8/30日から18日間、美術漬けの欧州旅行より帰国した。
K見夫妻の新婚旅行も兼ねてだったのだが旅行プランはほぼ僕が立ててしまったので、
どちらかといえば苦行に近い鑑賞ラッシュ。
3カ国8都市、20以上の美術館及び国際展を休みなしで。
2日目でもう一人の同行者S君の足にはマメができるわ、途中全員体調を崩すわ、まあいろいろあったが無事に帰ってこれたので良かった。
 

以下、3回に分けて鑑賞記

その1

パリ。5年ぶり2度目。
○街の中
5年のあいだにテロが何度も起きていたので、どのくらい変わったか気になるところだったが、さすがに観光客の多いところでは大きな銃を持った軍人さんが徘徊しており緊張感が違うわ。それ以外では、歩いている感じあまり変化はない。美術館の荷物チェックも思ったよりいつも通りだな。

○ポンピドゥー
前回展示されてなかったマチスの「コリウールのフランス窓」にようやくご対面できた。マチスの中でも最も抽象構造に寄って、かつ暗い作品。不在の黒。戦争への反応。マネとデュシャンのあいだ。う〜ん、感動して思わず記念写真を。
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企画展はホックニー。撮影禁止。
贅沢な回顧展。そのままの意味で絵が描ける画家の線や塗りを見ることは、極めて清々しい。
やってることは団体公募展の人物及び風景を描く作家に近くもあり(その世界最高レベル)、何を描くかにおける刺激はやや足りないものの、どう描くかの部分、つまりモチーフの扱い方や描写の技術があまりに理解の深い絵画表現なんだよなあ。その延長として近年のiPadペインティングのようにテクノロジーへの柔軟対応(爺様なのに!)には感心する。
80年代以降に現れるキュビズム的な作風は、彩度の高い色の当て方など参考になるが、やはり優等生的な空間構成で、近いセンスで言えばやはりホジキンの方が読めなさの魅力でいえば僕にとっては強いな。 
 

○ピカソ美術館
初来訪、素晴らしい。
いろんな時期の作品を満遍なく見れるので、ピカソの正しい楽しみ方(できる限りちがった、傑作から駄作まで幅広い表現をたくさんみる)をここ一館でもかなり実現できるのが良い。
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古さを感じないあまりに多用な表現、ポストモダン以降の具象系絵画はまずピカソに回帰共鳴してたのだな。
 

オルセー
5階の印象派名品ゾーン、ラインナップはマネの草上の昼食を初め確かに名品祭り、
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んー、これらを連続して見れるのはやっぱいい。
オルセーでマネを見る前に、フーコーの「マネの絵画」で予習するのオヌヌメ。

しかし、外光が直接作品にかかってていくら外光大好きな印象派とは言っても作品にまで浴びせなくても、、、それでいいのか!?
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それにしてもゴッホはいつも、頭でっかちになりがちな感性をガツンと殴ってくれるなあ。絵肌が直接涙腺にくる。
こういう作家は他にあまりいない。
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星月夜は初めて見たのは実は札幌のゴッホ展だった。今回で3回目、何度見ても感動する。
この絵肌の感じとブルーの色合いは写真じゃムリ。
ゴッホも僕らと同じ北斗七星を見ていた。
そしてゴッホを堪能しながら毎回思うことは、いつも一緒の部屋に置かれてしまうゴーギャンがいつまでも不憫であること。。。ゴーギャンも良いのだがゴッホの圧が強すぎる。

○ルーブル
前回見れなかったプッサンの『アルカディアの牧人たち』を見るのを楽しみにしてたのに、プッサン部屋と北方ルネサンス部屋が見事にクローズ。ありますよねえこういうことは。それでも他にも前回クローズで見れてなかったシャルダンのエイ、
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アングルの背中などは見れたから良しとする。アングルのフラットも240年経つとバリバリだ。
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5年ぶりのパリ在住みっちゃんに美味しいご飯連れてってもらいました。
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ナチュラルワイン、滅茶苦茶美味い!!
 

ドイツ前半

○ケルン
新幹線でドイツ入り。今回はユーレイルパス使って鉄道移動です。
パリからは要予約で新幹線料金が発生するので注意。ということを直前に知って焦ったが大丈夫だった。
ケルンに着いて早々、ハチに刺されてウィルコメン。

ギャラリストみきこさんの計らいで、
以前自作を購入してけれたビッグコレクターさんのビッグオフィスに一緒にご挨拶へ。
写真はここには載せられないが、
オフィス内が美術館みたいで、イミクネーベル、ベルナールフリーズ、デビッドリード、カタリーナグロッセなどなど驚きのラインナップ、、、しかもそれぞれクオリティ高いものがたくさん!?衝撃。1つ1つをコレクターご本人自ら丁寧に説明してくれる。凄いなあ。
僕の作品に目を留めてくれたきっかけは、今年3月アートマガジンに新人枠で掲載されていたのを見て、わざわざこれもご本人が自らの足でギャラリーに来てくれて3枚も買ってくれたのだった。自作は立派な保管庫で大事に取り扱われており、小作品の同じ棚にリヒターがあった笑。
彼自身のコレクションをまとめたカタログと、アーティストブックをお土産にもらった。
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これコレクションカタログより。写真奥にはMary Hailmannの作品も。。。
お土産返しは日本の達磨!うーん、ここにきて仕事しに来た感がグッとでた。帰国したらすぐにガンガン作品をつくろう。

コロンバとSankt Peter koln教会は休館で残念、ルートヴィヒではインストール中のガイトンを見ることができてラッキー。
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ここで作品張るのね。

ケルンでは、O先輩オススメの、前回食べ逃した人気ポメス屋さん念願のリベンジ達成!!
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夜は5年ぶりにデュッセルドルフ在住の荒川くんと会えた。最近やってるパフォーマンスの話や、前回から現在に至るまでの話。5年空くとお互いの状況の進み具合が目に見えるので面白い。

○デュッセルドルフ
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トマスサラセーノの巨大体験型の作品。
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最上階に張られた網を歩ける構造はアトラクション状態で、普通に怖い。下から見るとわからないが、登って歩いてみるとやはり造形的な美しさがあり、階層の重なり方がよく計算されている。しかしこれだけのインスタレーション、人が落ちないような安全面での構造計算の徹底と作品の完成度を擦り合わせていくことを想像するだけで気が遠くなる。
プラス、地下階の映像展が良かった。
ハズレのないケントリッジに、以前ロンドンでも見たことあるリチャードウォーカー。
k20は風邪でほぼダウン。

続く