やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

2013年03月

オスロ2日目。
Facebook上でリアルタイム旅報告をしていたら、
I先生から、オスロなら海洋博物館にも行くべきだとのレコメンドが。

急遽予定を詰めて朝一で駅前からバス乗り、
博物館方面のビグドイ地区へ。ちょっと郊外。

博物館エリアに着くと、別々の建物が3つもあった。
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「Kon-Tiki」「FRAM」「Norsk Maritimt Museum」
…ん〜、下調べ不足でどれが何なのかわからない。 
名前からしてNorsk Maritimt Museumが海洋博物館っぽいので
これに入ってみる。
中は古い船や船の装飾、船の歴史を追う模型群、
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海洋絵画などが地味ながら並んでいてなかなかおもしろい。

次に隣のKon-Tikiって書いてる建物へ行ってみる。
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中にでっかい船の模型がドーン!
説明をババッと読んでみたところ、
Kon-Tikiっていうのは船の名前で、
ヨーロッパから太平洋の島々まで研究のために渡った偉大な船らしい。
語学力不足で詳しい経緯などわからずだったが、
こちらもなかなかの見応え。

あとからネットで調べたらハイエルダールっていう民俗学者が
南アメリカからポリネシアに文化伝承があったことを証明する為に、
ペルーからコンチキ号で太平洋を横断したとのこと。

なるほどそれで民族博物館にあるような装飾具類なんかも展示されてたのね。
モアイ像のレプリカがあるのもそういうことか。
 
時間が無くて「FRAM」と書かれた妙な形の建物は断念したのだが、
後から調べたらここが一番オススメらしい…なんてこと!!
フラム号っていう北極探査船の博物館で、この船が丸ごと保存されてて
中に入っていろいろ見る事ができるらしい…めっちゃ面白そうじゃねえか!
しまった。

そこからちょっと離れて10分ほど歩き、
博物館系で一番の人気スポットらしいヴァイキング船博物館へ。 
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うわあ展示がとても洗練されている!
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デカくて黒い、洗練された形のヴァイキング船にぴったり合う様な建築。
船は土に埋まっていたのが発掘されたモノらしく、
女王の埋葬に使われてたらしいんだって。 

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いろんな道具類の装飾もおもしろい。

船だらけの異質な博物館群を後にして、
バスで今度は ヴィーゲラン彫刻公園へ。
ここはもっともっと異質だ。
ムンクと同時期くらいのノルウェーの彫刻家ヴィーゲランが
作った公園で、
妙なポーズをした人体や、妙な形に絡み合う群像が
広い公園内にズラリと並んでいる。 
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同じポーズをとってはしゃいでる人達。気持ちはわかります。

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どうでもいいけど犬、エラいな。

札幌の芸術の森にも作品があるので、
周りには知ってる人も多いかも?

しかも公園の中心には、ごちゃごちゃごちゃごちゃ〜っと
すしずめのように人の群れが凝縮された塔が建っていて、
その周りもものすごいポーズの群像が並ぶ。
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最初はおかしなインパクトとして見えていたが、じっくり見だすと
けっこう感動してしまう。人生に対して表現がダイレクトなんだもの。
赤ん坊、思春期、恋愛、家族、老い、全部このぐちゃぐちゃの中に
詰まってるじゃねえか。 
それにそもそも造形レベルが高い。
 
横にはヴィーゲラン美術館も併設されていて、
公園の彫刻のプランや、他のいろんなタイプの作品が並んでた。
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プラス企画展で、スウェーデンの作家マイケル・ヨハンソンの個展。
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スタイリッシュなインスタレーション。 
この作家さん、横浜の黄金町バザール2012に参加してたのね。

やべえ見応えあって、長居してたらだんだん時間が無くなって来た。
帰りの便は今日の夜だ。
急いで今度はトラムと地下鉄で ムンク美術館へ!
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地下鉄、やっぱ北欧はホームも電車もキレイだ。

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到着。

しかしムンク150周年サイトで見た感じ、
薄々そうなんじゃないかなと予想していたが
夏の回顧展でドバッと一挙に公開するせいなのか、
今は違う展示をしていた。

ドイツ表現主義ベースの個人コレクションの企画だった。
それはすでにドイツでいっぱい見てるからもういいっす!

にしてももう少しムンクも織り交ぜてるのを期待していたなあ…
ムンクは最初の一部屋と残り数点のみだった。
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もちろん並んでいた作品群は勉強になった。
晩年の有名なこの自画像も拝めたし、
フラットな色面を強調してる作品、
思春期の別バージョン、ヴァンパイア…
やっぱりムンクはヤバいぜハアハア!!

僕にはこういった狂ったレベルの感情へのダイブや世界の知覚ができないので、
そのような感覚を少しでも見せてくれて、
かつ装飾的なムンク絵画に惚れてしまうのかもしれん。

企画展はこんな感じ。
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帰りは中央駅からメタリックな快速で空港へ。
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離陸直後の夕暮れオスロ上空の不思議なフィヨルド風景で締め。

いやあ、オスロは小さい街ながらパンチが効いてて良かったな。
100年前の地元出の作家の名作美術と、最新の都市型現代美術の対比が
こんなに激しい場所はなかなかないかも。

僕は帯広からの札幌っていう、
ローカルのローカル出なので、考えさせられる対比だった。
当然ながら、
都市型パッケージされてるような大御所作家の皆さんだって、
必ずどこかの地域で生まれ育ったわけで、NYだろうとロンドンだろうと
それぞれがローカル性を持っているわけだ。
プラス、大都市には大都市特有の非ローカル性があるように思えて
そこに照準が合わさってるような現代美術コレクション。
大きな古典美術館も似てますわな。

一方で、ムンクはフランス(ニースにも!)やドイツに滞在して
当時の最先端の芸術運動に触れているし、
ヴィーゲランもフランスやイタリアに留学していろんな影響を受けている。
ずっとノルウェーに居続けたわけではなくちゃんと最先端を勉強してるんだ。
その上で作家本人の遺志や国の考えで、
最終的に作品が他国に散らばりすぎないようになっていて
それがそのまま観光資源になっている。
地元出の芸術家がそのまま観光資源になってる状態って羨ましいよ。
これも1つのローカル推しのパッケージングだと思う。

どちらにしたって、
少なくとも造形作家が一番大事にすべきことは変わらんのな。

まあ、ノルウェーはローカルとはえ立派な西洋の一部なので、
さらに遠い東洋日本の北海道からやってきた僕はまた
状況は違うけれども、何かが少しクリアに見えた気はする。

それと驚いたのが、
instagramでMunch150ってアカウントをフォローしたら、
自分が美術館で撮ってアップした写真を速攻Likeしてきた。
柔軟な態度に関心させられた。 

朝一の飛行機で今度はオスロへ。
航空会社がairberlinなので今回はテーゲル空港発です。

もちろん現地でムンクを見るために行くのだが、
いろいろ調べてたらオスロにも昨年できたばっかりの現代美術館があるとのことで
楽しみ倍増だ。
2時間弱でオスロ空港到着。

今年はムンク生誕150年らしく、
夏に過去最大級の回顧展が行われるらしい。
特設サイトもある。

ホントはその展示が見たかったのだけどなあ。
そのためか空港からすでにがっつりムンク推し! 
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もちろんタブローではなくプリントのパネルだ。
ウェルカムムードでとてもキレイな空港なのに、
いきなりこんな妙な絵を堂々と見せつけてくるの凄い笑

バスで市内へ40分。片道140クローネ。
北欧のクローネという響きはもはや軽くトラウマな高額っぷりだ。 
ノルウェークローネは今1クローネ=17円くらいなので、
やはり高い…。

