芸術の森工芸館で今日から葛西薫さんの展覧会、そして講演会。サントリーの烏龍茶CMなどで有名なデザイナーさん。多くの人がどこかで必ずこの方の作品をお目にかかっているはず。

実は数年前のレクチャーでもすっかり心奪われていたのだけど、

今回はお世話になっている平塚さんが企画で関わっており、講演会に誘って頂けたので参加することに。

展覧会は手描きの資料なんかがわんさか見る事ができた。でっかいドローイングも現物を展示していて、興奮!烏龍茶CMもまとめてみることができ、淀んだ心が洗濯されるような、なんとも心地よいフィクション。なんでこういう作品をうさんくさくならないように作る事ができるんだろう。
色の使い方もオシャレすぎる。図録がまた良いんだ。

講演会では、子供時代の体験が作品のアイデアに深く繋がっていることを自伝形式で語るという流れだった。

おもしろかったのは、話の中にでてきた美術の作家が、横尾忠則、森村泰昌、大竹伸朗だったこと。なんてこってりなメンツ!!葛西さんのイメージは、さわやかでオトナっぽくて、純粋でシンプルって感じなので、真逆だ。
それと、形についての話になると、静かな中に猛烈な熱気を感じた事。プロペラの形について語る葛西さんはすごかった。エアロシリーズは、無機質だけど内臓的な感じもあるとのこと。

そういう、さわやかでありつつもどこかグロテスクさや危うい感じを対比としてしっかり持っている絶妙なバランス感覚が魅力的だ。だから、出来る作品はうさんくさくないのかな。

そして講演会の最後に披露していただけた、ユナイテッドアローズのアニメが死ぬほどカッコ良かった!!もう一回みたい…商品化してほしい…

講演会後のパーティにも恐る恐る乱入。いつもの美術メンツがほとんどいないのでさびしい。こんだけメンツががらっと変わるのをみると、デザインとアートはくっきり境があるのか!?とうっすら思う。

一瞬葛西さん本人と話す機会があったので、サインをしっかりもらいつつ、挙げた作家のメンツがこってりしてて興味深いですと言ったら、「意外だった?僕もわからないけど、どろ臭いのが本当は好きなのかもしれないね。」とにこやかに語ってくれた。
それと大きなエアロシリーズは、ペンキで和紙に下塗りして、そこにドローイングで決めた線を特殊な機械に読み込んで吹き付けたとのこと。

展覧会情報↓
葛西薫1968
会期:2010年4月24日(土)〜6月6日(日)
時間:9:45〜17:00(入場無料/月曜休館)
会場:札幌芸術の森 工芸館1F展示ホール