やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

カテゴリ: 美術

昨年の9月にGALLERY門馬で行った個展をベースにしたカタログがついに完成!
ギャラリーで販売しておりますので、ぜひお問い合わせくださいませ。
http://www.g-monma.com

また3331アートフェア期間中は3331のショップでも取り扱っていただいております。
http://www.3331.jp

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

Yuki Yamamoto Paintings
¥1,000(税込)
発行: GALLERY門馬&ANNEX
助成: 公益財団法人 現代芸術振興財団
サイズ: A4
頁数: 40頁
表記: 日本語、英語
テキスト: 
降旗千賀子『目の中の至福ー豊潤な層と色の絵画』
伊藤隆介『山本雄基作品は絵画ではない?<二重のノスタルジー>』

11009882_860980953962404_1291504773404775244_n

11053364_860980957295737_6393850392306419863_n

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以下、長々と経緯を振り返り

去年の初夏くらいからぼちぼち動きだしていたカタログ計画。
個展の話が決まった直後に現代芸術振興財団さんの助成を頂く機会を得たので、
こりゃあカタログにして記録残したいです!とギャラリー門馬さんに打診、承諾を得る。
始めは展示中に発行するつもりで意気込んでいたのが、
けっきょく展示が終わってから発行に至るまで半年も経ってしまった。 
その分、内容はとても充実させることができた。
 

会期中に会場写真も含め作品全部プロの撮影をお願いした。
カメラマンの我妻くんは大学の後輩で、
先輩権威をここぞとばかりにふりかざし透明層の質感が出るまで何度も撮ってもらう。
もっと!もっとディープに!!と、撮影のうしろでウザい煽りを続けながら撮影は深夜まで続いた。
やっぱ、自分で撮るのとはワケが違います。

自分の言葉では取りこぼしているような客観的なテキストも絶対必要で、
あれやこれや計画してるうち、
• 北海道外の方に新しい視点で書いてもらう(道内に籠りがちな傾向対策も込めて)
• 昔からの作品展開を深く知っている方にも書いてもらう
という方向で固まり、当初1本の予定から2本に増えた。


道外の方、といっても自作をたくさん見ている方はほとんどいない。
どうしようか考えた結果、
昨年のアートフェア東京で作品を初めて見ていただき、
何か展示があったらお知らせくださいと名刺を渡してくれた目黒区美術館の降旗さんにお願いすることになった。ひとつのキッカケからの強引依頼、降旗さんもまさかの展開だったと思います。
実物をしっかり見なければ書けない、と超多忙な中わざわざ札幌まで作品を見にきていただいた。

もう一人は、前々からいつか自作について書いて欲しいなあとと考えていた伊藤先生だ。
個展のトーク相手にもなっていただいた上テキストまで依頼、
しかも映像作家の方に絵画論を書かせてしまうという展開、
さらに先生の怒濤の連続展示の時期と丸かぶりで申し訳ないと思いつつ…
元生徒というポジションの乱用である。
 

そうなると今度は英語の翻訳量も倍になっちゃって、
全ページのチェックも必要で超無茶な締め切り設定。
これをお願いできるのはアトリエご近所でS-AIRの匡子さんしかいないと泣きの依頼をし、
これまた超多忙ななか見事にクリアしていただいた。

デザイナーの中川君は高校大学の同期でもあるので気も遣わずに要望ガンガン出せて、
長い期間最後の最後まで粘って頂き、
文字校正も自分よりちゃんと見てくれちゃったりして助かる。
校正って永遠に終わんないんじゃないかってくらい、
まあ次から次へとミスが見つかるもんですね。 

ああ振り返ったら外道な依頼だらけ!
関わって頂いた皆様には多大なご迷惑をおかけしましたがひたすら感謝感謝であります。

いやあ、本作りおもしろいなあ。
編集の大変さを少し体感できた。
いや、編集といっても上記の皆さんにめちゃくちゃがんばってもらえたのであって
僕は真ん中でワーワーとバタバタしてただけな気もするが。。。
そんな外道依頼の結晶なので、ぜひみなさん手に取ってみてください。
予算もオーバーしてGALLERY門馬さんにもモチロンご迷惑おかけしてますので、
お気に入りいただけたらぜひご購入ください!!

今回で大まかな段取りは覚えたはずなので、
今後また時間をかけて2冊目、3冊目と、より濃いカタログを残していきたいっす。 

今年もよろしくお願いします。
2014年分の作品をウェブサイトにアップしました。
ぜひご覧下さい!
 http://www.geocities.jp/yamamotopaintings/ 


2014で起きたことをさらに膨らませるためのあれこれを考えつつ。
昨年11月個展の図録作り中、3月4月アートフェア、11月個展2発の予定で動いております。

写真 2015-01-22 18 56 36


 

いよいよ札幌国際芸術祭2014が明日から。

といっても実際アトリエに引きこもりすぎていて
一週間前までその実感がまったくなかったんだけど、
数日前にチカホを歩いたらデカい広告が並んでいたり、
インフォメーションセンターを作っていたり、
展示会場がそのままPRになっている。
おお始まるんだなという気持ちになって来た。

加えて、事前準備として近所の書店で平積みされてた
switch別冊札幌国際芸術祭公式ガイドブックを購入しといた。
これ出来が良い!インタビューやオススメスポットなど読み物として普通に面白いし、
デザイナーの長嶋さんのカッコ良さが雑誌のフォーマットに凄くフィットしている感じがした。 
読んでるうちになんだか妙にワクワクしてくるので、興味ある人はマストバイでしょう。 

連携事業の、Actinium〜核を巡る文化〜展の会場設営のお手伝いをしたり、
一瞬だけ本展会場の赤れんがのお手伝いしたり。
ん〜もっと手伝って裏方の現場感を見たい気持ちもあったのだが、
自分の制作が追いつかないのでやっぱり引きこもりを重視する。 

そして本日内覧会。
去年関連イベントに参加したからか、内覧会のインビテーションを授かったので
さっそく回ってみる。
チカホ→北3条広場→赤れんが→500m美術館→近代美術館→資料館。 
自分の街なのに芸術祭目的で回ってるとちょっとした旅人気分になって不思議な感じ。
近美の展示が渋すぎてビックリ。逆にそれが好感触かも。 

これまでの流れの実感や、関わってる知り合いもごっそりいるのでぜんぜん客観視できなそうだけど、
細かい感想は全会場回ってから整理したい(できるのだろーか?)

レセプションも参加する。いやー結構名を聞く関係者も来てるんだなあ。
不思議な気分だ。祭太郎さんが矢面に立ってパフォーマンスしてたのカッコよい。

その後さらにカフェ和三盆で渡辺真也さんのレクチャーを聴く。
ユーラシアを1つとして考える壮大な研究とフィールドワーク、
各地域の文化の源の連結の考察が凄まじい。どんどん境界線が融解していく感じだった。
制作中の映画の一部も見せてもらえて濃密。

核を巡る文化展のレセプションでOYOYOにも顔を出す。
こちらも空間構成が良く、映像が多いけど見ごたえがある。

さすが、かつて無く現代アートシーンが盛り上がってる感ビシビシ。
これは良いぞ。

その後芸術祭の打ち上げ4次会まで。
久々にいろんな人と飲んだ。 

北京から帰って来てから、ほとんどアトリエに引きこもっている。
9月と10月に立て続けに個展があるので急ピッチで制作しなきゃならん。
今月から札幌国際芸術祭2014も始まりワタワタしそうなので今のうちに少しでも前倒しせねば。
けっこうな作品数が必要で、同時制作しているともうアトリエがキャパオーバー。
そこでアトリエの壁面積を増やしてレイアウトを変更した。
jpg-large
 うん、3日間で作った割にはまあまあか。
壁がパカッと開くように蝶番をつけて、裏を収納スペースに!
リサイクルショップで無骨な棚も買って来て、スペース確保!
アトリエばっかにいるので、本棚も増やして良い本は家からこっちに移動、
読みたい本も追加購入!

ここに入居して早1年。ずっと仮っぽい佇まいだったが
これでなんとなく、画家のアトリエっぽくなってきた気がする。
それでもやっぱ狭いなあ。

巨匠達のアトリエ風景をyoutubeで見てたらデカ過ぎカッコいい途方に暮れる。

テリーウィンタースのアトリエ


ゲイリーヒュームのアトリエ




 

※展示終了までこの記事をトップに置いておきます。

山本雄基 作品展

001_0212yyrgb


板室温泉 大黒屋
2014.4/1(火)~4.29(火)
18日(金)20時〜 アートを語る会 

http://www.itamuro-daikokuya.com/

大黒屋さんで2年ぶり2回目の個展となります。
多数の新作含む、全23点。帰国後1年分まるごと展示になっております。


皆様ぜひお越し下さいませ!

