一晩寝ても、Y子は回復しなかった。まったく歩けないと言う。
この日のみのヴェネチア視察なので、なんともかわいそう。
仕方がないのでY子は寝たまま、自分だけでヴェネチア探索することに。
しかもイヤミなほどよい天気!!暖かい。
まず近くのサンタ・マリア・グロリオーザ・フラーリ聖堂へ。
内部撮影不可で、なぜか外観も撮り忘れてるけど大きな聖堂。
ティツィアーノの大きな祭壇画「聖母被昇天」がある。
堂々としていてくっきり構図と色で画面を作っていてインパクトがある。赤いな。
そうかティツィアーノはイタリアの中でもヴェネツィア派か。
ちなみにヴェネチア派の絵画は基本的にボソボソした感じが
あまり好みでは無かったのだけど、
ドラクロワやプッサンの荒めの筆の置き方をみると
この辺りからの影響というのが大きかったのだと想像できる。
しかもティツィアーノはこの聖堂に眠っているらしい。
さらに歩く。ちょっと歩いてすでに驚き。
車の走ってない街ってこういうことだったんだ。
車が走る時のしゅんしゅん風を切る音がなく静かだし、
あのスピードで動くものが街の中に無いので、
時間の流れの感じ方が違う。
小さい水路だらけで、どこ撮っても絵になる。
こんな街が存在しているんだなあ。
実は最初はプランにベネチアは入っていなかっ
たのだが
皆に「イタリア行くならベネチア行くべき!!」とゴリ押しされたので
旅直前にローマを一日削って無理矢理ベネチアプランを捩じ込んだのだった。
その甲斐あったな。
こりゃしかし迷路だな。僕は割と地理感覚は優れてる方だと自負してるが、
地図をみてもけっこう迷う。
地図無しでは現在地がさっぱりわからんくらいの入り組んだ街並で
迷いながら西エリアを南下。
う〜ん歩いてるだけで楽しいぞ。
こんな街でビエンナーレをやるわけだね。なんて贅沢なんだろう。
アカデミア美術館へ。
ここにはダヴィンチの「ウィトゥルウィウス的人体図」ってあの有名な
人が手を拡げてるドローイングがあるのだけど、
ドローイングなのでたまにしか展示しないらしい。
期待して入ってみたけど、展示されてなかった…残念!
ヴェネツィア派祭りな展示、
ティントレットが異彩すぎてちょっと興味湧く。
あと、ジョルジョーネの「嵐」があった。
予想以上に小さい絵画。一見なんてことない風景画なんだけど
意味深な人や背景と主題を散らしたような構成が不思議な絵だ。
ところでイタリアに来てからあの美術館無料カードが全く使えなくて
入場料が厳しいんすけど、このアカデミア美術館だけは使えた。
運河の対岸に渡り、パラッツォ・グラッシへ。
しかし、今は展示をやっておらず閉まってた。調査不足!!
諦めて南下。
グッゲンハイムコレクションへ。
最強にゴージャスな別荘感。ハイカルチャー過ぎて挫けそう…笑
とか思ってたら中庭にはペギーさんのお墓まで。晩年の家がここだったのか。
とてもシンプルなその墓の横にオノヨーコのfor Peggyな短冊の作品があったりして、
いやあなんというか、ハイな世界だけど美術愛に満ちている空間だなあと思った。
これポロックの部屋。この縦長の作品なんかみてると
ピカソとマティスを自作の中に取り込んで絵画空間を生み出そうとしてることが
よくわかる。
奥の小さな企画室ではイタリアの現代絵画展やってて結構おもしろい。
さらにちょい南下。
するとプンタ・デラ・ドガーナがある。
ここ、ここ、ビエンナーレでもないのにヴェネチアに来たからには
ここが見たかったのだ。
フランソワ・ピノーの財団の美術館で、安藤忠雄が改築したところ。
撮影禁止だがさすがに超有名作家だらけ。
ロニ・ホーンの透明なオブジェや、カテランの馬、
キーンホルツの部屋インスタレーションなどが大きな展示室に並ぶ。
何と言っても晩年ポルケの黒い連作がクソ良かった。
これたぶん数年前のビエンナーレ出品作だよなあ。
海がグリーンでキレイすぎる…!
屋外のチャールズ・レイのこれで締め。カエルはなんの象徴なんだろ。
昼過ぎまで満喫しヴェネチア前半戦終了。
途中、病人に頼まれていたバナナをこの果物屋で買って一度宿に戻る。
僕も今日の飯はバナナとみかんでいいや。バナナは安くて腹持ちも良いのでいいな!
