抽象の力@豊田市美術館。
美術館コレクションによる企画展の枠を超えた、岡崎さんによる近代抽象の見直しとその実証となる内容。無料公開の論文での予習必須。

http://abstract-art-as-impact.org/

岡崎さんの講演。
MOMAのINVENTING ABSTRACTION(2013)にて作られた抽象歴史のサーベイを仮想敵にして近代抽象の起源をフレーベルに設定するということ、
恩寺考四郎、ヒルマクリント、ゾフィアルプ、さらに展示には含まれていないヤクインガルシア、ストゥシェミンスキ、コブロ、、、などを例に挙げながら、
モダニズムは周縁において発生、中心化に対する批判としての抽象ということ、
ここらへんが特に、日本ー札幌という周縁な地で抽象画を描く自身にとっては非常に勇気をいただける内容となっており、はるばる来た甲斐があった。

ちなみに僕は当時INVENTING ABSTRACTIONを現地で鑑賞しており、疑いもなくその面白さに感銘を受けていたのだが、、、
その西洋の大国中心の設定における取りこぼしを指摘し問い詰める岡崎さんの姿勢、知的な裏付けには、尊敬と嫉妬が入り混じる。すげーっす。

開場前から講堂前には行列ができ、一瞬で満席になってしまった。
話についていくだけでも大変な情報量の岡崎さんの抽象の講義にこれだけの人が集まるとは。
僕が抽象絵画に取り組み始めた15年くらい前は、抽象絵画の扱われ方って少なくとも体感的にはとても細々としたモンだったと思うんだが、今はちょっと違うんだなあ。
シュタイナーによるヒルマへの悪影響、およびヒルマからシュタイナーへの良影響という皮肉をスライドで指摘する場面などでは会場から笑いが起きていたりして、 リテラシー高め。

講演後のエントランスに愛知と金沢のペインターが集結しており、お互い作品は認知してても会うのは初めてみたいな方だらけで盛り上がる。
なるほど愛知はペインター王国だと誰かが言っていたのを実感する。
微力ながら身をもって、札幌ペインターの存在もアピールしてきた。

岡崎さんの打ち上げ参加が許されたため、
展示は、第一室の導入の構成が見事だったことや、終盤の中村彝やベーコンへの違和感をご本人に伝えて、裏話を色々聞くなど。

翌日はちょうど展示中だった今村文さんの作品を見にエビスアートラボへ。
植物紋様のような緻密で物質感のある蜜蝋絵画の他に、植物そのものの存在やイメージごと押し花にしたようなドローイング、どちらも素敵だ。ご本人とも久々にお話しできて、良かった

よし帰ろうと空港へ着けば、飛行機の整備問題で突然欠航が決まった。現場は混乱。
のろのろしてる間に翌日の振替便もすぐ満席になってしまった。

フェリーで超スローに帰るかと思ったが時間も合わず、結局苦肉の策でチケット払い戻ししてもらって深夜バスで東京に向かい、成田の便を予約し直して帰るという地獄の手段で(水曜どうでしょう的な)なんとか解決した。
普段は北海道からポンポン移動することには負担を感じないが今回はさすがに大変だった。便の少ないLCC利用者にとっては鬼門・セントレア!!

復路変更による損害額は思いの外わずかだったので、やけくそで最後にひつまぶしを食べてしまった。高いが旨い!!うなぎを絶滅させないように、数年は食べるのを控えよう。