宿のすぐ隣にある現代美術館、ソフィア王妃芸術センターへ。
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ジャン・ヌーベルによって改装された建物はこれまた広くて立派。
どこの現代美術館も名のある超一流建築家が手がけてますね。

近代以降のスペイン芸術を軸に幅広いコレクション。
ひとクセっつーか3クセくらいある。
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基本的にヘビーなテーマの作品が多くて他の美術館より3割増しで疲れる。

スペイン美術、やたら暗くて重〜いわ!!パリの裸婦連打とはえらい違いだ…
スペインの歴史についても知らない事だらけなのだが、
このヘビーさはやっぱしフランコ独裁政権など社会背景からの反映なんだろうか。

まぎれて、このインスタレーション異彩放ってたな。良い。
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本物の鳥がぴーぴー鳴いてる笑
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Helio Oitucicaってブラジルの作家。もう故人なのか。

ここの目玉作品はピカソの「ゲルニカ」だ(撮影不可) 。
ゲルニカ前はやっぱり凄い人の量で、
めちゃデッカい画面を引いて見るのが困難だ。
基本細部を見て、人が減った隙を狙って好ポイントを確保。落ち着かん!

ピカソ作品も沢山見て来たが、ゲルニカは真面目直球だ。
そもそもこの巨大な画面をこんだけコントロールできてる所から
絵の上手さがダイレクトに滲み出てるし、
モチーフの一人一人がシンボル、記号、になってるあたりの
デザインセンスもあり、
悲劇的なテーマも本来のピカソの得意技だし、
破綻のない高度な負の歴史画だ。

「アヴィニョンの娘たち」のような何回見ても困惑するような謎は無いけれども、
ピカソの傑作には違いなかった。
 
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ちなみにこれ、戦後すぐくらいのピカソ作品。
まだ出てくるよ未知のピカソが。

戦後絵画らへんにはチラホラ抽象表現主義絵画も混じっており、
ロスコなんてヒドい扱いで映像作品の部屋と同じ部屋にコソッと展示。
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意外だったのが、スティルが何枚かあったこと。
アメリカ以外でスティルを見たのは初めてじゃないか。
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加えて良いマザウェルとか、謎に抽象表現主義の中でも渋いところを持ってる。
なんでだろう。当時アメリカとの良好関係があったのだろうか。

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ロペスの絵画、小さいのが数点。もっとドバッと見れるかと思いきや。
しかもあれあんま感動しない。
同じくロペスのこのリアリズム人物像の出来の良さにむしろ凄み。


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くっついてる図書館がカッコいい!!

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カフェもこんな感じ。
いや〜ここもずいぶん広くて、かなり時間かかってしまった。
結局他を見ずにタイムアップ…。

腹ごしらえに、これまたすぐ近くのケンタッキーに入った。
チキンを食べていたら、ホームレスのばあさんが
客席を回って物乞いしてきた。
うっ、Badなスメルが…しょ、食欲が減退する…
客は皆ガン無視を決めて、最後にゴミ箱あさりしていたら
警察に連行されていった。。。ハードだわ。

駅からバスで空港へ。
結局、駅もプラドもソフィアも宿のすぐ近くだったので、
マドリッドでは半径500m以内の移動しかしてないな。 
市街地や観光中心地はもう少し先のようだし、
どんな街かさっぱり実感が無い。

ベルリンまでは3時間のフライト、けっこう離れてるな。
到着したら、寒い!!!
寒いけれども、このさすがの安定感雰囲気。
一気に落ち着くぜ。おれはベルリンが好きだ。

ああ〜なんか…全然スペインを満喫した気がしない!!
半分は風邪のせいだ。
イタリアもまだまだ見たい場所がたくさん残ってるし。
北欧の都市なら割とサクッと見て回れるけれど
さすがに南ヨーロッパをこの日程で回るのは無理があったなあ。 

それでもごっそり傑作を見たんだから十分過ぎるけれど、
一気に詰め込み過ぎた。コンテンツ豊富すぎるわ。 
ちょっと咀嚼するのに時間が必要だ。
またじっくり来れたらいいなあ。
 
ちなみに、日本本土とヨーロッパのおおよその比較をすると
こんな感じだ。
日本&ヨーロッパ
緯度は日本はもっと南にあるのだが、
ドイツの北端に北海道の北端を合わせてみました。
マドリッドからベルリンは、だいたい、鹿児島から釧路くらい。
こういうスケールで文化圏を考えるのもおもしろい。

日本は狭い小さいと言うイメージがあるが、
こうやってみると国土自体は狭くないし、長い。 
ただ、山だらけだから住める場所は狭いのか。