晴れていて気持ちがよいので、観光デーにしようと決めた。
まずは博物館の島へ。
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こういう風景こそ、ヨーロッパ来たぜ!!て感じしてきた。

旧ナショナルギャラリーAlte Nationalgalerieを見る。風格ある建物。
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あら、こちらにもリヒターのノボリが。
あの有名なoctober,18 1977のシリーズが全部まとめて展示されていた。
MOMAに所蔵されてる作品群。

このシリーズはとても良かった。
他の作品と手法などは変わらないのに、なぜか良い。
おそらく失敗できない大事な主題で、特別な緊張感で取り組んで、
実際成功したんだろう。そういう感じがした。
それに、選んだ画題がリヒターの絵画においてやりたいことと
うまく一致しているんだろう。

また表面の処理を撮る。キリが無いので少しだけ…
しかも死体とか暗い絵なのであんまりアップで見ると疲れます。
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チェーンで吊ってるのが勿体ないなあ…
しかしなんかこう画面から出てくる虚無感というか、独特の含みが
先日見た作品の多くよりも、漂ってるんだよな。
技法の処理も丁寧な気がする。

隣はフリードリヒの部屋。
さすが一部屋まるまま、特別扱いのようだ。
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細部。反射してうまく撮れていないけど、人の小ささ。

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フリードリヒ、描かれている大気からの質と地面からの質が特殊。
どの絵を見ても光の美しさの中にある畏怖の念みたいなのを描いている気がする。
なんとなく怖い。宗教的な崇高さがある。
意外に描写も荒いし、オーソドックスな風景画スタイルなのに不思議だな。


その他、近代ルームでは印象派やナビ派がチラホラ。
ボナールの大作やドニの小作などが良かった。
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ボナール。日本画っぽい。

とアップしてるのは有名どころだけど、
展示の大半は胸焼け系の古典絵画なのでした。


隣の建物Neues Museumにも入ってみると、エジプト博物館だった。
でかくてめちゃカッコイイ展示室に大量の展示物。
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すごかったけれど中が乾燥しすぎていて頭が痛くなる。
教科書などで見た事ある有名な王妃の胸像があったけど撮影不可だった。
広い部屋に一点のみ、上から光がさして展示演出が凝っていた。

さすがに周りの他の博物館は今日はスルー。
これは旧博物館、
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こちらはベルリン大聖堂、
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こんなのがまとまっているのが博物館島。世界遺産のようで、
いつも観光客がぶわーっといます。

次はブランデンブルグ門へ。
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ここも観光客と変なパフォーマーだらけ。
なぜここでダーズベイダーなのかはわからない。

通過してお隣の国会議事堂へ。でけえええ。
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満を持して入ろうとするも、
英語で「レジスターが必要だから準備してからまたきてね!」
と、おそらく言われた気がした。

レジスター?なんじゃそりゃ。
数年前は普通に入れたらしいけれど…警備強化されたわけか。
ちなみにここは過去にクリストが包んだ建物なのだった。
こんなにデカい建物だったとは…圧倒的だ。

国会議事堂に入れなくて心に穴が空いたので、
それを埋めるべく結局美術館に向かうことに。
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途中の、セラのパブリック彫刻だけれども。
落書きひでぇー。

そして古典絵画だらけの、
その名も絵画館Gemaldegalerieへ。

ずっと古典絵画を浴びたかったんだ!!
尿漏れしたらどうしようっ!!
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デューラーの細部。キますねえ〜

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ホルバインの細部はさらにヤバい。
左の容器の楕円がやや狂ってたり右下の机の柄のやや違和感が逆に嬉しくなるが、
それにしても狂気。

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クラナッハの変な絵。左上の岩の形が変だし、真ん中の、
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これらの描写がやや狂気じみている。

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ブリューゲル。絵の前に、それぞれの人物が何してるのか書いてあるパネルが。

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全体的におもしろいけれど
例えば右上のオッサンとか、その下の歩行タマゴがウケた。
ことわざみたいなことをを絵にしているようだ。


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レンブラント。クセあるなぁ。

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中央のこれもレンブラントらしい…ホント? だって青い空のイメージがないもんね。
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細部はこんな感じ。


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真ん中とその左はどちらもフェルメール。
とくに左側の有名な作品は本当に素晴らしい!
今まで何点かフェルメール見たし、打率が良い作家だけれど(作品少ないし)
これはその中でもかなり良い気がするなあ

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下部の繊細な暗い部分は反射してしまって撮れません。
しかしこのやわらかな光の捏造っぷり、
光の像を描く意識、
矩形にどうやって空間を収めるかのセンス、
結果持ち得る、時間とかぶっ飛ばす特異な絵画性。
これぞ魔法のような絵画だ。

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プッサンも何枚かあったけど、この作品の画面構築ごり押しっぷりにグッと来た。

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カラバッジョの天使の絵、の向こうにはベラスケス。この辺は壁がピンク。
古典絵画が並んでる美術館てだいたいどこも壁に色付いてますな。

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ベラスケス注視。
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この顔の描写、素晴らしい
髪とか襟のヒラヒラとかはササっと描いてる。

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顔のボカしに比べて装飾はエッジを効かせて描いている。


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ラファエロ。初めて実物みた!
とりわけ好きな画家ではないが、まずはラファエロを見れたこと自体に感動した。


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これはティツィアーノか。なんか妙なバランスだな。左上のパイプの違和感。

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顔の左側のカーテンの形も三角になってて不思議だし、
右下にはブサイクな犬がこっち見てくる笑 左上と右下に異質なモチーフを置いて、
対角線で画面を散らしているのか。

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ボッティチェリも初めて見た。横にあるのは謎の現代美術作品…

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これは、あの有名な絵の、ヴィーナスだけ描いたやつ。
こんなに精巧に単独で描いてるんだな。
さすがイラレのアイコンだっただけあって、コピペの素材のようだ。
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さらに時代を遡る。この辺も全部初見でエキサイトしてしまう。
ピエロデラフランチェスカの小作。
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妙にモダンに見える…陰影がないからかな。しかしよくこんな些細な絵が
今まで残されてきたもんだ。

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フィリッポリッピ。頭の形が凄いけれど、
描写の処理や色彩はすばらしい。


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これもフィリッポリッピだったかな…
この植物の描写とか。

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ジョット。ここまで遡れるとは感激。
手が小さいな。人類の絵画テクニックの当時の最先端を感じ、ジーンとくる。

そしてなぜか館内の中央に、
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ウォルターデマリアの作品がポツンと設置されていた。
知的シンボル?

…これで一部。もっと他にも有名な巨匠の作品もあったし、
それ以上に有名じゃない画家の作品がごっそり。
巨匠と、その周りを固める画家たちとの大きな差は一体なんなんだ。
巨匠の作品の中でもホントに名作は、遠くからでもこれはただごとじゃなさそうだ的な
オーラが漂っているんだ。

3時間くらいグルグル回ったけどさすがに体力の限界。
カメラを構えると集中力がやや下がるので、また改めて見に来たい。