赤青黄に黒グレーも紙具合によって色彩の揺れが激しい。

加えて、紙の色違いのクリーム色っぽい貼りも散見される。
これは未完の証なんだろうか。

しかし、ヨーロッパで見るモンドリアンの多くはガラスに入ってる。
額装にも相当気を遣っていたである作家なはずなのに、
ガラス額装はベストなのだろうか?
NYのMOMAではちゃんと剥き出しで見れたはずだが。

予想外のボリュームに、バテた。

中央駅まで、またトラムで戻る。
_MG_3142

_MG_3143
ここの駅も改装中でかなりワークインプログレスな雰囲気。
ファストフード屋でポメスを買い食い、今度はアムステルダムへ移動。

途中オランダらしいあの風車や広ーい川などが見えて、
オランダ!!て感じになってきた。(写真撮り忘れる)

夕方アムス駅に到着して、外にでるとこれまた独特の雰囲気…
IMG_3520
じっくり街並を味わう間もなくメトロに乗る。
IMG_3522
地下鉄の中には妙な絵が描いてある。

猛ダッシュでレンブラントの家へ。
IMG_3524

_MG_3156
モチーフ部屋。


それとエルミタージュ美術館アムステルダムでゴッホを見る。
ゴッホ美術館もまた改装中なので作品がこっちに移動してるとのこと 。
_MG_3175
全館撮影不可。
トータルで1時間ちょいしか無かったのでホント駆け足で無念だった。
それにしてもゴッホの作品ばかりに囲まれると色感覚がヘンになりそう。
ちゃんとゴッホ美術館の改装後を改めて見に来たいものです。

IMG_3527
美術館近くの光景。絵に描いた様なオランダっぽさ。

夜、けんさんと待ち合わせ。
今回の移動ラストは、ここからさらに北のレーウワルデンで
けんさんの巨大パブリックワークを見に行くことで、
ちょうど今夜はお互いアムスに居るので夕食しましょうという話に。

しかし待ち合わせの電話中にプリペイドの残高が切れるという超絶アホをやらかしてしまい
冷や汗を書いたが、少しだけ話した内容で中央駅の入り口でダメもとで待っていたら
けんさんに見つけて貰えた奇跡のテレパシー!
そしてご家族のみなさんに夕食をごちそうになってしまう。 
けんさんの甥っ子君にちょっかい出して遊ぶ。

皆さんお酒が強くて自分はヘロヘロ。
吐き気を我慢しながらトラムに乗って、
国立美術館近くのホステル泊。
アムスは美術館が駅からちょっと距離あるのだね。

しかしさすがアムスだ。
ドラッグを決めた同室のニイちゃんがめちゃハイテンションで会話してきた。

サムの鍵を友人に渡してさらば美しいゲント。ブリュッセルへ向かう。
国が小さいので、主要都市も列車一本で一時間ちょいで回れてしまう不思議。

ブリュッセルには現代美術系のアートセンターもあるのだけど火曜も休みだったりして
残念ながら見れず。中央駅から徒歩10分程の王立美術館へ。
_MG_2935

古典はルーベンスやメムリンク、少しのブリューゲルなどがあるけれど
全体的にはやはり渋めなコレクション。
_MG_2946

_MG_2947

さすがのルーベンスの大作は、なぜか壁掛けじゃなく足付きの展示。壁が弱いんだろうか。
これはこれでキチッと垂直に立っててなかなかカッコ良いけど。

もうひとつ目玉作品は、ダヴィッドの「マラーの死」。
_MG_2949
ドラマティックな作品ではあるけれど、
僕どうもダヴィッドってしっくり来ないなあ。
ルーブルで見たダヴィッドも、この絵も、サクサクっと上手く描き上げてる感じで、
執拗な描写エネルギーや絵画変態性をあまり感じないんだよな。
_MG_2952
優等生的な仕上がり。
マラーってダビッドの友人で革命家で、
きっとダビッド自身ももの凄くショックだったのだろうし、
右下のサインの存在からしても特別な思いで描いたと想像できるし、
光の当て方や構図は最大限カッコ良く描かれているのだけど、
形式的な演出力で感情的な部分はどうも外側にあるような感覚。
それは今で言うThe Big Pictureのような劇的な写真報道のような役割もあっただろうし、
モニュメントっぽいのがお得意だからなんだろうけど。

でも、今現在までに蓄積されたあらゆる絵画の魅力が出揃った目線から古典に遡っても
やっぱり同じようにグッとくる絵画ってあるので、そういうのが好みだ。
ダビッドで良かったのは、NYのメトロポリタン美術館で見た「ソクラテスの死」かなあ。

ちなみにこの王立美術館、現代美術の広大な地下ブースを現在増築中らしく、
それを見せて欲しい!って感じだ。
ベルギーは現代美術の整備を進めてる感がヒシヒシ伝わってくる。 

横にマグリット美術館が繋がっているのでこちらも駆け足で鑑賞。
撮影不可。
中期の妙にカラフルな色使いの見た事無い作品群が有名な時期の作品よりもずっとおもしろかった。
個人美術館はこういう、有名画家の定着したイメージの絵、じゃない絵が
1人の画家の人生の流れの中で見られるのが良い。
_MG_2959
これは美術館入り口にあった、マグリットの作品を元にしたオマージュ立体。
ほぼ同じ印象の作品があったのだ。

美術館前にちょうどバス停があったので、
ブリュッセルMidi駅まで行きそうなバスに乗り、
無事に辿り着き、今度はオランダへ移動する。
IMG_3477
ちなみにこれがベルギーの電車で、

_MG_2964
こっちがオランダの電車。
デザインと色彩感覚がそれぞれの国で違っておもろい。

_MG_2960

電車で2時間くらい、ロッテルダムに到着。
_MG_2965
駅の天井がカッコ良さげ、でも大部分が改装中状態。

サムに、ロッテルダムに行くならといくつかのオススメ美術スポットを
教えてもらっていたのでそれらに向かう。

美術館閉館まで時間が全然ないので何もわからず市電に乗り込むも
チケットの買い方がわからず、そのまま美術館前まで着いちゃった。
チェックマンに当たってたらやばかったな。
_MG_2966
街並にじっくり目を向ける余裕も無く、

_MG_2967
これまた駆け足でBoymans Van Beuningen美術館を鑑賞。

おおここも古典から現代まで、一通り揃っている。。。
_MG_2972

_MG_2975
ブリューゲルのバベルの塔、有名じゃない方のバージョンがあった。
小振りで、塔の造形バランスがけっこう違う。
有名な方はウィーンにあるので本物見た事無いが、あっちの方が良さそうだ。
でも細部の描写はこちらでも十分見応え。
_MG_2998

_MG_3001

_MG_2994

_MG_3002

_MG_2987

_MG_2985

_MG_3007
デーハーなキャプション…

もう少しじっくり見たかったけど閉館ギリギリだったので仕方が無い。
ハデさは無いけどデザイン部門まで一通り揃ってる良い美術館でした。

近くのWitte de Withという現代美術のアートスペースにも立ち寄るも、
_MG_3022
こっちは展示替え中で入れず。うーむ今日は現代系に恵まれねえな。

もうちょっと歩いて、キューブハウスをチラ見。周辺にも不思議な建物が多い。
IMG_3485


IMG_3484
すぐそこの駅からさらにデン・ハーグまで電車で移動する。
わずか3時間滞在のロッテルダムだった…。

陸路での移動は移動自体が楽しいので良いな。

デンハーグに着いたら夜。
着いてすぐのとこにあった適当な店でレーズンパンの詰め合わせを買ったら、
石鹸みたいな味がしてキモチわるい!
ヨーロッパでここまでマズいパンは初めて食べたな。失敗した。
大きめのユースホステル泊。 

本日月曜は美術館が休みDAYなので、
アントワープの聖母マリア大聖堂を見に行く事に。
本当はアントワープの現代美術館にも行きたかったけど仕方が無い。

ちなみに電車の駅チェックや時刻調べ等は
各国の鉄道会社のサイト(日本で言うJR的な)でだいたいなんとかなる。
わからなければチケット買う時に駅員さんに聞く。

ゲントから電車で1時間ちょいの大きな街だった。
ベルギーで2番目の人口のようだ。
着いてさっそく地下鉄に乗ってみる。ベルギー初地下鉄。わりとキレイ。
IMG_3414

市街地の西側の駅で降り…、
_MG_2865
すぐに現れたまたしてもデカいデカい聖母マリア大聖堂の前には、
ルーベンス像が頭にハトを乗っけて堂々としていた。
ルーベンスの出身地なんだもんね。

ある意味それ以上に驚いたのは、
聖堂の前にフランダースの犬の石碑が日本語でドーン。
IMG_3418
以前ここを訪れた鈴木君も言っていたけど、
現物をみるとやはりヘンだ。

