やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

2013年11月

22日、展示オープニングセレモニーで
開会式&テープカットに参加。
相変わらず日本式フォーマルな場は苦手なので目が泳ぎながらだったが、
無事にオープン。お客さん沢山!
 
自分も完成した全体の展示をみるのは初めてだ。
札幌でも毎年芸術の森で札幌美術展というローカル企画を
やっているのでその印象と比較すると
同じ北海道でも趣が違う感じ。
チョイスされた7人の作家の作風ももちろんあるからだけれども
作品から感じられる独特の孤独感があるような気がする。

十勝に限って言えば、夏も冬も空気の攻撃力が強い。
これから冬になるが、札幌の雪によるキビシさと帯広の寒さによるキビシさは
キビシさの質が違う。 そういうことをぼんやり考えながら展示室をまわっていると
それぞれやってることは全然違ってもなんだかしっくりくる。 
特に最後の部屋の戸張さんの写真作品は、
風土的な力とデジタル写真の魅力がミックスされておりグッときた。

展示構成もまとまっており、ボリュームもちょうど良い。 
美術館の自主企画として久しぶりとの事。
これは地元の人にはぜひ見て欲しいです。
もちろん、遠いですが札幌方面の方にも。。。

図録も展覧会会期終盤に完成予定とのこと。
ミュージアムショップで絶賛予約中!!

夜は学芸員さんと作家さんで打ち上げ。
なんと待ち合わせを30分間違えて遅刻してしまった!
たまにやっちゃうけどよりによってこのタイミングにやるかオレ!
反省。。。

今回初対面の作家さんが多かったが皆さんきさくで盛り上がる。
鎌田さんの気迫と愛を十分に感じる熱い会だった。 


一夜明けて、 昼から鎌田さんの進行による自作のアーティストトーク。
今日もお客さん沢山!
しかもさすが地元なのでお客さんの中には、
両親に祖母達にいとこ、
自分も子供の頃からよく知っている両親の友達、
自分の友達、お世話になった中学高校時代の先生、
ハンブルグのみきこさん(偶然ながら同郷なのです)のお母様&祖母様まで! 
10年以上ぶりの方々も。これは恥かけねえわ。

今年は人前でトークを何発かやって少し慣れて来てるのと
自分のできたての作品があるので話したい事いっぱいあるし
ちょっと楽しみでもあった。

打ち合わせは敢えて無しで
鎌田さんの攻めに必死に回答。
できるだけシンプルにストレートに、
専門用語と抽象的な言い回しは使わないように質問に答えようと
意識したがどうだっただろうか。
絵を鑑賞する最初の入り口のポイントあたりを強調したつもり。。。

自分のやってることを口だけで説明するのは難しいけど
こんな立派な場で、しかも自分の作品の前で話したので
せめて親族への理解が深まってくれれば良いなあ。

トーク後、いろんな質問を受けたり
仕事で偶然横浜から帯広に着いて
この展示のポスターを見てわざわざ来てくれた方まで
いらっしゃって驚いた。

とにかく、良い形で展示が始まって良かった!!
こんな機会を頂けてありがたいです。


終わってそのまま札幌へ。
途中由仁町へ寄って大井敏恭さんの新しいスタジオ兼展示スペースを拝見。
めっちゃ理想的な制作環境だった。

さあ大きな仕事の片方が無事に終わったので
今月の残りはもう片方、デカい作品の仕上げ磨きと梱包だ。
 

搬入が終わって美術館オープニングまでのこの2日間はオフ。

ジンギスカン白樺や高橋まんじゅう屋などをうろつき、
おもいやりファームで唯一無二の牛乳を飲んだり、
出身高校へ行ってお世話になった先生に会ったり地元友達と飲んだり。 

六花亭で日が落ちてからの作品の見え方も確認。
Photo 2013-11-20 17 14 50


ところで浦幌町で、
とかちアーティストインレジデンスなるものが発足したらしいという
情報を聞いていたので 出向いてみる。
作品があるっていう場所はうらほろ留真温泉っていう山奥の温泉だった。
熊の看板もあるし、道路の果てだ。
小さな温泉の裏に、作りかけの作品が置いてあった。
Photo 2013-11-21 15 48 33

温泉周辺はケータイの電波もなく、
それ以上の活動は知れずに終わる。
(あとでweb調べてみたら士幌町でもやっていたみたい)
作家さんはドイツ人と聞いてちょっと会ってみたかったけど
諦めて温泉を楽しむことに集中する。

せっかくやってきたので、
ここの温泉名物の「鹿しゃぶしゃぶ」を
食べてみる。
2~3人前のたっぷりボリュームでまとめて、なんと2000円。 
鹿しゃぶ…うめえ。
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思いのほか臭みはなく、めちゃあっさりしているので
バクバク食べられる。
留真温泉まで来られた方はぜひご堪能あれ。