上野で栄西と建仁寺展を見てから、
鈍行で那須塩原へ。3時間の電車の旅。

宗達の風神雷神図、初めて見た。ん〜カッコ良い。
海北友松たっぷり、長沢芦雪の線描のセンス、白隠エキセントリックを堪能し、
本館の常設も一回り。

しかし、前々から感じていた事だが
この日本美術に対する、びみょーな非・身近さよ。
自分の趣味嗜好もあるだろうが
何より北海道で生まれ育ったからだと思うんだけど。
有名な襖絵や壁画があるような寺院や寺は北海道に無い。
本格的に京都の寺院巡りをしたのは大学生になってからだ。

西洋美術、というか「油絵」の方がむしろ身近なものだ。
僕が生まれた家には、親が結婚祝いでもらったらしい変な風景画の油絵が
飾ってあったし、
母は典型的な印象派ファンおばさんで本物見た事ないけどモネモネ言ってたし。

中学高校時代は「上手い絵」に憧れ本物のように描ける油絵の方に憧れた。

なので、ヨーロッパの教会に宗教画を見に行くのと、
京都などの寺院に襖絵を見に行くのは、
気持ち的にどっちが身近なんだか困惑する。 

ところが本場欧米に行ったら行ったで、
圧倒的な西洋美術の歴史の重みを実体験として喰らうので
感覚的に身近に感じていた西洋美術もまた、
遠ざかるというか叶わねえやっていう場違い感を思った。

というわけで海外にでた多くの人が感じるように
帰国後は自分は何者か、日本とは北海道とは、
その中での立ち位置とは、なんて事をうんうん考え始めて今も考え続けてて
もうすぐ1年だなあ。 

…と、那須塩原到着からの板室へ。 

その1年のあいだに作ったほぼ全作品が一堂に集結した。
VOCA展の大作も、美術館にお願いして搬出直後にこっちに送ってもらって
大黒屋さんスタッフの皆さんの力を借りて、展示がまとまる。

う〜ん、この瞬間ようやく大きな一段落!!って感じの肩の荷の降り方。
しかも温泉付き!!この束の間の達成感を大事にしながら、
並んだ自作かと先述した1年の考えとを比べて
何が滲んできたかを改めて解析していこう。
 

 

上野へ。
公園改札から出ようとするともの凄い人人人、人で溢れている。
何か有名人のイベントでもあるんですかと駅員さんに聞いてみると、
「天気がいいのでみなさん公園に行くんですよ」と言われた。
天気がいいとこんなに公園に押しかけるのが東京なのか…
とイマイチ納得しないまま公園にでてみたら、こういうことだったのね!
10154275_676469839080184_905459644_n

いつの間にか桜が満開かあああ!これが日本の桜か!!
北海道にはこんな量のソメイヨシノは咲かん。
去年栃木で咲いていた桜にも感激したが、この量は初めてだ。すげえ〜。

人の量もすげえ〜。
誰も彼も写真を撮りまくり。一眼、コンデジ、iPadにiPhone、3DS…
人類はすっかり画像記録サイボーグと化した…と自分でも撮りながらぼんやり。
 
暖かいし気持ちが良い、が、ぼんやりしている場合ではない。

上野の森美術館へ。
10月に個展予定の伊勢丹新宿店さんの企画で、
VOCA展会場ツアーを開催、その中で自作のトークをさせていただくことに。
トーク相手が、
アートテラー・とに〜さん。

初めて話を聞いた時は、
とに〜さん?アートテラー? いったい何者…怪しい…
と思って検索してみたらすぐに公式サイトが出てきた。
http://homepage3.nifty.com/art-teller/

…著名美術館で公式的にトークイベントをやっていて、元芸人!?
異質な経歴に、ほぼ同世代。気になる。 
 
個展を企画してくれた西喜さん、伊勢丹のみなさん、
上野の森の学芸員のみなさん、そしてとに〜さんと集合する。 
好青年さんだ、ドラゴンボール世代的な話をすぐに!
打ち合わせの中でも、各美術館でのお仕事をしているので
業界事情にも詳しいのを感じるし、知識の豊富さも。
でも、自分の役割はわからない人に伝えるために
専門知識は勉強しすぎないようにしているとのこと。

饒舌にわかりやすく、キャッチーにというのは
俺らは苦手っつーか、人によっては目的としないところもあるので
このような立ち位置の方がいるのは面白いな〜。 
しかも芸人経験から、トーク運びが当然ながら上手い。

参加したお客さんとコミュニケーションしつつ
自作の前でクロストークをしたのだが、
引き出され方と、話に入るタイミングが自然…こっちが話しやすい。
これはちょっと勉強になると思って、トークの極意をいろいろ聞く(秘密)。
う〜ん、教師時代にこれ聞いておきたかったわ…。 

横浜美術館でもお仕事されているので、天野さんの話題が。
若手美術関係者の中では、天野太郎被害者の会なるものがあるらしく(笑)
とに〜さんもその一員らしい。さすがだ。。。
しかもとに〜さんがこの仕事する後押ししたのも天野さんなんだって。 

イベントは上野の森美術館の創立話やVOCAちょっとウラ話など
色々盛り上がり終了。皆さんに感謝です!


再び東京へ出てくる。VOCA関係と個展搬入のため。せわしい。
LCCありがたい…今回はバニラエアを使ったけど片道5500円!
宿は今回は2000円のエースインが満室だったのでまた新開拓、
3500円で神田のカプセルホテルを発見。初カプセルだ。
3000円台まで来るとちょっと高いが清潔でややSF感、共同のお風呂もあって快適なので
コスパは十分高いかと。

用事の前に鑑賞寄り道する。
昨日は原美術館でボレマンス。
そもそもそんなに好みじゃないのですが
小さくて品のある作品群が原美の雰囲気によく似合う。
筆の置き時が潔く、画布をゆるく貼って薄塗り仕上げっていうベルギーペインティング感満載。
ボレマンス絵画は木枠のエッジも丸みを帯びてるので、
ちっちゃい絵そのものが、よりポテっとしたイメージだ。 
20年前くらいからずっとこの作風なんだなー。 
ジオラマこしらえてるモチーフの作品にグッと来た。

常設の奈良さんのドローイングルームにもグッと来た。
久々に見たが数年前に見た時より感性に効いてくる。
年取ったらもっと効きそう。

Facebookで高校卒業以来会っていない友人が、
VOCAを見てくれたとメッセージ。彼は卒業後役者の道に進んだ。
なんてタイミングだと思って突然会う約束をして
夜新宿で14年振りに再会!うおー久しぶりなのに話がスムーズなのは
お互いちょっと変な道に進んだからだな!感激。
Facebookもこういう風に役に立つことあんのね。
険しいお互いの人生を振り返る、、、
しかし聞く限り美術より演劇の方がもっとハードなような。


今日は新美で中村一美展。
透過する光ー中村一美著作選集は既読済みだったが
肝心の実物を見る機会に恵まれなかったので今回初だ。
序盤から200cm超えの巨大絵画に迎えられ、でけえ!ていうのが何より先にくる。
次の部屋に行くと、また、でけえ!!次の部屋も次の部屋も、でけえええ!!
150点くらいの8割以上250cm超えのサイズ…そこにまず圧倒された。
80年代からずっとこのサイズの制作キープって、
学校で教えてても、色々覚悟しなきゃ続かんはずだ。

80年代は不透明な油彩厚塗りでちょっと古い感じが、
90年代以降はアクリル絵具が主流で、単純に絵具の物質感もだけど
画面全体の透明性が増してくる。
その上でタッチの掠れなどがうまくいってない場合は、途端にバタ臭く見えたりもしていたが、
現在に至るまで少しずつ作風を変えながら、
でも作風に関係なく短スパンでバタ臭さの波と何かが降臨してくる凄みの波が
来ていた。

00年以降は特にだけど、仏教思想の反映が強く見える。泥臭い崇高って感じ。
縦構図が多いのもその点で納得。
全体的に筆跡が大胆なので表現主義的かと思いきや、
初期から明確にイメージソースがあって同構図のバリエーション展開も多く、
並べてみるとその分析の感覚がよく分かる。
後半ウォールドローイングの部屋なんかの鳥のイメージなどを元に絵作りしているシリーズは
基本構図はほとんど同じ。
鳥のイメージだけを注視してるとなんだか野暮ったい図像だなあと思えなくもないんだけど、
絵によって不思議とその巨大画面と絵具の痕跡に精神性が宿ってくるように見えるわけで、
一貫してそれを抽出しようと踏ん張ってる印象。

見た直後はそのサイズに興奮しすぎたが時間が経つとやや冷静に。
図録買ったけど、縮小率がすごいので全然あの感じが伝わらない。
しかし良いのか悪いのか拭い切れないローカル感は一体何なのだろう。
岡崎さんのペインティングなんかはその辺りがもっとさっぱりしてるのだけど。
海外からの評価ってどんくらいなんだろう。
もの派、具体と続く、
海外からの評価ラッシュを連続させる大作戦的な回顧展なのだろうか。
…後から湧いてくる疑問は置いといても
なんにせよ、真摯な姿勢に大きく心打たれたのは間違いない。

その後同会場の「イメージの力」展も連続鑑賞。
大坂の民博には大学2年の頃初めていってかなり驚いたが、
今回の展示もそのコレクションの力を実感。
しかし中村展のボリュームの後にこのボリュームはさすがにしんどい。
別々に行く事をオススメしたい。

この日はまたFacebookで今度は僧やってる友達から連絡、会う。
ボヤボヤしたまま悟りを開いたような彼だが、人生うまくいってるようで良かった。
彼もVOCA行ってくれたようで感想会。みんな優しいなあ!ありがとう。

