絵画の場合2012最終章、会期無事に終了致しました。
年度末のお忙しい中、ご来場いただいた皆様ありがとうございました。


終了したということで、自作の展示風景と説明を。

今回は2点出品。
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いつもの丸を重ねる作品は、今までで最も厚塗りで高密度に。
約7mmの14層構造。
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曖昧さを肯定するところを起点に。
みえる丸とみえない丸を重層的に重ねて複雑な空間を作る。

丸に特別な意味は持たせない。鑑賞する人意味を委ねる投影できるように、
丸の存在設定自体が曖昧。

曖昧なものの中から見た人が何か特別な感情を揺るがすような、
忘れてる不思議な感覚を取り戻せるような、
そういう絵画空間を生み出したい。

また、絵画そのものが妙な存在感を放つようにしたい。
というのが今まで言ってきたこのシリーズの大まかな説明でしょうか。

今回のこの作品もやってることは変わらないけれど、過剰な密度にしたいなあ、と。
側面も分厚く透明層で包んだので、物質感の強調が出来たかなと思っています。
サイズが小さいので、より物質感を感じられるはず。
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もう1つの方は、今までで最もサイズの大きな作品。
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作品の中身よりも、とにかく自作の中で過去最高のサイズの絵画をこの展示で発表する、
というのが先にありました。
普段からライバル意識を持っている近い先輩後輩方とご一緒するので、
最低でもサイズくらいはトップを狙いたいという安直な動機ですが。

ところが我がアトリエの天井はすこぶる低く、六畳一間。これではF100号がキチキチなので、巨大なパネルを作るのは不可能。
そこから、分割パネルを組み合わせるアイデアをまず主軸に置くことに。
過去にいろんな巨匠が分割パネル作品を残しているので、パクリだと思われるのは必須でも、
漠然と自分のモノにできそうな予感。

実は3年くらいこっそり画面に直線を入れる実験をしていたのですがなかなかうまく行かず、
そのアイデアは保留のままでした。
例えば、この作品↓は約3年前に作った作品。前回の個展に出してたやつですが、
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これの初期段階↓は、
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こんな風に謎の対角線が入ってたのです。
全然うまく行かないので最終的にはまったく見えなくなってしまいましたが。


で、今回パネルを連結させる仕組みにすることで、
直線のアイデアがようやくうまく合致。

正方形のパネルに対角線を引く事で、四方のパネルにつながりを持たせられる。
プラス、さらに何らかの形で離れたパネルにも連携していくような構造を作りたかったのです。
出来た空間は、自分の意図を超えて、ある程度勝手に出来上がった連結空間のエネルギーみたいな力を孕むのではないかと。

それでエスキースを重ねて、実験段階な部分もありつつ、発表しても良いレベルまでは持っていけると思ったのでした。
組み替えできる可能性を孕んでいるというのもポイントで、
一枚絵として見せているけど、組み替えて展示すると違う空間を生み出せる。
ただ、適当に並べても良い空間にはならない。組み替え可能でも、可能性は有限というバランスがまたなんとなく良い。

今回の組み方は、いろんなサイズのひし形や長方形が見えたり見えなかったりと、
眺めてるうちに変な感覚に陥るような組み方にしたつもりです。

側面は綿布むき出し。絵具で覆うと隣同士がくっ付いてしまうので、
連携機能優先した結果の側面です。
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色彩は、いつもより抑えめ。
構想段階ではもっともっとグレーがメインで微妙に色調を帯びてる程度に留めてたのですが、
やってるうちにカラフルに寄ってしまった。
これはこれで一つの形だとは思っておりますが、グレーもやりたいな。

色面の主張がいつもより強いので、とても久しぶりに「塗り」のバリエーションを多彩にしてみました。
塗りムラ残し、重ね塗り、厚塗り薄塗り、透明不透明半透明の混在、全部の色面で塗りを微妙に変えてるので、
それぞれの色の揺らぎを持ってます。
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また、いつもの透明層テクを使ってるので、色面の位置が前後してます。もっと過剰にやりたかったけれど、
予算や時間の制約もあったので、今回はここが落としどころでした。

サイズが極端に大きいと、距離を置かないと全体像が見えないので、
全体を見れるくらい離れると、ディティール要素がある程度失われます。
そこのバランスが、なかなか難しい。
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扱える要素は丸の作品と直線の作品では変わってくるけれど、
絵画空間に込めている思いや、やりたいことはさほど変わらないです。
構造についての説明はこんなところですが、
で、結局なんなんだよと言われると、まだわからんのです。

あと、ポップの抜け殻みたいな抽象にしたいとはいつもうっすら思っています。

場合展全体についての感想や反省はまた別エントリで。