やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

カテゴリ: 自作展示

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オープニングにたくさんお客さん来てくれて良かった。
今年は過去イチで制作ペースがキツく子育ても重なって、これ以上やるとマズいなという限界ラインがみえた感じがあったが、この展示でようやくピークを抜けた。
そのせいかドイツではいつものように美術館ギャラリー漬けというモードではなく、ゆっくり歩いたりしている。

2020年1月10日~2月4日まで、
板室温泉大黒屋にて個展を開催しました。
2010年に公募展の大賞をいただいてから、なんと早10年。
ずっと継続的に展示の機会を与えていただいております。

遠方からわざわざ展示を見にお越しいただいたお客さんも沢山いらっしゃいました。
ありがとうございました。

展示風景を掲載します。


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撮影: 板室温泉大黒屋


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撮影:我妻直樹

naebono art studio 1F フリースペースで開催した、
Grafting接ぎ木 展 会期終了しました。
ご来場いただいた皆様ありがとうございました。

自分らのスタジオでこういう質でちゃんとした展覧会ができて嬉しい。
渋いラインでpaintingという可能性を考察できる、良いセッションになっていたと思ってます。
企画の鈴木雅明くん、お疲れ様でした!

後日naebonoのウェブサイトで、初日のトーク含めた展示アーカイブを掲載予定です。

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撮影:我妻直樹


展示終了、ご来場いただいた皆様ありがとうございました。
僕よりだいぶ若いながら、センスと思考力が爆発している浦川くんと並んで展示ができて、
いろいろ勉強になりました。
初日のトークの文字起こしをして、どこかで公開する予定です。 

※追記
トークの全文、ギャラリー門馬のアーカイブに公開されています。
以下のページ内の、[ARTIST TALK(PDF)]というところをクリックしてご覧ください!

http://www.g-monma.com/past_exhi_monma/2019/06/9231/ 

10月23-28日

アート台北、自作はこんな感じでした。
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毎度のこと、Admiraギャラリースタッフチームの頼もしさに恵まれ、
ビシッと展示してもらえたと思います!!
空いた時間で陽明山にも行ってきたり。

 

10月29-30日
台湾から愛知に移動。
来年2月の4人展の企画者であり画家の鈴木雅明くんに色々案内してもらいました。
会場となる、瀬戸市のバラックを下見して、
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同じ建物内のアーティストスタジオ、タネリスタジオも見学。
スタートのタイミングも僕らのnaebonoと近いこともあって、勝手にシンパシーを感じました。
鈴木君のスタジオも訪問して、じっくり実作を堪能したあと、名古屋造形大学にお邪魔して、教鞭をとる
4人展の参加作家である加藤巧さん、今回のご縁を作ってくれた佐藤克久さん、とも面会。
夜は愛知のペインター飲み会と盛りだくさんでした。
皆さんお世話になりました!

個展のオープニングは盛況に終えることができました。会期は10月26日までです。
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ハンブルクではもう3回目の個展で、今回はその3回分をまとめたカタログも作る予定!!
みっちり打ち合わせもしてきたので、出来上がりが楽しみ。
 

さて今回は約1週間の滞在で、
搬入したりお客さんに会ったり、ご立派なホテルに飾られてる自作を見学したり、作品のアフターケアなどしてたので、他の街や展示巡りは殆どどこにも行けず。

そんな中、ミキコサトウギャラリーから徒歩3分の、
DeichtonhallenでやってたCharline von Heyl(カタカナだとシャーリーン フォン ハイルか?)の個展だけは堪能できた。
素晴らしい!!!2005年から2018年の13年間の集大成的展示。
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昨年ミュンヘンで実物を見て、完全にリスペクトの対象となったvon Heyl、
そん時もおんなじような事を書いたかもしれないが、
キャンバスの目が潰れない程の薄塗りをキープしてるので、追おうと思えばほぼ全てのプロセスを目で追うことができる。特に形と形の際に注目すると、巧みにマスキングや塗り残しを駆使して、描く順序を計画的に倒錯させていたり、薄塗りながら複雑なパターンを幾つも展開させていることがわかる。ストリートグラフィティに繋がりそうなガサッとした描写も、何かしらの引用を匂わせる謎のイメージも意味を中和しちゃうように効いてくる。それに、意外に色の組み合わせが繊細で、実物じゃないとわからん綺麗さ。絵画は進んでいるよなあと実感させてくれる展示。
自分の展示と比較してがっつり凹むかと思ったが、むしろなんだか清々しい気持ちで、色々アイデアのヒントももらいながら鑑賞することができた。

これから札幌に戻って制作再開だ。まずは地震で壊れた作品を早く直さねば。次の展示は来月のアート台北です。

空港でMezzo Mix飲み納め!

板室温泉大黒屋での個展、始まっております!!
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大黒屋さんのブログにて、
3日に行われた「アートを語る会」のレポートが更新されております。

写真を見て、僕は人前で話すときに手をぶんぶん振り回しながら話しているんだなと自覚しました。
ぜひごらんください。
https://itamuro-daikokuya.blogspot.com/2018/08/blog-post.html?fbclid=IwAR3fqaKk81ORCIx2SVOeW_7M5GlEqfOoZLNwJG4ymP4fhSDM-ysU1AGhXLc 

板室温泉大黒屋にて、4度目の個展。
今回はメインの奥壁に正方形の作品を一枚だけ、その他全体的に絵の間隔にゆとりをもたせてみた。
普段は奥壁の窓側に置かれているグランドピアノの場所を、見栄え上の問題で移動してもらった。
2回目の個展の時も大きい絵がピアノで隠れてしまうため移動してもらったので、ピアノ移動させマンになりつつある。
1、2回目くらいはとにかく見せたい見せたいという気負いがあったけれど、最近はもう少し気持ちにも余裕が出てきて、こういう展示の仕方及び、イレギュラーな構図の作品や、思い切って抜きの多い作品も用意したり。
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詳しくは大黒屋さんのブログにて。
http://itamuro-daikokuya.blogspot.jp/2017/02/2.html

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伊勢丹新宿店5階アートギャラリーでの展示、無事終了しました。
おこしいただいた皆様ありがとうございました。

札幌のギャラリー門馬での展示作品と昨年帯広美術館で展示した作品を中心に構成。

美術評論家の市原研太郎さんが、
ご自身のブログで展評を書いてくださいました。
http://kentaroichihara.blog.fc2.com/blog-entry-34.html

ギャラリー門馬にて作品展、終了いたしました。
ご来場いただいた皆様ありがとうございました。
今後も札幌での個展は隔年置きくらいでここギャラリー門馬をベースに
やっていこうと考えております。

