やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

2018年04月

気に入ってるのに、いつまでたっても覚えられない特定の単語がある。
覚えられないので、使いたい時にでてこない。
いい加減困るのでここにメモしておく。

・「アウトロー」(思い出そうとすると、「アナーキー」になっちゃう) 
・「五丈原」(好きなラーメン屋の名前。) 

 共通のパターンがあるわけでもないのに、
どうしてもこの2つの単語だけ記憶に定着しないんだろう。謎だ。

僕はニワカではあるが、スピルバーグのファンで、任天堂のファンなのだ。
なので、先週4月20日金曜日って、レディプレイヤー1の公開初日かつ、ニンテンドーラボの発売日という、そんなこと滅多にねえよという、夢のような日だったのだ。

映画は前日すでに席予約済み、ラボはひと月前から予約済みで万全の準備しつつもまあ落ち着かない。
もちろん、事前にペンタゴンペーパーズも見たんだけど、あっ、これは大丈夫だと思った。メディアによる反権威態度の美しい姿、大衆への意識、社交と仕事の葛藤、女性の立ち位置、、今ドンピシャでこれを出してくるセンス。スピさんが同じ年に地味系と派手系の2本を公開する年は両方良いって決まってるんだ。もう確信をもって劇場へ向かうだけ。

‪そんなレディプレイヤー1、IMAX3Dで鑑賞。‬
‪主人公は劇中でいかに純正オタクか試され続け、敵側のオタクからも敬意を払われるという、オタク賛美の映画じゃないか。観客は観客でパロディオマージュをいくつ発見できるかのオタク度を試され続ける。‬

‪といっても僕はやはりオタク度も超ニワカなので、たぶん分かるのは1割くらいだけ。それでもゴールデンアイのオッドジョップのチョップ縛り話、宇宙戦争のトライポッドのセルフパロディ発見でもう満足っつーか、ああこんな僕にも、そこついてくれるんだ的な、祭りへの参加権利を与えてくれたような気持ちにさせてくる包容力だ。ガチ勢はどれだけアガるんだこれ。‬

‪『A.I』作ったんだからこれくらいやっても誰にも文句は言わせねえぜ!て思ってそうなキューブリックの素晴らしいオマージュを始め、超巨匠ならではのネタの実現スケールに、スピさん独特の映像リズム美節で全体が包まれて最高の熱量。シーンで語る、テンポや光の演出、カメラの動き方の独特さ、これがもうバッチリ決まってるじゃないですか。。。全編にわたってそれを満喫できれば、設定のユルさなんて気にならないどころか突っ込む喜びですわ。‬
‪70歳超えでこの無邪気さと、VR世界の描写センス(オアシス世界はもちろん、現実世界でのプレイヤーの描き方がスピさんらしくてよかった)。タンタンとBFGはこの作品のための助走に思えてきた笑‬
‪一方で悪い企業vs青年達、ボーイミーツガール、みたいな展開と、美味い飯が食えるのはリアルだけ、というフレーズ、げえ!と思わせるエグ味も減って、70代らしさも感じる。しかしそこに巧みにフィットさせてくる、ブリッジオブスパイ以降スピさんぞっこんのマークライランス演じる想像主ハリデーの存在よ。あの寂しさと嬉しさが同居した表情で、優しくボソボソ声全開のラストコメントが、スピさん本人だけでなくて、一瞬、故任天堂岩田社長にまで重なって見えて、思わず気が遠くなってしまった。泣いたら負けよ。‬

そうこの泣かせのシークエンス、
それまでの激しい展開から一転、静かでノスタルジーに溢れる茜色の光が奥に見える部屋を全面に押し出して、そこで重要人物たった2人だけにして、優しい言葉のやりとりが展開されるとか、これ、この最後に出してくる定番のスピさん節に多くの人が騙されれるんだ笑(というか、わかりやすいんだかわかりにくいんだかわからん、スピさん的な核心部分だと思う)。ここで音楽がジョン・ウィリアムズだったら負けてたかもですわ。
「あなたは誰?」という質問の抽象性よな。

‪カメラの大きな前後移動が多いし、VRゴーグルとのシンクロ感が心地よいので、3D鑑賞向きだけど、どのくらい違いがあるのか確かめるために、2Dでも見てみようと思う。‬

