薄紫の絵を完成させるため、最後のヤスリをかけた後に玄関の外でニススプレーをかける。

小さい作品なので、外にひょいっと持っていき、水平に置いてシューっとガンガンスプレーをかける。
乾いてない表面をデリケートに気遣いニスが垂れないように水平を保ちながら部屋に運ぶ。

ツヤを帯びた表面の効果で、絵の透明感が増し、色の発色をぐんと良くして、一気にフレッシュな印象になる。半日乾燥させればツヤも安定し、やっと完成!!至福なひととき。

壁にかけてムフフ。

ムフ…
…横にはまだスプレー待ちのこないだの黄色い絵が。

小さい絵は外でシューできるからいいのだけど、中型以上になると、スプレーかけた後に水平を保ったまま玄関を通れないので同じ作業をアトリエ内でやらなければならない。

その場合、大量にシューするから臭いがすさまじく、ニス成分が家に充満して空間が白濁するのでしばらく家にいれなくなる。
窓を開けすぎると冬だと寒すぎて乾かないし、冬以外だとすぐに虫が入ってきて絵の表面にダイブしやがるのでウカツに換気もできん。

できるだけ生活部屋に影響がでないように、アトリエの出口はすべてゴミ袋を裂いて作った、ニス成分防止フィルターで覆う必要がある。それでも臭いはとても防ぎきれない。

さらにニス成分が床にそのまま堆積しちゃうと後でペッタペタになるので、アトリエに新聞紙を敷き詰めないとならぬ。

め、めんどくさー!!

そんなわけでなかなか黄色い絵にスプレーをかける覚悟が湧かない。こういう時、展覧会とかコンペの締め切りって背中を後押ししてくれるので有効なんだよな…。

ちなみに、やや昔はヤスリを2000番までかけて、研磨のみでツヤを出していた。
しかしアクリル絵具は質感の特徴として乾いても若干ペタつきが残るので、絵具むき出しだと保存がしにくい。それにホコリも付きやすいので半年くらいでツヤが半減する。

そういう理由でなんとか満足いく素材として見つかったのが絵画の仕上げ専用ニススプレー。ニスもペタつきが無いわけじゃないけど、それでも表面はずいぶん扱いやすくなるのだ。

にしてもねぇー、またも健康被害系…まあとにかく困ったヤツなのだ。