展示風景の様子はこんな感じ。

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入り口。

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最初の部屋は小作品でまとめ、

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 大部屋には大きめの作品を。

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下部屋。

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上部屋。 
といった感じです。


ここは邸宅を改造したギャラリーで、
玄関からある程度巡る順序が決まっているため、
どの作品をどういう順番で見せるかは事前にけっこう考えた。

入り口に展示した最初に眼に入る作品では、
画面の中に矩形のユニットを円で組んで仮のフレームに見立てた上で、
複数の仮フレームを重ねるという要素を
最もシンプルに見せた。このアプローチは今展というか最近の取り組みだ。

また今回展示した作品群はできるだけ作風を散らして、
多様なバリエーションを見せようと試みた。
前述したような明確な配置ルールを集合円で組み、
それをバラバラに配置した集合円で半無効化させることのバリエーション。

あと長い間画面の基本要素として使っていた、
ヴォイドの存在を明確に意識してみた。
このヴォイドについては今までうまく説明ができないままだったのだけど、
画面内に現れる透明な奥行きの深度にはっきり関わる要素であり、
各層がシンクロする要素であり、あるいは各層のルールを飛ばす要素であり。
ヴォイドが画面に揺らぎを与えている状況を、
常に画面の中で作りたいのです。


初日には大学時代の恩師でもある伊藤隆介氏とトークを開催した。
伊藤氏は映像作家/美術家/評論家と多数の顔を持ち、扱える表現の幅が広い。

飲み会などの席では絵画の話もたくさん出て来たりするので
これは一度公の場で、絵画についても言及をしてほしいという期待と
自作を昔から知っているので話も通じやすいのではないかということから
半ば無理矢理オファーをして引き受けていただいたのだった。

平日の夜にも関わらず50人以上のお客さんにご来場頂き、感謝!
1時間半ほどのトーク、公の場で言葉をやりとりするのはまだまだ場数が足りないなあ、と
今も反省点を考えている。
それについてはまた次記事以降に。


 

個展も無事始まった。
今回は、個展リーフレットのテキストを、
哲学者・鷲田小
太さんに書いて頂く。
ご本人のブログにも載っていますが↓
http://blog.nxpt.net/washida_koyata/archives/1365

こちらにも転載させて頂きます。

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「新しい作品」考  山本雄基の一側面

どんなジャンルであれ、「新しい作品」に出会うと、いつもというわけではないが、不安になる。一つは作品の行く末に、二つはその作品に脅かされる自分に対してだ。
絵画では、時代を前後するが、ともにオランダで生まれパリで活躍したゴッホとモンドリアンの作品に出会ったとき、不安と驚嘆とが最高潮に達した。10代のときだ。そのとき以降、具象抽象を問わず、この二人の作品が絵画鑑賞判断の基準になってしまった。

ゴッホ(1853〜90)は数多くの傑作を残したが、無名かつ不安のうちに没した。モンドリアン(1872〜1944)は「コンポジション」(1921)でモダンアートを切り開く。ともに「断絶性」という刃物で世界を震撼させ続けてきた。そのモンドリアンを再意識したのは、1970年代にソシュール『一般言語学講義』(1916)を繙読したときだ。「差異」と「関係の絶対性」が最新哲学のキイワードである。哲学のモンドリアンがソシュールなのだ。

 山本代表作「曖昧のあわ」(2009)を初見し、「みえないみえる」(2008)に戻って、不安と平安(癒やし)を味わった。山本の作品も「差異」と「関係の絶対性」を大前提とする現代性のなかにある。だがモンドリアンとはあまりにも対照的なのだ。
山本の「泡」あるいは「璧」の重層からなる連作のコンポジションが、理念的には、哲学の創始者プラトンの「オン」(一)と、近代哲学の代表者ライプニツの「モナド」(単子)につながっているからだ。ともに単形の「原基」で、どこにもあるがどこにも見えない「実体」といわれるものだ。

 深読みをおそれずにいえば、山本作品は、DNAのように、無機から有機が、有機から生命が発現するような、飛躍と連続、未成と完成、欠損と全一の重層関係である、「重層的非決定」(吉本隆明)を表出しようとする。ただし「見えるものと見えざるもの」(メルロ=ポンティ)の理念を「調和的」に表出しようとする作品の展開で、その作品に「新しい作品」登場予感への期待と、避けがたい不安を抱くのはわたしばかりではないだろう。


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鷲田さんは北海道を代表する哲学者さんで、
大黒屋さんの室井社長からテキストの依頼をして頂いたのだった。
北海道という場の共通性で紹介され、何度かお酒も共にさせていただいており、
当然ですが知識ボリュームの半端なさがハンパない!
話を聞いていると脳に付加がかかり、もっと色々読まねばイカンなと
突きつけられるわけで、それってとても大事。
このような出会いの連鎖には本当に恵まれていると思います。
日々、感謝。 

展示はこんな感じにまとまりました。大小あわせて23点です。
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帯広美術館での企画展、
道東アートファイル2013-in the LIGHT / in the SHADOW-
会期終了しました。

帯広市外からも、たくさんの方達が見に行ってくれていたという情報が!
ご来場頂いた皆様ありがとうございました。

展示を少し振り返る。
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ドイツに渡航したあたりからずっと
画面の中に明確に規則的な円の配列を潜ませるということをやってきて、
ハンブルクでの個展と今回の展示でだいぶ形になってきたかなといったところ。
もうちょっとこのアイデアで多様な展開をしてみたい。

ハンブルク個展後、ヨーロッパ美術漬けツアーを行ったので
古典絵画と近代抽象からの影響も今も間違いなく持続している。
強く意識しているわけではないけれど、
絵作りのアイデアが、ポッと整理のついてない頭の中からでてくるような感じ。


今回は例えば、
同じ大きさや色の円を使って、画面内に正方形や三角形のユニットを作ってみたり、
網かけのような整列円を画面全体に敷いてみたり、
他の円が重なれないような円を作ったりしている。

加えて大作2点では、
すべての円の位置が同じでネガポジ反転も試した。
さらに色を2色ずつに分解して入り口の小作品6枚にも展開。
これら一連の作品はパソコンとプロジェクターを利用したことでアイデアを具現化できた。
暗い方の作品を見て、「日食」のようだと言ってくれた方がいたが、
アイデア組みの途中でコロナのような円のオーラみたいのが発生してちょっと自分で
おもしろがっていたので、
ここから日食がパッとイメージとして浮かんでくれるのはとてもしっくりきている。

以上のような意図と、今まで通り画面がちらつく感じが
画面の中で分離しない様に、鑑賞する際の意識の変化で見えてくる要素が
どんどん変化していくような画面を作りたい。

2008年くらいから「みえない みえる」っていうのを画面で
混ぜ合わせようとしてきたわけだが、

「みえないもの」が人の感性にどんだけ影響を与えるかについての実感は、
ここ2年程でずいぶん現実的になった。
直接的ではないにせよ、そのような実感を
何らかの形で自分の絵画に変換していきたいなあと思ってはいるが
まあなかなか難しいなあ、と。