そんなわけでここにはネロが最後に見たという設定の
「キリスト降架」というルーベンスの代表作があるのだ。
さらにキリスト昇架もある、マリア被昇天もある、キリストの復活もある、ルーベンス祭な教会。
_MG_2872
内部はこんな感じでずいぶんと絵画が全面に押し出された展開だ。
 
奥まで歩くとありましたキリスト昇架。
_MG_2874

_MG_2881
うわ〜…とただただ圧倒されてしまった。
3面の絵画になっていて、
向かって右パネルの左上部に日食の描写があった。
福音書の記述の絵画化とのことだったけれど、
この劇的なシーンと一緒に宇宙の現象が描かれていたのは興味深い点だった。

_MG_2875
ここにも日本語解説が詳細に。ありがたいわ。
いやあやっぱり教会の中で宗教画を鑑賞するというのは体験として全然別物だ。
京都の寺院で国宝画を見るような感覚に近いっちゃ近いけど、
あれ以上にすいませんオジャマします…なちょっと後ろめたい気持ちを持ちながら、
ひんやりした、天井の高い荘厳な空間演出の中で、
未だ慣れない残酷な内容の絵を前にするのだから
何とも言いがたい感覚になる。 

_MG_2884
中央の祭壇前にはマリア被昇天。

_MG_2885
キリストの復活は残念ながら修復中だった。

_MG_2892

_MG_2893
キリスト降架。

両面がそれぞれ、キリストがマリアのお腹の中にいる場面と、生まれたばかりの場面になっていて、真ん中のキリストとがっつり生死の対比がされていて強烈。
こういう構図は他の宗教画でも見覚えあるけど、ルーベンスの濃厚な表現だと一層参るし、
これでもかという程至る所で見てきたルーベンスの中でもこれらの出来は突出してるように見えた。 
苦手苦手と言ってきたルーベンスだったが、
数多く見ていくうちに慣れて来て、ついに完敗だ。この画家すげえよ…

ネロはこの絵の前で息絶えたので、こんな解説まで。
_MG_2891
日本人に質問されすぎてアントワープの人が調べたのか笑
このエピソード、丁寧に他国語に翻訳されてまで説明されていた。 

聖堂のショップ前にまで…
_MG_2901
これはだいぶニュアンスが違う!

帰りは歩いて駅まで行ってみる。
アントワープも街並が良い感じ。
_MG_2912

_MG_2915
20分くらい歩いて駅。駅もカッコいい。

時間が余ったので帰りにブリュッセルに寄ることに。
これまた電車で1時間ちょい。
美術館以外のプチ観光を済ます。
_MG_2931

_MG_2925

_MG_2929

_MG_2921

_MG_2928

小便小僧と小便小娘がいたので、おそらくここは放尿の聖地なんだろう。

IMG_3446
いろんなとこで甘いお菓子の香りが漂うので
せっかくだしベルギーワッフルを食べてみた。おそらくうまかった。 

ゲントに帰って来る。2日連続して教会での宗教画に圧倒されたので、
もう少し基礎知識が欲しいところ。
どれ、iPhoneのアプリで何かいい聖書アプリでも無いかなあと探してみたところ、
「マンガ聖書」なるアプリを発見!
これなら敷居が低いし読めるはずと購入してみる。
よ、読める…これで今後の教会でも少しはマシな鑑賞ができるかもしれぬ。

ゲント翌朝。
IMG_3377
宿の部屋からの眺め…もしや夢ではという光景の昨夜の彷徨いはやはり現実だったか。
改めてなんなんだこの景色は。
宿のwifiで無事友人サム君と連絡がつく。
サム君はコロンビアへ彼氏のユアン君に会いにいってるので、
ゲントの友人に部屋の鍵を預けてるとのこと。

その友人アンドリュー君と連絡を取り、
お昼に街の中心部のスタバで待ち合わせ。
それまで周辺をブラブラ。
雪の降る白いゲント、またたまらん風景だ。
_MG_2712

_MG_2716

_MG_2718
あ〜この街歩いてるだけでめちゃ楽しいんですけど。
さすがの僕でも風景にたくさんカメラを向けちゃう。
しかも、こんな城まであった!! 石でできた古い城。
ハッキリ言って、ドラクエの世界観だよ。
こんな中世観ってドラクエやFFなどゲームの世界でしか体験したことなかったわ。
きっとこういう場所を取材して作られてるんだな…。

城の中に入ってみたら、博物館みたいになってた。
_MG_2724

_MG_2727
剣や弓やヨロイにくさりかたびらなど武器防具、
やっぱりゲームの世界に入り込んだ感。
ギロチン台の複製まで。

その後アンドリュー君と会えまして、無事鍵ゲット!
サムのアパートまで案内してもらう。
サムの部屋はめっちゃ広かった。
IMG_3470
かなりボロいコンクリのアパートを、
自分でリノベーションしながら住んでる感じでカッコ良い。さすが建築士だ。

 さて一段落したので本腰ゲント視察へ。
IMG_3388

IMG_3392

_MG_2734



この街の真ん中にあるデッカいセントバーフ大聖堂で、
IMG_3393
目的その1ファンアイク兄弟の「神秘の子羊((ヘントの祭壇画)」を見る。
中は撮影不可。やはり荘厳な内部に、この作品専用の小部屋があって別料金で入場する。
一部修復中で印刷パネルにすり替わっていたけれど、十分すぎる見応え。
ものすごい描写の質だ。
それに教会で観音開きの宗教画を見られるという体験。
美術館で宗教画を鑑賞するのとエラい違いだ。

キリスト教のことをほとんど知らんかった自分にとってこのような宗教画は、
描かれているテーマが何なのかをある程度でも知らないと中身がさっぱりわからんわけなのだが、
ここにもなんと日本語の音声ガイドと解説文が!これはありがたい…
真ん中の、血がピューッと出ているのがキリストではなくて子羊だったり、
各パネルの配列や描かれた人物もわかってただただ勉強になる。
作品の裏側にも、パトロンの肖像画が一緒に描かれていた。

_MG_2735
聖堂の裏側には、ファン・アイク兄弟の銅像があった。

トラムに乗って中央駅方面へ向かう。
途中で降りて大きな公園を横切っていく。
IMG_3399
ソリ滑り。冬の光景もいいが夏も見てみたい街だ…
通行人に道を尋ねつつ、

目的その2 ゲント現代美術館S.M.A.Kも見る。
IMG_3403

あまり見た事がない現代美術作家の作品がたくさん見れておもしろい。
また一部だけ。
_MG_2749

_MG_2750

_MG_2751
Panamarenko パナマレンコ、名前だけ聞いた事がある。
キャプションの下のほうに、
ツイートのハッシュタグを指定しててノリがイケてる美術館だな。

_MG_2785

_MG_2789
これ、なんかめっちゃ良かった。

_MG_2788
Mark Manders マーク・マンダースというオランダの作家だって。

_MG_2759

_MG_2758
お、やっぱりありましたミヒャエル・ボレマンス。
実はヨコトリで見た時などあんまピンと来てなかったのだが、

_MG_2761

_MG_2762

_MG_2763

_MG_2764

_MG_2765

_MG_2767
この不思議な家を巡る一連の物語的な作品群はおもしろかったな。

映像作品もあったし、

_MG_2768
ちょっと暗くて見づらいけど立体作品まで。これはイマイチよくわかんね。

_MG_2793

_MG_2794
タイマンスもゆったり一部屋。

_MG_2808

_MG_2809

_MG_2815

_MG_2810
Francois Morellet 初見の幾何学系抽象作家。

結局絵画ばっかり注目してみてしまうが、
_MG_2819

_MG_2822

_MG_2823

_MG_2826
ラウル・デ・カイザーもしっかり締めとして展示。
大きい作品でも絶妙な抜けてる感は変わらない。
ベルギー現代絵画、アツいな。
フランシスアリスの絵画もそうだけど、
緩めにキャンバスを貼って、ボソっとしたグレイシュな気品塗りって感じの
ベルジャンペインティングの系譜ってのがあるのかな。

良質なオルタナ感に好感が持てるいい美術館だった。

隣のゲント市立美術館は古典絵画館。
_MG_2829
規模の割には地味なコレクションで
ドイツやフランスで見た様な大御所が並んでいない。
どこにでもあると思われたお隣の国のレンブラントも無いのは不思議だった。

ジェームズアンソールなんかが並んでたり
_MG_2836

_MG_2837

_MG_2840

ちょっと奇特な無名作家の作品等が目立ってた。
_MG_2830

なるほど。 
_MG_2857

_MG_2859
こっちにもデ・カイザーか。すごいリスペクトされてるのかな。
いや〜見るたびに微妙に変化があっておもしろいな。

ゲント、良い!!!
サムのアパートに戻りひと息。
お風呂に浴槽があるので、超ひさしぶりに湯に浸かる。
自分のレジデンスもシャワーしか無かったし
今まで泊まり歩いたとこも全部シャワーのみだったので
これは嬉しすぎる。 