VOCAも無事始まったので、
札幌に戻るまで少し東京ブラブラ。
今回は、もうアートフェアでごっそり作品もみたし、
美術館みるぞ!!っていう焦りがなく、気持ちに余裕がある。

まずこれ。ちょうどツイッターで議論リツイートされてきてたのだが、
http://murapo.skr.jp/2014/03/140314.html
『新宿2丁目看板広告についてのお知らせ ー ムラタポ』

HIV啓発の看板のコンペで採用された同性愛表現含んだイラストに
クレームがついて修正が入ったって話。
滞在していた宿から歩いて10分くらいでその看板が設置されてる場所だったので、
どれどれと興味本位で見に行ってみる。
Photo 2014-03-15 16 48 50

最終修正はすでに完了されており、
なるほど、作者の修正案からさらにパンツの色がズボンと同じにされちゃってんのね。
これは酷い。当然ながら修正前の方がまずイラストとしていいじゃん。
このコンペを主催してる企業さんのこの企画のポリシーってなんなんだ…

ドイツ滞在時に、同性愛者の存在ってめっちゃ自然に溶け込んでいて
レジデンスでもゲイカップルアーティストと仲良くなったし、
そういう文化いいなあって思ってたので、
今もこんな問題でムズムズする日本の遅れてる感は残念だ。
ともあれ、初回らしいこのコンペにこの作家さんが選ばれたのは大事なことだっただろう。
作品クオリティ高い上でちゃんと理にかなった主張を自分でできることは重要だし、
出来る人の方が少ないのよな。


近美で工藤哲巳展、んん〜ヨーロッパでもいくつか見かけたが、やっぱ苦手だ!
柵の自画像が並んでいるのは面白かった、
そんでそれらがけっこうまんべんなく全国の美術館の収蔵品になってんだなあ。
小企画の「泥とジェリー展」がとっても良かった。時間なくてこっち駆け足になってしまい、
こっちをむしろじっくり見たかったっす。


東京滞在中に札幌国際芸術祭の記者会見もあった。
やっと参加アーティストが発表される。
http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/

リストを見て、おお!って思ったのが札幌の進藤冬華さん。
ここ1年くらいで話す機会が増えておもしろいなあと思っていたので参加楽しみ。
http://fuyukashindo.tumblr.com/

進藤さんはちょうど今Ongoingのレジデンスで滞在制作しており、
アートフェアの時にもちょっと話してたので早速様子を聞きに行く。
進藤さんと話してて、いつもヤラれたなあ〜って思ってしまう点は、
いろいろ聞き出される点だ。
美術作家友達の共通点として、とにかくダーッと話す傾向が多い。
そういうバランスの中で自分はどちらかと言えば少数派の「聞くポジション」を確立させようとしてきた。
その隠れた試みは実感としてはそこそこの成功率なのだが
進藤さんには聞くポジションから聞かれるポジションに変えられてしまい、
ああこれは才能だ!と思わされる。

そんで初吉祥寺、こんな感じなのか〜東京ってのもいろんな文化性をもった街の融合体なんだな。
進藤さんと合流して一緒にA-thingsの岡崎さんのポンチ絵を見て、
さらに西へ、東青梅にあるモデルルームへ。
このオルタナティブ感はめっちゃ久しぶりで楽しい。
札幌にPRAHAがあった頃のあの感じを思い出す。
Ongoingに戻ってきても、作家さんやプロジェクトに関わる方たちが集まっており
お話。なんというか…異質な濃さがある空間だ。
初めて東京西側の空気を感じる。こういうのが存在してるのって羨ましい。


他にももっと色々気になる展示もあったのだけど
なんとなく、まあいいかなと思い別路線。
初神保町で、古書店巡りなんかもしてみた。おもろい。

そしてふと皇居見学を思いつく。
調べたら宮内庁のホームページで予約すれば建物周辺まで入れるらしい。
しかしすでに予約一杯!ん〜残念。見応えありそうなのになあ…

皇居計画に失敗するがもう一箇所行きたかったのが靖国神社。
この流れだからと言って別にウヨな訳ではない。
ウヨではないけれど、よく言われる日本の右翼化というのはなんとなく気にはなる。
しかもニュースで騒がれる靖国も、イメージしかない場所なので
実際見てみないとどんな場所なのかわからんのだ。
これまた宿から近いし。

Photo 2014-03-17 10 59 56
来てみた。広い!
怖い車とか止まってたらどうしようとややビビっていたが
綺麗な神社だ。

Photo 2014-03-17 11 07 26
みやげ物…ん〜

参拝した後、
境内にある遊就館という博物館を見る。
Photo 2014-03-18 1 48 28
中は撮影禁止だが、びっくりした。
近代戦争史を追う展示をメインに、軍服や手紙や皇族の名品などが並ぶ。
展示の最後に戦没者(=ここ靖国の神々)の写真が大量に並んでいて驚く。
コンセプトは違えど、美術的要素が加わったらボルタンスキーのようだ。
人間魚雷の展示や、遺書も並んでおり、涙を流すお客さんもたくさんいた。
ミュージアムショップの本のセレクトはやや怖かったし、
う〜ん、神社かあ…って思うけど、これは見ておくべき場所だった。

ドイツ行く前は、
東京って結局自分の中では、北海道じゃ見れん大御所な美術を見に行く場所で
訪れる場所もえらい限られていたし地下鉄乗って移動してたら
地理感覚も全くわからままだったんだけど、
ドイツ行った後からは少し違う場所になった。この意識の変化は大事にしたいっす。

というわけで、出張的な約2週間を経て、札幌に戻ってきた。
VOCA展から遠方交通費を頂き、アートフェアでもギャラリーから出張費を頂き、
激安宿で出費を抑えることができたので、この出張は赤じゃない、ありがたい! 

アトリエに戻ってきたら、やべえ未完成の作品がズラリ。
個展はすぐにやってくる。 

大黒屋さんから東京へ戻ってきたのち、
ちょうど絵画について熱く話した坪井康宏さんが入選していると聞き、
損保ジャパン美術賞2014FACE展を見る。
んん〜、展示全体の傾向は苦しい感じだけど、坪井さんの作品はとても良かった。
本人と話す前から画像ですでに気になっていた作家さんだが、
いざ実物を見ると、マスキングの跡がシャープに残っていたり、
塗り直しの痕跡の跡があったり、そのプロセスを追えるのが良い。
本人は、絵画の中でインスタレーションをしている感覚と言っていた。
なるほど。 ただ1つだけ、この公募の規格だからなのだろうけど、仮額装備状態なのがもったいない。
その他気になったのは三井淑香さん、斎藤春佳さんなど。

そのままVOCAのシンポジウムへ。 
審査員さんが「イメージの存在感」というテーマでクロストーク。
ん〜、出品者の作品を元にした広がりそうなキーワードはいくつも出てくるし、
ちょうど森美でやってるウォーホルの話にも繋がり、
みんなだいすきベンヤミンのアウラ話にも展開するが、
ステレオタイプな話の展開に悶々とする。

絵画展のシンポジウムで、デジタルやら物質やらウォーホルときたら
ウォーホルのやれ消費社会だメディアミックスだっつっててそれもどうでもよくはないけど、
もう散々言われた外側の部分じゃなくて、絵画の中身的な部分にも集中して話せるのではないか。
さらにベンヤミンと来て、100年前に複製時代の芸術でアウラについて言ってたことって
複製によるアウラが遠ざかることによって観客もアウラを求めなくなるっていうのが
自分にはけっこうこりゃ大きな予測だなと思って、
でもその50年後にそれこそウォーホルなんかは絵画のアウラ性を存分に悪用したような
アプローチをやってるし、さらに50年経って今まさに絵画に囲まれてる会場で
今絵画とアウラの関係についてなどもまだまだ話せるのではないか、
…と、質疑応答の時に思い切って挙手して以上のようなことを質問する。

いまいち話は展開せず、むしろ、北海道の方だということは覚えているよ、
賞欲しかったのか的な流れになってしまった。そうではないのだけど発言失敗したか…
作品についてもそのまま聞かれたので皆の前で少し自作について話せたのはラッキー、
むしろもう少しちゃんと話したかった。
自分の話になるとそれはそれでまとまりに欠けて凹む。

自作について突っ込まれたことについて印象に残ったのは、色についての指摘だった。
「あなたの作品の色はニュートン的だ。もっとゲーテ的にならなければ」
というような事を言われた。
そう思われてしまったのなら、これはちょっと悔しい。
う〜ん、妙に胃が痛い。

シンポジウムが終わった後に挨拶&謝る。
とある方に「北海道でインテリやってちゃだめ、表現主義の地域なんだから我慢してなさい」
といったことを言われる。ガーン
インテリやってるわけじゃないし未だに北海道をそんな線引きされるのか。
審査して頂いている立場かつペーペーな立場で、
何をどこまで言っていいのかさじ加減が難しいなあ。
同会場レセプションへ移行。