とは言え、いろいろあまり具体的に考えながらやってる余裕もなく
わーっとひたすらアイデアを形にして、
とにかく出来ました!!って感じだった。

とりあえずこんなところで振り返りは仮締めに。
もうちょっと具体的に今やり終わった仕事に対する実感を掴みたいけど、
頭はまだ直近の予定達にズザーって引っ張られたままだ。

空港からギャラリーへ戻ってそのまま作品の梱包。
なんて早かった一か月の会期。
いろいろな展開があってとても勉強になった。
多くの作品が、お客さんに持ってもらえることにもなった。

展示を見てくれた皆様にも、手伝ってくれた皆様にも、ドイツに誘ってくれたけんさんにも、
もちろんみきこさんにも、ただただ感謝、感謝です。
この経験を元に、さらにいろいろ考えてみようと思います。

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明日は作品を買ってくれた2人のお客さんに大きな絵を
みきこさんとフランクと一緒にお届けする。


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Photo: Roberto Kai Hegeler


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Photo: Roberto Kai Hegeler


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Photo: Roberto Kai Hegeler

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Photo: Roberto Kai Hegeler


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Photo: Roberto Kai Hegeler

個展初日。
オープニングは夜からなので、
ギリギリまで展示の詰め。自分は照明を主に調整していたけど、
みきこさん親衛隊とも言えるお姉さん達の協力で
テキストのパネル張りや掃除、ドリンクやお菓子の用意をして頂く。

制作段階から設営まで、
いろんな方々に助けてもらってようやく展示は完成。

みきこさんもギリギリまであれこれ準備、
お客さんがどれだけ来るか全然予想できないとのことだけれど、
広報はもう最大限していただいているので後は待つのみ。

って話してたら、スタート30分前からソロソロとお客さんが
入ってくる。 おおおイイ感じ。
その流れでどんどんお客さんが増えて来て、
質問に答えるやら、お客さんを紹介してもらうやらで
あらら一気にてんてこまいになる。
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ちょっとひといきついてやっとカメラで1枚。エントランスです。
奥の青いチェックの方がギャラリストのみきこさん。

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全然撮ってるヒマなかったのでみきこさん撮影のを拝借。
混んでる風な写真。
実際、最初の2時間くらいですごい沢山のお客さんが来場してくれた。
ギャラリー内はずっと混雑。
昼間からずいぶん寒かったのに、わざわざ足を運んでもらえてうれしいです。

2時間過ぎたら、一気に落ち着いた。
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テキストを書いて頂いたクラウスさんと挨拶。背がめちゃ高い。

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DMとリーフレットのデザインをやってくれたジェシカと、
近くのバーの名物店長リロ。


 昨日4点購入してくれたGさんが今日も見に来てくれる。
今度は旦那様もご一緒に。旦那さんは日本人で、バイオリン職人さん。
そして作品の事など話しているうち、一番大きな作品も持って頂く事になった。
びっくり…! 

ベルリンから鈴木君や、
偶然ドイツに来ている日本からの知人さんもはるばる来てくれたり。
前回の堀田さんの個展の時に知り合ったお客さんからは帽子の
プレゼントまで頂く。ありがたや。
 
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プレゼントの帽子でセルフポートレイト。
ビビッドピンクでアンテナ付!!
これはベルリンで被ったら目立つ!!冬はこれでいこう。

無事にオープニングを終えて、
リロのレストランで打ち上げ。
リロは店長なのに店で一番テンションが高い陽気なイタリアンで、
今回小さい作品も買ってくれた!
ありがとうと言ったらものすごい力で握手とハグされたのちに
頭グシャグシャーからガッ!と肩組んで一緒に飛び跳ねた。
すげえ店長だ…

店内はものすごい爆音でもりあがっており、
病み上がりで喉が痛い自分は声を限界まで出して話したため、
帰りにまったく声がでなくなった。

さてこれから1ヶ月、どうなることやら。
財産フル投入の滞在と制作だったが、
とりあえず破産は間逃れた…笑
 
展示風景はまた改めて。
ご来場いただいた皆様、ご協力いただいた皆様、ありがとうございました!

  Yuki Yamamoto Solo Exhibition

「Parallel Circles」
 

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     Parallel Circles   220×180cm    2012
  Photo : Roberto Kai Hegeler


 会期: 2012年11月20日~12月20日
    〜金 14時〜19時迄

    火


       オープニングレセプション 11月16日 19時~


 会場: MIKIKO SATO GALLERY

     

              Klosterwall 13

              20095 Hamburg Germany


             Tel :  0049 40 32901980



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ベルリン滞在も半年が経過。
こちらで制作した新作をメインとした個展になります。
 
タイトルに「パラレル(並列、平行の意味)」という言葉を使っていますが、
(札幌の某美術展タイトルをパクったわけではなく偶然です) 
上の作品が出来た際に浮かんだタイトルです。

レイヤー構造を持つ自作は、複数の平面が同一矩形に並んでるとも言えるし、
新作では同じ大きさの円にある程度の規則をもたせて並べた構造も追加、
かつ自身の今の立場が北海道とベルリンの両方の時間軸を意識してしまう状態、
これらの要素がパラレルという言葉と繋がったと考えています。

3月の「絵画の場合」展で発表したグリッド状の作品からの要素を、
従来の円だけで画面構成する作品にフィードバックさせたり、
パラレルという言葉から画面構造を作るアイデアを出してみたり、
今までとはまた少し違ったエッセンスを取り入れています。


展示風景等は展示が始まって落ち着いたらまた順次アップしていきます。 



前回に続いて全体の感想を。

今展の作品画像はすべて、
カメラマンの川村魚実さんが担当してくださっており、
以下今回の記事の画像も川村さんの撮影です。

まず、札幌の自主企画展としては、
質の高い作品群で、
見応えのある展覧会になったのではないかと思っています。

でもその上で、
同時に何か不思議なモヤがかかったまま展示を終えたのが、
ずっとひっかかっていました。
なので自分達の展示ですが、
絵画の展示なので自己反省として少しキビシめに書いてみようと思います。

あくまで印象で、それが展示の善し悪しには関係ないのだけれどパッと見の全体感は、
淡白な印象になってしまった。
それは単純に、作家のプライベートに肉薄するようなタイプだったり、
泥臭かったり、高密度な描写で見せたり、きもちわるいなど
ショーとしてのインパクトを印象づける作品が無かったから。
笠見さんの作品が一番ナマモノな感じはあったけれど、おぞましいわけではないし。

運動体として一番一体感があったのは2005年の絵画の場合展として、
今回は良くも悪くも個人プレイの集合体な印象。
なので、特別個性的なグループ展にはならず、オーソドックス。

革新性やスキャンダラス、時事ネタ、問題提起、そういうのを直接的に盛り込む訳でもなく、
今の美術界に一石投じるような内容にもなっておらず、
絵画表現の難しさ、同時代性、美術としての成り立ちについて
いろいろ考えることになりそうです。
メンバー全員でも掘り下げがまだまだできたかもしれないし、
ここがモヤの原因かもしれません。