さて最近ランスという町にルーブルの別館が完成したとのことで、
建築がSANAA、
開館記念展でドラクロワの「民衆を率いる自由の女神」は
そちらに移動しているらしい。

せっかくなので、次の国ベルギーに移動する前に立ち寄ることに。
カタカナで「ランス」と認識しているとアブねえ、
Reimsというもう1つのランスがあって間違うところだった。
Lensの方が目的地です。
行き方は、パリの北駅からLensに行きたい!と窓口に言ったら
サクッと教えてくれた。
IMG_3364
北駅の掲示板。さらばパリよ。
ランスへはTGV一本で行けた。
約1時間20分の40ユーロくらい。

_MG_2527
ランスは元炭坑の街で三角の山が何個もある所だと
途中隣に座ってたお姉ちゃんが教えてくれた。
言われたとおり三角の山が見えて来た。

_MG_2528

_MG_2529

_MG_2532

ランス駅を出るとちゃんと看板がある。
バスもあるみたいだったけど、試しに看板通りに歩いてみる。 
ちょこちょこ小さい方向指示があるので迷いはしなかったけど
どこまで歩くのかは不安にはなった。
_MG_2536
おお、遠くに炭坑山が2つ並んでる。

途中から歩行者通路みたいになって、ずーっとまっすぐ。
駅から結局20分ちょいかかった。

_MG_2541

_MG_2542
雪の原っぱにメタリックで平たい建物が見えてくる。ルーブルランス到着だ。

_MG_2544

_MG_2640

_MG_2646

ガラスで区切られたコミュニティスペースや図書室、ミュージアムショップ、
その奥にカフェがあってオープンスペースみたいな感じ。
このスペースを中心に手前と奥に展示室。
手前の展示室がメインの常設って感じになっていた。

_MG_2546

_MG_2547
地下にはクロックと何やらプレゼンテーション。

開館記念バージョンの常設展示に入ってみる。
IMG_3366

_MG_2551

_MG_2550
だだっ広くて長ーい空間の壁に西暦メーターが付いてて、
奥に進むと時間軸も進むような展示になっていた。
各地域の文化が並列的に展示されている仕組み。

_MG_2616
絵画作品はひと作品ひと壁ってな感じで展示されていたので、
本館に比べるとなんとなく安っぽくも見えたり。

_MG_2618

_MG_2627

_MG_2613
天球儀おもしろい。

_MG_2565
アングル作の肖像画とイラクあたりの王族の肖像画が並んでたり。

_MG_2598
一番奥にデーンと自由の女神が。

さらに奥の別部屋は時間をテーマにした小さな企画展。
_MG_2578

_MG_2587
北フランスのお祭りに使われる大きな人形と、それを描いた昔の絵画を並列してたりして
おもしろい。

河原温の作品など現代美術もチラホラ混ざってた。
_MG_2588
温、箱とセット!

もう1つの展示室は企画展でルネサンスやってた。
_MG_2687

_MG_2688
誰かのドローイング。複写の穴跡がいい。

_MG_2658
さすがに疲れたのでダビンチくらいはしっかり見とく。

土曜日だったからなのか、思ったよりたくさんの人が来場していた。
_MG_2643
カフェで休んでみる。なかなかうまくて10ユーロ以下。

遠くの方の三角山、
三角山どっかで見覚えがあると思ったら、畠山直哉さんの写真作品に
この山がモチーフになってるシリーズがあったんだ。
ミュージアムショップにその写真集も売ってて気付いた。


帰りも駅まで歩く。
途中、不安そうなおばさんが「ルーブルランスはどっち!?」て聞いて来た。
やっぱり不安になるよな〜ここ真っすぐだよ!って教えてあげた。

駅でブリュッセル行きの電車のチケットを買って、
少し時間が余ったので街を散策する。
_MG_2700
小さな田舎町で、パリとは全然違う雰囲気。
大都市ばかりではなくこういう場所も体験できるのはラッキー。
ルーブル別館をこんなところに建てたのもそういう意図があるからだろう。

さあベルギーへ向かう。
まずはもうちょっと北の街Lilleまで電車に乗る。
着いた駅はLille Flandres駅。まずは腹ごしらえ。
駅のマクドナルドに入って適当にセットを頼んだら、
ハッピーセットだったらしくピカチュウメガネをゲットした。。。
IMG_3369


そこから5分歩いたLille Europa駅からベルギー行きに乗り換える。
歩いていると、
_MG_2705

_MG_2707
手塚治虫のマンガ展のチラシが貼ってたり、駅前に草間弥生の作品があったり、
あらあらLilleも大きな街でちょっとおもしろそうだけど今回は見送り。

Lille Europa駅では人がたくさんいた。
どうも雪でダイヤが遅れているらしい。大丈夫か。
一時間半くらい寒いホームで待ってようやく電車が来た。
_MG_2711
待っている間、大きな犬のぬいぐるみを持ったファンキーなニイちゃんが
チョコレートをわけてくれた。

2時間くらい乗って初ベルギーだぜブリュッセルMIDI駅。
フランスとはやや駅の空気も違って夜だしちょっと怖ええ。
ブリュッセルからさらにゲントまで乗り継ぐ。 

何とかゲントまで着いた。
レジデンスで仲良くなったゲント在住の友人の家を借りる予定でいたけど、
23時半。すでにスタバが閉まっててwifiが使えない!
これでは友人に連絡ができず、
どうやって鍵をもらったら良いのかわからなくてめちゃピンチになる。

ついにオレもここまでなのか…今までの旅路はしょせん奇跡だったのか…
いやおや何か良い方法は無いかと街を彷徨っていると、
中世の街並が目に飛び込んで来てピンチな気持ちがすっ飛んでしまった。
IMG_3373

IMG_3375

IMG_3376
なんなのこの街は!?めちゃくちゃ美しいんですけど!!!

そして地図アプリ(地図だけはオフラインで使えるアプリを入れているのだMaps with meってやつ)
を眺めながら、
前日なんとなく保険の気持ちで見てたホステルの位置を思い出し、
これがうまいこと見つかって、駆け込みで宿泊させてくれた。
時刻は1時近く。いや〜奇跡すぎる。助かった… !

まずはギュスターヴモロー美術館へ向かう。

午前の地下鉄内、ハンチング帽の皮ジャンおっさんが、
マイク片手にカラオケのような機械から音を出して歌いだした。
IMG_3334
これは新しい陽気なパターンだな!パリ流なのか?…みんな笑っとる。
手前のおっさんはなんでばっちりカメラ目線なの笑

到着。
_MG_2450

_MG_2451
扉を押して下さい

_MG_2429

_MG_2430
モローの家をそのまま美術館にしているので作品以外のあれこれも拝見できる。
部屋数たくさんの中にいろんな物だらけだ。

さらに上階に登るとそこからが本番。
_MG_2433

IMG_3335


_MG_2434

_MG_2437

_MG_2449


_MG_2447

_MG_2446

IMG_3342
モローはオルセー美術館にもいくつかの代表作はあるけれど、
圧倒的にここで見るのがヤバかった。

壁中がモローの油彩で埋め尽くされている。大作も多い。
画面の中も描写の密度がギッシリ…!
装飾の散りばめられた描写が、装飾を超えて狂気になっとる。
1枚だけでも頭がクラクラしそうな絵なのに、それが壁中だよ!

未完のままサインを入れてる作品がいっぱいあって、
塗りかけの色彩と緻密で職人的な下絵の正確なラインの掛け合わせが
むちゃくちゃカッコいい。
画題も、神話をベースにしてるためか
だいぶ危ない非現実感がプンプンしてて
やたらアウトローだよ…!!

これはまた自分が積み上げて来た絵画感のカタストロフが…
オエエエエエエ気絶しそう!

神話の世界は全然わからないが、
ちゃんと日本語での画題の解説手引きも用意されていて
ありがたい。
IMG_3337


しかも、もの凄く大量のスケッチも見る事ができるので、
_MG_2444

_MG_2448
そのアウトローっぷりを存分に体感できる。

僕は学生時代マティスの勉強をしていた時に、
マティスの先生がモローだったことを知ってから
興味があったのだけど、まさかここまでとは…衝撃。
これだけ作風が個性的で濃かった作家なのに、
真逆のような表現のマティスが生徒だったと考えると
先生としても優れていたんだろうなと思う。
ルオーも生徒だもんな。


その後、モンパルナス方面へ。
_MG_2453
全然撮ってなかった街並もたまに…

ブールデル美術館、
_MG_2459

カルティエ財団美術館でYue Minjunの個展
近作の展開はもがいている感じがした。撮影不可。
_MG_2466

マイヨール美術館、
_MG_2475


最後ルーブルで締める。閉館間際のモナリザ前…
IMG_3348
モナリザ独占の瞬間!
なんて落ち着いて鑑賞できるんだ…閉館間際はオススメです。
しかし完全独占は本当に一瞬で、同じ事を考えてる猛者達が数人おり、
みな長時間鑑賞をしていてた。ヤバいね。

パリ美術館巡り、これにてフィニッシュ!!
パリでは8割の美術館で例のユネスコのアーティストカードが使えたので、
入館料が殆どタダ。奇跡だ。

_MG_2499
雪のパリ街並み。

_MG_2502
近所のスーパーのスシはほぼ売り切れ。

_MG_2505
ちなみにパリに着いた頃から気になってたけど
この辺のエリアには、こんな骨董美術商ギャラリーがたくさんある。
いったい誰が買っていて、どういう風に商売成り立っているんだろうか。


みっちゃんちに戻って一息。
あ〜明日からまた移動だ。ちょっと緊張がよみがえる。
ルーブル新館からブリュッセルへの行き方を入念に調べる(調べてもらう)。
先輩のみっちゃんとも話し納め。毎晩多岐に渡ったもの凄い量の話をしました。
お陰さまで強烈ながら超充実できました。メルシー!!