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がんがん開発中な雰囲気の新興ビルエリアを通過して、バスは中央駅に到着。
いやあ今日は快晴で思ってたよりポカポカ暖かい。

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首都の中央駅の割とには小ぢんまりしてて、キレイな雰囲気だ。

歩いてすぐにまずオペラハウスがあるので行ってみる。
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海に面していて不思議な形。中もちょっと見てみたけどカッコ良い。

スロープから屋根までダイレクトに登れて、街並とオスロフィヨルドが一望できる。
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おお〜オスロフィヨルドは地味なフィヨルドだけど、
それでも見た事無い雰囲気の海って感じはするな。 

次に駅前からトラムに乗って、
早速Astrup Fearnley Museetという現代美術館へ向かう。
ぐ…トラムも一回500円くらい!
しかも最寄りの停留所の市庁舎前で降りてみれば、
駅前からでも全然歩ける距離だったし。
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なぜか市庁舎には入れないようになっていた。
この中にも絵画作品だらけだと聞いていたのだが残念。

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これはノーベル平和センターだって。
気になるけど時間の都合で断念。

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市庁舎前の広場から西への海岸沿いはニュー観光スポットって感じがして、
遊歩道になってて平日の午前中でも結構人が集まってる。
その先にAstrup Fearnley Museet があった。
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これまたインパクトある建築、レンゾ・ピアノ設計のようだ。

エントランスにいきなり置いてあるのがなんと、
村上隆さんの3mフィギュアじぇねぇか。
しかもこれ去年ガゴシアンで発表したばかりの超近作だ。
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後ろに回ると女の子のお尻がベロッと出てて、
パンツの食い込みがちょうど大人の人の顔の目の前に来るような彫刻なので、
日本の美術館に展示していたらクレームの可能性あり。
が、ここでは老若男女(ベビーカーの赤ん坊含む)が割と楽しそうにwow...!
な感じで鑑賞されていた。

賛否のありそうな彫刻だが、Takashiさんの絵画同様
細部の細部まで作り込みが尋常じゃない。 
単純な話、
例えばこないだイタリアで見て来たベル二ーニの
「聖テレジアの法悦」がエロくて超絶技法なことを考えると、
扱うモチーフこそ現代的で日本のポップカルチャーの一部だけど、
造形的なアプローチは極めて古典的なクオリティ主義なのではないか。 

地元の若者らしき人に「ちょっと写真とってちょうだい」と
言われ、作品とツーショットで取ってあげたりもした。
何処に行っても写真を頼まれるのは、
いつも僕の首から一眼レフがぶらさがっているのと、
頼みやすそうな隙があるんだろうな。 

美術館の半分は、狭めのブースが並んでいて、
地元を含む多種若手のラインナップ。
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日本の三宅信太郎のインスタレーションもあった。

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79年生まれ、Nate Lowmanという作家の絵画…
なんでこのくらいのクオリティでここにインしているのだろう。

もう半分はめっちゃくちゃゴージャス。
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まずハーストの代表作がズラリと。
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スポットペインティング凝視する。
凝視したってこのドライな画面に絵画らしい感動はしないのだが。
前にも少し書いたが、下塗りキャンバスに手塗り感のあグロスの効いた円。
キャンバスのサイズと配列の幅が完全にピッタリしてるので
作るのは見た目より面倒だろう。
プロセスを想起させるようにルールに従って作られたシンプルミニマルな画面に、
カラフルな色彩ドットによる装飾性、
これだけでもデミアンコンセプトに潜れるし、絵画になってますっていう作品だな。


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バーニーの大規模なインスタレーションも。
クレマスターのいくつかも流れてる。

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奥にはまたクリストファー・ウール。今やどこにでもありますね…。
最初に現物見た(バーゼルだったか)時の期待にそぐわぬ感動は、
もうしなくなっちゃったかもしれない。
やっぱこのシリーズよりも最近のスプレー擦ってる作品の方が良いかな。

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トレーシー・エミン。
布地の作品は初めて見たが、以外とセンス良いのかも。

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クーンズも、バスケットボールもマイケルも巨大絵画もズラリ。圧巻だ。

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この下ネタ絵画を凝視してみる。
遠目から撮った写真だと、転写の上にバサバサ描いた筆跡って感じに見えるが、

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全部細密描写。ヤバすぎ。
アシスタント総動員としてもやっぱこれ見ちゃうと唸るしかねえわ。
徹底されたスーパー細密描写による、
ナンセンスなデジタルコラージュイメージの絵画化。
絵画も、現代美術のアプローチにおいて色々な使われ方をする。

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さらにキーファー、ポルケの巨大作品が並んでいる。
やっぱりポルケの絵画には絵画愛があるよ。

…しかし、この超ミーハーなラインナップはどういうことだ。
しかもどれもマスターピースレベル。 
まさかオスロでこんな展示を見る事になるとは…
私設美術館らしいので、
超大金持ちで超一流ギャラリーのお得意さんがいるのかな。

割とどこでも最新の現代美術館は、
超有名建築家の建築と超有名現代美術作品群がセットになっていて、
入り口前にはオシャレな広場があったりして、街の少し郊外に位置して、
「文化レベル高いぜ!アピールのパッケージセット」
のようになっている印象。
その象徴的な存在をここに見た気がした。

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賑わう海岸沿いを戻って、西側へぶらっと歩きながら、

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次に国立現代美術館、ノルウェーの70年代以降のビデオアート企画展で、
サラッと見ただけだが面白かった。映像研究室の生徒さんに見せたい。


そして市街地を通り、国立美術館へ。
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それほど大きな規模じゃないけど、
印象派やブリュッケ、ピカソなどは一通り揃っている。
それより何よりムンクの部屋のラインナップが感動的。
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叫び、マドンナ、思春期など代表作がズラリ!やべー。
各作品で塗りの質もさまざま。
叫びの一番有名なバージョン、
ダンボール板にフレスコ、色鉛筆で描かれていることを知った。
そのせいか色彩も想像以上に柔らかくなっている。

晩年の「キャベツ畑の中の男」なんかはものすごく変な絵!
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見た事ある有名な中に突然これが入っててギョッとする。

鬱々とはしているけれど、やっぱりムンク絵画は装飾性の意識が高い。
実はマティスと同系列の、裏側に位置するって感じ。
若い頃はフランスやドイツに滞在して活躍しているし、
同時代の美術ムーブメントをかなり取り込んでいる上で、
自分が元々もっているローカル性や個人体験が奇跡的に融合されてるよなあ。

同じ流れの地元作家も風景画を中心にけっこうおもしろい。
作品が良いっていうよりは、風土性が如実に現れてるところが。
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ついこないだまで南方にいたせいか、余計にそのギャップを感じる、

ただしかしムンクは別格だわ。
ノルウェーの国自体がそのムンクをこうやって大事に扱ってるのが凄い。
ムンクの遺志で多くの作品はオスロに纏まって、
積極的に他国に貸し出す事で存在感を絶対的なものにしていったのだとか。
う〜ん、このバランス…理想的。

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ユースホステルは中央駅から北へ徒歩10分。
オスロにはホステル少なくてやはり割高な中、
ここが一泊30ユーロくらいで便利。 
食事はもちろんスーパーのパンやホットドックで済ませる。 

昨日ハンブルグ入りし、Mikiko Sato Galleryへ。
手塚愛子さんの個展を見る&トークイベントを聞く。
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ベタニエンで展示をしていた時の作品を中心に、充実した展示。

日本とヨーロッパの歴史観、ゴースト、放射能、
デュシャンのアンフラマンス、など幅広い内容。
すべて英語でのトーク、速度がゆっくりなので7割くらいは聞き取れた。

アンフラマンスの事は少し前にすでにアイコさんに教えてもらっていたが、
改めて興味深い。日本に帰ったらアンフラマンスのことが詳しく書かれている、
大昔のユリイカを買って読まねば。