加えて、決してわかりやすい内容の展示ではなかったと思っております。
抽象性の高い作品が多いし、
林さんの講演会もめちゃくちゃおもしろかったけれどやはり専門的な内容だったので、
ややマニアックな傾向の絵画展。
そんな中で不特定多数のお客さんを引き込む仕組みがあまり用意できなかったのも、
課題かなと感じています。


それぞれの印象をサラリと。
ガラスの内外に渡る渋谷さんの作品は、絵画ではないので、
他の作家と、絵画という軸での比較は難しい。
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渋谷さんは8年前からの絵画の場合展初期メンバーであり、
絵画の場合展の中で平面から立体へとアプローチを変えた作家さん。
そのアプローチの流れを追う事自体が
絵画の場合展内の一つの動きとしておもしろい要素だと思うので、
今展においてこの作品だけが突発的にあると、クエスチョンが浮かんだかもしれないと感じました。
作品については、屋内で作品を揺らすための仕掛けが扇風機だったことがやや引っかかる点でありました。

武田さん、笠見くんは
それぞれ持ってる技術力がとても高レベルで、作品の物質感や筆さばきの強度を感じます。
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搬入時に作品を見た第一印象は両氏とも、うわーこりゃすごいなと思ったのでした。
しかし作られたイメージが探り探りな感じのせいなのかわからないけれど、
最初に感じた強度が会期後半にやや弱まって感じたのが意外。
もしかすると自作(特に大きい方)もそんな感じに映ったかもしれないです。

その点、小林さんは探り探りな感じは同様にありつつも具体的なイメージを複雑に構成した上で絵具のテクスチャに置き換えるので、
イメージの持続力があるように感じました。
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特に新作のほう(右側)は、最初はよくわからなかったのだけど、何日か繰り返し見ていると
イメージは具体的だけど抽象性が高く、不思議に鑑賞時間が長くてもずっと見ていられました。
よくドイグとの比較で語られたり、前時代の具象流行と同じ流れで見られているようで
大変だと思うけど、右の作品はちょっとその領域から突き抜けている感じがする。
あんなに手前に視点のピントが合っていたら遠くはボケるのだけど
絵画的操作でピントの感覚をなくしているところも興味深い。

同じように、大井さんの作品も時間がたっても持続力が続いていた感じ。
大井さんの作品は、イメージの無意味化と絵具のコントロールによる複雑さが良いバランス。
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この感じはなんなのだろう。
個人的には大井さんの大作も見たかったなあ。

大作で攻めてたのは末次さんと西田くん。
末次さんの作品は、植物のドローイングの印象が強かったので驚き。
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好みなのはドローイングの方なのだけど、
サイズに対する絵作りの安定感に技術力を強く感じました。
3点ではサッパリしすぎているようにも感じたので同シリーズを数で見たいというのが正直なところです。
また、部分的にモダニズム絵画的なアプローチに思えたので、
今あのような仕事をやることについての話をもっと聞きたいところ。

西田くんの作品は黒ドットのテクスチャに不満を感じたけれど、
過去作品と比べても一番絵画的で、強引さは良い印象。
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それと、良いのか悪いのか総合的に意味不明なイメージ作りが気になる。
ナンセンスをやりたいようにも見えるし、そうでないようにも見える。
ポルケのはぐらかし感や複雑さとも別路線の事をやりたいのだろうか。
モチーフの意味の無効化と、レイヤーの点では大井さんとの共通性も感じる。

谷口さんは、作品の性質から、空間をスッポリ取り込んでいたので、
他の作品との差別化もありインパクトがありました。
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線が描かれている支持体はレール化し、支持体自体も空間に線として存在している構造。
個人的には、描かれている線と支持体の関係が、
レール要素以外の部分ではグッときづらいかも、と感じます。
ちなみに500m美術館の同シリーズの作品では、
さらに装飾的な色彩の要素もプラスされていて気になりました。

絵画の場合中心人物の林さんは、毎回一番意欲的に作風を変化させており、
今回はシンプルな矩形絵画。個人的には今までのイレギュラーな支持体の作品や、
壁に拡張していくタイプの作品よりも、安定感を感じました。
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2点組の作品のほうは、なぜ間が空いていたのだろう。
林さんの作品も、レイヤー構造が西田君と近い。

自作については、大きな作品の方の技術的な自己反省として、
細部の作り込みが荒くなってしまった事、
前エントリでも書きましたが全体を見渡せるくらい離れて鑑賞すると小さい作品に比べ大幅に透明層の物質感が感じられなくなってしまう事、などを挙げます。

また、笠見くんと武田さんとの展示場所が近く、
それぞれテクスチャや空間作りの点でリンクする要素があり、
引っ張られてる感はあったかもしれません。展示場所を離すとそれぞれ新鮮に見えたかも。
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イメージについては、もっと複雑に画面が絡み合う構成を作るか、
一つ一つの色面の色チョイス、色面自体の存在感の強調が必要かなと考えています。
そもそもこの作品を形にしてみたことで、丸の作品を少し相対的に見る事ができるようになり、
じゃあ自作の根本的に大事な部分はどこで、
より強度を上げるにはどうアプローチすれば良いか、
を考える機会となったという実感。

展示に至るまでの期間、インターネット上と、月イチの会議で、
議論も継続して行ってきました。
お客さんの感想の中に、絵画の場合の総括展と聞いていたのに、
今までの絵画の場合の流れもわからないし、
どんな議論の流れがあってこの展示になっているのかが
一切わからないというものがあって、それはその通りだと反省しております。

お互いの、絵画に対する意識をさらけ出したのが今回の議論で、
それぞれ多忙で、参加頻度にも偏りがありました。
展示との直接的な関係性は生まれなかったかなという感想ですが、
各々の意見と、作品を見直してみると、
なるほどその人の発言であり作品であるなあと感じられるのはおもしろいです。

また今後、総括の冊子が作られて議論の抜粋などもされる予定です。

絵画の場合2012最終章、会期無事に終了致しました。
年度末のお忙しい中、ご来場いただいた皆様ありがとうございました。


終了したということで、自作の展示風景と説明を。

今回は2点出品。
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いつもの丸を重ねる作品は、今までで最も厚塗りで高密度に。
約7mmの14層構造。
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曖昧さを肯定するところを起点に。
みえる丸とみえない丸を重層的に重ねて複雑な空間を作る。

