ずいぶん前に地元の伝説のラーメン屋のことを書いた。
この記事は6年経った今も定期的にアクセスがある。
http://yamamotograyzone.ldblog.jp/archives/51983583.html

あれ以来僕は寶來(宝来 ほうらい)ロスとなり、ラーメンというジャンル自体に対するある種の諦念すら感じていた。

ところがである。
お盆で帯広に帰省した先日、寶来の魅力を僕に教えてくれたM君から衝撃の情報が伝えられた。
寶来の味を再現した「衆來(しゅうらい)」というラーメン屋がつい最近オープンしたというのだ。
すでに食したM君が言うには再現率は88%とのこと。

本当なのか。こんな奇跡が起こるのだろうか。
いったい誰がどう情報を知り、M君まで届くに至ったのか。そして誰がどんな経緯でお店を始めたのか?
次々と浮かぶ疑問、しかし何よりも今すぐに自分でその味を確かめたい。

翌日さっそく家族を誘い、衆来へ向かった。
住所は西19条南5丁目、春駒通り沿いだ。
あの寶来とは似ても似つかない、シンプルな店内。
入口から臭い蒸気も出ていない。
メニューには、寶来では隠れメニューになっていた「シナチクラーメン」の表記が。
厨房に立っているのは若いお兄さんで、彼がラーメンを作っているようだ。
本当か?本当にここであの味をまた体感できるのか?注文待ちの時間もまだ信じられない。 

ついに目の前にシナチクラーメンが現れた。息を飲む。
見た目や臭いは確かに近く、期待に胸が躍る。
こんなに全集中力を注いでの食事の機会はなかなか無い。
寶来では定番だったホワイトペッパーをしっかりと振りかけて、実食!!!
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夢ではないのか。。。確かにこれは寶来の味だ。
謎の酸味と爽やかさ、そしてゴボッと口に入ってくる極太麺。
欲を言えばもう少し味を濃く、シナチクもより細かく裂いてくれれば文句無し。
それでもこれは唯一無二、あの寶来を継いだ味に違いなかった。美味しい。
母も妹も、もちろんM君も同じ感想だ。
しかしあまりの胸の高揚に、まだ状況を把握できていない。 
だってこんなに嬉しいことがあるかい。
美味しいだけではない。奇特な体験の記憶が鮮明に蘇るんだ。
 
母も早速友達の寶来ファンにLINEで伝えたところ、
その友達は情報だけで涙がでてきたそうだ笑

M君も感動しすぎて3日連続で食べていたようだ。少し濃いめと注文すると再現率はさらに上がるらしい。
僕も負けじと翌日、札幌に帰る前にまたどうしても食べたくて再訪し、濃い目注文で食べた。うーん、確かに昨日より近いぞ。
あとは時間が経って発酵成分が熟成したら完璧ではないか。静かな興奮が収まらない。
店内にいるお客さん達のオーラ、聞こえてくる会話の断片に寶来ファンとしての一体感が伝わってくる。

これは大変なことになるぞ。今おそらく帯広中、水面下でこの情報が広まっていることだろう。
なにせ寶来の閉店時には地元の地方紙かちまいで特集されたほどである。 

結局このお店が始まった経緯は謎のままだ。謎のままの方がいいのかもしれない。
ただこの味を再び帯広に復活させたいという願望が継続して存在したままで、
その願いを形にした衆来は、多くの人達を救済するに違いない。
僕もこれからは帰省の度に必ず通う事になるだろう。
大変な決断をされた若い店主さんを、全力で応援したい。 

(追記:2017年1月4日、再訪。新年開店と同時に入店、満席である。シナチクラーメンは表メニューとしては消えており、シナチクは細くなり、もう濃いめで頼まなくても良いように味がチューニングされていて完璧でした。)

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衆來
西19条南5丁目24-19
11:30-14:30
17:00-20:00
水曜、第2第4木曜定休(水曜祝日の場合は翌日)