トーク後打ち上げにもオジャマする。
今日の対談相手だったニナの家へ。
で、でけえ〜! またこんな家を体験できるとは…
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樋口さんの作品に加え、

初見のハイレベルなペインティングが2枚、玄関とリビングに架けられている。
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Toben Giehler というペインターの作品と、
(下のおもちゃは作品に関係ないです)

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Pitor Nathanというペインターの作品。
彼は美術大学の教授らしい。

英語ペラペラの美術知識豊富なニナ…一体何者なのだろう。
めっちゃ良い人だし。
愛犬のピコとひたすら遊ぶ。

打ち上げにはギャラリーと親交の深いお客さんが招待され、
良い会だった。

そこからみきこさんちにオジャマし、夜が明けるまで
アイコさんと3人で2次会。
この2人の女性に挟まれるとライオンのような覇気!
アイコさんの洪水のように溢れる怒濤の言葉連鎖は 示唆に富んでいて
シビアだけどヒント沢山でとてもおもしろかった。
圧倒されてついていくのに必死だったが… 
いつもガツガツなみきこさんすら押される勢い。
恐るべし。いやこらしかし貴重な時間だ。
久しぶりにどっぷり美術話だった。
う〜ん…見習うべきポイントがたくさんあるなあ。 
 

なんとか4点のペインティングと2点のドローイングを完成させて
僕の最後のオープンスタジオ。
荒れ気味だったスタジオもとてもキレイにした。
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やってみようやってみようと思ってたドローイングもやってみた。
ただのアイデアスケッチのようなレベルのものだが。

いつも通りのお客さんの入りでいつも通りの質問がされて
う〜んて感じだったが、
前も見に来てくれたギャラリストさんが
もう一回自分の作品を見る為にわざわざ来てくれたり、
他のお客さんの評判を聞いて見に来たよと言ってくれる人がいたりと、
うれしい反応もあり。

一通り他の作家の部屋も見て回ったけど、
最初のメンツに比べるとどうもユルめの出来な作品が多い…
これはたまたまなタイミングなのか。
それとも、今年に入って家賃が50ユーロ上がったからなのか。
自分は450ユーロ期から入居してるので値段キープしてもらってるが、
500ユーロはさすがにけっこうキツいよね。
レジデンス運営も大変なんだろうが、
詳しい事情等は聞かなかった(詳しく聞ける語学力が足りなかった) 。

作家のみんなと飲んで打ち上げて、オープンスタジオは終わってしまった…あああ。
あとは荷物整理が待っている。 

地味な制作の日々にすっかり戻った。
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ところで帰国が迫っている。なんとあと丁度1ヶ月で帰国!!
1年って一瞬すぎるなあ…やりきれない思いあり。
1年前と何がどのくらい変わったんだろうか。
日本に着いたらどんな風に思うんだろう。うへー。

最近外を歩くたびに、おセンチになる…
ケバブーを食うたびに、オマエをあと何回ほおばれるのかと…
 

そろそろ荷物整理もせねばならん。うぐえええ部屋がごちゃごちゃしている。
プラスだめ押しでオスロ、ロンドン、プラハ、ウィーンも回りたい。
全然落ち着かない!

そもそも実家が帯広なので、札幌に住処がない。
帰ってからの札幌での拠点探し含め予定を調整しなければならんし。
どうなっちゃうんだろう。か、考えたくねえ。

だいたい2年に1回くらいのペースで、
「オレはどうなっちゃうんだろう現象」
が発生するので、どうにかするしかねえんだよ!と割り切りながら
自分の身を未体験ゾーンに放り投げることにしている。
どうにかなった時はそれなりに快感なのだけど、
あまり賢いやり方ではないし、もうすぐ32になるのに…

帰国後札幌で報告会をやるかもしれない風向きが。
その前にある程度言葉化して、頭を整理しとかねばな。

旅行ブログが追いつかないので後だし状態。
膨大な写真をアップするのが辛い。 

最後数日ベルリンを満喫したY子は帰国した。
一緒にいることで、ベルリンでフラッとカフェに出向くことを今さら習得した…

さて気を取り直して、
残り僅かなレジデンス生活でできるだけ作品を残さねば。
月末にオープンスタジオあるし。 

旅行ばかりしてるので気付いたらレジデンスの作家数人は
入れ替わったり全然話してなくてヤバいちょっとした孤立感。
しかし西洋人のコミュニケーション力は凄い。
さりげなく話しかけてくるし、すぐご飯に誘ってくれちゃう。
これって宗教的精神性でもあるのかなー。

新しく入ったイタリアのレオナルドがとりわけ社交的でナイスミドル、
本場仕込みのパスタとワインをやたら振る舞ってくれるのだった。

加えてエストニアの画家ホルガーと
カナダの作家ローレンが最後の同フロアの作家達で、
割と仲良くやっていけそう。
ホルガーは英語が僕よりちょっと上手レベルだが
ローレンはネイティブ発音なのでできるだけ会話しときたい。

宿のすぐ隣にある現代美術館、ソフィア王妃芸術センターへ。
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ジャン・ヌーベルによって改装された建物はこれまた広くて立派。
どこの現代美術館も名のある超一流建築家が手がけてますね。

近代以降のスペイン芸術を軸に幅広いコレクション。
ひとクセっつーか3クセくらいある。
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基本的にヘビーなテーマの作品が多くて他の美術館より3割増しで疲れる。

スペイン美術、やたら暗くて重〜いわ!!パリの裸婦連打とはえらい違いだ…
スペインの歴史についても知らない事だらけなのだが、
このヘビーさはやっぱしフランコ独裁政権など社会背景からの反映なんだろうか。

まぎれて、このインスタレーション異彩放ってたな。良い。
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本物の鳥がぴーぴー鳴いてる笑
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Helio Oitucicaってブラジルの作家。もう故人なのか。

ここの目玉作品はピカソの「ゲルニカ」だ(撮影不可) 。
ゲルニカ前はやっぱり凄い人の量で、
めちゃデッカい画面を引いて見るのが困難だ。
基本細部を見て、人が減った隙を狙って好ポイントを確保。落ち着かん!

ピカソ作品も沢山見て来たが、ゲルニカは真面目直球だ。
そもそもこの巨大な画面をこんだけコントロールできてる所から
絵の上手さがダイレクトに滲み出てるし、
モチーフの一人一人がシンボル、記号、になってるあたりの
デザインセンスもあり、
悲劇的なテーマも本来のピカソの得意技だし、
破綻のない高度な負の歴史画だ。

「アヴィニョンの娘たち」のような何回見ても困惑するような謎は無いけれども、
ピカソの傑作には違いなかった。
 
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ちなみにこれ、戦後すぐくらいのピカソ作品。
まだ出てくるよ未知のピカソが。

戦後絵画らへんにはチラホラ抽象表現主義絵画も混じっており、
ロスコなんてヒドい扱いで映像作品の部屋と同じ部屋にコソッと展示。
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意外だったのが、スティルが何枚かあったこと。
アメリカ以外でスティルを見たのは初めてじゃないか。
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加えて良いマザウェルとか、謎に抽象表現主義の中でも渋いところを持ってる。
なんでだろう。当時アメリカとの良好関係があったのだろうか。

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ロペスの絵画、小さいのが数点。もっとドバッと見れるかと思いきや。
しかもあれあんま感動しない。
同じくロペスのこのリアリズム人物像の出来の良さにむしろ凄み。


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くっついてる図書館がカッコいい!!