今日はまず2日前に休館日だったオランジェリーの再訪問からの、
オルセーへという流れ。
ちなみにどちらも撮影禁止。
オルセーは以前は撮影OKと聞いていたのだけど改装後NGになったのかな。

みっちゃんちから歩いて5分のオランジェリー。
_MG_2413

_MG_2412
ご来場ありがとうございました さようなら

オランジェリーはモネの睡蓮をパノラマで見る為の美術館で、
それはそれは素晴らしい楕円形の部屋が2つもある。
沢山見て来たモネの中でも、これらはモネが最も力を注いだ1つで間違いない。
部屋の真ん中の椅子に座り絵を見渡すと絵具の色彩の揺れにうっとりするばかり。
湾曲した巨大絵画群、近くによるとボソボソとしたタッチが無数にあって、
ものすごい量の色彩が置かれているわけで、チューブから出した原色だけではもちろんない。
庭の水面から感知した色彩をここまで絵具化できるものなのか。
ずーっと見てると恐ろしくなってくるわ。
たまにポロックのオールオーバーとモネを比較するような言説が見られるが
あんなのは嘘っぱちだろう。

実は地下の展示もマティスとピカソの良作がある。
マティスのニース時代の作品がいっぱい、あんま見れてなかったので
うれしい。
小振りながら印象派の良作もあり、コンパクトなので見やすい。



そして川を挟んですぐのオルセー。
もうここは印象派代表作祭。名作っつーか教科書で見た作品しかねえだろ!
っていう、これでもか感。
数年前に国立新美術館でオルセー展を見た時も
十分豪華に感じたが、これだけ何でも持ってれば納得だ。

たださすがに、印象派はすでに胸焼けする程見て来たので
名作ばっかりなのにちょっとオエってなっちゃって勿体ない…。
厚塗りの最初期のセザンヌなんかが見れて良かった。

それでも脳裏に焼き付いたのはやはり、
マネのオランピア、草上の食卓、
クールベのオルナンの埋葬、世界の起源。
これらの作品の、
何を描くかという知的な選択とそれを元にした絵作りの巧みさは、
実物を改めて目の前にしてみると強烈なインパクトがある。
今見ても。とても現代美術的。
あと、オルナンの埋葬においてはめっちゃデカくてそれもビックリした。

オルセーの印象派ラインナップを見ちゃうと
今まで見て来た印象派ものの半分かそれ以上は
割と凡庸なものだったんじゃないか、と思えてくる。

まあしかし、特に印象派近辺の作家の作品は
本当にどこに行っても沢山あるわけで、
驚くのはその生産総量だ。
ピカソは別格としても、一体どんなペースで描けば
これだけ各国に十分に散らばせられるくらいの枚数が揃うんだろ。
モネやルノワールは後期キャリアではもう勝ち組売れっ子だし
実際考え抜いて描く絵と自分の発明した手法で割とサクサク描く絵を
意識的に分けていたんだろう。

貸し出しで見れず残念賞は、
アングルの泉とマネの笛吹き少年、ミレーの落ち穂拾い。

あと、ルドンの装飾的な大作がとても良い。

ところで全体を通して冷静に考えると、
この人達どんだけ女性の裸体が好きなんじゃってくらい裸の絵が多く感じた。
彫刻だって裸ん坊だらけ。
写真発明初期の写真もあり、それにもたくさん裸が写ってた。
江戸時代っぽい日本人女性の入浴写真まであった。  

こんなに裸集合してる美術館あっただろうか。
マネとクールベも、
裸の女性を母体にどうやってスキャンダラスに持っていくかっていう
アプローチが目立つ。
…というか、それらの作品が強い印象過ぎて裸イメージを植え付けられたのかもしれないが。
そしてこの裸祭りに乗っかれていないゴッホに切なさを感じる。

あと吉岡徳仁のクリスタルなイスが印象派部屋とセットでした。



ちょっと時間が余ったので地下鉄に乗ってギャラリー巡りを少しだけ。
まとまってるエリアを数件まわってみると、
ギャラリーペロタンのクオリティがやっぱ飛び抜けて高い。
IMG_3308

IMG_3304

 帰りの地下鉄。
IMG_3315
先頭に座ると、運転席が無い!自動制御なのかな。
トンネルの中が丸見えだ。

IMG_3314
駅のポスターでTamasaburo発見。
やっぱジャポニズム精神があんだな。 

3日目は歩いてポンピドゥーへ向かう。
セーヌ川沿いにはポンヌフからのノートルダム大聖堂。
_MG_1993
ああああクリストが包んでるの画像で見た事あるわあ

_MG_1995
ああああここも、いろんな絵の中で見た事あるわあ…
マティスもこの並びのアトリエから見ていた風景というわけだ。

_MG_1997
大聖堂。ケルンの巨大さから見れば穏やか。
でもやっぱりデカくて気品がある。


さらに歩くと、一本間違ってポンピドゥの裏側に出た。
こんな感じなのねえ。
_MG_2005

IMG_3261
辺りをぐるっとまわりこんで、近所のゲームショップで
SDカードを買って正面から突撃だ。
ポンピドゥ、堂々とした佇まいでカッコ良い。
ダリの顔がドーンと。企画展はダリの回顧展だって。
_MG_2009
中はいきなり美術館ではなく、複合施設のようになっていた。
アートセンターってやつだ。

美術館はだいぶ上の階なのでエスカレーターを上がって行く。
ちなみにアーティストカード、ここでは使えず!!
_MG_2013


まず常設から。
60年代以降の現代美術の入り口、
_MG_2015
トゥオンブリがいきなり。

_MG_2016

_MG_2017

_MG_2018
ブライスマーデンのこのシリーズ初見。
マットで粘土っぽい質感はワックスが混ざっているからだろう。
T字が並んだ様な意味深な構成と、各色面が別パネル、
鈍い色彩がイケてる。

同じ部屋にはライマンとケリーもあり。

そこから、長い通路の両脇に展示室があって、
時系列+国毎+系統毎にゆるやかにカテゴライズされてるような展示構成。
本格的な入り口はこんな感じ。
_MG_2034

_MG_2035
モノクロのウォーホルの向かいにこのスーラージュが向かい合わせに展示されてる。
こういう組み合わせの時点でちょっと不思議な感じがする。

ちょっとランダムに写真をアップしていく。
_MG_2023

_MG_2027

_MG_2036

_MG_2041

_MG_2049

_MG_2053

_MG_2054

_MG_2067

_MG_2066

_MG_2072

_MG_2073

_MG_2075

_MG_2076

_MG_2081

_MG_2082

_MG_2110

_MG_2112

_MG_2129


_MG_2131

_MG_2132

_MG_2136


_MG_2142


_MG_2141
一番奥にネト。
で、回廊になってないのでまた折り返して展示入り口まで戻っていく。
独特だな…

展示全体の印象だけ記しておくが、
何というか、さすがのパリプライドを感じる展示の並びというか。
ユーロ圏ゴリ押しなラインナップでこれは新鮮。
ボエッティやペノーネなどイタリア現代ゾーンや、アンリサラやピエールユイグなど
ドクメンタで目立ってた作家もポツポツ重要っぽいポジションに置かれてるので
ドクメンタ見た後で良かったわ、自分も馴染みを持って流れを追う事ができたような。

メイン通路にはリヒターやポルケ、ライリーやドイグが並ぶ。
それらも、色彩の感じがパリチョイスっぽく感じるのはオレの先入観や偏見なんだろーか。
カタリーナグロッセの壁にスプレーじゃないキャンバス絵画なんかも。
なんとなくポップと言うよりは、
高貴な感じ華やかなビビッドさを持った色彩の作品チョイス。