貧乏旅行で食に困ったらバナナが良い。ヨーロッパ果物が安いからな。
宿で病人にバナナを与える。
相変わらずグロッキーで、少しの散歩もできないようだ。
こりゃもうヴェネチア観光は無理だな。
バナナを食べている間、いかにヴェネチアの風景が素晴らしいかを伝えて嫌がらせをする。
今度は駅前からヴァポレットに乗って水路を行く。
右の平たい建物が駅です。
名物ゴンドラは高価すぎて乗れるわけないが、
ヴァポレットはバスや地下鉄感覚で運河を進んでいくのでこれでも十分。
つっても一回700円くらいでこれもけっこう高いんだけど…。
乗る。
迷路を徒歩で行くのとはまた別感覚の風景、おい楽しすぎるだろ。
さっきのグッゲンハイムを運河側から望む。
プンタデラドガーナ付近も。
40分くらいかけて、サン・マルコ広場へ。大きなブランド看板、違和感ない?
おおおおお、この光景!カナレットの絵画で何度も見たことあるが、あのまんま!
あの光景の中に、ブランドショップや変な土産屋が入っとる!!
サン・マルコ寺院の豪華モザイクを見る。
隣のドゥカーレ宮にはティントレットの超巨大な油彩などがあるようで
入ろうか迷ったけど、だいぶ入場料貧乏になってきてるし
すでに今日の鑑賞キャパに限界が近づいて来ているため今回は断念。
きっとヴェネチアはビエンナーレもあるし
いつかまた来る事になるから大丈夫だろう。
観光客だらけの広場周辺から少し裏道に入ったところに、
静かな広場とサン・ザッカリア教会がある。
壁にびっしり絵画があるここの目玉作品は、
ベルリーニの「玉座の聖母と聖人たち」。
上品オーラのでてる美しい絵だった。
ここからまた徒歩でホステルまで戻る。
細い道のノリのまま観光客が溜まる買い物通り。
カンペール、日本の半額くらいで売ってるぜ…
主要ルートを離れると、
観光客の全然いない、市民の憩いの場らしい広場があったり。
この街に住んでるってどんな感じなんだろうか。
さて薬屋さんを発見し、
身振り手振りをフル活用して風邪薬を買って帰る。
さすがに英語が少ししか通じない上、
症状の説明とか、何錠飲むとか質問しなきゃならんので焦った。
宿に戻って薬を開けてみると、
メントスくらい恐ろしくデカい錠剤が入っていた笑
このくらいのじゃなきゃ、体のデカいヨーロッパ人仕様の風邪は退治できないのか?
巨大錠剤2つぶ、苦しみながら飲む病人を哀れみながら、これも旅の思い出と写真に収める。
ホントは今日のうちにミラノに移動する予定だったが、
Y子の調子が戻らんのでこの宿にもう一泊して明日の朝一でミラノへ向かう。
宿のおっさんめちゃやさしくていいわ〜。
この日のみのヴェネチア視察なので、なんともかわいそう。
仕方がないのでY子は寝たまま、自分だけでヴェネチア探索することに。
しかもイヤミなほどよい天気!!暖かい。
まず近くのサンタ・マリア・グロリオーザ・フラーリ聖堂へ。
内部撮影不可で、なぜか外観も撮り忘れてるけど大きな聖堂。
ティツィアーノの大きな祭壇画「聖母被昇天」がある。
堂々としていてくっきり構図と色で画面を作っていてインパクトがある。赤いな。
そうかティツィアーノはイタリアの中でもヴェネツィア派か。
ちなみにヴェネチア派の絵画は基本的にボソボソした感じが
あまり好みでは無かったのだけど、
ドラクロワやプッサンの荒めの筆の置き方をみると
この辺りからの影響というのが大きかったのだと想像できる。
しかもティツィアーノはこの聖堂に眠っているらしい。
さらに歩く。ちょっと歩いてすでに驚き。
車の走ってない街ってこういうことだったんだ。
車が走る時のしゅんしゅん風を切る音がなく静かだし、
あのスピードで動くものが街の中に無いので、
時間の流れの感じ方が違う。
小さい水路だらけで、どこ撮っても絵になる。
こんな街が存在しているんだなあ。
実は最初はプランにベネチアは入っていなかっ
たのだが
皆に「イタリア行くならベネチア行くべき!!」とゴリ押しされたので
旅直前にローマを一日削って無理矢理ベネチアプランを捩じ込んだのだった。
その甲斐あったな。
こりゃしかし迷路だな。僕は割と地理感覚は優れてる方だと自負してるが、
地図をみてもけっこう迷う。
地図無しでは現在地がさっぱりわからんくらいの入り組んだ街並で
迷いながら西エリアを南下。
う〜ん歩いてるだけで楽しいぞ。
こんな街でビエンナーレをやるわけだね。なんて贅沢なんだろう。
アカデミア美術館へ。
ここにはダヴィンチの「ウィトゥルウィウス的人体図」ってあの有名な
人が手を拡げてるドローイングがあるのだけど、
ドローイングなのでたまにしか展示しないらしい。
期待して入ってみたけど、展示されてなかった…残念!