丸に特別な意味は持たせない。鑑賞する人意味を委ねる投影できるように、
丸の存在設定自体が曖昧。

曖昧なものの中から見た人が何か特別な感情を揺るがすような、
忘れてる不思議な感覚を取り戻せるような、
そういう絵画空間を生み出したい。

また、絵画そのものが妙な存在感を放つようにしたい。
というのが今まで言ってきたこのシリーズの大まかな説明でしょうか。

今回のこの作品もやってることは変わらないけれど、過剰な密度にしたいなあ、と。
側面も分厚く透明層で包んだので、物質感の強調が出来たかなと思っています。
サイズが小さいので、より物質感を感じられるはず。
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もう1つの方は、今までで最もサイズの大きな作品。
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作品の中身よりも、とにかく自作の中で過去最高のサイズの絵画をこの展示で発表する、
というのが先にありました。
普段からライバル意識を持っている近い先輩後輩方とご一緒するので、
最低でもサイズくらいはトップを狙いたいという安直な動機ですが。

ところが我がアトリエの天井はすこぶる低く、六畳一間。これではF100号がキチキチなので、巨大なパネルを作るのは不可能。
そこから、分割パネルを組み合わせるアイデアをまず主軸に置くことに。
過去にいろんな巨匠が分割パネル作品を残しているので、パクリだと思われるのは必須でも、
漠然と自分のモノにできそうな予感。

実は3年くらいこっそり画面に直線を入れる実験をしていたのですがなかなかうまく行かず、
そのアイデアは保留のままでした。
例えば、この作品↓は約3年前に作った作品。前回の個展に出してたやつですが、
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これの初期段階↓は、
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こんな風に謎の対角線が入ってたのです。
全然うまく行かないので最終的にはまったく見えなくなってしまいましたが。


で、今回パネルを連結させる仕組みにすることで、
直線のアイデアがようやくうまく合致。

正方形のパネルに対角線を引く事で、四方のパネルにつながりを持たせられる。
プラス、さらに何らかの形で離れたパネルにも連携していくような構造を作りたかったのです。
出来た空間は、自分の意図を超えて、ある程度勝手に出来上がった連結空間のエネルギーみたいな力を孕むのではないかと。

それでエスキースを重ねて、実験段階な部分もありつつ、発表しても良いレベルまでは持っていけると思ったのでした。
組み替えできる可能性を孕んでいるというのもポイントで、
一枚絵として見せているけど、組み替えて展示すると違う空間を生み出せる。
ただ、適当に並べても良い空間にはならない。組み替え可能でも、可能性は有限というバランスがまたなんとなく良い。

今回の組み方は、いろんなサイズのひし形や長方形が見えたり見えなかったりと、
眺めてるうちに変な感覚に陥るような組み方にしたつもりです。

側面は綿布むき出し。絵具で覆うと隣同士がくっ付いてしまうので、
連携機能優先した結果の側面です。
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色彩は、いつもより抑えめ。
構想段階ではもっともっとグレーがメインで微妙に色調を帯びてる程度に留めてたのですが、
やってるうちにカラフルに寄ってしまった。
これはこれで一つの形だとは思っておりますが、グレーもやりたいな。

色面の主張がいつもより強いので、とても久しぶりに「塗り」のバリエーションを多彩にしてみました。
塗りムラ残し、重ね塗り、厚塗り薄塗り、透明不透明半透明の混在、全部の色面で塗りを微妙に変えてるので、
それぞれの色の揺らぎを持ってます。
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また、いつもの透明層テクを使ってるので、色面の位置が前後してます。もっと過剰にやりたかったけれど、
予算や時間の制約もあったので、今回はここが落としどころでした。

サイズが極端に大きいと、距離を置かないと全体像が見えないので、
全体を見れるくらい離れると、ディティール要素がある程度失われます。
そこのバランスが、なかなか難しい。
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扱える要素は丸の作品と直線の作品では変わってくるけれど、
絵画空間に込めている思いや、やりたいことはさほど変わらないです。
構造についての説明はこんなところですが、
で、結局なんなんだよと言われると、まだわからんのです。

あと、ポップの抜け殻みたいな抽象にしたいとはいつもうっすら思っています。

場合展全体についての感想や反省はまた別エントリで。

疲れがとれないままトークイベント。
想像以上にお客さんに来場頂いた。
皆様ありがとうございました。

各作家が塚崎さんと対談形式で自作について語るという流れに落ち着いたけれど、
やっぱり一人一人の尺が長くなって後半はしんどくなってしまった。
予定してた作家同士のトークも無くなってしまったし、
改善の余地はありそうな内容だった。
個人的に聞いていておもしろかったのは、小林麻美さんの話だったな。

自分のトークを録音して、家に帰って来てから自分が何を話したのか分析してみた。
これぞナルシズムスピリッツ。
まーしかし疲れている割には、早口でベラベラ話すオッサンだこと…しかも無駄が多い。
整理すれば3分の1に抑えられるトーク内容だ。がっくり。
言いたい事はそれなりに言ってるけれど、理想にはほど遠いな!

後日もう少しこのトーク内容をまとめた形でブログ化する予定です。
写真は疲れてガイコツのようになりながら早口で話すキモい自分。

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撮影:川村魚実

林道郎さんの文章は、2004年川村記念美術館のロバートライマン展のカタログで初めて意識的に読んだ。大学4年のとき。
展覧会にどうしても行けず、泣く泣くカタログだけ購入したのだった。
このカタログの出来が良くて、絵画それ自体をどのように存在させるか考えるようになったり、とても勉強になった。

何年か後、国立国際美術館のポルケ展で発売されてた小冊子がポルケと林さん達の対談「ジグマーポルケ 自作を語る」。
初めて拝める大作群と共に、ポルケの真面目なのかとぼけてるのか絶妙なトーク内容に感動したものだ。
ポルケについての日本語本は少なめなので貴重な冊子だと思う。

その後に「絵画は二度死ぬ、あるいは死なない」シリーズを読んだ。
シリーズ全部にはまだ目を通せていないのだけど、作家チョイスが好みで、
講義録なので読みやすいし作品分析のアプローチの仕方がリアルに伝わる内容だ。

その他「組立」の対談や、岡崎幹二郎さんの小作品集のテキストも林さんだった。

以上のように絵画の勉強してたら知らぬうちに何度も林さんの文章に触れてきていたんだよな。
そのため、目の前でしかも札幌で講演会が聞ける、しかもイベント主催側に作家として関われる、
というのはたまらないわけです。

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撮影:川村魚実

林さんは、フワッとスマートで穏やかで熱い印象。
トーク内容は書ききれないけど、
少し抜粋メモ。

・まず80年代西武の流れから絵の事を考え始めたのでフォーマリストではないという前提からの、
グリーンバーグの問題点、グリーンバーグが日本で一般化するタイミングの遅さの話、批評言語で語れないものに出会う期待感。
形式と内容の対立というのがニセだと思う。定義の不可能性。

・大阪の国立国際美術館で開かれた「絵画の庭」について。
現代の美術の展覧会にしては例外的に観客が6、7万入った。
9割具象だったが、(具象/抽象 というのはあまり有効なカテゴリわけではない)、
何点か気になるのもあったがほとんどぴんと来ない。 だからいまの日本の絵画のはやりものとはすごく距離がある。