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カフェもこんな感じ。
いや〜ここもずいぶん広くて、かなり時間かかってしまった。
結局他を見ずにタイムアップ…。

腹ごしらえに、これまたすぐ近くのケンタッキーに入った。
チキンを食べていたら、ホームレスのばあさんが
客席を回って物乞いしてきた。
うっ、Badなスメルが…しょ、食欲が減退する…
客は皆ガン無視を決めて、最後にゴミ箱あさりしていたら
警察に連行されていった。。。ハードだわ。

駅からバスで空港へ。
結局、駅もプラドもソフィアも宿のすぐ近くだったので、
マドリッドでは半径500m以内の移動しかしてないな。 
市街地や観光中心地はもう少し先のようだし、
どんな街かさっぱり実感が無い。

ベルリンまでは3時間のフライト、けっこう離れてるな。
到着したら、寒い!!!
寒いけれども、このさすがの安定感雰囲気。
一気に落ち着くぜ。おれはベルリンが好きだ。

ああ〜なんか…全然スペインを満喫した気がしない!!
半分は風邪のせいだ。
イタリアもまだまだ見たい場所がたくさん残ってるし。
北欧の都市なら割とサクッと見て回れるけれど
さすがに南ヨーロッパをこの日程で回るのは無理があったなあ。 

それでもごっそり傑作を見たんだから十分過ぎるけれど、
一気に詰め込み過ぎた。コンテンツ豊富すぎるわ。 
ちょっと咀嚼するのに時間が必要だ。
またじっくり来れたらいいなあ。
 
ちなみに、日本本土とヨーロッパのおおよその比較をすると
こんな感じだ。
日本&ヨーロッパ
緯度は日本はもっと南にあるのだが、
ドイツの北端に北海道の北端を合わせてみました。
マドリッドからベルリンは、だいたい、鹿児島から釧路くらい。
こういうスケールで文化圏を考えるのもおもしろい。

日本は狭い小さいと言うイメージがあるが、
こうやってみると国土自体は狭くないし、長い。 
ただ、山だらけだから住める場所は狭いのか。 

南ヨーロッパ鑑賞旅最後の街マドリッド。

宿を出てすぐのマクドナルドで朝食。
イケメン系店員がカプチーノにスマイル顔を描いて、
Y子にニコヤカにウインクで決めて来た。
さすがラテンの血はイケてるなあ。

まずはプラド美術館へ。宿から徒歩10分だ。
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絵を描く者なら一度は見ておきたい、
ベラスケスの「ラス・メニーナス」がついに拝めるのだ…! 

期待通りさすがの巨大美術館な上にそのラインナップが独特。
ここも撮影禁止なので残念。なのでサラッと書く。

ベタだけどグレコが並ぶ部屋とか変すぎる。
でもグレコはファーストインパクトから慣れてくると物足りなくなってくるかも。

ベラスケス。
まとまっていろいろなベラスケス絵画を拝める贅沢さ。
まず、おそらくベラスケスの肖像画は飛び抜けて似ていると思われる。
なぜそう思うかと言えば、
どんな画家も顔を描くときって独特の表情クセがでてるものだけど、
ベラスケスにおいては、どの顔も表情まで完璧に描きわけているから。
ベラスケス絵画は総じてタッチが荒くてバサバサしてるのだが、
顔だけは筆跡もボカし気味にしてデリケートに扱っているし。
とにかく、人物の顔の描写は異常に丁寧で上手い。

ラス・メニーナスを実物の大画面で目の前で見ると
絵とのやりとりができる感がハンパ無い。
この絵は近づいて見るとかなりタッチが荒いので、
その描かれた空間には入っていきづらく描写の細部に目が行く。
ある程度離れたところで明らかに適正距離があって、
そこからの眺めは不思議でしょうがない。
絵の中のいろんな地点からこっちを見てくる。
こっちから絵の方を見て、遠い鏡から跳ね返ってくる視線は国王夫妻のもの。

はぁ〜 この今自分が立っている適正距離は、
絵の表面にあたる地点から後ろの鏡までの距離に等しいんだろうな。
絵の表面にあたる地点というのはいったい何なのか…
そんな絵画の不思議がとってもわかりやすく深く現れてるなあ。

ラスメニーナスでもやはり
王女から、美人の女官、奇妙な道化師、画家本人、
と並ぶ顔の存在感が凄い。
まさに傑作。

そして、さらに総合的に圧倒された画家は何と言ってもゴヤ!
コレクションがかなり豊富で、全時代のゴヤを一挙に浴びる事ができる。
初期の日傘もあれば、カルロス4世の肖像画もあるし、キリスト磔刑画もあるし、
マハも並んでる。 1808年5月3日の銃殺も。
…ずっと前に初めてNYのメトロポリタン美術館で見た時の印象は、
ちょっとヘタでファニーでおもしろい画家だな、
程度しか思ってなかったが、それは大間違いだった。

昨年の東京のゴヤ展で気付き始めたが、
ゴヤの上手さは単純な意味の正確なデッサン力というよりは、
人の表情やポーズ、動き、精神性、
それに絵画そのものに対する深い愛情みたいなことまで感じさせる演出力にある。
加えて大事なのはユーモア。 

ゴヤで一番衝撃だったのは、晩年の部屋。
ブラックペインティングと呼ばれる連作が並んでいて、
とてつもなく暗いというか怖い。トラウマになるが凄い。
「我が子を喰らうサトゥルヌス」もこのシリーズの1枚だった。
「砂に埋もれる犬」の不穏で謎な画面も素晴らしい。 

ボッシュの「快楽の園」も拝めた。
描写自体は高解像度の画集等でかなりいいところまで鑑賞できるので
実物を見ても想像範囲内だけど、三面開かれている佇まいと淡いグリーンの
画面のキレイさには、おお〜ってなる。

他にも有名作揃いで、
しかもこうなんというかパワータイプな感じの作品がズラリと並び、
結局丸一日プラドに費やしてクタクタになってしまった。

ホントは近くのもう1つの有名コレクションが集まる
ボルネミッサ美術館にも行きたかったのだが、無理だった。 

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雨もあがって青空の下のベラスケス像。

せめてスペインらしさをと、
宿の向かいの怪しいレストランでパエリアを食べて見たら
ものすごく不味かった。店のチョイスを間違えたようだ。
どうもスペインからツイてねえな。
 

丸一日寝たら、
朦朧としてはいるものの動けるレベルにはなったようだ。良かった。
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窓から外を眺めてみる。バルセロナは2日目も雨…あらら。
宿はカテドラルのすぐ裏なのだが、時間も体力も無いので
行き先は最低限に絞ることに。

宿からすぐ近くのピカソ美術館へ。
雨だけどずいぶん人が並んでいる。
20分程並んで入場する。立派な個人美術館だ。
撮影は不可。今回の旅では撮影不可がやたら多いなあ。

有名な初期作品の「初聖体拝領」や「科学と慈愛」、
15,6歳の時の作品とのことで驚かれる作品だが、
確かにめちゃくちゃうまいが描きかたなどはさすがにオーソドックス。 
それに根本的に根暗なピカソ…という感じ。

点数はそんなに多くないけど各時代毎につまみ食い的展示で
ピカソの驚愕の雑食感はあまりプッシュされてない印象。
展示は洗練されていてキレイ。
奥の広い部屋でラス・メニーナスのシリーズの多数のバリエーションが
一挙に展示されていて、それが一番おもしろかったな。

その後、サグラダファミリアへ移動。
地下鉄駅を出て振り向くと、さっそくあのファザードが見える。
サ、サ、サグラダファミリア… !
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もっとドデかい、それこそケルン大聖堂レベルのファザードかと思っていたが、
想像よりは小さい印象。しかしながらいやこらホントにもの凄い唯一無二感。
細部が…
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いっこいっこの彫刻がボリュームある。
これは時間かかるわけだ。