推薦してくださった帯美の佐藤さんとも合流する。
ものすごい人の量。ここに絵描き関係の方々が集結しているのだろうか。

まずは展示を1周する。自作の展示場所が広い部屋で、
ゆったりみれた(アトリエでこんなに引いて見れてなかった)ので嬉しい。
ムムっ!?と来た作家さんは、
大賞の田中さん、取材や向き合い方が真摯。シンポの時のコメントにも好感が持てた。
片山真紀さん、2枚のキャンバスの関係性、ツブツブな色のミクロな重層からできてるボコボコ画面にグッと来る。ちなみに3331のアートフェアにあった小さなドローイングも良かった。
友清ちさとさん、なぜここでこれが来る!?っていうズレまくってるところがグッと来た。
ズレてるのにちゃんと作品として成り立ってるバランス感覚。
中村航さん、画面の際を見るに、相当不思議なことをしながら下地を作っており、
その上であの謎の描写。気になる。もっと色々見てみたい。
川北ゆうさん、繊細な線が美しいと同時に、とてもテクニカルでどういう風にこの線が生まれているのか
全然わからん。有機的かと思えばけっこう機械的でもあり。
多田友充さん、ジワジワ来る。金属的な光沢を含む青くて透明な画面に祈りを匂わせるオーラ。
筆の残し方もいい具合で独特だ。
大槻英世さん、キワドい。ラインの処理、端っこのめくれ。画面の要素を丁寧な処理で少なくしてる感じ。

…などなど、おもしろい絵かきさんいっぱいいるなあ。一緒に並ぶことができて光栄です。

出展者さん及び推薦者さんの名札を見つけて挨拶する。
ちょっとずつお互いの作品の話など。
人が多すぎて出展者全員と話すことはできなかったのが残念!
大黒屋のI君の知り合いって聞いていた、出展者の友清さんを発見する。
作品もおもしろかったので話してみて、
レセプション後、そのままそのチームの2次会に飛び入り参加する。
超アウェイだけど、東京コミュニティの雰囲気を体感する良い機会だ。
チームの中に、ベルリン時代に出会った飯岡君もいたりして楽しい。
図録片手に反省会など。郷治くんの実物みてみたいな。

毎年1万人以上の来客があるというVOCA展、
さてアートフェアに連続してどんな反応が聞けるかな。
自作はこんな感じの展示になってます。
10015172_669957813064720_233777435_n




 

大黒屋さんから東京へ戻ってくる。
この日は、大学の油彩研究室の後輩で
イラストレーターやってる玉川桜と会って近作を見せてもらう約束。
http://tamasaku.flavors.me/

卒業後もネットではチェックしていたが直接見るのはホント久しぶり。
待ち合わせが中野、初めて来た。雨ザーザー。
ちょっと早めについてので、中野と言えば中野ブロードウェイって場所、
聞いたことある。某村上さんのバーなどができていたはず。。

言ってみると昭和っぽいショッピングセンターの中に
一体何種類のまんだらけが!?っていうオタク?オーラ全開ですごい。
エロ専門のまんだらけもあり、
入り口からおそらく艦これキャラのおっぱいだらけで頭がクラクラしてくる…
バッタもんのビックリマンシールとかも。
そんな中、オシャレなBar Zingaroがどーんってあったり、
時間的に閉まってたけどZingaroのギャラリーがあったり。
どうなってんだ、ここは。
秋葉原とはどんな住み分けなのだろう、同じようでなんとなく違いを感じる。 

程よく困惑したところで待ち合わせ時間。
雨ザーザーなので近所のミスドへ。
Photo 2014-03-13 20 43 11

互いの近況などで盛り上がりながら拝見。オホホ、良いですな。
絵画的なというかマチス的な多空間な構図筆跡の絵、
工藤麻紀子さんに通じる作風。
最近は紙の仕事がメインらしいので
やっぱタブローも見たい。
紙仕事はめちゃ安価なので1枚購入させていただく。

 

アートフェアが終わってVOCAが始まるまでの数日間は当初
東京をぶらぶらしようと思っていたが、
運良くちょうど空いたこの時期に板室温泉大黒屋さんで毎年行われている、
現代アート公募展の受賞式に招待して頂く。
なんという完璧なタイミングなんだ。我ながらこういう運には恵まれている… 
過去の大賞受賞者は毎回声をかけてもらえるのです。
参加するたびに書くけれど、受賞後もこんなに気を遣ってくれるコンペはそうそう無い。
前回はベルリンにいたので2年ぶりの参加だ。 

節約のために新幹線には乗らず鈍行で3時間、那須塩原駅に到着。
ロンドンでお世話になった、現在大黒屋さんで秘書中のK君が迎えに来てくれて
大黒屋さんへ。さっそく展示中の公募展を見る。

今の大黒屋さんにはK君含め、美術作家修行を兼ねて従業員として働いているI君やM君など、
20代後半のアートでヤングなメンズの皆さんが揃っており、
美術オタクな話にも花が咲いて楽しい。
若旦那のK君は、wifi整備や、図書室へ洋書追加、さらなる倉庫の整備など
コツコツ革命を起こしているようで頼もしい。 

12日受賞式当日。
入選者の参加率が多くて賑わう。
大黒屋さんも、毎年式のフォーマットを少しずつ変えており
いかにコミュニケーションが生まれる場になるかを調整しているように見えた。
今年は、審査員さんの挨拶→入選者挨拶→社長挨拶と続き、
その後に展示サロンで全員揃って夕食会&ご歓談。
大賞のタナカさんは、絵画!
手数を増やし過ぎないように、
モノクロな痕跡によって画面が決まる瞬間を探っているような作品だった。
ご本人は一見、今までのオッツい受賞者の顔ぶれと比べると爽やかな青年だが
挨拶でのスピーチからは、内に燃えるものを感じる。

皆さんの作品ファイルを見せて貰いながら色々話す。
間に作品があると、色々話しやすい。おもろいな。

ある入選者さんには、
「ガブリエルオロスコで検索したら偶然ヤマモトさんのブログにヒットして、
ご本人とここで会えるとは!ラジオのDJに会ったような気分です!」
と思いがけないリアクションをされたので、
いやあそんな風に遠くの人も読んでくれたりすんのね〜と調子に乗る。

過去の大賞者が揃うとさらに美術話が盛り上がる。
去年の大賞の坪井康宏さんと初めてまともな絵画話。
坪井さんの絵画との距離のとり方に、やり方は違えど深く共感。

1378227_711709922204866_729771899_n
夕食会の様子。写真は大黒屋さんのFacebookページより拝借しました。

夜はもう毎年恒例になりつつある、天野さんの部屋で2次会。
今や一番核心的な美術の情報は常に美術作家同士が情報共有しているわけで、
そんな中で学芸員、キュレーターがどう動くかって話を
学芸員さん自らが話す姿をみて逆に信頼感。
ヨコトリのリアルタイム情報もチラリ。

そんなような話を毎年聞きに来れるこの環境。
旬も旬、海外での話もたくさん聞ける美術作家の菅さんに、
作品を売る視点を持つギャラリストの小山さん、
作品価値付けをしていう立場学芸員の天野さん、
こういう3名の審査員さんを呼んでいる意味がどれだけ大切か。
社長は、自分は美術においては素人だからと審査には一切関わらず、
そして大黒屋さんで展示できる美術作家は菅さん以外には、
原則的にこのコンペに通った作家さん、あるいは美術作家志望で社員として3年間修行してOKがでた場合に限っているんだって。
そういうことを徹底することで展示内容の質が下がらないように工夫しているとのこと。

僕が2次的に言ったところでうまく言えないのだが、
受賞以来ここでいろんな話を聞いていくことで、
美術作家としての自覚や覚悟を強めることができたのは間違いない。
自分のように作家ももちろんだけど、

美術の場を作る、若いギャラリストやキュレーター側の人たちも
学べることがタンマリある場所なので、
特に、まさに今エネルギッシュに場をつくろうとしてる
札幌の人たちにもぜひ一度来館して欲しいなあっていつも思ってるのです。

 

札幌のギャラリー門馬&ANNEXのオーナー大井さんにお誘いを受け、
アートフェア東京に初参加してきた。projectという若手ブース。
お越しいただいた皆さん、ありがとうございました。


出展前の気持ちを振り返っておくと、以前バーゼルに行った時に思ったんだけど、
アートフェアというものは、どちらかと言えば悶々とする印象があった。
即売会という性格上、美術館のような落ち着いた雰囲気がないし。
もちろんそれでも、アートバーゼルくらいの高レベルなものは見応えある。
膨大にあるそれ以外のフェアに対する思いというのが、複雑だったんだよな。
そこには山ほどの作家、作品、ギャラリーがあって、買われたり買われなかったり=食えたり食えなかったり。それが必ずしもクオリティや美術の歴史に残るということにつながるわけでもなく、
美術というのはごく少数の優れた作家作品ギャラリーと、その他膨大な周辺の雑多な作家作品ギャラリーで構成されているような現実が見えた気がしたから。自分もこの先、雑多な一人に過ぎないままになるのではないか、と。