・吉本隆明の話。
転向論で「関係の絶対性」ということを言った。一貫性は、まわりの社会情勢との関係で変わってしまう。
昭和が終わったというセンチメンタリズムではなく、いい批評はいつ読んでもいい。

・絵画の定義は、数学的な意味の定義は不可能。 社会の中で、変容しながら使われている語。
20世紀以降は、一般に流通している絵画概念を超えて絵画がつくられていることの繰り返し。
定義が更新されていくことの繰り返し。ただ彫刻に比べると、ある種の中心性は考えられるかもしれない。


・マチス『人生の喜び』やピカソ『アビニョンの娘たち』などは特異性を孕んだ、
沈黙の理論としての作品と言っていいかもしれない。
野球でいえば永久欠番みたいなもので、様式史のなかでも交換不可能な存在。歴史を支えるのはそこ。
いつもそこに戻らざるを得ない。
「他の現在」「他の時間」とむすびつくような、あらわな時間性をはらんでいるかもしれない。

スライド画像から、様々な時代の絵画に対するアプローチの説明。
視界を包む大きなインスタレーションに近いものではモネやロスコやムンクの共通性。
触知性の話ではフォートリエのアプローチ、岡崎幹二郎のサムホール作品。

・水平垂直、重力の話から70年代以降の話。

・説明し尽くしたらいい作品ではない。だから批評というのは最初から負けるようなもの。一言。

…批評家さんの言葉からこの一言が出てくることに笠見君も驚いていたな。故に信じられるなあ。

その後の質疑応答で僕は、
アメリカから帰国して、いわゆるJポップ文化と、同時に発生している日本現代美術はどう見えたか?
国立国際美術館の「絵画の庭」展で気になった作品はどんな感覚なのか?
日本の流行にただ回収されたくない思いがある。
Jポップ化、サブカル、そういうのを超えた絵画的な視点はどんなものか?
というようなごちゃごちゃしたことを聞いた。
回答は梁井朗さんの書いてくれた講義録を一部抜粋。

・Jポップという一般化するのは2000年ぐらいか。帰国後、宇多田ヒカルや椎名林檎がすごいと驚いた。
・Jという言い方には抵抗がある。カレン・キルムニックはある意味、Jポップ的。日本特有ではなくてグローバルに必然性に出てこざるを得ないだろうと思っている。
・近代で「いい場所」なんてない。みんな「遅れ」の感覚を持っていて、外国や、前の世代のものが進んで見える。
・ある種のコンプレックスの中で仕事を始めるのは、普通。誰だって育ってきたコンテキストを抱えてるわけで、すべてを見渡して作るしかない。

「メーンストリームに対してサブカルという戦略がある。サブカルは往々にしてメーンストリームのイメージを取り入れてスキャンダラスに操作していくと。
両方のコードにあてはまらないわけのわからないものが結晶することがあって。
たとえばセザンヌの水浴。アカデミズムでも通俗的ヌードでもない。なぜかああいうものが出てきちゃう。
バルト的に言うと第三の意味、領域というのがある。
破壊的なものを持ちえる、生み出せるのが美術の意味だと思う。 」

その後小室さんが、西武と絡めたポップについての質問を。ネオポップ、マイクロポップという呼称もひっかかると。

「70〜80年代、西武が日本の消費文化で果たした役割はすごく大きくて、
西武美術館だけじゃなくて、シードホールとか文化活動、CM、六本木WAVEなどを通じてリードしていた。
宮沢章夫が面白い本を書いています。ポップカルチャーに歴然たるヒエラルキーがあった。
オシャレな西武とオタクのあいだには格差があった。90年代以降、オタク的なものがメインストリームに出てきた、と。
僕はハイアートという言葉はあまり使わないけど、もうすっかり格差がなくなって、
美術はポピュラーカルチャーの中で細々とやってる。サブがサブじゃなくなった。
美術が持っている「第三の意味」的なポジションがますます重要になってるかもしれないと思う。
それと、ポピュラーカルチャーにはもちろん可能性がある。
大衆文化とかいうと、ひとくくりにすると、単一的に見えるけど、そんなことはなく。
自 分ではあまり垣根を設けずに、ひっかかったものについて考えるという姿勢。
社会学やってるわけじゃないので書くのはできないけれど。
松浦寿夫さんと創刊した雑誌に連載している「ポロックの余白に」では、
ゆるくて、ジャズについて書き始めています。
ゆるい気持ちは持ち続けたいと思っています。」

うーん、なんというか、励まされた。。。
こんな濃い内容の絵画トークは札幌じゃなかなか機会が無いのでは。
お客さんもたくさん来場されていて、良い形で終える事ができた。
その後のオープニング、林さんと打ち上げ2次会。
林さんに作品や展示の感想をいただく。

さらにその後笠見西田、CAIの端さんとうさぎちゃん、我らが山本先生と遅く迄飲む。

グループ展に参加します。

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「絵画の場合 2012 ―最終章―」

日程: 2012年3月14日〜2012年4月1日
時間: 11:00〜19:00(最終日は17:00まで)
場所: 北翔大学北方圏学術情報センター PORTO ポルトギャラリーA・B
住所: 札幌市中央区南1条西22丁目1番1号
    ※一般来場者用の駐車場はありません。公共の交通機関でお越しください。
主催: 絵画の場合実行委員会
お問合せ: E-mai: lthayashi(アットマーク)hokusho-u.ac.jp

参加作家・協力:

 大井敏恭 笠見康大 小林麻美 澁谷俊彦 武田浩志 谷口明志
 末次弘明 西田卓司 林亨 山本雄基 梁井朗 塚崎美歩 

■林道郎氏 講演会
 3月17日(土) 午後2時〜

■オープニングパーティ
 3月17日(土) 午後5時〜

■アーティストトーク
 3月20日(火・祝) 午後1時〜


フライヤーデザイン:武田浩志
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久々のブログ更新になります。

2月はほぼこの展示のための制作に没頭しており書く余裕がなかったのでした。
余裕が無いと、心身硬直しちゃうので気をつけなければ。

本日自分は搬入を終えてようやく一段落。
とても見応えのある絵画展になりそうです。

今回はちょっといつも以上に気を張って制作してました。
いろいろな思いはありますが、
その理由の一つとして、
大学時代にものすごく影響を受けたり、いろいろ引っ張ってくれた先輩達がいることと、
いつもつるんでは絵画話をしている後輩達がいるので、
こりゃバトルだなー負けられねえ!と鼻息荒くなってるのです。
しかし搬入光景をみた限り、手強いバトルだな。。

僕はどっかで一番をとらなきゃイカンという意識のもと、
出品者の中で一番デカイだろう作品と、一番絵具の盛りが厚いだろう作品の
2点を出品します。
過剰に、過剰に、と唱えながらやってきましたが、度を超えて間に合わなくなりそうになったので、
同居人を犠牲者にしてヤスリをかけさせる始末に。
ちょうど大きな仕事を終わらせてオフに入った瞬間を見計らって土下座。
僕より基本的に造形能力が高いのでシメたもん、ギリギリ間に合いました。
なんかやっぱり、この一年いろいろあったし、過剰にいきたいのです。