中に入ってなお驚く。
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こんな風になってんだ!
作ってる途中なのでファザードに比べると出来立てホヤホヤな質感だが、
上の方のギザギザなディティールは、
どういうスケールでどういう構造なのかもはやわからん。
ステンドグラスの抽象的な柄もカッコ良い。

全体に比べて祭壇が地味だったがこれもこれから変わるんだろか。
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作りかけの照明がごろごろ転がっとる。でけー。


しかし病み上がりの朦朧状態では。
ピカソとガウディだけでももうキツい。
一気に体力の限界がきて、向かいのケンタッキーで休む。
雨も上がらないし、本当はもっとガウディ建築を浴びたいのだけど歩くのキツイ。
渋々マドリードへ移動する事にする。 
ああ…現代美術館MACBAも行きたかったし、
海の方のバーなんかも見てみたかったなあ。
バルセロナらしさをほとんど体感できずに終わってしまった。

バルセロナ・サンツ駅へ。ここもキレイだ。
英語可能なチケット窓口が少ない。

スペイン国鉄レンフェ(Renfe)、イタリアに比べると高額だなあ。
Aveという特急でマドリードまで90ユーロくらいか… イタリアの倍する!
新幹線と同じくらいだな。
高いだけあって、ゲートが空港のような感じ。
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そんなのいらんわ〜 そして高い割には車内でwifi使えねえし。
と文句を言いつつ乗り込んで、
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3時間でマドリッド到着。

さすが首都、都会だ。
宿は駅からすぐ近く。ホステルというかホテルのようだ。
でも安い、一泊20ユーロ弱。 
体調も優れないので早めに寝よう。やれやれ。 

バスはいくつかの街に寄りながら、
朝6時前にバルセロナ北ターミナルに着いた。
気付けばたくさん人が乗ってる。風邪が皆さんにうつらないことを祈る。

まだ日も出てなくて、しかもなんとすごい大雨。
体調はMAX悪化して動けず。これは39度くらいはありそうだな。
ベネチアでY子を置いて楽しんだ罰か…!

ターミナルのカフェなども30分後じゃないと開かないので、
仕方なくベンチで座って雨が弱まるのを待つ。気温があんま寒くないのが救いだ。 
Y子もまだ本調子ではなくフラフラしており絶望的光景だ。今までの旅で一番ヤバい。
朦朧としながら暗い歌を歌っていた記憶がかろうじて残っている笑 

カフェが開き、ココアに救われ、
雨も少し弱まったので移動してみることに。

観光できるわけなくて、仕方なく予約してたホステルへ向かう。
しかし、こんな朝っぱらからチェックインできるのだろうか。
 
スペインは、誰もがスリに気をつけろと言う場所なので
どんだけ野蛮な街かと気構えていたが、
バルセロナにおいては
地下鉄や街はむしろイタリアなんかよりも清潔感あり。 

ピカソ美術館近くのホステル到着。
ヘロッヘロで受付のおっさんにチェックインをお願いしてみる。
おっさん、スペイン語しか話せないのでPCのモニタをコチラに向けて、
Google翻訳で会話してきた笑

そして、特別にチェックインしてくれることに。優しい!!!!
即眠り、昼過ぎに起きてY子が近所でご飯と薬を調達してくれて、また寝る。
やはり薬がデカすぎて飲むのがタイヘンだ。
Y子にどっか見て来て良いよと提案してみたが、
移動プランは基本自分が握ってるし、雨だし、1人不安ということで
今日は沈没。雨も止まず結局2人して寝るだけのグロッキーな日となった。
ベネチアの自分と比べY子は優しかったので反省した。
明日はせめてサグラダファミリアくらいは見れるといいのだが。

イタリアからスペインの間にわざわざニースに寄った理由はもちろん、
マティスのロザリオ礼拝堂を見るためだ。
 
正確にはロザリオ礼拝堂はニースからバスで1時間くらいの
ヴァンスという小さな町にある。

そんで事前に行き方をいろいろ検索してたわけだが、
どうも今はニースのバスターミナルをリニューアルしてる最中で
乗り場がバラバラになっているらしい。

結局正しい最新情報が全然わからんまま着いてしまった。 
持ってるガイドブックも古い情報しか載ってないのでやばい。
夕方にはバルセロナ行きのバス(ユーロライン)にも乗らなきゃならんのだが、
その乗り場もわからんのでまだ予約もしていない。う〜ん不安だ。

なので親切なホステルのお兄さんに必要なバス情報を
できる限り検索してもらって、
あとはデタトコ勝負。いざ出発。
 
朝一で動いてもかなりギリギリの予定なので
あまり写真を撮ったり街に感動してる余裕も無い事をご了承ください。

まずはニース市内にあるマティス美術館へ。
教えてもらったバス停が宿から歩いてすぐだったのでここは問題無く来れた。

割とコンパクトな美術館で入場はなんと無料。撮影は禁止。
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初期から晩年までの作品が、ちょうどよいボリュームで展示されていて見やすい。
特にブルーヌードやスイミングプールの切り絵作品を見る事ができて良かった。
切り絵もやはりその大きさに驚いてしまう。
礼拝堂のプランドローイングや模型等もあるので、期待が高まる。

ホントは近くにシャガール美術館もあるのだが時間がないので断念する。
そのままヴァンス行きのバス停へ向かう。
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トラムに乗りつつ、街の少し東側の何の変哲も無いバス停に着く。
がしかし。
教えてもらったバス停にはヴァンス行きのバス表示はなかった。
さあ困ったぜ。
こんなこともあろうかと早めの行動を取っていたものの
ホントのバス停はどこだ?

事前にいくつか調べてた情報で一番信憑性の高そうなのに賭けてみることに。
街の南側に横断している長い公園の南端、ビーチの目の前だ。
トラムで少し西まで戻り、歩く。
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この公園を大規模工事してるから、バス停の混乱が起きてるんだろうか。
まいっちゃうなあ。

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お祭りの時期なのか、ちょっとグロい顔のヤツを横切り、

ヴァンス行きバス「400番」の表示発見!でもここは到着バス停ではないか?
目の前のレストランの店員に聞いて見たら、
めっちゃメンドクサそうに「ここじゃなくてあっち側」と言われる。
きっと何回も聞かれててウザいんだろうな…
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公園の端っこをぐるっと反対側へ回ると、
マクドナルドの前にあったバス停!

でも停まってるバスは400番じゃなくて94番 ヴァンスって書いてるけど。
運転手さんに聞いて見たら、400番でも94番でもヴァンスに行くから大丈夫とのこと。
出発5分前、ギリッギリなんとかなった…
 
3月初めだというのに日差しは強くて、地中海が青い。
これがニースの光か。

確かに老後に訪れて長期間過ごしたくなるような雰囲気だ。 

バスは海岸線から山の方へ登って行く。
途中、山の上に作られた町が見えた。
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サン・ポール・ド・ヴァンスかな?