それに、記事にはしていなかったが
昨年札幌でも、アートフェア札幌が開催された。
お客さんが楽しむことに一切問題はないし、開催しないよりした方がそりゃあ良い、
と先に言っておくけれど、
あくまで、作品を作る側としての実感としては正直言ってフェアに対する悶々度はさらに増しちゃって、
辛いところがある。なぜならやはり質があまりにもバラバラだから。その他詳細は省くけどこれでは、
ここ札幌でのマーケットにおいてアートの強い信用など作れないのでは…
というのが実感(とか書いていいんだろうか?)。ホテルの部屋形式のフェアだと作品もごちゃごちゃで見づらいし。繰り返すけど、作品を作る者としての実感です。

さて、そういう気持ちの前程があって、
日本最大のアートフェア東京では、当事者として一体どんな印象を抱くのかと、
参加者としても観客としても興味深かったのです。


搬入前日に雨の東京入り、しばらく滞在することになる。
宿は一泊2000円と破格の某ドミトリー。外人だらけ!
英語の勉強になるのでむしろ良い。

搬入を終えたその日の夕方から、招待客のみが入場できるプレビューが始まった。
Photo 2014-03-06 14 22 51
僕らのブースはこんな感じ。久野志乃さんと2人展形式で、
自作は2点。2点だけなのはこの後の個展もあって2点が限界だったからなんだけれど、
結果的に良かったかも。

予想を超える人の量で、用意していた名刺がガンガン無くなる。
チラホラ見たことのある某有名美術関係者の皆さんの姿も見えたり、
外国からのお客さんも、特にアジア圏からの方々が沢山。
人もブースも多いし
ブースの位置は一番奥の角だったので、
素通りしてしまうお客さんもいたけれども、
かなり多くのお客さんに鑑賞してもらえている感。
自分も隙をみて会場をグルっと一周してみると、
各ブースは見やすく、古美術と現代美術がゾーンでわかれているので
回りやすい。
また、去年までのG-Tokyo参加の著名ギャラリー群がG-Plusというエリアにまとまっていたので、
簡単にいえばレベルの高いギャラリーはここですよっていうのもわかりやすい。


売れているものと作品の質は必ずしも一致するわけではなさそうで、
人気作家ステータスだったり、パフォーマンス戦略や、コスプレ美女によるファン作戦や、
動物イラスト人気などまで、売れるための色んな引っ掛かりなんかも見え…
う〜ん、、、色んな思惑が渦巻いている!という感じ。

実際あたふたしてるうちにプレビュー終了。
規模の大きさはわかったし、
レベルの高低のレンジが広くて色々おもしろい。

やはりバーゼルの印象からの延長になるけど
一言で「美術」と言っても、それは多層構造に分かれており、
今回もとても明快にその雰囲気が出ていたように見えた。
このカオスの中では、じゃあ自分はどの層にめがけていくのかってのを
ハッキリ意識していなければならんな、と。

趣味的なギャラリーだってたくさんあるわけだし、
お客さんだって、美術はよくわからんっていう方から、超専門ですっていう方までいるわけで。

自作においては、たとえばわからない人にも、
色や手法から、キレイ!とかどうやって作ってんの?
って思われるだけでも良いし、
そこからもう一段階踏み込んだ興味を持ってもらえるとなお嬉しいし、
その上でやはり美術オタクな厳しい目を持つ人に絵画的な云々やら思考云々なところでヒットしてほしいと思っているものの、結局すべて作品でバレるので大変なのよね。


連日次から次へとお客さんが。

この後VOCA展と大黒屋さんでの個展が続くので、その宣伝もどんどん。
3つの展示が連続したことは、北海道からも攻めてまっせ!
っていう印象与えるためのビッグチャンス。
ギャラリストの大井さんは、初参加の気合いでDMを手配り。すごいな。感謝。
チラシもリーフレットも超スピードで無くなってしまった。
このゴチャゴチャな中けっこう長い時間絵の前でじっくり見てくれるお客さんも
沢山いて嬉しい。
どこかでも書いたかもしれないけど、
誰かがじーっと絵の前に立って長い時間鑑賞しているっていう光景がとても好き。

夜には近くのホテルでイベントがあったりで、それにも顔出してみるが、
なんだかこう東京グルーブ感とハイカルチャー感がどうも馴染めずぼんやり退散。

2日目の夕方くらいに、
2人組の若い男性お客さんが、某著名ギャラリストさんとやってくる。
北京のコレクターさんとのことで、そのギャラリストさんのところでも作品を買ったりしており
今回は流れで通訳や説明に入ってもらうことに。
1人が小さい方の自作を購入。話を聞くと彼は美術作家兼コレクターとのこと。

もう1人のかたは、もっと作品を見たいとのことで次々に作品に質問してくる。
質問内容のレベルも高く、答えるの必死。
2日間連続で来てもらい、その後これから展示予定のVOCAの大作含む3点を予約してもらうことに。
びっくりというか、呆然。どうなってんの。
いや意識が飛んでる場合じゃない、こっちが質問だらけだよ。
いろいろ聞いたら、まだ若干26歳で、ロンドンでデザインを勉強していたなど
かなりのエリートさん。自分のコレクションをiPadで見せてくれたのだが、
奈良さん、草間さん、加藤泉さんなど日本の超有名ドコロの良作がズラリ…
中国のセンスの良さそうな作家の作品もズラリ…他にも膨大な量。
美術界にもたくさん知り合いがいるので、紹介すると言ってくれている。
突然スケールが大きな話すぎて、全然ついていけん。
とりあえず今後もコンタクトしていこうとのことで握手。
予約の前金を払いたいとなり、彼のポケットから見たこと無い厚さの札束が…
目玉飛び出そうになったわ。

軽いパニックに陥るが、
どうやらVOCAの大作を制作したために発生したカード借金地獄から、
これで開放されそうだということが何より先に浮かんだ。
大作を作り終わったときは開放感と共に、
かかった制作費と今後の保管はどうすりゃいいんだ…という悩みも発生して
後回しにしていたのだが、う〜ん…賭けてみるものだ。

翌日、今度は台湾のコレクターさんが中型の作品を購入してくれる。
これまた若い方で、何かの会社の社長で、さらにギャラリーも立ち上げるそうで、
またiPadでコレクションを見せてもらったら昨日のデジャブかってくらいの
著名作家作品のラインナップ。
これまた細かい通訳に入ってくれたのは某日本の画家さんで、
彼は作品で自活できており、この後も台湾で個展をするらしい。

いやあ、、、現場って、こんなことが起こるのね。
どちらのお客さんも今回はこのアートフェア目的で日本に来てるんだって。

しかし…これだけの数のブースの中からよくぞまあ
自作を見つけてくれたものだと ありがたや ありがたや。
ある程度の会話はできたけれども、やっぱりもっと英語必要だ。
皆、当たり前のように英語でやりとりできる。

しかししかし…これが今現在のアジア圏の勢いか。
どっかで、日本の主要ギャラリーも国内は売上全体の3割程度で残りは海外だと聞いた。
ちょっと怖い気もするのは、
日本人としてバブルの失敗が身に染み付いているからだろか。
これは一度台湾及び北京に行って
現地で何が起こっているのか直接確かめてきたほうが良さそうだ。
アジアはまだ韓国しか行ったことないからな。

その後も最終日までずーっとお客さんたくさん。
何人かの他のお客さんも購入を考えてくれていたようで、嬉しい。

4日間で約5万人の入場者数だったそうで。 すごい。
東京のマーケットの空気もなんとなく体感できたし、
良い出会いも沢山あり。春の展示ラッシュなかなか幸先良いスタート。

搬出は、バングラディシュから帰ってきたばかりの東方くんが手伝ってくれて
近所の餃子屋で打ち上げたのでした。

というわけで、初アートフェア参加が終わってみて。
最初に書いた悶々は引き続き考えておきたいところだけど、
作家自身が強い意志でちゃんとした作品を見せていれば、フェアの会場でもしっかり見てくれる人がいる可能性はあるし、チャンスも生まれるんだよね。
膨大なブースとお客さんの量の中で、それは僅かなチャンスかもしれないけど、自分で出展を引き受けた以上やれることは最大限やること。
それに、明確に作品を買いに来ているお客さんがたくさんいるんだということを実感した。国外からも。
作品を買ってくれるということは、作品持っていてくれるということだし、
さらにお金が入ることで制作時間も画材購入も増える、つまり研究に没頭する時間を与えてくれるということ。雑多な中から自分の作品を見つけ、決して安くはない金額まで出してもらった事実を忘れないこと。
 

BaXZmuUCQAAUvOt

昨日、
時間、お金、労力を過去最高につぎこんだ作品が無事にヤマトさんによって集荷されていった。
しばし放心。オレの冬の生活費を軒並み奪っていった作品よ…。
3月、上野の森で会いましょう。

そうこれはVOCA展2014の出品作だ。
思い返せば、
6月の終わりに帯広美術館の佐藤学芸員さんから突然連絡があり
推薦していただけることになったのがスタート。

その後実行委員会から連絡が届き、〆切は11月末~12月頭となっていた。
出品決定から〆切までが、思いのほか短いことを初めて知る。

しかも帰国前にこれまた帯広美術館の鎌田学芸員さんから
11月のグループ展の出品依頼もされていたので
帯広からまさかのブッキング!
帯広が重なったのは全くの偶然とのこと。自分もびっくり。
帯美とVOCA、どっちもこなすことが果たして可能なのだろうかと
変な汗が出た。

