2日目。まずは再びカルミネ聖堂の中にあるブランカッチ礼拝堂へ。
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初期ルネサンスを代表する壁画群で遠近法と人物描写のリアリズムで有名。
その後の多くの古典巨匠達がここを訪れたとのこと。
まだ未読の岡崎乾二郎さんの「ルネサンス 経験の条件」の予習もこめて鑑賞、
っつーかここを見てからじゃないと読めん!くらいの勢いで来た。
マザッチオの楽園追放などは部分にすぎなくて、
複数画家によって描かれた複数パネルの場面に別れた構成だった。

…が、やはり、微弱な知識では宗教画の場面がわからない。
構成だけみると、上下左右で似た様な配置取りのバリエーションを展開している。
う〜ん、これを一体岡崎さんはどうやって論じているのだろうか。
そっちの方が気になってくる。

モヤッとしたまま今度は東の方へ。
これはウフィツィの裏あたりから振り返ったヴェッキオ橋。
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 次はサンタ・クローチェ教会へ。
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壁の色使いがピンクと緑でかわいらしい。
改築中で足場が組まれた礼拝堂の横にジョットの壁画、
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かなり剥がれていたが、それも含めていい感じ…

とは言え、やはりさっきのブランカッチ礼拝堂と同じく、
良い悪いがよくわからない。
というのも当時の人類の描写力は、
ルネサンス最盛期からみるとずいぶん劣るし、
その時代のトレンドの差も今ほど極端ではないので、
どう特筆すべき存在なのか実感しづらいってのはある。

ジョットの描写だからっていうよりは
この教会の壁画の存在自体が凄いっていう感じ。
スケールに驚き、フレスコの淡い色調と
背景のブルー(もジョットに限らず)の美しさ、
今もなお描かれたものが残っている歴史的事実に感動してるだけかも。
描かれたモチーフへの理解も乏しい。
ん〜、悔しいななんか!!!

遠い文化の遠い時代の芸術作品にモヤモヤすると同時に
その時代背景を知って、当時どう受け止められたのかを理解したい
気持ちが沸々と湧いてくる。

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中庭はゆったりと。

そしてここにはマキャベリ、ミケランジェロ、ガリレオガリレイの墓があった。

これミケランジェロ…人様のお墓を撮るのもなんかアレですが…
やっぱ絵画と彫刻がセットでゴージャスになっとるのでつい。
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こっちガリレオ。
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かっけええ。この像を予備校の石膏像化してくれたら、
もっと描きたい意欲もあがってたことだろう。

次はサン・マルコ美術館へ。
撮影不可。
壁に描かれたフラ・アンジェリコの受胎告知を拝見。
すばらしい。
この辺までくると、素直に光との関係や描写の美しさに惚れ惚れする。

ズラリと並ぶ小さな各僧房ごとに、
主に十字架に架けられ血を流すキリストの絵が壁に描かれており、
ウォーホルかと突っ込みたくなるその連続出血に
さすがにううう…と精神的にヤられる。

もう何度も思っているが、
犠牲推しな感じ、血がピューっと、死人オラオラな
宗教画、こっちの文化圏に馴染んでいれば
違和感無く受け入れられるのだろうか。
ってことをY子にも聞いて見たら、
キリスト教の世界観はそれなりに知識として知ってるし
別に違和感ないそうだ。むしろ教会にいると不思議と落ち着くらしい。
そうなのね…オレは感動はするけど異文化すぎて落ち着かんなあ。
とは言え寺に行っても落ち着くわけでもなく、
森の中の神社くらいで拝むくらいなら落ち着くけど、
御祓とか儀式度が強まるとそれはそれでフィットしないか。
いずれも、教会よりはなんだかんだ違和感はない。

ここで連れのY子の様子がおかしくなる。
不自然なほどにダビデ像を見るのを拒否し
近くのカフェで待ってるという。

というわけで単独でアカデミア美術館でダビデ像を見る。
デカいデカいとは聞いていたが、マジでデカい笑
人の等身大を数倍超えた大きさなのに生きてる様なリアリズムが崇高っぷりを
倍増、その上高い台座に真上からの採光っていう見せ方さすが。
手前の掘りかけの人体像も、石の固まりから人が出て来てるようでおもしろかった。
撮影禁止。

その後、駅前のサンタ・マリア・ノヴェッラ教会を見る。
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ギルランダイオーの祭壇画。
さっきのブランカッチ壁画と比較してみると、
描写の臨場感はこちらのほうが後の時代だしリアリティもあるが、
ブランカッチの方が全体のバランス感に不思議さは確かに感じる。

ここでY子がもう限界宣言をしたので、
もう歩くのを止めて電車で早めにヴェネチアへ向かう事に。

どうもこれは風邪っぽい。前日のドゥーモ登りが効いたか。
まじかよ〜ヤバい。やっぱり詰め込み旅でムリさせすぎたかなあ。。。
まだ前半なのに、ここで足止めは仕方がないにしても、
風邪がうつって2人してダウンしたら予定がパアだ。
早く安静な状態にして寝せてなんとか治さなければ。

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移動。イタリアは山が多いので、この後はトンネルばかりだ。
着く頃には日も落ちたけど、海を渡ってヴェネチアに突入する感じはテンション上がる。
2時間弱でヴェネチアに到着。
駅から降りてすぐに船のザザアという音と運河が目に入って
自分はおお〜ってなってるが、Y子はもうほぼ死んでいて宗教画の中にでてきそうで不憫すぎる。

今度のホステルは駅から橋一個だけ渡ってわりとすぐのとってもマトモなところだった。
2人部屋を取ってもドミトリー料金とほとんど差がないので良かった。
病人を寝せて翌日の計画を練る。
まだベニスを300mくらいしか歩いてないが、すでに明らかに他の街と様子が違う。