昨日は大事な後輩達の結婚式。良い式でした。
搬入直前の寝不足でナチュラルハイになっていた…

その後2次会をやむを得ず欠席してスタジオで深夜まで梱包作業。
昼と夜の落差が凄げえ…。 
今回から、作品の梱包を木の枠でがっつし保護する方式に
アップデートしたために、めっちゃ辛い。
辛いけど、これくらいやんないとやっぱ駄目だ。後々のためにも。

さて少し眠って朝から、
仕事でほぼ徹夜したYちゃんとフィットシャトルを道連れにして
梱包した小中型の作品を積み込んで、
朝から法定速度キープの高速で帯広へゴーゴー。札幌から3時間弱で到着する。
 
美術館の搬入は初。
今展の企画者である学芸員鎌田さんと、
学芸員石尾さんのサポートを頼りに、
そして専属のヤマトさんのスタッフ2人を付けてくれる。
こっ、これが美術館の搬入か。

あらかじめ送ってキープしてもらっていた大作2点含む全作品の
梱包を手分けしてサクサク解いて並べていく。
Photo 2013-11-18 13 35 50

配置は大まかに決めていたのでそれを元にスタッフさんに
作品を移動してもらうのだけど、
指示するボス的なVIP感覚に慣れずにキンチョー。
しかし常に配置による空間の変化を遠目で見れるので
すっごいありがたい。しかも早い。

結局少し元のイメージと変わり迷った部分もあったけど
学芸員さん達のアドバイスにも助けられる。
客観的視点とジャッジの早さにプロ魂を感じました。
無事しっくりくる配置決定。
Photo 2013-11-18 15 38 43

途中、すでに展示完了している隣の展示室の細木さんとご挨拶したり、
搬入中の他作家さん達の展示室にオジャマしたり、
展示が出来上がっていく様を体感するこのワクワク感。 


スタッフさん達は、超便利な三脚つきのタテヨコレーザー水平器を
駆使しながらサクサク作品を壁に取り付けていった。
技を学んでおこう…。
Photo 2013-11-18 15 56 11

この方達は聞けば、今シーズンだと札幌の近美のシャガール展とか
芸森のマインドフルネスの展示作業も担当したんだそうな。

取り付けが終わり、照明調整へ。
ライトの数も十分に用意していただけたので、
もっと明るくしてください要望を連発、
スタッフさんも「作品大丈夫?近美の展示なんかは光度制限のあったりだったけど、
現代のこういう作品は明るいのがいいねえ』っつってノッてくれた。
 
自作は光当てればそれだけ透明層の中に光も入って色がくっきりでるので
見え方がだいぶ変化するので、これだけ要望通り当てられるのはうれしい。
LEDに変えたばっかりだから省エネも大丈夫!とのこと。 

そんで立派なキャプションの位置決めもバッチリ、
ちょっぴり時間押しちゃたけど
この日のうちに展示完成!
チラッとだけメインの壁面を載せます。
Photo 2013-11-19 15 51 33

今展は各作家ひと部屋ずつ与えられている構成で、
自分の部屋が展示の最初に来るので、
180cm×180cmのこれら2つが最初にドーンと明るく目に入ってくるように
してみた。

ようやくビジョンが形になったこの瞬間。
感無量でございます。 

やっと肩の荷が1つ降りた…!

僕の出身地である帯広市で、
秋〜冬にかけて2つの展示があります。

まず1つ目。

道東アートファイル2013 in the LIGHT in the SHADOW
2013年11月22日(金)〜2014年2月2日(日)
9:30~17:00(入場は16:30迄)
月曜休館
観覧料 : 一般700円、高大生400円、小中生200円
北海道立帯広美術館

帯広市緑ヶ丘2番地 緑ヶ丘公園内

美術館のサイトに詳細あります。
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.jp/hk-obimu/index1.html

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道東にゆかりのある作家に焦点をあてた
帯広美術館の自主企画展。
公立美術館で展示するのはこれが初なので楽しみです。
新作の展示です。
11月23日13時からは僕のアーティストトークもありますので
よろしくおねがいします。



2つめ、こちらはすでに10月より開催中!

山本雄基 作品展
2013年10月13日(日)〜2014年1月25日(土)
11:00-18:00(L.O17:30)
六花亭西3条店2階喫茶室

帯広市西3条南1丁目1

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こちらは2008年からの旧作中心。
大きめサイズの作品が3点あり、白い喫茶空間にゆったり展示しています。
小さい新作も2点あり。

というわけで
偶然会期が重なって地元フィーバーな展開、
ぜひご高覧ください。

札幌からでも冬の帯広はちと遠いかもしれませんが、
よろしくおねがいします。 


今後も、
3月には東京でVOCA展とアートフェア東京、
4月は栃木の板室温泉大黒屋さんで2度目の個展と
展示の予定が続きます。詳細はまた後日。
関東圏の皆様もよろしくおねがいします。 

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