でも何より、
帰国してすぐにこんなチャンスを与えてもらえたのが嬉しかったので
絶対やりきることを年内の軸に決める。

ちょうど7月初めから天井高のあるスタジオゲットできたのも
バッチリタイミングだった。
せっかく出すのなら最大サイズ(250×400cm)にほど近いデカさでやろうと、
出展注意事項とスタジオサイズの限界から3枚分割で大作を始めた。245×366cm。

構想開始から半年弱しか時間が無く、このサイズは初めてなので
色々最善策を練り、プロジェクターを購入したり若者達に手伝ってもらったり
帯広用と同時展開でスタジオ引きこもりの日々。
一気にスタジオもぎゅうぎゅうのめちゃくちゃ。

佐藤さんはわざわざ帯広から計5回もスタジオを訪問してくれて、
作品の途中経過から完成までの流れを実見して頂くことができた。
こんな方はなかなかいないっす。ありがたい。
鎌田さんにも夏にスタジオ訪問していただき、
おかげさまで帯広美術館の皆さんとはちゃんとコミュニケーションをとりながら
仕事ができたのでありがたかった。
 
作品完成後も木の枠で梱包しなきゃならんくて重いしデカいしひと苦労、
とどめのピンチヒッターK君に助けてもらった。

もうホント関わってくれたみなさんありがとうございます。
1人で乗り切るのは絶対ムリな量だった。

ああ、気付いたらもう冬になってるし!
生活の大半を吸い取ったこいつからやっと解放された…
さすがに少し休みたい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ただいま帯広美術館&六花亭西3条店で展示中!
詳細はコチラ
http://yamamotograyzone.ldblog.jp/archives/52185835.html 

22日、展示オープニングセレモニーで
開会式&テープカットに参加。
相変わらず日本式フォーマルな場は苦手なので目が泳ぎながらだったが、
無事にオープン。お客さん沢山!
 
自分も完成した全体の展示をみるのは初めてだ。
札幌でも毎年芸術の森で札幌美術展というローカル企画を
やっているのでその印象と比較すると
同じ北海道でも趣が違う感じ。
チョイスされた7人の作家の作風ももちろんあるからだけれども
作品から感じられる独特の孤独感があるような気がする。

十勝に限って言えば、夏も冬も空気の攻撃力が強い。
これから冬になるが、札幌の雪によるキビシさと帯広の寒さによるキビシさは
キビシさの質が違う。 そういうことをぼんやり考えながら展示室をまわっていると
それぞれやってることは全然違ってもなんだかしっくりくる。 
特に最後の部屋の戸張さんの写真作品は、
風土的な力とデジタル写真の魅力がミックスされておりグッときた。

展示構成もまとまっており、ボリュームもちょうど良い。 
美術館の自主企画として久しぶりとの事。
これは地元の人にはぜひ見て欲しいです。
もちろん、遠いですが札幌方面の方にも。。。

図録も展覧会会期終盤に完成予定とのこと。
ミュージアムショップで絶賛予約中!!

夜は学芸員さんと作家さんで打ち上げ。
なんと待ち合わせを30分間違えて遅刻してしまった!
たまにやっちゃうけどよりによってこのタイミングにやるかオレ!
反省。。。

今回初対面の作家さんが多かったが皆さんきさくで盛り上がる。
鎌田さんの気迫と愛を十分に感じる熱い会だった。 


一夜明けて、 昼から鎌田さんの進行による自作のアーティストトーク。
今日もお客さん沢山!
しかもさすが地元なのでお客さんの中には、
両親に祖母達にいとこ、
自分も子供の頃からよく知っている両親の友達、
自分の友達、お世話になった中学高校時代の先生、
ハンブルグのみきこさん(偶然ながら同郷なのです)のお母様&祖母様まで! 
10年以上ぶりの方々も。これは恥かけねえわ。

今年は人前でトークを何発かやって少し慣れて来てるのと
自分のできたての作品があるので話したい事いっぱいあるし
ちょっと楽しみでもあった。

打ち合わせは敢えて無しで
鎌田さんの攻めに必死に回答。
できるだけシンプルにストレートに、
専門用語と抽象的な言い回しは使わないように質問に答えようと
意識したがどうだっただろうか。
絵を鑑賞する最初の入り口のポイントあたりを強調したつもり。。。

自分のやってることを口だけで説明するのは難しいけど
こんな立派な場で、しかも自分の作品の前で話したので
せめて親族への理解が深まってくれれば良いなあ。

トーク後、いろんな質問を受けたり
仕事で偶然横浜から帯広に着いて
この展示のポスターを見てわざわざ来てくれた方まで
いらっしゃって驚いた。

とにかく、良い形で展示が始まって良かった!!
こんな機会を頂けてありがたいです。


終わってそのまま札幌へ。
途中由仁町へ寄って大井敏恭さんの新しいスタジオ兼展示スペースを拝見。
めっちゃ理想的な制作環境だった。

さあ大きな仕事の片方が無事に終わったので
今月の残りはもう片方、デカい作品の仕上げ磨きと梱包だ。
 

昨日は大事な後輩達の結婚式。良い式でした。
搬入直前の寝不足でナチュラルハイになっていた…

その後2次会をやむを得ず欠席してスタジオで深夜まで梱包作業。
昼と夜の落差が凄げえ…。 
今回から、作品の梱包を木の枠でがっつし保護する方式に
アップデートしたために、めっちゃ辛い。
辛いけど、これくらいやんないとやっぱ駄目だ。後々のためにも。

さて少し眠って朝から、
仕事でほぼ徹夜したYちゃんとフィットシャトルを道連れにして
梱包した小中型の作品を積み込んで、
朝から法定速度キープの高速で帯広へゴーゴー。札幌から3時間弱で到着する。
 
美術館の搬入は初。
今展の企画者である学芸員鎌田さんと、
学芸員石尾さんのサポートを頼りに、
そして専属のヤマトさんのスタッフ2人を付けてくれる。
こっ、これが美術館の搬入か。

あらかじめ送ってキープしてもらっていた大作2点含む全作品の
梱包を手分けしてサクサク解いて並べていく。
Photo 2013-11-18 13 35 50

配置は大まかに決めていたのでそれを元にスタッフさんに
作品を移動してもらうのだけど、
指示するボス的なVIP感覚に慣れずにキンチョー。
しかし常に配置による空間の変化を遠目で見れるので
すっごいありがたい。しかも早い。

結局少し元のイメージと変わり迷った部分もあったけど
学芸員さん達のアドバイスにも助けられる。
客観的視点とジャッジの早さにプロ魂を感じました。
無事しっくりくる配置決定。
Photo 2013-11-18 15 38 43

途中、すでに展示完了している隣の展示室の細木さんとご挨拶したり、
搬入中の他作家さん達の展示室にオジャマしたり、
展示が出来上がっていく様を体感するこのワクワク感。 


スタッフさん達は、超便利な三脚つきのタテヨコレーザー水平器を
駆使しながらサクサク作品を壁に取り付けていった。
技を学んでおこう…。
Photo 2013-11-18 15 56 11

この方達は聞けば、今シーズンだと札幌の近美のシャガール展とか
芸森のマインドフルネスの展示作業も担当したんだそうな。

取り付けが終わり、照明調整へ。
ライトの数も十分に用意していただけたので、
もっと明るくしてください要望を連発、
スタッフさんも「作品大丈夫?近美の展示なんかは光度制限のあったりだったけど、
現代のこういう作品は明るいのがいいねえ』っつってノッてくれた。
 
自作は光当てればそれだけ透明層の中に光も入って色がくっきりでるので
見え方がだいぶ変化するので、これだけ要望通り当てられるのはうれしい。
LEDに変えたばっかりだから省エネも大丈夫!とのこと。 

そんで立派なキャプションの位置決めもバッチリ、
ちょっぴり時間押しちゃたけど
この日のうちに展示完成!
チラッとだけメインの壁面を載せます。
Photo 2013-11-19 15 51 33

今展は各作家ひと部屋ずつ与えられている構成で、
自分の部屋が展示の最初に来るので、
180cm×180cmのこれら2つが最初にドーンと明るく目に入ってくるように
してみた。

ようやくビジョンが形になったこの瞬間。
感無量でございます。 

やっと肩の荷が1つ降りた…!

僕の出身地である帯広市で、
秋〜冬にかけて2つの展示があります。

まず1つ目。

道東アートファイル2013 in the LIGHT in the SHADOW
2013年11月22日(金)〜2014年2月2日(日)
9:30~17:00(入場は16:30迄)
月曜休館
観覧料 : 一般700円、高大生400円、小中生200円
北海道立帯広美術館

帯広市緑ヶ丘2番地 緑ヶ丘公園内

美術館のサイトに詳細あります。
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.jp/hk-obimu/index1.html

omote

ura


道東にゆかりのある作家に焦点をあてた
帯広美術館の自主企画展。
公立美術館で展示するのはこれが初なので楽しみです。
新作の展示です。
11月23日13時からは僕のアーティストトークもありますので
よろしくおねがいします。



2つめ、こちらはすでに10月より開催中!