‪パンフは文字量が凄まじい。引用ネタのガチ説明が豊富にあるので、これは買って正解。‬

‪その後、興奮冷めやらぬままヨドバシカメラへ駆け込み、無事ニンテンドーラボ(バラエティキット)をゲット。VRの世界から、一気にダンボールを組み立て工作する現実感へ。この順序も正しかった。‬
‪玩具屋の一流プロダクトデザインセンスをこれでもかと見せつけられる。‬
‪出来上がりまでのプロセスが思いのほか複雑で、どのパーツになるのか意外に読めない。‬
‪大人でも作るのに時間がかかる、しかし子供でもちゃんと作れそうな、もの凄く丁寧な仕組みだ。‬
‪なぜ自分の作品の梱包はあんなに嫌いなのに、同じダンボール工作のこれは止められないのか。。。それはおそらく、いちばん作業ストレスがかかる接合要素に、糊もハサミもいらず、構造がガッチリな強度になるようにかなり気をつかわれているデザインなことと、折り目を折るめんど臭さが、説明書(すべて映像で見せてくれる)による飽きさせない言葉掛けと効果音の気持ち良さによって中和されてるからだと思った。これは1日ひとつずつじっくり作るのが良いな。しかし、なんて教育的なんだ。
ノッポさんの『できるかな』、学研の科学付録、小学館の雑誌のおまけ、、、あの喜びの感覚は今の仕事に繋がってるということを、どんどん思い起こされる。。。‬
‪工作が完成して思い出す、これコントローラを作ってたんだったって事。こっから、作ったコントローラにテクノロジーを加えて、ゲームをするんだった。テクノロジーの仕組みを理解しながらゲームプレイをするので、いつものゲームと面白さのツボが違うのだ。この、仕組みの構造を延長させていくと、レディプレイヤー1の世界に繋がると思うと、また熱くなる。‬

‪いま僕は、純粋に自分の状況からも年齢からも浮遊し、誰にも邪魔されずに、完全に遊びのユニバースに漂い、マジで幸せな瞬間を過ごしている、と思えた。‬

‪昨年のちょうど今頃も、同じく任天堂のゼルダ新作のシステム構造と世界の美しさに圧倒され、2日くらいショックで作品制作ができなくなった笑 ‬
‪まさか2年連続でそういう喜びを噛み締められるなんてねえ。‬
‪今年はもうここからまた、恐ろしい制作地獄が待っているので、癒しの前払いだと思うことにする。絵画だって絵画オタクが守るものですよねと、気を引き締めつつ!‬

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香港から帰ってきてからというもの、どうも気持ちが落ちつかない。
本当はすぐに制作を始めなければならないスケジュールで、
アトリエには来てみるものの、ソワソワと筆が続かないのだ。
あれやこれや本棚やネットから文章をつまみ食いしては、
当たり屋のように誰かを捕まえてベラベラ話すなど、
漠然と、思考とか美術とか表現(大した内容でもないのに)の話が止まらない。 
naebonoメンバーを捕まえて、文字対談してたら何万字とかになってしまったり、
友人画家宅に押しかけて近況を深夜2時まで聞いてもらったり。。。
ちょっと自分でも珍しいくらい、一人で押せ押せ気味である。 

3月までの制作が鬼ラッシュだったのち、
直後が東京やら香港やらのインプットラッシュで整理がついていないんだろう。
そろそろ周りの空気から迷惑感が表出されてきており、やばい。
仕方がないので、このブログに吐くしかないのかもしれん(笑) 

香港で開催されるArt Central Hong KongにAdmira Galleryから参加するために、初訪問!

いつもの旅行のノリでホステル予約のサイトを見ると、
香港は宿が高い中で、密集して安い宿が入ってる建物を発見、
評価も高いしここにしようと決めた。

着いたのが深夜2時くらい、その建物入り口にはちょっと怖そうな黒人複数、
いきなりハードルが高い。中に入ると一階が変な電気屋とかカレー屋ばっかり。
エレベータが多すぎてどこの宿なのか全然わからん。
配偶者は不安がってるし(夫婦旅行でもリスク高めの安宿を未だに強いるスタイルから脱せない)、
なかなか心折られる。なんなんだここは。
ビビりながら右往左往して、看板を丁寧にチェックしてようやく発見した上階の予約宿。

1階の様子と比べれば、穏やかで不安感のないホステルのカウンターで、
部屋もそれなりに綺麗、しかしめちゃくちゃ狭い!!
ベッドの真横がトイレ兼、洗面所兼、シャワールーム、、、
シャワーが、便器の真上にある。どう使っても便器がびしゃびしゃになる。
ネットで調べたらどうもこれが香港スタイルらしい。

このビル、バックパッカー界では有名な、
重慶大厦(チョンキンマンション) なる場所で、
一階はやはりインド人街と換金率の高い換金所が複数、
二階以降はホステル群、となっているらしい。
見たことないけど映画「恋する惑星」の舞台としても有名とか。
各エレベータはそれぞれブロックが違って、
ブロックが違うところ同士では行き来ができない構造になっているらしい。 
ハードルが高すぎる!! もっと調べておくべきだった。

今までの街とまただいぶ状況が異質だなあ。
一週間この宿でやってけるのか!? 

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