アメリカ美術の比重が少なめな感じがすごーくした。
たまたまではないと思うんだけど。これも偏見なんだろうか。

上階に登って今度は近代ゾーンへ。
_MG_2153
ミロ。いつもは微妙に自分の琴線とズレる作家だが、この作品群はけっこうイケてる。

_MG_2154
下階と同じような展示構成。オエー同じボリュームがあんのか。
しかも間違いなく近代の方が点数が多い。

_MG_2155

_MG_2158

_MG_2167

_MG_2382


_MG_2169

_MG_2379

_MG_2380


_MG_2173

さすが近代芸術の中心地だけあって、
序盤からマティスとピカソの重要な作品でがんがん攻めて来る。
クプカやドローネーなど、いぶし銀なポジションもしっかり並んでて見応えがある。

しかし!一番見たかったマティスの「コリウールのフランス窓」がやはり貸し出し中で見れず!
見逃したんじゃないかと思ってインフォメーションの人に泣きついたけど
やっぱり無いようだ。なんてこったい。。

_MG_2175

_MG_2177
見覚えのない抽象達がたくさん。

_MG_2306
マレーヴィッチの大理石ペインティング。イイっすわあ。

_MG_2184

_MG_2311

_MG_2234

_MG_2233
デュシャンも沢山あった。

_MG_2230

_MG_2370
ベルメールの球体人形なんかも初めてみたが、
想像以上に手作り感や塗り感が強くてそれがけっこうイイ。意外。

_MG_2192
ベルメールからのバルテュス、とか。

_MG_2194

_MG_2195

_MG_2199

_MG_2204

_MG_2208

_MG_2201


_MG_2319
この構成にもけっこうビックリ。
ポロックとロスコの割と微妙な作品をポツンと単体で置いてる通路の奥に、
マティス晩年の切り絵の大作。
少なくともアメリカやドイツでこのような展示構成は見た事がない。

_MG_2206

_MG_2361
このピカソに衝撃を受けた。
超晩年の作品たぶん80歳くらいらへん。
海辺で裸の女の人が放尿してんの。
空にはくにゃくにゃしたラインが浮遊している。
高齢の死に際でこんな表現できるかね。
ピカソの凄みを感じざるを得ない。
各時代のピカソが充実しているので、
所々でこの人まだこんなこともやってんの!?ってのが突然現れる。
正しいピカソの楽しみ方が出来てきた気がする。


_MG_2207

_MG_2210

_MG_2214
ジャスパージョーンズとラウシェンバーグは欧州でもどこの美術館にも人気なのかな。
かならずセットで置かれている。
上の作品はラウシェンバーグ、、、にしてはやや微妙なライン。
奥にジムダインも並んで。

_MG_2216
ポップアート辺りまで来るとこんな微妙な作品も…

_MG_2212

_MG_2353

_MG_2355
続・見慣れない抽象。


_MG_2221

_MG_2229
アルマンやド・スタールも並んでくるのか。

_MG_2331
幾何学抽象まとめの部屋、モンドリアンを挟むこの謎の並び。

_MG_2220

_MG_2340

_MG_2226

_MG_2338
後半はやっぱりアンフォルメルとかフォンタナとかイブクライン、
あとは妙なオップ系構成抽象、加えて堂々とヴァザルリがあったり、
妙なキネティックアートで締めるってのもおもしろい。

この何倍もの膨大な量があるので、目眩が…。

しかし自分の美術史の捉え方はニューヨークMOMA基準だったのねと
思い知らされた。
近代も現代も同時代の切り取り方がMOMAと全然違う!!!
アメリカ抽象表現主義をすっぽ抜いてる感が寂しいのだが、
そこが一番おもしろいっつーか。
フランスの現代美術の城がここ基準になってるのであれば、
アメリカとは全然美術観が違いそうだ。

ドイツだとそこまでの偏りはあまり感じない。

映像アーカイブの部屋もあって、かなりの量の有名映像作品を自由に見る事ができた。
_MG_2237
さすがに数作品チラ見で終えてしまったけどこれは良い。

もうすっかり疲れてしまって、さらに上階の企画は渋めでダリ。
ダリは結構見てるしさすが混んでたから、もうイマイチ気乗りしない。
でもせっかくだからと、いざ見てみると企画の厚みが今まで見て来たものと
格段に違ってとてもおもしろかった…!撮影は禁止なので残念。
小さい画面の絵画に持参の虫メガネを向けて観察するおじーちゃんにまで遭遇。

特に後半、ポップアートのようなドット絵画とかドリッピングとかを
積極的に取り入れててダリの印象からズレた作品がたくさん。
ホログラムの仕掛けを使った立体作品や、点滅するライトを仕込んだ絵画なども。
それらを見れたのが一番良かったな。

このエリアだけ、撮影OK。賑わってる中自分も行ってみる。
_MG_2256
真ん中の人は、僕です。
セットに座って、向かいのスクリーンに映った映像を記念撮影…

IMG_3263
展示エリアを出ればパリの街を俯瞰できる。
森美術館みたいな展望スポットとしての役割もあんのだね。
うおお、夕暮れのモンマルトルの丘だー。

IMG_3264

_MG_2272
午前中から行って日も暮れかけるまでいたにも関わらず、
さらにもう1つ。
ポンピドゥのすぐ目の前にブランクーシのアトリエがあるので
こっちも。
_MG_2279
半分死にながら見てたのでもったいないが
必見だと思います。


夜はみっちゃんが厨房で働いてるレストランで食べた。
めっちゃ働いてた。Nanashiっていうお店で、
オシャレな客層でずいぶん繁盛してたしとてもウマかったです。
IMG_3273
癒しのおにぎり。

疲れのせいか1時間寝坊。
さすがにベルリンからぶっ続けで鑑賞旅の久々暖かい布団で寝たのでつい。
まあいいや。

朝近所のパン屋で買った1ユーロのクロワッサンが美味い。
みっちゃん曰く、フランスのクロワッサンとヨーグルトの質の高さは異常とのこと。
パリ滞在中は腹へったらクロワッサンで十分だな。

さて今日はオランジェリーとモロー美術館に行くぞと出かけたら
しまったどっちも休館日!事前リサーチのアラが出始めたなあ。
とぼとぼ無目的に歩いてみる。
IMG_3216

IMG_3221
なんか…ゴージャス。

グランパレはホッパーで前ホイットニーで見たし、これまた休館日だし
IMG_3218


市立美術館に入ってみるも渋いし、
_MG_1971
あ、でもこんなあぶないクールベの絵があってさすがだなと思ったり。

ぼんやりとお昼になってみっちゃんと街中で待ち合わせ。
IMG_3230
パリ市内北西のほうの物騒なエリアを案内してもらう。
パリらしからぬベルリンっぽさ。移民の多いエリアなのだとか。

インド料理屋でカレー昼食を取った後に、
さあ、どうしようと調べ直したら
パリ近代美術館のコレクションが良さそう。
さっそく近代美術館へ。この選択が当たり。

マティスのダンスの下絵と完成絵が両方展示されてたー!
_MG_1975

_MG_1976

_MG_1977
これは感動。たしかバーンズ財団にあるやつのバージョン違いのやつ。
下絵も同じサイズでためしているのだな。
群像のバランスの取り方の葛藤と、最終的に黒とピンクのラインを追加して
だいぶシャープなリズムになっとる。
人のラインからちょっとはみ出たグレーなんかもたまりません。

マティスの対面には、
_MG_1978
あらダニエルビュランのこんなタブローっぽい作品が。シャレオツだな。

ここ、コレクションが実は充実している。
_MG_1982
デュフィの巨大な壁画とか。

_MG_1985
ボルタンスキーの部屋とか。

途中からSDカードの残量が無くなって撮影は封印されたが、
他にもいつもの近代の巨匠どころが一通り。
藤田嗣治の良い作品等もちゃんとあった。

その後近くのエッフェル塔へ。
ラッシュアワー3が見たくなるほどにエッフェル塔だった。
IMG_3253
塔の足下にエッフェルさんがいた。

あ〜、疲れた!!!
無駄に歩いてしまったな。
ところでパリの地下鉄構内は、なんとなく人の尿のかほりがするんだ。

ケルンから深夜バスに乗り8時間、早朝のパリに到着。寒い。
IMG_3157
昔東京〜大阪まで深夜バスに乗ったけど、感覚的にはそんな変わりがないな。
興奮のせいか3時間くらいしか眠れず。

大学の先輩のみっちゃんがパリ在住で、
けんさんや大島さんに、パリに行くならみっちゃんが泊めてくれるよという
アドバイスを聞きfacebookでみっちゃん発見、連絡。
そして無事お世話になることになっていたのだった。

教えてもらった通りに地下鉄に乗る。
改札があって気付いた、国が変わるとルールも変わる。
チケットの買い方を調べるのを忘れてあたふたしてたら、
後ろの親切な人に教えてもらった。
IMG_3158