山本雄基 作品展
2013年10月13日(日)〜2014年1月25日(土)
11:00-18:00(L.O17:30)
六花亭西3条店2階喫茶室

帯広市西3条南1丁目1

rokkateiw3dm


rokkateimap

37049_588534307873738_631051093_n

こちらは2008年からの旧作中心。
大きめサイズの作品が3点あり、白い喫茶空間にゆったり展示しています。
小さい新作も2点あり。

というわけで
偶然会期が重なって地元フィーバーな展開、
ぜひご高覧ください。

札幌からでも冬の帯広はちと遠いかもしれませんが、
よろしくおねがいします。 


今後も、
3月には東京でVOCA展とアートフェア東京、
4月は栃木の板室温泉大黒屋さんで2度目の個展と
展示の予定が続きます。詳細はまた後日。
関東圏の皆様もよろしくおねがいします。 

札幌のCAI02にて、

『ー自分のためにアートを買いたいー  U50,000 』

というグループ展開催中です。
22日まで。

http://www.cai-net.jp/info/index.html#u50000_13 


今までコンクリートの壁だったメインギャラリーのraum1が
白壁仕様となってリニューアル。良い感じです。

自分も新作1点を出品しております。
帰国後に作った小さな作品です。

ドイツに行って作風が変わったかと言われると、
実はそんなに変わってなかったりして。
渡航前から意識していた画面内のことを
ずっとあーだこーだいじっていたわけですが、
1年くらいで劇的に変わることではありません。

ただ、その画面内の操作に関して、
無数の巨匠の実作品からヒントを得ながら微調整してきたという
感覚はあるので、
そういう影響がじわじわと滲んできていればいいなあと思うばかり。

残り僅かの期間ですがよろしくお願い致します。 


札幌のCAI
さんのウェブサイトからの転載です。



山本雄基アーティストトーク
日時 2013年6月1日(土)18:30〜
会場 CAI02 札幌市中央区大通西5丁目昭和ビルB2(地下鉄大通駅1番出口)
入場料 500円(ワンドリンク付)
主催:CAI現代芸術研究所

山本雄基アーティストトーク昨年11月、ドイツハンブルグのMIKIKO SATO GALLERYにて、個展を開催し、約1年間のドイツ滞在から帰国した山本雄基氏のヨーロッパでの体験を報告して頂きます。
札幌で活動してきた画家の目から観たヨーロッパのアートシーン、ハンブルグで開催した個展について、ドイツ行きのきっかけや、現地で暮らした1年間の苦労話など、普段では中々聞けないようなリアルな日常のお話も語って頂きます。
そして今回は、参加して頂く方との意見交換も活発に行ないたいと思っています。
お誘い合わせの上、皆様のお越しをお待ちしております。

1部 ヨーロッパのアートシーン 18:30〜19:30
休憩 20分
2部 ドイツ作家暮し 19:50〜21:30
意見交換 21:30〜


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


というわけで
やることになりました。
ご興味ある方はぜひお越し下さいませ。


問題は、1年分のトピックをどうやって2時間くらいにまとめようか…
できるだけ、現実的な話と
このブログにもFBにもtwitterにも書いていないような

秘蔵(!?)の情報優先で展開していこうかなと思ってますが、
みんなが聞きたい話って何だろう? 

質疑応答タイムもとりますので、もし聞きたいことが浮かんだら
お金の話だろうと下ネタだろうとなんでもいいので
気軽にバンバン用意してきてください。できる限り答えます。
その方が限られた時間を有意義に使える気がするので。


よろしくお願い致します。

 

東京を2日間ぶらついた。やっぱり慣れん。
IMG_4796
朝のスーツのサラリーマンと女子高生とか、めっちゃ違和感。
どっちもベルリンではほぼ見なかったもんなあ。
中学校からずっと制服文化で育って来なかった身としては、
スーツ出勤も制服登校も基本廃止にしてほしいと常に願っています。
叶わないだろうけど。

IMG_4798
戦士の後ろ姿だ。

IMG_4803

IMG_4804

IMG_4806
う〜ん、巨大都市だ。

ベルリン滞在中にiPhoneの通話機能が逝ってしまったままwifi運用だったので
まずauショップで、SIMカードを見てもらう。取り替えたらあっさり治った。

さて東京で見ておきたかったものは、
IMG_4810
東大駒場の博物館にある大ガラスのレプリカだった。初めて来たよ。
博物館は撮影禁止だったが、
東野芳明と瀧口修造を中心に作られた大ガラス日本バージョンは
堂々と展示されていた。これでロンドン以外の大ガラスは制覇だ。

感想は、やっぱりフィラデルフィアのオリジナルとだいぶ違う!!
ストックホルムのよりは精巧に作られているし、フレームも金属製で近いのだけど、
オリジナルのあの存在感を思い出すと
どうも何かがスカッと抜け落ちている感が漂う。
オリジナルの方は、
長い時間経ってるので劣化の味だったりもあり、まあヒビもあるし、
そこは真似のしようは無いにしてもだ。

こっちは裏側の質感やガラスの質感、
下画面真ん中の三角錐のモチーフの透明部分の質感が、
明らかににチープなのだ。

レプリカがあるせいで、
オリジナルの唯一無二の存在、非レディメイド感が逆に強調されちゃってるよな。

やっぱ、ハイセンスでデュシャンオタクな芸術家っつーステータスを持った
リチャード・ハミルトンのロンドンバージョンも見たかったわ。

その他、お台場の科学未来館へ。
IMG_4836
ちょっと息抜きに、前々からちょっと気になってたメガスターを見に行った。
期待しすぎたのか、幼少の頃にど田舎で育ったからなのか、
作り物の限界はやっぱ感じるかなあ、都会向けのスーパープラネタリウムって感じだ。

IMG_4843
エンタメ要素が強い未来館なので、
さすがにドイツ博物館のようなハードさはないが
中学生相手に原発のディスカッションしてる場面があって
大事だって思った。

オージュンさんの個展も。
IMG_4853

この日の夜は、南千住の素泊まり宿に泊まる。えびすやってところ。
ここも前々から気になってたんだ。一泊2000円って安すぎる。
ドヤ街だったエリアなのでどんなもんかと思っていたけど、
特に問題もなく、昭和の雰囲気もおもしろい。
IMG_4867
この雰囲気!一畳分のスペース、狭いけど十分だ。
IMG_4868
避難口で爪を切る人がいるらしい。
 
IMG_4873
あの狭いスペースに、
外人さんもホステル代わりにけっこう泊まってるようだった。

IMG_4874
東京3日目も美術関連をチラリと巡り、

IMG_4877


ここも未見、国立科学博物館へ。
ヨーロッパにかぶれて博物館チェック。
IMG_4904

IMG_4891

IMG_4887

IMG_4897

IMG_4900

ははあ、なんか日本の歴史に出て来て知ってるあれこれが
たくさんある。おもしろい。
ただやはりさすがに先日のドイツ博物館には敵わず。 

そして新幹線で那須塩原へ。
夜到着し、この日は黒磯に移り住んだ彫刻家の坂井田君の家に泊めてもらう。 

昨日の美術館周りから。
宿近くのハンブルガーバンホーフ美術館へ。
何度も訪れたこの美術館もこれで見納めかと思うと切ねえ。
最後に見れる大きな企画はマルティン・キッペンベルガーの回顧展だった。
いつの間にやら始まっていたな、最後がキッペンベルガーか…。
あまり好きな作風ではないけれど、かなり充実した作品の揃えで
知らない作品も沢山ありさすがに見応えあり。
_MG_6727

_MG_6728

_MG_6741

_MG_6742

_MG_6744

_MG_6745

_MG_6746

_MG_6748

_MG_6750

_MG_6751

_MG_6753
ちなみになぜか日本語版wikipediaでもキッペンベルガーの記事は割と詳しい。

博物館島で唯一行ってなかったボーデ美術館にも。
_MG_6858
古典彫刻を中心に、宗教画や硬貨の展示等。

続いてずっと改装中で、
冬にはオープンするはずだったのに最近まで延期して
ようやく見られるようになったたMuseum Berggruenへ。
_MG_6755
ほとんど行った事がなかったベルリンの西の方エリア。
隣にはシャルロッテンブルグ宮殿があるなどずいぶん上品な雰囲気のエリアで
僕の知っているベルリンではない。

美術館の客層も年齢層高めのマダム感満載だ。
小振りながら上質な近代祭り。
IMG_4749

_MG_6766

_MG_6765
こんな小っさいセザンヌ。

_MG_6790

_MG_6781

_MG_6782
こんな小っさいピカソも。

_MG_6769
おお、クレーいいなあ。

_MG_6797
ベルメールのドローイングも。
気持ち悪いけど線が細くて見とれる。

IMG_4748

_MG_6757
ベルリンにも良いマティスがあったんだな、似合わない。。。笑

そして今日はベルリニッシュギャラリー。
コーキ君に教えてもらった、Sergej Jensen(セルジェ・ヤンセン?)
の展示を見に。
_MG_6876

_MG_6869

_MG_6873

_MG_6871

_MG_6872

_MG_6870

_MG_6874
こ、これは良いペインターだ。最後の最後で思わぬ収穫。
ピッツバーグで小さめの一点だけ見てたが、だいぶ印象が違う。

その後、また街に出たりブラブラしながらお土産等を探す。
IMG_4755
日曜のフリマも覗く in マウアーパーク。
思えばベルリンに来て一番始めにここでチャリを買ったんだよね。

買い物目的で街を歩くなんて1年いたけどそういや初めてだ。
今さらながら、おもしろい雑貨屋さんとかおしゃれゾーンが
たくさんあって、イケてる街じゃあないか…。
知らないことを大量に残したまま、ベルリンを去る
このセンチメンタル感。

加えてベルリンに戻ってきてからとても天気が良くて
春の空気がすごい。
びっくりするほどたくさんの人が公園で日光浴したり
カフェの屋外でワイワイし始めてる。
そうかこうやって暗い暗い冬が終わって、
待ってましたと言わんばかりに一斉に人々が外に飛び出して来て
オラオラオラ〜って日光を浴びる訳ね…
滞在当初は公園の裸族率にとまどったけど
今なら納得できますわ。いいなあああこの開放感。

クロイツベルクのこのいつも散歩していた川辺を見よ!
_MG_6879

_MG_6883

_MG_6884

そして今日は鈴木君ちにお世話になる。
近くのカフェで春気分を味わう。
や、やっぱりクロイツベルク最高…!

