オープンスタジオも終わり一段落。
かずえさんのNYのお友達の安部さんにもオープンスタジオを見ていただき、
聞けば、堂島ビエンナーレに出品していた安部典子さんだった! 
今年MOMAに作品が収蔵されたと聞き、
それは話を聞かなければといろいろ質問する。
非常に刺激的。
 

ドイツ視察でベルリン入りしているとのこと。
かずえさんとベルリンビエンナーレを見に行くって話を聞き、
そういえば僕も途中までしか見てなかったので、
得意の金魚のふんスピリッツで付いて行くことに。 

半分はちょっと前に見たので(5/295/8)、途中まで案内するも、
あれ、道を塞いでた壁の作品が無くなってる。
今日が最終日だからもう撤去されたのかな…?

壁は諦めて近いところから順番に回る。
英語が話せる2人が一緒なので、書いてあることとかがわかる。
なるほど…
敗戦後ポーランドから移動して来た人達が背負って来た家の荷物を
そのまま展示してたり、
アウシュビッツの土地からもってきた苗をお客さんに持って帰ってもらったり
(でもこれも最終日だったせいか、水不足で枯れたりしてたが…)、
パレスチナのパスポート用ハンコが押せたり、
キリスト像も完成してたり。 

聞けばなるほどと言った感じもするが、なにぶん要説明で
ビジュアル度外視なので、やっぱりどうも僕には響かない。

自分が見ていなかった残りの会場も、
最終日のせいか、撤去してるっぽい感じ…
IMG_1696
ベニヤ板に落書きみたいなのがブワッて描かれてるのをカットしてたが、
これは何だったんだろう。

うーむ、改めて全体見ても、
政治的でもモノとして美しいとか、
そういうアプローチの作品がもう少しあって欲しかったけれど、
もっと違う、大事な外側の部分があるのだろう。

僕は特に手を動かして造形っつーか
オーソドックスに絵画を作るヒトなので、
この、ほとんど「外側の部分」のみで構成されてる
作品を飲み込むのが結構タイヘンだ。
全然おもしろくないっ!って思うんだけど、
それはあくまで造形的視点で見た場合の話であるから、
美術そのものの見方の転換が必要か、必要なのか?
などと悩ましくなる。

それこそ、
こないだ見てきたバーゼルのモノで溢れているアートフェアや、
ジェフクーンズの徹底的製品作品などが片方にはあって、
その反対にこういう極端なオルタナティブなアプローチがあって、
美術って言う枠全体のバランスを取ってるかのような。
美術って流動的な性格あるしなあ、
美術という価値を固定しないための必然的アプローチみたいな…
って無理やり自分を納得させたいところだが、
そもそも政治的背景もよくわかっていない中で飲み込めるわけもなく。
能天気なヤツは少し勉強してこい!と門前払いされた気分。
日本ではこういうタイプの美術展はなかなか見られないだろう。

その後、安部さんのリクエストで、ハンブルガーバンホーフ美術館へ。
マトモに見ると3時間以上かかる巨大さだけど、
閉館1時間半前に着いちゃったので、駆け足で見る。

前回来たときは、途中でバテたり迷ったりして見落としてる展示が多かったけど、
駆け足ながら一通り見る事ができた。
やっぱりここの作品、全体通して相当クオリティ高い。
こういうのが見たいよな!
ボイスだらけゾーン、2階の黒板作品は初めて見たが
ビジュアルも、前述した外側の部分も、
うまく使うボイスはやっぱし特別な説得力ある。

1kmくらいある長ーい展示室でやってるアーティストが建築的アプローチをしている
企画展の一番奥、ヘトヘトになった所に現れるブルースナウマンの作品が
ここでもやっぱり良いんだよなあ。デカくて暗い通路が前後上下左右に交差して、
灯りが各通路に一個ずつ灯ってるというもの。
ベルリンビエンナーレ後に見たせいか、ますます良く見えた。 
それぞれの展示の会期も長いので、また来よう。

美術作家さんと展示をまわると、どういう目線で作品を見てるのかとかが
少しわかっておもしろい。