何とも素晴らしい田舎の眺めが続き、ヴァンスに到着。
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バス停から10分ちょい歩く。
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「チャペル マティス」っていう看板がぽつぽつ立っているので、
気をつけていれば迷う事はなさそうだ。
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いい眺め。穏やかな山奥って感じの町だな。

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アンリ・マティス通りを登るとついにロザリオ礼拝堂が見えて来た。
開館5分前に到着。何人か並んでる。うお、日本人も。
日本人の海外旅行情熱ってすさまじいな…。

礼拝堂は開館時間が限られてるので、これもサイトで要事前チェック。
 
いや〜…いつの日か訪れたいと思っていた場所だけど
いざホントに着いてみると、ここまで来れてしまうもんなんだね。
まだ入ってもいないのに感慨深くなってくる。

白い壁に青い屋根。屋根の上には装飾的な大きく美しい十字架。
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今まで見て来た巨大で豪華な教会にくらべると
ずいぶん小さくて素朴な存在感だ。

そしてついに開館。
中に入って階段を下りる。撮影はやっぱり不可。
チケットを買うと、フランス語で何やら説明された。
?という顔すると、入って来た入り口の横の窓を指差して
「Fish、Fish」と。あ、窓がステンドグラスになってて、
かわいい魚の絵になってたんだ。
これをちゃんと見逃さないでねってことだったのね。 

礼拝堂に入る。うわ〜…
これまた昨日の最後の晩餐と同じ様な、
立ちすくんでしまう感の共有。

と思ったら、おばあちゃんが、客を全員座らせてフランス語で解説を始めた。
英語しかわからないからと去ろうとした客がいたけど、
いいからまず座って聞きなさい!と強引に座らせてられていた。
おばあちゃんのフランス語は20%くらいだけ英語が混ざっていた。
ところどころ説明がわかる。
この人は牧師さんなんだろうか。
地元の方なら子供の頃にマティス本人に会ってるかもしれんよな。
今思えば聞いてみりゃよかった。
 
解説が終わり、空間に浸る。

ローマからミラノまでで喰らいまくった教会って
どこも特有のちょっと怖い感じの仰々しさというか
すいませんオジャマします…ていう居心地の悪さってのがあって、
それは自分がキリスト教じゃなくて馴染みがないから感じるのだろうけど、
ロザリオ礼拝堂にはその感じが無かった。 
むしろ居心地が良くなるような美しさ。

青、緑、黄色の植物の葉のイメージのステンドグラスから
入ってくる光。黄色の部分だけ曇りガラスになっていて、
床まで届く光は青と緑の部分だけ。
細かい光の調整をしているんだな〜。

壁も天井も床も真っ白なのだけど、
礼拝堂内に入ってくる光はステンドグラスを通過してくるので、
実はその空間全体は淡い緑色を帯びていることになる。
光が入ってくる量と、礼拝堂のサイズのバランスも心地が良い。
決して広くはない空間なのだけど、ゆったりした気持ちになる。
このスケールの感覚、マティスの絵画と一緒だ。包容力すごい。

そのことを利用した仕掛けがあって、
礼拝堂の横に小さな部屋がくっ付いており、
装飾が施されたドアで仕切られている。
装飾越しに部屋の向こうが見えるようになっていて
ここから漏れてくる光が目の錯覚で淡いピンクに見えるのだった。
これがまた美しいこと。タレルの作品に通じる光のコントロールだ。

白いタイルの壁には黒線の大きなドローイングが描かれていて、
それは聖書に描かれたキリストの生涯だ。
どの教会にもキリストの生涯がわかるような絵画や彫刻があるわけだが、
それらを散々見て来た後で、この極限にシンプルになった宗教画ドローイングを見ると
マティスの開放的な感覚がなお伝わって来る様な気がする。
コママンガのようだけどその境界線は無くて
各場面の並列と、場面毎に番号が振られている不思議なドローイングは
他のマティス作品とひと味違う。

向かいに位置するステンドグラスからの光とこのドローイングの掛け合わせ、
光の揺らぎと線のゆらぎが感動的。

祭壇はガサガサしたマチエールの黄土色の石壇で、
これはパンがモチーフになっているとのこと。
キリスト教ではパンが重要なモチーフらしく、
それを祭壇に当てることでどんな意味になるのかはわからなかった…
祭壇の上に置かれている十字架もキリストが線になっているシンプルさで、
テーブルクロスや燭台もデザインされている。

は〜…クリーンだ。心がクリーンになる!
人間なんてドロドロしてて、よって芸術もまたドロドロしてるはずなのに、
芸術を保ったままここまでクリーンな表現に到達してるのは
1つの奇跡だろう!!何なんだよこれは… 

ジーンと堪能して出口の方に移動すると司祭の祭服も展示されている。
これもマティスのデザインで、切り絵から起こしたものだがとってもカラフル。
祭服がこんなにカラフル…不思議だ。

名残惜しいけどニースへ戻る。正に夢のような体験ではないか。
ニースに戻ってからは現実が待っている。
果たしてバルセロナ行きのバスには乗れるのか。 

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ニースの地中海も夕日モードに突入。

バスの終着から歩ける距離にある
宿のニイちゃんに教えてもらったユーロラインの事務所に行くと、
チケットはここで買えるけど、
バス乗り場はなんと郊外のコートダジュール空港の近くだと説明される。
ここじゃないの!?

バス出発の時間までは1時間程。
電車に乗ればギリギリとか言われたけど
不慣れな街でギリギリ移動はキケン過ぎるので、
仕方なくタクシーに乗って、解決。 

検索しても辿り着けなかったので同じ境遇の人へ…
ニース(Nice)のユーロライン(Eurolines)乗り場のアンサーは、ここでした!(2012現在)
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ホントに一歩間違えたら乗れなかったレベルだな。アブねえ〜…。

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どこかから23番のバスに乗ってくれば、
ユーロライン乗り場のすぐ近くで止まるようだ。

これが乗り場だ!
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すげー適当な乗り場な上に、バスの運ちゃんには全く英語通じねえ。
スペイン語!手続きはユーロラインだったけど乗るバス自体はユーロラインのバスじゃないし、
自分ら入れて5人しか乗ってないけど大丈夫なんだろか。 

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行き先も紙っぺら1枚をテキトーに貼ってるだけだ笑

夕日に向かってバスは出発した。
ちなみにもちろん深夜バスだ。バルセロナ到着は朝6時の予定。
途中運ちゃんの自作CD-Rを爆音で流される。すごいセンスだ。

そして、今度はだんだん自分の調子が悪化していった。
パーキングエリアで夕食食べてた時はもうフラフラでだるくて
無意味にイライラしてくる。
あ〜これは絶対Y子の風邪がうつったなあ。
あってはいけない事態だ。
 
車内で相当具合悪くなっちゃって、まともに眠れない。
困ったな。
Y子もまだ本調子じゃないし、バルセロナどうなっちゃうわけ。 

ヴェネチア朝、
Y子もなんとか移動できる程度には復活したようだ。薬強ええな。
宿の朝食を頂く。パンがうまい。

よし朝一で出発。
Y子は結局、駅から300mしかベネチアを体験しないまま。いつかリベンジですな。
ミラノへゴーだ。
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ベネチアから海を渡って陸側へ。美しい!
千と千尋の列車シーンのイメージソースはここなのかな。
また移動2時間程。

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時間の都合でミラノで見るのは基本「最後の晩餐」のみ。
イタリアで一番現代美術が盛んなのはミラノらしいのでちょっと無念。

中央駅。立派。
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そのまま地下鉄で、
最後の晩餐のあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会へ向かう。
予約時間の20分前に着いてチケット貰わなきゃならんので急げ。

ミラノはどうも今までのイタリアの都市に比べてガサついた印象な上に、
ついに地下鉄内で女スリ4人組(たぶん)に出会った。
わけわかんねえことを話しかけられて油断したらカバンを触ってたので
何んなんだオイって顔したら去って行った。何も盗られなかったがマジでいますな。 
一気に印象悪い!ファッションな街ってイメージから怪しい街へ。

特に迷う事なく無事に教会到着。
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最後の晩餐は完全予約制で、
ギリギリまで予約が取れなくて半分諦めてたのだけど、
フィレンツェで晩飯食いながらwifi借りて予約サイト確認したら予約が空いたので超ラッキー。
ちなみにオフシーズンの平日なら、
朝一で並べばキャンセルが出て入れることもあるらしい。
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チケット売り場。後ろに最後の晩餐のパネルがあるんだが、
めちゃ発光エフェクトがかかってて笑える。

鑑賞は15分限定で、一度に30人くらいしか入れない。もちろん撮影禁止。
展示室に入るまでに3つの自動ドアを順番に通過して行く。
それは湿度に弱い最後の晩餐の劣化防止のためらしいが、
それが仰々しい演出にもなっていて良い。
たった1枚の絵を見るのにこんなドキドキさせてくるとは。

ついに最後のドアが開くと、
広いスペースの高い位置に「最後の晩餐」が。
一緒に入室したお客さん達との、うわ〜… という気持ちの共有感がハンパねえ。

今まで見て来たレオナルドの絵画に比べて圧倒的にサイズが大きいし、
フレスコなので色がとても柔らかい。
色だけでなく、画面に描かれた空気の感じや人物の感じも柔らかだ。
初めからこの1枚を見に来ているし時間制限もあるため、
集中して絵画体験できる。感動!!!