ヴェネツィア派祭りな展示、
ティントレットが異彩すぎてちょっと興味湧く。
あと、ジョルジョーネの「嵐」があった。
予想以上に小さい絵画。一見なんてことない風景画なんだけど
意味深な人や背景と主題を散らしたような構成が不思議な絵だ。
ところでイタリアに来てからあの美術館無料カードが全く使えなくて
入場料が厳しいんすけど、このアカデミア美術館だけは使えた。
運河の対岸に渡り、パラッツォ・グラッシへ。
しかし、今は展示をやっておらず閉まってた。調査不足!!
諦めて南下。
グッゲンハイムコレクションへ。
最強にゴージャスな別荘感。ハイカルチャー過ぎて挫けそう…笑
とか思ってたら中庭にはペギーさんのお墓まで。晩年の家がここだったのか。
とてもシンプルなその墓の横にオノヨーコのfor Peggyな短冊の作品があったりして、
いやあなんというか、ハイな世界だけど美術愛に満ちている空間だなあと思った。
これポロックの部屋。この縦長の作品なんかみてると
ピカソとマティスを自作の中に取り込んで絵画空間を生み出そうとしてることが
よくわかる。
奥の小さな企画室ではイタリアの現代絵画展やってて結構おもしろい。
さらにちょい南下。
するとプンタ・デラ・ドガーナがある。
ここ、ここ、ビエンナーレでもないのにヴェネチアに来たからには
ここが見たかったのだ。
フランソワ・ピノーの財団の美術館で、安藤忠雄が改築したところ。
撮影禁止だがさすがに超有名作家だらけ。
ロニ・ホーンの透明なオブジェや、カテランの馬、
キーンホルツの部屋インスタレーションなどが大きな展示室に並ぶ。
何と言っても晩年ポルケの黒い連作がクソ良かった。
これたぶん数年前のビエンナーレ出品作だよなあ。
海がグリーンでキレイすぎる…!
屋外のチャールズ・レイのこれで締め。カエルはなんの象徴なんだろ。
昼過ぎまで満喫しヴェネチア前半戦終了。
途中、病人に頼まれていたバナナをこの果物屋で買って一度宿に戻る。
僕も今日の飯はバナナとみかんでいいや。バナナは安くて腹持ちも良いのでいいな!
貧乏旅行で食に困ったらバナナが良い。ヨーロッパ果物が安いからな。
宿で病人にバナナを与える。
相変わらずグロッキーで、少しの散歩もできないようだ。
こりゃもうヴェネチア観光は無理だな。
バナナを食べている間、いかにヴェネチアの風景が素晴らしいかを伝えて嫌がらせをする。
今度は駅前からヴァポレットに乗って水路を行く。
右の平たい建物が駅です。
名物ゴンドラは高価すぎて乗れるわけないが、
ヴァポレットはバスや地下鉄感覚で運河を進んでいくのでこれでも十分。
つっても一回700円くらいでこれもけっこう高いんだけど…。
乗る。
迷路を徒歩で行くのとはまた別感覚の風景、おい楽しすぎるだろ。
さっきのグッゲンハイムを運河側から望む。
プンタデラドガーナ付近も。
40分くらいかけて、サン・マルコ広場へ。大きなブランド看板、違和感ない?
おおおおお、この光景!カナレットの絵画で何度も見たことあるが、あのまんま!
あの光景の中に、ブランドショップや変な土産屋が入っとる!!
サン・マルコ寺院の豪華モザイクを見る。
隣のドゥカーレ宮にはティントレットの超巨大な油彩などがあるようで
入ろうか迷ったけど、だいぶ入場料貧乏になってきてるし
すでに今日の鑑賞キャパに限界が近づいて来ているため今回は断念。
きっとヴェネチアはビエンナーレもあるし
いつかまた来る事になるから大丈夫だろう。
観光客だらけの広場周辺から少し裏道に入ったところに、
静かな広場とサン・ザッカリア教会がある。
壁にびっしり絵画があるここの目玉作品は、
ベルリーニの「玉座の聖母と聖人たち」。
上品オーラのでてる美しい絵だった。
ここからまた徒歩でホステルまで戻る。
細い道のノリのまま観光客が溜まる買い物通り。
カンペール、日本の半額くらいで売ってるぜ…
主要ルートを離れると、
観光客の全然いない、市民の憩いの場らしい広場があったり。
この街に住んでるってどんな感じなんだろうか。
さて薬屋さんを発見し、
身振り手振りをフル活用して風邪薬を買って帰る。
さすがに英語が少ししか通じない上、
症状の説明とか、何錠飲むとか質問しなきゃならんので焦った。
宿に戻って薬を開けてみると、
メントスくらい恐ろしくデカい錠剤が入っていた笑
このくらいのじゃなきゃ、体のデカいヨーロッパ人仕様の風邪は退治できないのか?
巨大錠剤2つぶ、苦しみながら飲む病人を哀れみながら、これも旅の思い出と写真に収める。
ホントは今日のうちにミラノに移動する予定だったが、
Y子の調子が戻らんのでこの宿にもう一泊して明日の朝一でミラノへ向かう。
宿のおっさんめちゃやさしくていいわ〜。
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