まずは早速テートモダンへ向かう事に。
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ミレニアムブリッジ。ノーマンフォスター建築が目立つロンドン市内、
この橋はその中では地味だけど便利な位置だ。テートモダンが見えて来た。かっけえ。
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企画はリキテンスタインの回顧展(撮影不可)で、
ブラシストロークのシリーズから始まり、
おなじみの代表作→風景→巨匠オマージュ→鏡→
ヌード→初期筆跡抽象画→水墨画
という展示構成。 

リキさんの生真面目さが良く解る画家得な内容。
なんというか、巨匠の中でも優等生って感じ。

キャリア中期の一番有名な作風あたりから、
ドットと枠線をコミックや印刷の手法の絵画化しているのだが、
以降はその手法を自作のルールとして定着させつつ、
絵画史への展開や、
ブラシストローク、鏡など抽象的なモチーフへの展開、
後期は中国の水墨画への展開となっていく。

水墨画などまでいくと、もうドットは固有色の表現ではなくなり
霧の様な空気の層になり、
また例えば山と空の境界線も、線ではなくてドットの大きさの段差によって
表現されていて、マンガ期とはだいぶ離れたアプローチ。

手法を固定化させた上でのシリーズ展開なので
禁欲的な苦しさがたまに感じられる。
表現主義的なブラシストロークとの掛け合わせなど。

鏡の反射や、パーフェクト/インパーフェクトシリーズなどだと、
モチーフ自体がドットの抽象性と相性が良いのかしっくり来てるように見えた。
いや、その辺が単に自分の好みなのかも。


続いて常設、一部展示替え中で見れなかったが、
それがマティス&ライリーの部屋だったりして
ちょっとガックリくる。

テートモダンもMOMAやポンピドゥーとはちょっと違う構成をしていて、
ゆるやかに時系列を守りつつも、
いくつかのテーマ毎に部屋割して、
近代から現代の作品を並列させるやりかただった。


なので、近代以降の美術史をがっつり勉強するって感じよりは、
オレらの企画力、センスを通して見てくれ!って印象。
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こんな風にテーマ毎に説明のキャプションが。
確かにちょっとイレギュラーな組み合わせがあったりするのは良いけれど、
結局あまり気にしないで見ちゃうな。

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ヒルシュホルン、こーゆーの見るとベースはマトモな彫刻家なのかもって感じる。

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アルフレッド・ジャーの光る机がアップダウン。

ミニマル系彫刻がまとまってる部屋で。
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菅木志雄さんの石の作品が普通にドーンと展示されていて
おお!!となる。

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地味なアルバースもこうやって
ある程度のバリエーションで並べられると俄然良く見えたり。

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タービンホールは今は何も展示してなくてガラン。
これはこれでカッコ良い。
ここは建築がカッコ良すぎてズルいよね。
それとミュージアムショップが充実している。

なんだかんだ半日以上費やしてしまい、
残りの時間はまず、
ヘイワードギャラリーで光のインスタレーションを集めた企画展を見ようと思ったら予約制で断念、
近くのコートールド美術館へ。印象派祭りな美術館。

さすがにどこにでも大量にあって胸焼け気味の印象派、
これだけあると駄作と良作を見分けるには集中力が必要で、ついついサーっと見がち。だが、
マネの「フォリーベルジェール劇場のバー」がここにあった!
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後ろの鏡に写ってる角度が変なのでいろんな疑惑が画面内に沸き上がる。
それと柱の光が2つの白丸となって画面構成に
ぐっと違和感を与えていたり、なるほどねえ〜。

ぐったりして帰宅。
ロンドンのポンド硬貨が無駄に分厚くて重くてなんなんだ。
電車代高えし!1dayチケット800円くらいのを毎日買っちゃうのがベストかな。