先日フィレンツェで見たばかりの、
若い頃のレオナルド作品「受胎告知」は
逆にレオナルドの中でも固かったので、ずいぶん違うもんだ。

しかし修復士もまた、凄いなあ。 
数年前まで修復してて見れなかったんだもんね確か。

広い部屋の反対側の壁には、もう1枚大きな絵画があってそれは
戦争で破壊された教会で最後の晩餐と共に生き残ったものらしい。
それと最後の晩餐のレリーフもある。
ただ、鑑賞時間があまりに限られているので、
皆やっぱ最後の晩餐に集中しちゃう。けっこう可哀想な作品達だ。 

いやーこれはわざわざこのためだけに寄った甲斐があった。
しかも電車までの時間が少しあったので、ついでに寄り道。
ベタにドゥーモへ行ってみる。
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ゴシックスタイル!でもケルンには及ばず!中にはコレと言って目玉作品も無く。

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目の前の広い広場には人がごっそり。
ここもなんだかガサついていて治安がイイ感じがしてこないなあ。

中央駅から今度は南仏ニースに向けて出発。さらばイタリア!

一度乗り換えありの約6時間で、
国をまたいでも値段はやっぱり1人4000円くらい。
地中海沿岸の夜景街並を見ながら23時くらいに到着する。
まさにリゾート地っぽい!
駅から徒歩5分くらいの、お兄さんが親切なホステル泊。 

一晩寝ても、Y子は回復しなかった。まったく歩けないと言う。
この日のみのヴェネチア視察なので、なんともかわいそう。
仕方がないのでY子は寝たまま、自分だけでヴェネチア探索することに。
しかもイヤミなほどよい天気!!暖かい。

まず近くのサンタ・マリア・グロリオーザ・フラーリ聖堂へ。
内部撮影不可で、なぜか外観も撮り忘れてるけど大きな聖堂。
ティツィアーノの大きな祭壇画「聖母被昇天」がある。
堂々としていてくっきり構図と色で画面を作っていてインパクトがある。赤いな。
そうかティツィアーノはイタリアの中でもヴェネツィア派か。
ちなみにヴェネチア派の絵画は基本的にボソボソした感じが
あまり好みでは無かったのだけど、
ドラクロワやプッサンの荒めの筆の置き方をみると
この辺りからの影響というのが大きかったのだと想像できる。

しかもティツィアーノはこの聖堂に眠っているらしい。

さらに歩く。ちょっと歩いてすでに驚き。
車の走ってない街ってこういうことだったんだ。
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車が走る時のしゅんしゅん風を切る音がなく静かだし、
あのスピードで動くものが街の中に無いので、
時間の流れの感じ方が違う。
小さい水路だらけで、どこ撮っても絵になる。
こんな街が存在しているんだなあ。
実は最初はプランにベネチアは入っていなかっ
たのだが
皆に「イタリア行くならベネチア行くべき!!」とゴリ押しされたので
旅直前にローマを一日削って無理矢理ベネチアプランを捩じ込んだのだった。
その甲斐あったな。

こりゃしかし迷路だな。僕は割と地理感覚は優れてる方だと自負してるが、
地図をみてもけっこう迷う。
地図無しでは現在地がさっぱりわからんくらいの入り組んだ街並で
迷いながら西エリアを南下。
う〜ん歩いてるだけで楽しいぞ。
こんな街でビエンナーレをやるわけだね。なんて贅沢なんだろう。

アカデミア美術館へ。
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ここにはダヴィンチの「ウィトゥルウィウス的人体図」ってあの有名な
人が手を拡げてるドローイングがあるのだけど、
ドローイングなのでたまにしか展示しないらしい。

期待して入ってみたけど、展示されてなかった…残念!
ヴェネツィア派祭りな展示、
ティントレットが異彩すぎてちょっと興味湧く。

あと、ジョルジョーネの「嵐」があった。
予想以上に小さい絵画。一見なんてことない風景画なんだけど
意味深な人や背景と主題を散らしたような構成が不思議な絵だ。

ところでイタリアに来てからあの美術館無料カードが全く使えなくて
入場料が厳しいんすけど、このアカデミア美術館だけは使えた。

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運河の対岸に渡り、パラッツォ・グラッシへ。
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しかし、今は展示をやっておらず閉まってた。調査不足!!
諦めて南下。

グッゲンハイムコレクションへ。
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最強にゴージャスな別荘感。ハイカルチャー過ぎて挫けそう…笑
とか思ってたら中庭にはペギーさんのお墓まで。晩年の家がここだったのか。
とてもシンプルなその墓の横にオノヨーコのfor Peggyな短冊の作品があったりして、
いやあなんというか、ハイな世界だけど美術愛に満ちている空間だなあと思った。
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これポロックの部屋。この縦長の作品なんかみてると
ピカソとマティスを自作の中に取り込んで絵画空間を生み出そうとしてることが
よくわかる。
奥の小さな企画室ではイタリアの現代絵画展やってて結構おもしろい。

さらにちょい南下。
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するとプンタ・デラ・ドガーナがある。
ここ、ここ、ビエンナーレでもないのにヴェネチアに来たからには
ここが見たかったのだ。

フランソワ・ピノーの財団の美術館で、安藤忠雄が改築したところ。
撮影禁止だがさすがに超有名作家だらけ。
ロニ・ホーンの透明なオブジェや、カテランの馬、
キーンホルツの部屋インスタレーションなどが大きな展示室に並ぶ。
何と言っても晩年ポルケの黒い連作がクソ良かった。
これたぶん数年前のビエンナーレ出品作だよなあ。
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海がグリーンでキレイすぎる…!

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屋外のチャールズ・レイのこれで締め。カエルはなんの象徴なんだろ。



昼過ぎまで満喫しヴェネチア前半戦終了。
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途中、病人に頼まれていたバナナをこの果物屋で買って
一度宿に戻る。
僕も今日の飯はバナナとみかんでいいや。バナナは安くて腹持ちも良いのでいいな!
貧乏旅行で食に困ったらバナナが良い。ヨーロッパ果物が安いからな。

宿で病人にバナナを与える。
相変わらずグロッキーで、少しの散歩もできないようだ。
こりゃもうヴェネチア観光は無理だな。

バナナを食べている間、いかにヴェネチアの風景が素晴らしいかを伝えて嫌がらせをする。
今度は駅前からヴァポレットに乗って水路を行く。
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右の平たい建物が駅です。
名物ゴンドラは高価すぎて乗れるわけないが、
ヴァポレットはバスや地下鉄感覚で運河を進んでいくのでこれでも十分。
つっても一回700円くらいでこれもけっこう高いんだけど…。 
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乗る。
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迷路を徒歩で行くのとはまた別感覚の風景、おい楽しすぎるだろ。

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さっきのグッゲンハイムを運河側から望む。

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プンタデラドガーナ付近も。

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40分くらいかけて、サン・マルコ広場へ。大きなブランド看板、違和感ない?