IMG_3159
すでに色彩センスがドイツと少し違う感じがする。
聞こえて来るのはフランス語だ。フランスに来たんだねえ。。。

降りたらそこはまだ日が出ていないパリの街並だった。
IMG_3162
パリにも木が落ちている…

いやしかし、パリに憧れはそんなに無い僕ですら
街並み歩くだけでここはパリじゃあああ!!って気分にさせてくるのがパリなのね。
NYに初めて行ってここはNYじゃあああって思った時のことを思い出す。

無事みっちゃんち到着。
そのアパートの場所が、なんとルーブル徒歩5分、オルセーにおいては隣のブロック徒歩2分っていう
奇跡のロケーションだ。
屋根裏系のワンルームで湿気に悩まされていたけれど笑、
住むには十分だなあ。

朝食の激ウマパンをいきなり頂きながら、久々のマシンガントーク。
みっちゃんは僕が今まで出会って来た人達の中で圧倒的に一番よく喋る人だ。
さんまさんかみっちゃんか、くらいの量だ。
めっちゃおもろい。

さて、歩いてルーブルへ向かう。
すぐにセーヌ川!オルセーも見えれば遠くにかすんでるのはグラン・パレ。
_MG_1781


川を渡った先にはもうルーブル!
_MG_1780
マジで近い。
そしてルーブル、デケええええええ!!
…ヨーロッパに来てから何回、「デケええええ」って言ったかな。
デカさで当時の国力を表してるといってもアホ程でかいから参る。

_MG_1785
まだ朝方の逆光、開館とほぼ同時に到着。
_MG_1788
月曜の朝一でまだそれほど混んでいない。
例のアーティストカードで、並ばずに各エリアをパスできる。
これホント便利だな!
何カ所か使えないところor学割って場合もあったけど、
とりあえず提示してみる価値はある。

看板頼りにとりあえずモナリザまでダッシュ。
_MG_1791

IMG_3170
人が集まりだしてたけど正面キープもできた。
小さいし、遠いし、がっつり防弾ガラスに守られてるけど、
それがまた演出になってんのか神聖感がハンパねえ。
まさに人類の至宝って感じだ。
実物だとやはり絵画としても強度があるなあ周りの名画とも他のレオナルドの絵とも
なんか違う。と言っても、やっぱり遠いんだけどね…。
視力悪い人は全然わからないのでは。


絵画ゾーンの目玉、巨大絵画の部屋にはあれもこれも。
_MG_1806

_MG_1819

ジェリコーのメデュース号の筏→画面の大きさや劇的な感じはもうハリウッド映画みたい。

_MG_1824
デカすぎるので、自分の視点に近くてじっくり観察できるのは
下部分のグレイな体の死臭がプンプンするゾーンばかり。


_MG_1836

_MG_1841
ダヴィッドのナポレオンの戴冠式→巨大な報道写真か舞台っぽい。
ダヴィッドって、画面デカいししっかり構築してるし優等生タイプって感じでも
これといって絵画的なワクワクをなぜか感じないな。

_MG_1816

_MG_1808

_MG_1813
ドラクロワのサルダナパールの死→会田誠さんばりの裸の女殺しっぷりっていう画題に加え、
デカさも色も構図も絵画としておもしろいから巨大絵画ではこれが一番グッときた。


アングルのグランドオダリスク→表面がちょっとヒビ入ってる。
これは巨大ではないけど、
ヌメッヌメな質感が人の質感を超えていて人体のファンタジーに突入してる。
_MG_1833
肌の質感オタク。ここまで来ると美の狂気っぽくてヤバい。

地味な展示場所にこっそりまぎれてる現代美術。
_MG_1945
ブラックの天井画→ブラックらしからぬ装飾性。

_MG_1939
トゥオンブリの天井画→めっちゃ面積広い。
広大な青と星のような円、古代文字。美しい。
マティスの切り絵の世界に近い。

_MG_1878

_MG_1877
キーファー→補修中。数年前に出来たばっかりなのに早すぎねえか。

超見たかったプッサンのアルカディアの牧人達が貸し出し中で見れず…!
これはショックだ。
_MG_1910
プッサンの中でもこの作品はどうしても見ておきたかったんだけど。
セザンヌやマティスの造形思考の骨組み(ってつまり近代絵画のベース)
の重要なソースの1つになってる作品だと思う。
例えばマティスの「金魚」の配置なんかだって
この作品から如実に持って来ていてそこからのアップグレードに違いない。
それだけに実物見れないのは本当に残念。

その他18、19世紀のフランス絵画ゾーンも改装中。シャルダンなど一切見れぬ。
だから日本でシャルダン展やってたのか。
フランドル絵画の一部も改装中。ヤンファンアイクのロランの聖母子も改装中でみれず。
結構、堂々といろんなところ封鎖してんのだね…しかも長期間。
一度来ただけではオイシイとこ全部は見せてやらんぜグヘヘって感じだよ。

以下膨大すぎてキリが無いのでここでも適当にアップ。
_MG_1790

_MG_1796

_MG_1803

_MG_1843

_MG_1844

_MG_1857

_MG_1887
館内のオーディオガイドは3DSで任天堂が開発してんのよね。
めっちゃ気になってたんだけど、
5ユーロかかるしガイドをじっくり聞いてまわる余裕がないので泣く泣く断念。

_MG_1893

_MG_1901

_MG_1913

_MG_1921

_MG_1923

_MG_1934

_MG_1937

_MG_1885
あっ、マルスの全身像。
_MG_1871
無駄にニケの裏側から。

_MG_1963
昔からおっぱいのチラリズムは存在する。

エジプトとか遺跡系はかなり流し見したし実際飛ばした部屋もあるが
それでも丸一日。
IMG_3189
レッドブルを飲みながら休憩しても途中何度か仮眠した。
両足が痛ええええ。

IMG_3182
昼過ぎ以降のモナリザ前はもうめっちゃくちゃ。
鑑賞するというより、記念撮影所だ。
数年前は撮影禁止だったと聞くがそっちのほうがいいんじゃねえか。

と人の振り見て我がふりなおせ、
自分のこの詰め込み式の鑑賞の仕方だってきっと間違っているんだけど
しょうがないんだよなあ。
見たい絵を優先的にその日の前半に持ってくればギリ大丈夫だ。
余裕があればまた来よう、タダだし!! 

朝、荒川君とお別れし電車でクレーフェルトからケルンへ。約1時間。
_MG_1670
ヨーロッパの車窓からって感じ。Star GuitarのPVっぽ〜い。

一時間くらいで到着。駅の中からすでに巨大なあの建物がちらり。
_MG_1673

う〜ん、それにしても西のこの辺は都市同士が近いなあ。
フランクフルトーケルンーデュッセルって
岩見沢ー札幌ー小樽 的な距離感覚。
ベルリンは離れ小島のようでとても遠いというのがわかる。

旅を始めた途端に気温が下がってケルンも寒い寒い。
が、寒さを吹っ飛ばすスケールのケルン大聖堂が目の前にドーン!
_MG_1674

_MG_1675

_MG_1677

_MG_1686


_MG_1684
やはり想像を超えるデカさ。信じられん。
写真に収めきれないのでスケール感が全然写らない。
これらの10倍くらいの体感スケールくらいだろうか。

さっそく中に入ってみるも、日曜なのでミサが始まり見学コースに入れなくなった。
それでも平気で写真バッシャバシャとる観光客だらけでちょっと萎えてきたので
先にすぐ裏にあるルートヴィヒ美術館へ。
IMG_3096
ルートヴィヒは撮影不可。残念!

企画展はホックニーのBIG PICTURE展。これが見たかったのだ。
タイトル通りの巨大なペインティングはすごい迫力だが、
基本描いてるモチーフが田舎の風景なので、
サイズが小さい作品だと
あれ、某団体公募展でよく見かけるアレっぽい…
っていうキワドい作品もけっこうあって、
確かにおじいちゃんだもんな。
でもそこはやっぱりホックニーで、
視点に対する意識と色彩の扱いが独特。

何より凄いなあと思ったのは、展示プレゼンテーションがおもろいこと。
9台のカメラで多視点で撮影した風景映像と、
iPadでのペインティングが並ぶ。
iPadペインティングは、描写の手順が動画としてそのまま画面で再生されるので
ホックニーの絵作りを追体験できる。デジタル絵画だ!!
これを巨大に引き延ばしてプリントした作品も並ぶ。
おじいちゃんだけど最新テクノロジーを取り入れて、
あくまで画家としてのアプローチを見せるっていう気迫。

なんか宮崎駿の最近の映画とNHKのドキュメントを一緒に楽しむ感覚に似てた。

ここも常設がまたいっぱいあって、近代から現代まで見事にズラ〜リ。
どーなってんだよドイツ。割と大きめな都市にすんでりゃ一通りなんでもあるじゃん。。。
クリストファーウールの最近の抽象も1枚あってめっちゃ良かった。

地下は60年代近辺だらけ。
ラウシェンバーグとジャスパージョーンズの超デカい作品は圧巻。
なんだかこの2人の作品てヨーロッパでも人気なのかな。
ただこの地下ホールもとなりのポップアートの部屋も展示はややギュウギュウで窮屈。
高ーい位置にも絵が架かってたりしてリキテンスタインが2段掛けみたいな、
ちょっと無理ある感!

