※先に言っておくと、メインのアートバーゼルとバイエラー財団美術館内は撮影禁止だったので画像無しです。Art Basel43やFondation Bayelerでググったら雰囲気は伝わります。


さて、結局寝付けずに30分くらいしか睡眠をとらず朝の4時起き。
ボワーッとしながらシューネフェルト空港へ向かう。

お、アイウェイウェイの何かの広告がドーンと。
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ドキュメンタリー映画チラシか。美術映画の宣伝を堂々と。

空港のベンチで堂々と眠る人々。
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easy jetというヨーロッパではメジャーらしい格安航空を初使用。
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バスのように自由席。
安い時は国をまたいでも往復1万円以内とかで乗れるらしい。

少しは寝れるかと思いきや
バーゼル空港までたった1時間で着いてしまった。
興奮してるのかやはり寝付けず。
札幌-東京間とさほど変わらないのか。近いな…

朦朧としながら群衆に付いて行き、
見よう見まねでバスのチケットを購入、ひとまずバーゼル駅前まで辿り着く。
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あっ、駅の時計がスイス魂!!
なんか小さい街っぽいけどすでにリッチ感が漂う。
 
さてまずは一番早く朝9時開館のバイエラー財団美術館のジェフクーンズに行くことに
していたのだけど、駅から電車の乗り方が全くわからない…
そういえば下調べをほとんどしていないんだもの。
おまけに国が変わったからか、wifiの機械が使えなくなった。
情報検索もできない…。
30分程狼狽したのち、トラムで行きたいところは殆ど行けそうなムードを感じ取る。
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Art Baselのノボリもトラム乗り場にパタパタ羽ばたいてるから大丈夫だろう。
乗り場の路線図を写真に撮って、印刷してきたバーゼルの地図と見比べればいいんだ。

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おお〜ライン川!!ライン川を渡った!
しかし眠すぎて写真がいつにもまして微妙。

20分トラムに乗れば、バイエラー美術館前でトラムは止まった。よしよし。
いきなりケリーの彫刻の横に、デカいフラワー彫刻が!
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テンション上がるわー入館料はやや高かったけど!

しかしなんてリッチ臭のする美術館だ…
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裏には牛がのんびりしててのどかな光景も。

ジェフクーンズ。
掃除機の作品から始まり、陶器、木彫、ソフビの代表的な彫刻群、
ローゼンクイスト+フォトリアリズム風な巨大絵画群、
ツルピカのステンレス彫刻群まで。
こりゃあすげえや。

一度だけ森美術館で木彫をひとつ見た事あったけど、
一気に並んでるのを見るとキッチュすぎてエグいレベル。
でも、エグさが一周して謎のハイカルチャーオーラを纏ってるようにも見えてくる。
ブルジョワ観客とバカ顔したおもちゃモチーフのコントラストが際立ってて面白い。
美術「製品」な仕上がりは徹底されているなあ。木彫は微妙だけど。
バルーンの彫刻は想像通りものすごいギラギラしてて、
どこか変態イズムを感じ、圧倒的な存在感だった。

安っぽいオモチャや日用品が美術の展示に殿堂入りする皮肉は
わかりやすくデュシャンイズム、
加えて、巨大化、バルーン→ステンレスなどに見られる物質変換、
取り上げるモチーフのチョイス、
この辺の重要要素にとても性格の悪さを感じたのだった。

デミアンハースト、村上隆、と共に後期資本主義を象徴する3大巨匠って感じだが、
それぞれ立ち位置が違っておもろいな。
ジェフのこの感じ、思いのほか好きだ。
彼らのようなハデな作家はもう今後出てこないんだろうなあ。

意外に絵画が面白くて、(Jeff Koons Paintingでググってください)
完全に工房制作なんだけど、
イメージ作りはフォトショなんかで仕上げてるようだが、
とにかくモチーフのチョイスがバカっぽくて
ポップアートのそれとは全く違う。
一見しょうもない子供のダサい安っぽいおもちゃみたいなものを、
馬鹿でかく、そして絵として構成して、
細かく色面分割されててとてもキレイに平塗りしてるのな。
80年代ハイパーリアリズムとも似てるようで違う。

絵画まで「製品」感がプンプン漂ってるのがちょっと新鮮。
そしてこのカラッとしたポップカラーをなぜか油彩で描いてるっていう…。
こういう人達は、絵画って言う形式の利用の仕方が上手いなあ、と思う。
絵描きのアプローチではないが、絵画のことはとても詳しいというか。

そんなジェフ絵画を見ていると、見覚えのある日本人の方が…小山さん!
そりゃここはバーゼルだけれども、こんなところで出会うとは。
一瞬挨拶を交わしたあと、
美人スタッフさんとともに凄いスピードで鑑賞していた。

いやあジェフ恐るべし。
このドキュメントを合わせて見るとさらにグッと来る。
英語はまあ1割しかわからないが…それでもおもしろい。
こういうので、聞き取り練習。
音楽のチョイスも良いな。
http://www.youtube.com/watch?v=-otjIj2Ql3M


ジェフクーンズ以外にもコレクション常設があって、
並んでるすべての作品の質がめちゃ高い。
バイエラーさんは相当な目利きなのか。
モンドリアン、カンディンスキー、クレー、カルダー、
ピカソにモネにジャコメッティにロスコにニューマン…などなど。

Philippe Parrenoという映像作家の作品展もやってて、
それもおもしろかった。

2時間近く見てすでに眠さの限界、ソファーで30分気絶する。