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おおおおお、この光景!カナレットの絵画で何度も見たことあるが、あのまんま!
あの光景の中に、ブランドショップや変な土産屋が入っとる!!

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 サン・マルコ寺院の豪華モザイクを見る。

隣のドゥカーレ宮にはティントレットの超巨大な油彩などがあるようで
入ろうか迷ったけど、だいぶ入場料貧乏になってきてるし
すでに今日の鑑賞キャパに限界が近づいて来ているため今回は断念。

きっとヴェネチアはビエンナーレもあるし
いつかまた来る事になるから大丈夫だろう。 

観光客だらけの広場周辺から少し裏道に入ったところに、
静かな広場とサン・ザッカリア教会がある。 
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壁にびっしり絵画があるここの目玉作品は、
ベルリーニの「玉座の聖母と聖人たち」。
上品オーラのでてる美しい絵だった。

ここからまた徒歩でホステルまで戻る。
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細い道のノリのまま観光客が溜まる買い物通り。
カンペール、日本の半額くらいで売ってるぜ…

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主要ルートを離れると、
観光客の全然いない、市民の憩いの場らしい広場があったり。
この街に住んでるってどんな感じなんだろうか。

さて薬屋さんを発見し、
身振り手振りをフル活用して風邪薬を買って帰る。
さすがに英語が少ししか通じない上、
症状の説明とか、何錠飲むとか質問しなきゃならんので焦った。

宿に戻って薬を開けてみると、
メントスくらい恐ろしくデカい錠剤が入っていた笑
このくらいのじゃなきゃ、体のデカいヨーロッパ人仕様の風邪は退治できないのか?

巨大錠剤2つぶ、苦しみながら飲む病人を哀れみながら、これも旅の思い出と写真に収める。
ホントは今日のうちにミラノに移動する予定だったが、
Y子の調子が戻らんのでこの宿にもう一泊して明日の朝一でミラノへ向かう。
宿のおっさんめちゃやさしくていいわ〜。 

2日目。まずは再びカルミネ聖堂の中にあるブランカッチ礼拝堂へ。
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初期ルネサンスを代表する壁画群で遠近法と人物描写のリアリズムで有名。
その後の多くの古典巨匠達がここを訪れたとのこと。
まだ未読の岡崎乾二郎さんの「ルネサンス 経験の条件」の予習もこめて鑑賞、
っつーかここを見てからじゃないと読めん!くらいの勢いで来た。
マザッチオの楽園追放などは部分にすぎなくて、
複数画家によって描かれた複数パネルの場面に別れた構成だった。

…が、やはり、微弱な知識では宗教画の場面がわからない。
構成だけみると、上下左右で似た様な配置取りのバリエーションを展開している。
う〜ん、これを一体岡崎さんはどうやって論じているのだろうか。
そっちの方が気になってくる。

モヤッとしたまま今度は東の方へ。
これはウフィツィの裏あたりから振り返ったヴェッキオ橋。
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 次はサンタ・クローチェ教会へ。
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壁の色使いがピンクと緑でかわいらしい。
改築中で足場が組まれた礼拝堂の横にジョットの壁画、
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かなり剥がれていたが、それも含めていい感じ…

とは言え、やはりさっきのブランカッチ礼拝堂と同じく、
良い悪いがよくわからない。
というのも当時の人類の描写力は、
ルネサンス最盛期からみるとずいぶん劣るし、
その時代のトレンドの差も今ほど極端ではないので、
どう特筆すべき存在なのか実感しづらいってのはある。

ジョットの描写だからっていうよりは
この教会の壁画の存在自体が凄いっていう感じ。
スケールに驚き、フレスコの淡い色調と
背景のブルー(もジョットに限らず)の美しさ、
今もなお描かれたものが残っている歴史的事実に感動してるだけかも。
描かれたモチーフへの理解も乏しい。
ん〜、悔しいななんか!!!

遠い文化の遠い時代の芸術作品にモヤモヤすると同時に
その時代背景を知って、当時どう受け止められたのかを理解したい
気持ちが沸々と湧いてくる。

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中庭はゆったりと。

そしてここにはマキャベリ、ミケランジェロ、ガリレオガリレイの墓があった。

これミケランジェロ…人様のお墓を撮るのもなんかアレですが…
やっぱ絵画と彫刻がセットでゴージャスになっとるのでつい。
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こっちガリレオ。
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かっけええ。この像を予備校の石膏像化してくれたら、
もっと描きたい意欲もあがってたことだろう。

次はサン・マルコ美術館へ。
撮影不可。
壁に描かれたフラ・アンジェリコの受胎告知を拝見。
すばらしい。
この辺までくると、素直に光との関係や描写の美しさに惚れ惚れする。

ズラリと並ぶ小さな各僧房ごとに、
主に十字架に架けられ血を流すキリストの絵が壁に描かれており、
ウォーホルかと突っ込みたくなるその連続出血に
さすがにううう…と精神的にヤられる。

もう何度も思っているが、
犠牲推しな感じ、血がピューっと、死人オラオラな
宗教画、こっちの文化圏に馴染んでいれば
違和感無く受け入れられるのだろうか。
ってことをY子にも聞いて見たら、
キリスト教の世界観はそれなりに知識として知ってるし
別に違和感ないそうだ。むしろ教会にいると不思議と落ち着くらしい。
そうなのね…オレは感動はするけど異文化すぎて落ち着かんなあ。
とは言え寺に行っても落ち着かんけどさ。フィットするのは神社くらいだな。

ここで連れのY子の様子がおかしくなる。
不自然なほどにダビデ像を見るのを拒否し
近くのカフェで待ってるという。

というわけで単独でアカデミア美術館でダビデ像を見る。
デカいデカいとは聞いていたが、マジでデカい笑
人の等身大を数倍超えた大きさなのに生きてる様なリアリズムが崇高っぷりを
倍増、その上高い台座に真上からの採光っていう見せ方さすが。
手前の掘りかけの人体像も、石の固まりから人が出て来てるようでおもしろかった。
撮影禁止。

その後、駅前のサンタ・マリア・ノヴェッラ教会を見る。
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ギルランダイオーの祭壇画。
さっきのブランカッチ壁画と比較してみると、
描写の臨場感はこちらのほうが後の時代だしリアリティもあるが、
ブランカッチの方が全体のバランス感に不思議さは確かに感じる。

ここでY子がもう限界宣言をしたので、
もう歩くのを止めて電車で早めにヴェネチアへ向かう事に。

どうもこれは風邪っぽい。前日のドゥーモ登りが効いたか。
まじかよ〜ヤバい。やっぱり詰め込み旅でムリさせすぎたかなあ。。。
まだ前半なのに、ここで足止めは仕方がないにしても、
風邪がうつって2人してダウンしたら予定がパアだ。
早く安静な状態にして寝せてなんとか治さなければ。

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移動。イタリアは山が多いので、この後はトンネルばかりだ。
着く頃には日も落ちたけど、海を渡ってヴェネチアに突入する感じはテンション上がる。
2時間弱でヴェネチアに到着。
駅から降りてすぐに船のザザアという音と運河が目に入って
自分はおお〜ってなってるが、Y子はもうほぼ死んでいて宗教画の中にでてきそうで不憫すぎる。

今度のホステルは駅から橋一個だけ渡ってわりとすぐのとってもマトモなところだった。
2人部屋を取ってもドミトリー料金とほとんど差がないので良かった。
病人を寝せて翌日の計画を練る。
まだベニスを300mくらいしか歩いてないが、すでに明らかに他の街と様子が違う。

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