ところでNYのギャラリー巡りの記事書いてたら
思うフシがあったので
ここについでだから書いておくけど、

学校卒業してそこそこコツコツ作っていて、
自分のウェブサイト作って連絡先載っけてたら、
いろいろ展示のお誘いが来たりする。

「ナントカア〜ト企画の…です。あなたの作品をウェブで拝見してナントカカントカ…」
という始まりで、例えば出展料いくらで若手の展示企画をやりたいとか。
アートSNSにご登録くださいとか。

そういえば遥か昔の学生時代に、道展(北海道の団体公募展)に入選したときにも
いくら払えば(高額)、
美術年鑑にアナタの作品が載るとか、
ナントカっていう批評家の文で新聞に載せてもらえるとか
怪しい電話がかかってきた。
当時は道展図録に出展者連絡先が載っていたからな。

ベルリン滞在中ですらあった。
某有名ナントカ宮殿でのグループ展にぜひご参加ください。
出展料はいくらいくら…と丁寧に日本語で書かれたメールが来るのだ。

もちろんニューヨークにも、「NYでの展示」を夢見る日本人の若者を
誘うことで展示が成立するような貸し画廊がちらほらある。

これらの多くは、
おそらくア〜トのうさんくささの部分をついた話であって 
実際に話にのったって何にもならん場合が多い。 
こういうメールが来るたびに、
ああ〜まだまだナメられてんのかなあと思う。
そして、思ってる以上にそういう業者は多い。
だから美術の信用ってのはなかなか作られないんだろうかとすら思う。

若い人達が本気で美術やりたいと思っててもピュアすぎると
引っかかっちゃたりするので危ない。 
まず、向こうからのお誘いで、
実作品も見ないで甘い言葉をかけてくるのは怪しい。

ニューヨークとかに振り回されず、その相手側のサイトデザインとか
取り扱いってるものとかを冷静に見て判断すべし。 
現地でギャラリー巡りすればわかるが、
そのようなギャラリーのレベルは微妙で、
微妙なレベルのギャラリーって、ごっそりある。
それらはだいたいパッと見でわかる。

できるだけ調べて、それで納得できるなら良いんだけど。
自分はそういう、作品を扱ってもらうような仕事を一緒にする決断をする場合、
信頼関係が成り立つかどうか探りを入れる。
最低でも作品実物見てる、スタジオにまで足を運んでくれる、美術に対する情熱を感じる、
基本的な知識や体験を備えている、相手の実績やなんの為にやっているのかなどのコンセプト、、、
そういうのを、こちらも上から目線で語るのではなく、言葉のやりとりの中で見極めようと意識するよう、見極められるような質問を投げかけるように、気をつけている。

数日ハンブルグでダラダラする。みきこさんは年末で変わらず多忙そう。
多忙そうだけど、ヴォルスブルグでステラの回顧展をやってるといってたのを思い出し、
みきこさんに「ベルリン帰るついでにステラ行きたいんで一緒に行きましょうよ〜、
今しかチャンスないっすよ〜」
と悪いささやきをしたら、シンキングタイムののちノッてくれたので同行。

IMG_2840
ヴォルスブルグ駅から見える巨大な建物は、ロゴでわかるとおり
ヴォルクスワーゲンの本社。でけええ。
写真では左側が収まってないが、この3倍くらい建物が続いていた。


IMG_2842
駅から南へ15分程歩く。コンパクトな街並でずっと歩行者天国が続く。
そして大きな美術館が見えてくる。

中は撮影OKだけど、ブログとかにあっぷしちゃイカンとの事。
とても天井が高くて、空間も広めな開放的な展示空間なので、
ステラのデカい作品もゆとりをもって展示してあった。
初期作品から最新作までバランスよく並ぶ良展示。
中期がやっぱりいいな。
レリーフになって、特に最近のは、、、、な感じだけど、
ま〜馬力がすげえや。

ドローイング展示がある意味一番おもしろかった。
思いつきをメモしたようなもので、
線の魅力とか、絵の上手さを全く感じないドローイング。
このヘナヘナな構想がペインティングに化けた時には全く違う迫力になるのだから、
興味深い。

ちなみに常設展示室には、ステラ作品よりさらにデカいキーファーの作品があり、
これには参った。キーファー好きじゃないけどこれはさすがにすげえわ。

電車の中でも仕事するみきこさんと別れベルリンに戻る。
ベルリンに戻ってくると落ち着く。僕もだいぶベルリナーになってきたかなあ?

フランクの運転で、まずはガブリエルさんの豪邸に絵を飾りに。
IMG_2807

すでに飾る場所は確保しておいてくれていた。
そのままフランクの手際よい工具さばきで設置完了する。
IMG_2813
ジャストサイズ。
絵を眺めるガブリエルさん、子供のようにめちゃくちゃ喜んでくれた。
こりゃこっちも嬉しいなあ。
作って良かったなあと思う気持ちも倍増だ。

ゆっくりお話したかったけれど、
今日のうちにバールさんの家にも届けなければいけないので移動。

IMG_2820
アウトバーンをぶっ飛ばす。車窓からはこんな港の風景が。
160キロのスピードにも少しは慣れた…が怖い。

400キロ離れたヘッセンのバールさんの家兼事務所へ。
これまたやはりデカくて立派な家だ…大量の建築本コレクションもさすが。
けんさんや堀田さんの完成度高い作品も並ぶ。
僕の最初にハンブルグで見せた小作品もバールさんの仕事部屋に飾られていた。
めちゃ久しぶりに自作に会った。アルマンの作品と並んでた笑

IMG_2831
持って来た作品は、メイン事務所の大きな壁に架けてもらえるそうだ。
これまた嬉しいなあ。
バールさんのご家族とディナー。おいしい!
娘さんが今度ローリングストーンズ紙の編集者になるとのことで、
ストックホルムでアバを聞いたらテンション上がったっていうにわかすぎる音楽話をしたら
爆笑されて、クリスマスプレゼントって自作の音楽コレクションCDRをくれました。

そしてまた400キロの移動でハンブルグに帰る。
今日はコレクターさんが作品を買う理由をまた少し体感したな。。
 

ベルリンに帰ってきて、
さっそくクラウスにオススメされたJudisches Museum Berlin
(ベルリン・ユダヤ博物館)

に行ってみる。まだまだベルリンには見るところたくさん。
上に貼ったwikiのリンクが詳しいのでいろいろ省略するけれど
ホント建築がヤバい。
_MG_0701

_MG_0702

_MG_0705

_MG_0712

_MG_0713

_MG_0714

_MG_0715

_MG_0719


_MG_0721

_MG_0722

_MG_0723

_MG_0724

こんな感じで歴史的資料がズラーっと並ぶ。
入り口から最初の通路や展示、それと建築そのものが
ホロコーストに関連するような重い展示もありつつ、
そこから階段を上がってからは、
いろんな物がズラッと並んだユダヤ人の歴史を追って行く構成。

うーむ歴史の知識不足のため、
入り込んで鑑賞ってのは難しかった。
いかんなあ。

_MG_0728

なぜか初期ディズニーのアニメも。
めっちゃ良かったけど。


別展示室で、R.B.キタイの回顧展。
こちらは残念ながら撮影禁止のために入り口だけ。
 _MG_0731

キタイがユダヤ人だったというのも恥ずかしながら知らなかったし、
ボンヤリとブリテッュポップアート初期世代の1人ってくらいの印象だったが、
実際通して見てみると、色彩やモチーフ等一部ポップではありつつ、
全体的には憂いを帯びたハードな内容の絵が多かった。
時代毎に絵の構成の仕方や描き方の雰囲気もかなり変化している。
 
そんでなぜかわからないけど、師匠の山本先生の絵画を思い出した。
鮮やかな色の配置とか、抽象と具象のバランスとか、構成の仕方に
共通性を感じるなー 帰ったらキタイについて聞いてみよう。 

美術館を出ると、
すこぶる寒くて、ちょっと雪が降って来た。
日もずいぶん短くなってるし、冬だなあ。

このページのトップヘ