上野で栄西と建仁寺展を見てから、
鈍行で那須塩原へ。3時間の電車の旅。

宗達の風神雷神図、初めて見た。ん〜カッコ良い。
海北友松たっぷり、長沢芦雪の線描のセンス、白隠エキセントリックを堪能し、
本館の常設も一回り。

しかし、前々から感じていた事だが
この日本美術に対する、びみょーな非・身近さよ。
自分の趣味嗜好もあるだろうが
何より北海道で生まれ育ったからだと思うんだけど。
有名な襖絵や壁画があるような寺院や寺は北海道に無い。
本格的に京都の寺院巡りをしたのは大学生になってからだ。

西洋美術、というか「油絵」の方がむしろ身近なものだ。
僕が生まれた家には、親が結婚祝いでもらったらしい変な風景画の油絵が
飾ってあったし、
母は典型的な印象派ファンおばさんで本物見た事ないけどモネモネ言ってたし。

中学高校時代は「上手い絵」に憧れ本物のように描ける油絵の方に憧れた。

なので、ヨーロッパの教会に宗教画を見に行くのと、
京都などの寺院に襖絵を見に行くのは、
気持ち的にどっちが身近なんだか困惑する。 

ところが本場欧米に行ったら行ったで、
圧倒的な西洋美術の歴史の重みを実体験として喰らうので
感覚的に身近に感じていた西洋美術もまた、
遠ざかるというか叶わねえやっていう場違い感を思った。

というわけで海外にでた多くの人が感じるように
帰国後は自分は何者か、日本とは北海道とは、
その中での立ち位置とは、なんて事をうんうん考え始めて今も考え続けてて
もうすぐ1年だなあ。 

…と、那須塩原到着からの板室へ。 

その1年のあいだに作ったほぼ全作品が一堂に集結した。
VOCA展の大作も、美術館にお願いして搬出直後にこっちに送ってもらって
大黒屋さんスタッフの皆さんの力を借りて、展示がまとまる。

う〜ん、この瞬間ようやく大きな一段落!!って感じの肩の荷の降り方。
しかも温泉付き!!この束の間の達成感を大事にしながら、
並んだ自作かと先述した1年の考えとを比べて
何が滲んできたかを改めて解析していこう。