今展は、展示の他にイベントも充実しています。

17日の林道郎さんの講演会は、絵画をやっている人達は必聴です!
北海道ではなかなかこのような機会はないかも。
林さんは美術批評家であり、「絵画は二度死ぬ、あるいは死なない」シリーズの著者さんです。
僕もそのシリーズの他いろいろな図録などで何度も林さんの文章に触れてきていたので、とても楽しみにしています。
同日講演会後にはオープニングパーティがあります。

また20日春分の日には参加作家によるギャラリートークがあります。
展示作品および絵画をより深く考察できるきっかけになるような機会になると思います。
話すことが無くなると困るので、ブログに作品の事をつらつら並べるのはこのトーク後にとっておきます。


展示にイベントも盛りだくさんですので、
ぜひ皆様お越し下さいませ!!よろしくお願い致します。


11月のグループ展が終わってから、
なんとなく2011年の怒濤のスケジュールをクリアした感。
それも所詮見せかけなんだけど、
わかっていながらやっぱりちょっとダラダラ気味でした。
制作を止めると一瞬で廃人になるので、
意識的に手は動かしているけれど、すぐ休むし無駄が多い。

そうしてるうちにあっという間にまたピンチな状況になりつつある。
ようやく引き締まって来た。

とにかく何度も言ってるが、絵のスタートが一番嫌いだ。パネル作るとこ。
そもそも日曜大工とかに縁がない僕が木材加工してるんだから笑えてくる。
ノコギリも釘ウチも一向に上達しないのに。

しかし今回は、大量にパネルが必要な作品の構想を練ってしまったので辛さ倍増!!
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ひたすら木を切る。近所のホームセンターの松材30×30は買い占めた!!
そして枠にする。
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当初の予定ではこの約45cm四方のパネル30枚組で一つのでかい作品にする予定だったけど、
最近の自己テーマは「過剰さ」ということにして、さらに10枚追加した。
3月の「絵画の場合」展で公開予定なんだけど、間に合うのかなーあーあー

こうやって自分に無理をかけることで、何か予期せぬおもしろさが発生するんではないかと未来に希望を持ってしまうのですハッハッハ…。
この作品では丸は封印して、直線だけで構成してみようかと思う。うまくいくかな。
ポスト抽象表現主義のパクリ的な絵になりそうだけど笑 どう回避しようか…

同時制作してるチビ作品では、マットメディウムの効果を試す。
同じメディウムでもマットになると、曇り具合が増す。これをうまく制作に取り込みたい。
それと、こっちも過剰に行きたいので、メディウムの厚みを増やす試み。
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これは作品開始直後の下塗り状態。側面も盛ってます。
こうやって、またどんどん時間がかかる方向に…


どうでもいいけどこれは先日届いたクラブニンテンドー花札。いい出来。
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こういうので癒されないとやってられん。
今年はニンテンドー3DS、ソフトも結構買ってます。3DSかなりイイ感じ。
やるヒマ無くてほとんどクリアできてないが…触れるだけでうれしいんだ。
そんなわけでポイントが溜まってこういうのを貰えちゃったりするんです。

板室温泉大黒屋にて、10月いっぱい行われていた個展が無事終了致しました。
ご鑑賞いただいた皆様、ありがとうございました。

北海道外で初個展ということで緊張してましたが、
お客様にも熱心に見て頂いたり、いろんなご感想を頂いたりで、
新しい刺激を得ることができました。

調子の悪かった心臓も、個展が始まったら見事に治りました。
知らんうちに相当心労溜まってたか?
よかったよかった。

展示風景を載せます。
入り口から入って、
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フロント付近の展示。

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奥に進んで小作品群。
今回は、壁が橙色です。作品とケンカしなくて良かった!

広いサロンには大きな作品を展示。
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シンプルな小作品もあり。

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元々大黒屋さんに置いていてもらった作品もあり。


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夜になると光の変化で、グッと雰囲気も変わります。

こう写真を振り返ると、
人の写っていない会場風景ばかりになってしまっておりますが、
実際は連日朝から夜まで常にお客さんがいるような場所です。
お風呂上がりの浴衣姿でゆっくり作品を眺めるような光景も新鮮でした。

10月18日以降は、会場にずっと滞在していました。
ただ居るだけっていうのも落ち着かないので、
先日セントラルさんでやったような、公開制作というかたちをとって、
会場で制作しながらお客さんとお話していました。

ここ1年で道内でやったことを、今展では総決算的に全部投入した感じ。

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こんな感じで、隅っこでお客さんを待つ、占い師のような佇まいなのでした。

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大黒屋さんのブログにも、その様子を載せてもらっています。
http://itamuro-daikokuya.blogspot.com/2011/10/blog-post_23.html




10月31日 搬出日
無事に会期を終え、作品搬出の前に、次の展示は審査員だった菅木志雄さんなので、
菅さんにも作品を見て頂く。大きいのも小さいのも良いよと言っていただき、ありがたい。
搬出と搬入が同じ日に同時に行われる。お客さんも普通に泊まっている中で行われるので、
おもしろい光景。

そして、作品がガラッと入れ替わると、当然ながら館内の空気が全く別物にかわる。
この感覚を毎月働いている場所で体感している従業員さん達。すごいな。
血が巡っているように場の空気が流れている宿という新鮮さ。
そして、菅さんの展示と自分の展示を比較、できてしまうんだよなあ…。
一気に今までの自分の展示がまだまだ稚拙だったことに客観的に気付いてしまう瞬間。
がんばろ。





10月24日
風邪悪化するも、薬を飲んでアタラクシアという低温床暖サウナのようなところで汗を流してたら、
そのまま3時間も寝てしまった。
ミイラになるくらい汗をかいたのち、熱が下がったようだ笑
従業員さんには首あっためなさいってストールを買って頂いたり、ショウガレモン作ってもらったり、
室井さんに好きな食べ物を聞かれ、ラーメンですかねえって答えたら昼食にラーメンが出てしまったり、
おかーさん おとーさん だらけ!!な気分。がっつり甘えてます。。

従業員さんは、この宿の特別な魅力そのものになっている。
みんなとても個性的でおおらか、生き生きしてる。
お客さんと従業員さんの距離感も近く、信頼感ができているみたい。
不思議だなあ。
聞けば、菅木志雄さんの作品を購入して部屋に飾っているなんて方もたくさん。
家族にどういうこっちゃという顔をされることもあるらしいけど、
すばらしいです。

昼には制作に戻る。裏でヤスリ掛けをしていたら、カマキリ発見!!!
ちなみに北海道にはカマキリがいないと思っていた。
調べたら、少しは生息してるみたいだけど、生で見たことがない。
そんなわけで、童心に完全に返ってカマキリと遊ぶ。
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いい顔してんねえコイツ。。カマも振ってくるねえカッコ良い。

興奮しながら従業員さんに報告するとポカンとされ、
このへんには山ほどいるけど北海道にはいないのかい!?と言われた。
道民男子の多くはカマキリロマンを持っているのではないかな〜。



10月26日 音を楽しむ会
大黒屋さんでは毎月26日に、「音を楽しむ会」が開かれている。
今回は、猪村浩之(テノール)さん、大坪由里(ピアノ)さんの演奏。
すばらしかったです。お客さんもサロンいっぱいに入って満席。

室井さんのリクエストで、なんと僕の作品に合う曲を演奏して頂くという機会に恵まれる。
なんという贅沢な体験…。
僕音楽素人で、中学校の時にピンチヒッターで男子テノールとして合唱部に所属してた
くらいしか胸を張れる部分がないですが良いのだろうか…

選んで頂いた楽曲は、吉松隆さんの「水によせる間奏曲」だった。
とても美しい曲。ありがとうございました!