企画のAndreas Fischerの機会仕掛けの作品がとても良かった。

こんなにデカいとは思わなかったので既にフラフラで大聖堂に戻る。
旅3日目にして左足の裏がつりはじめた。
_MG_1689
外から見たこの高い窓のステンドグラス、見えるでしょうか。
これはリヒターが手がけたカラーチャートのステンドグラスで、
グリッドシリーズのステンドグラス版。

中に入って見てみると、
丁度高い西日がさす時間に行ったのでそれはそれは見応えがあった。
観光客もうわ〜って集まって写真撮りまくり。
_MG_1699

_MG_1700

_MG_1711
これまたさっぱり写真じゃ伝わらない。

画面殺しのリヒターだけど、このステンドグラスは光そのもので生き生きしてて
逆になんか感動してしまったし、このケルン大聖堂って言う超絶歴史の重みがある場所で
きっちり公共性も獲得できてるし崇高な役割も果たしていて
作家の器のデカさを思い知りました。
リヒターちょっと自分の中で意外と普通だなって思ってたけど
やっぱ相当凄いっていう頭に切り替えます。

_MG_1683

_MG_1705

_MG_1712
内部に入っても天井の高さに驚愕するばかり。
縦のラインが強烈。

次は歩いてコロンバ美術館へ。破壊された教会を改造した美術館で、
建築がめちゃくちゃカッコ良い。
_MG_1714
展示はさすが教会とくっついてるので、
現代の作家でもあの独特のウッていう慣れない生々しさの作品が多く、
ちょっと辛い。
_MG_1716

_MG_1728

_MG_1736
素晴らしい美術館だけど、
西洋人じゃなくてすいません…て感じにもなる。
_MG_1742
破壊された教会部分もそのまま残っていて回廊から見る事ができる。

古典美術館もサラ見。ルードヴィヒの現代コレクションにくらべると
ちょっと微妙な質。
_MG_1757
ドイツでは初めてみたかもムリリョの大作。

_MG_1761
大理石に描かれたペインティングちょっと気になる。

_MG_1752
ボナール等、近代の小振りの良作がけっこうあり。

日曜なのでギャラリーはやってないのだけど、
ギャラリーも現代美術が強いようなので、
現代推しって感じなのかな。
ケルンは街もキレイで雰囲気はデュッセルドルフと近い。
ベルリンとはだいぶ違う感じだなあ。

夜になると大聖堂もライトアップされてまた荘厳。
_MG_1773
大聖堂前で大島さん夫妻と再会。
いやあほんとこの街に住んでるんですね…!
ベルリンと全然違う感性になりそうだ。

大島さん激レコメンドのポメス屋さんが
日曜で閉まってたので、
_MG_1777

チャリのお二人に連れられて、
_MG_1778

アジア料理屋さんで乾杯!
最後は大島さんの職場に映画を見に行くが、僕の事前予約していたバスの時間が迫って来て
残り20分で見終わるってとこでタイムアップ。

めちゃギリギリだったので大島さんのチャリの後ろに乗っかって
さらに後ろから佐竹さんに撮影されるっていうレアな体験をした。
突撃訪問失礼しました〜。

ライトアップされた大聖堂を見納めて、
駅員さんに乗り場を聞き、
駅北のバスターミナルへ猛ダッシュ。
本当にここで合ってんのか不安で仕方ない。
もし乗れなかったら大島さん夫妻の家に居候だ。
しかしちゃんとバスはやってきた。良かった〜。
初ユーロラインの初深夜バス。

安心して乗り込みパリへ移動だ!
_MG_1779
深夜バスの運転手は、
好き勝手に音楽を鳴らすらしい。

こんな感じで国超えちゃうのか〜ヤバイね。 

凍死せずに極寒の一夜を過ごし、
クレーフェルトからデュッセルへ移動。
まずはK20へ。大学のすぐ近くにある、素晴らしすぎる近代美術祭りな美術館。
IMG_3058
うわ〜クラフトワークの告知が貼ってあるんですけど!

IMG_3059
入り口にはサラ・モリスのパブリックワークが。
ああ〜わかちゃいたけど去年絵画の場合展に出した自作とかぶっとる。
しかしこれ寄ってみるとタイルでできててけっこう荒くて微妙。

今は企画展はやっていなかったが、それにしても常設が素晴らしい。
まずおもしろかったのがワンフロアが丸ごと、
ポロックからウォーホルくらいまでの戦後アメリカ美術をまとめていたこと。
しかも良い作品がまとまってて展示もきれい。
_MG_1504

_MG_1503

_MG_1502
ちょっとしみ込み多めのモノクロポロック。

_MG_1511
ケリーを真横から見てみる。

_MG_1536
ウォーホルのボイス、このバージョンは砂絵のような不思議なマチエール。


それと比較するように上のフロアではボイス展示を広くとり、様々なタイプの作品が。
_MG_1539

_MG_1552
とにかくカッコいい。

ローズマリーさんの良作もゆったり展示。
_MG_1556

_MG_1558


あとはひたすら知ってる1900年代前半が、
真っ白の美しい展示室にブワーっと。

良作が多すぎて何をアップしたらいいのかわからないので適当に…

_MG_1582
良いピカソ。

_MG_1584

_MG_1586

_MG_1585
モンドリアンのコラージュっぽいアプローチと
かなりイケてるシュビッタース。

_MG_1600
レジェとデュシャンのタブロー。

こんなレベルのが大量に並んでる。
こんな美術館が大学から徒歩数分の場所にあるので、
いい環境だなあ…とうらやましく思う。

大学を挟んで逆側には市立美術館もあり、
グルスキーの個展やってたのだが時間無くて行けず。
教授のデカい個展も近くでみれて、議論なんかも白熱するんだろな。
きっとここには古典美術もあるのだろうし。

街中を歩いて移動。
_MG_1625
街自体は比較的小さな街で、
背の低い古めの街並。そういう建物の中にH&Mとか
恒例のお店が入ってて不思議な感じ。

次はK21。
IMG_3067
でけえ。
ここは60年代から現在までの現代美術ばっかり。
一部屋毎に区切られていて、一部屋一作家。規模もでけえ〜。
また一部を適当にチョイス。

_MG_1634
よく見かけるハンスペーターフリードマンとか。

_MG_1627
イミクノーベルとか

_MG_1644
ちょっと狭く感じたトーマスヒルシュホルン

_MG_1665
パイク。デュッセルで見れるとまた感慨深い。


_MG_1656
これ写真じゃ全くわからんけど、点いてるのと点いてない電気スタンドがあり
ガラス板で電球が反射して、観客の位置によって
点いてないスタンドに点いてるスタンドの反射が
一致するという…アイデアとスタイリッシュさがイケてる
インスタレーション。Alicja Kwadeていう作家。

さらに荒川君に教えてもらったJULIA STOSCHK COLLECTIONていう
個人コレクターのギャラリーへ。映像専門のコレクションていうめずらしい場所。
_MG_1668

ヨーンボックの大規模なインスタレーション+映像がグロかったけど迫力。
本人も出演しているマイクケリーの2011年の映像作品が異彩放ちすぎててヤバい。
IMG_3088
これはその映像のスチル写真を3Dホログラム化してた平面作品。

夜は荒川君と合流し、tanzhaus nrwっていうホールにダンスパフォーマンスの公演を見に行く。
これが偶然日本人作家で、梅田宏明さんという方。
自作の音と映像の中でダンスをするという表現だったのだけど
映像と体の動きのリンクが或る瞬間ひっくり返る様な不思議な快感があり、
ダンスというかビジュアルアートの拡張形体って感じだった。

今宵もクレーフェルトへ戻り、
昨夜より湯たんぽと毛布を増加して凍死に備える。
荒川君はこの寒さにすっかり慣れているらしく、
掛け布団1枚と普通の部屋着で寝れているらしい…
なんたるタフネス。 

計画もユルく決まり、ついに地獄の鑑賞旅行スタート。
早朝に電車で3時間強、ベルリンからまずフランクフルトへ。
先日みきこさんに教えてもらったんだけど、
ドイツの特急は座席の上に表示版がついていて、
ベルリン→ケルン
みたいに、指定席のお客さんがどっからどこまで乗るかがわかる。
その区間以外は自由席として使えるんだって。合理的!!

6時台は外が真っ暗で、都市部を抜けたら明かり一つなく真っ暗って場面がけっこうあった。
寝てたら着いたフランクフルト。
IMG_3009
なんだか高いビルが並んでて資本主義!て感じ。

まずはフランクフルト近代美術館へ。
_MG_1289

トーマス・シャイビッツの個展目的だったけどあんまりピンと来ず。
_MG_1245

_MG_1246

_MG_1248
デカいタブローが並んでいて気持ちは良いが、
ちょっと貧乏くさい表面が良くも悪くもドイツ画家っぽく。
イメージの作り方と配色については結構面白くて、
逆に写真で見直すと良く見えたり。
意外と具体的なモチーフがソースなんだろうな。

_MG_1255

_MG_1256

_MG_1259

ドローイング。ペインティングより豊富な思考断片が垣間みれて楽しめる。

_MG_1264

立体のインスタレーションも作ってたりした。


違う企画のいろんな作家の写真作品等の方がむしろ楽しめた。
_MG_1281
ベッヒャーと河原温の展示。
温の観光地ハガキシリーズ初めて見た。
裏の宛名部分がもちろん同じフォーマットで統一されているからカッコ良いのだが、
展示の仕方もずるい。

_MG_1283

_MG_1285
これはトーマス・ルフ。
大きなポートレートの作品に寄ると、
ダイヤ型の細かい網目の処理で像が出来ていた。
ポートレートでこんなアプローチもしてたんだ。
う〜ん、コンセプト系フォトでは、
圧倒的にルフさんがイケてると思う。

続いて近くのシルン美術館で、
カイユボットの回顧展とPRIVATという企画もみる。
どちらも撮影禁止なので写真は無し。
カイユボットの有名な床削ってる作品など代表作品がズラリで
とても混み合っていた。
鉄橋のフレームを背景の構成にダイナミックに使ったり、
人物の視点で画面の方向性を操ったりして
風景の選択と画面構築がおもしろい。

PRAIVATの方は写真や映像が多め。
ブラッケイジの作品数本などを中心に
展覧会タイトル通り個人の内面や記録に迫った展示。


そしてこの時点でだいぶ疲れたけど、
フランクフルトはシュテーデル美術館がメイン。
歩いて移動。
IMG_3034
ライン川越しに眺める金融街。

到着。
_MG_1296

古典から現代まで順を追って見られる大きな美術館。
_MG_1298
序盤の宗教画ラッシュはもはやお決まりのパターンで、
このゾーンによりだいぶ具合が悪くなる。

キリスト教文化に慣れている人達はどんな風に感じるのだろうか。
少なくとも僕は、繰り返し様々な場面設定で描かれる
キリストの処刑シーンの連発でちょっと参っちゃう。
流血とか死にたてとか死にかけとかの表情ばかりの残酷シーンを
嫌というほど見せつけられるわけで。
_MG_1311

_MG_1312

1枚1枚の表現の在り方なんかは同じ場面でもホントに色々で
ちゃんと見たらおもしろいのだけどとにかく膨大で嫌になっちゃう。
このハードルはなかなか高い。


レンブラント(また)の大作良かった。
_MG_1324

_MG_1325

_MG_1326

_MG_1327
これまた残酷描写なわけだが。
でもそれぞれの人の表情とかの狂気じみた感じは圧倒的。

フェルメールのこの作品もここに。
_MG_1330
一年前だったか、東京に来てた時に見た作品だ。
あんときは入場行列を経て、混み混みな中で遠目にみる劣悪環境だったのに
人だかりすら出来てないし間近で見れる。


ちょっと端折って近代数点。
_MG_1380

_MG_1384

_MG_1397

そんで地下の現代ブースは企業コレクションのようで、
_MG_1415
ドイツを中心とした、多くの現代美術がズラリ。

_MG_1443

_MG_1444

_MG_1434

_MG_1439

_MG_1463

_MG_1470

_MG_1460

やはりポルケさんは素晴らしい。
_MG_1430

_MG_1433

_MG_1445

各部屋には企業名が書かれていて、銀行名が多かった。_MG_1483
やっぱ金融の街だからなんだろうか。

いや〜、すっかり意識朦朧。
ちゃんと鑑賞できている気がしねえ…

予約してる電車の時間まで市街地をウロウロ。
_MG_1488
けっこう大きな木が切られたまんま放置されている…

_MG_1494
とても寒いのに外に椅子がならんでいる。

うまく雰囲気を撮れてる気がしないのだけど
全体的にベルリンより物騒な空気がした。なんとなく。

電車でデュッセルに移動。
坂井田君に紹介してもらった作家さん、
荒川創也君にお世話になることに。

大学近くのこの辺で有名なデュッセルの地ビールで乾杯!
めっちゃうまい。ここで作ってるんだって。
美術の話にも花が咲く。

デュッセルドルフ芸術アカデミーに在籍してるとのことで中に入れてもらえた。
美大の雰囲気は各国似てるのだな懐かしい。
IMG_3041

IMG_3049
廊下に描きかけの作品達。学生っぽいけど
この下の絵なんかはちょっと良さげ。


アトリエにも入れてもらう。
IMG_3045
天井がめちゃくちゃ高いなあ!!!

先生部屋のネームプレートに
「Peter Doig」って普通に書かれてて、げげってなる。
IMG_3050
トマアブツも、アンドレアグルスキーも、タルアールも、ローズマリートロッケルも、
先生とのこと。教授豪華すぎるだろ…

荒川君の住まいはデュッセルから電車で40分くらいのクレーフェルト。
ボイスの出身地とのことだが、それは街ではあまりプッシュしてないようだ。
普通にボイスの生家の前を通った。

荒川君の家は極寒で、昭和初期の北海道の生活ってこんな感じだったのだろうかと
思いながら全力で防寒して寝た。

IMG_2962
街のいろんなところにモミの木が落ちている年始です。

さて年が変わりここ一週間くらい、
ちまちま制作してはいるが本当にちまちまでどうも集中ができないのは、
旅の準備がはかどらないため。

もうしばらく美術見たくねえわ!
って思うくらい一気に西洋美術を叩き込む為に、
地獄の鑑賞旅行を始める事にした。
先月のストックホルムは助走であって、
ここからが本番だ。

絵画を勉強し始めてからずーーーーーーーーーーっと、
美術史に残る西洋絵画達の実物の多くを見てないというコンプレックスを強く抱えてきた。
ベルリンからヨーロッパ各地への移動も少し慣れて来た
このタイミングで、コンプレックスを拭ってしまいたい。

2年前のブログにもこんなことを漏らしたが、
http://yamamotograyzone.ldblog.jp/archives/52048197.html
最後のくだりで書いたことを実行しようという作戦です。


まずは西ドイツ(デュッセルドルフ、ケルン、フランクフルト)→パリ→
ベルギー→オランダと一気に回る。
ロンドンも組み込もうとしていたけどダラダラ計画していたら時間が足りなくなってしまったので、
リキテンシュタインの回顧展がテートモダンで行われる二月以降に回すことに。

その後ベルリンに一瞬戻って、すぐに今度はNYへ行くつもり。6年ぶり!
airberlinって飛行機だとベルリンNY間がこの時期非常に安くて、
自分のチケットは往復470ユーロくらいだったけど400ユーロ切るチケットもあった。

しかし、先の予定を決めるというのが苦手なので、やれ移動の方法や予約、
宿の予約というのが億劫で仕方がない。
それに一度ストックホルムでミスを犯しているのでなんとなく気軽な気持ちにもなれん。

美術館の休館日を照らしながら、どう移動すれば一番効率が良くて安いか、
など考えているとパズルのようで頭が痛い。

どの街にどんな美術館があって、どんな展示やってて、
超有名なあの作品はどこの所蔵で…てググっていると1日が過ぎて行く。
実際ベルギーオランダとか知らんことが多すぎる…どうなることやら。

29日くらいから、アトリエにいても一日中爆竹の音が絶えない。
どうも年末年始だけ、花火が合法的に許される仕組みのようだ。

普段なら絶対行くはずないんだが、「せっかくの滞在なので」(マジックワード)
年越し祭りに参加、31日夜にブランデンブルグ門に出向く。

すでに道路がいろんな場所で封鎖されていて、門の西側に行けず。
東側にもごっそり人が集まってるのでそこで年越しすることに。
IMG_2910

IMG_2914

ものすごい人の量でギュウギュウ。

そして、2013年になってから4分後くらいに笑、
花火が上がりスマホの撮影ラッシュ!!
IMG_2921


IMG_2927
群衆にまぎれて存在証明のための2013年のセルフポートレイト。
この中に1人でまぎれるのはなかなか寂しいものだった…。

その後は当然爆竹ラッシュであたりは火薬のニオイとゴミだらけで凄まじい。
IMG_2929

IMG_2940

すごい光景。さすがにこれはちょっとおもしろいぞ。

一通り楽しんで帰って来たが、
後で改めて調べたらやっぱり門の西側がもっと凄いらしく、
ジルベスターコンサートっていう夜通し屋外クラブ祭りみたいな音楽イベントやってて、
毎年100万人くらい来るんだって。
それで規制されてたのか。そっち行きたかったなあ。


 

このページのトップヘ