大黒屋さんのブログでも紹介されています。
http://itamuro-daikokuya.blogspot.com/2011/10/26.html


10月27日 
公募展の審査員の1人である、
横浜美術館の天野太郎さんが超多忙な中展示を見に大黒屋まで足を運んでくれた。
作品にぐぐっと間近まで顔を近づけて鑑賞して頂き、
おお…やはりその距離は緊張する…何もごまかしがきかないな、と生唾ゴクリ。

その後、お酒をご一緒させていただき、絵画の話やトリエンナーレの話、
作品が売れることの話、助成金の話など。一気に緊張感が増す。
ポストモダンも超えてニューモダニズム的な流れの中で、
一周した絵画、文脈のどこからアイデアを引っ張ってくるか。

到着が夜の8時過ぎで、次の日の朝にそのまま美術館へ向かった天野さんだった。
頭が上がらないです。。


10月28日 
ゆったり公開制作の毎日。
お客さんも、興味を持って話しかけてきてくれるので、
このスタイルはコミュニケーションがとりやすい。
ただ、ついつい技法にばかり注目がいってしまうので、
絵の内容もできるだけお話するように心がける。

浴衣姿のリラックスモードでじっくり何度も絵の前で鑑賞して頂いている方々の姿を見ながらの
公開制作は、異世界感満載でおもしろい。
ああ、自分は画材さえあればどこででも制作できるなあと思った。

しかし、当たり前だけど本当に様々なお客さんがやってくる。
毎朝、室井さんと濃密お話(お話というかもう講義のような)をしてから朝食、
その後はたまにフラッと散歩にでかけたり、ご飯や入浴以外は夜中までずっと広間でのんびり制作してるので、
お客さんの流れがよく見える。
もう何度も泊まりに来ているリピーターさんも多い。中には一ヶ月一回ペースの方も!
そういう方達はもう従業員さんともすっかり関係性ができていて、とてもリラックスされていた。

若いカップルさんなどもおられ、聞けば女の子さんが美術系の勉強をしているとか。
偶然札幌から観光で来られている方も。Approach展もお知らせできた。

美大卒業して作家活動されているご子息さんをもつお母さんともお話できたり、

トレッキング企画運営会社の社長さんと社員さんとも、創造的な生き方について熱いトークを交わしたのちに、
最後には作品を持って頂くことになったり。

大黒屋の情報を知らずにフラリとたまたま立ち寄ったというお客さんに、そのまま作品を購入していただくということもあった。
これにはさすがに驚いた。ううむ場の引力ていうのがあるんだろうか。すごい。

ギャラリーでゴリゴリ作品鑑賞するような美術の専門的な方々、というわけではないのに、
なんというか、文化的な佇まい、みたいなものを大事に、大事って言うのも少し違うなあ…
自然に備わってるようなお客さんが多かったように感じる。
作品をゆったり、じーっとみて頂いたり、たくさんお話できたり。
いろんな新しい出会いがあり、毎日充実。

来月大黒屋さん写真展をやるとのことで、僕も空いた時間で写真撮ってみた。
一番良く撮れた写真。
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10月29日 温泉神社で挨拶すれば
展示も終盤。
毎日3食美味いものばかり頂き、温泉に浸かり、一日制作できる理想の環境。
すっかり居心地もよくなってしまって、ありがたや、ありがたやの気持ち。
裏山に温泉神社があるので、このありがたやをお伝えしに行った。
日本一周の時によく思ったけど、神社はやっぱりその土地に根付いてて
不思議なチカラを感じる。歴代の温泉宿主さん達のお名前も記されていて、
やっぱりこの土地でお世話になってるならご挨拶するのは大事なことだなあと重みを感じる。

無事に会期終了できることをお祈りしたら、
その後に関西のお医者さんに、なんと大きな作品を持って頂くことに…!
やっぱり、そういうの、あるのかもしれない。

10月30日
最終日。陶芸家の宮澤さんに見て頂く。宮澤さんの器は、
料理の器として使われていたり、従業員さんもプライベートで使っていたりと、
なじみが深い。ショップで販売もされている。今回、新作の入荷でたくさんの器を見せてくれた。
こりゃおもしろい!普段安物の食器ばかりの僕ですが…こうやって質の高い物を見せて頂くと、
色、形、質感、持った時の感触、飽きない!
ほえー…と皆でずーっといろいろ触っていたら、
室井さんの奥様みよこさんが、1つプレゼントしてくれた!ありがとうございます!
これは、無事に一ヶ月の会期を無事に終えることが出来た最終日の杯として、ウチに飾っておこう。。

こうきさんが来館され、打ち上げを兼ねてお酒!鹿児島のいも焼酎「魔王」が美味だったなあ。

10月18日 
再び栃木へ。今度は会期終了まで2週間の滞在。
朝一の飛行機。が、寝坊して危うく乗れないところだったが、メシアな同居人が高速道路をぶっとばしてくれてギリ間に合った。
今回ばかりは頭が上がらん。帰って来たらねぎらおう。
さて東京からそのまま栃木へ移動。急ぎなのでやむを得ず新幹線をチョイス…滅多に乗れんぞ。2階席だってなにそれ!隣のオッサン も立派な駅弁食ってるぜ。
那須塩原に着いて、小野塚さんと会津若松へ向かう。
なぜ会津若松かというと、そこの小児科のお医者さんが作品を追加で希望されており、
ご挨拶と実際飾られる予定のその小児科さんの壁を見に行くため。
途中の高速道路からの眺めは美しく、特に猪苗代湖と磐梯山が絶景。

小児科さんに到着し、お忙しい中院長さんにご挨拶。とてもおだやかなかただった。
院内も清潔でアットホームな感じ。ここに作品を持って頂けるならば安心。

せっかく会津まできたからということで、喜多方ラーメンを食べて那須に戻る。
戻ったら、先日賞を頂いたAAWの実行委員長である隠地さんと月刊ギャラリーの本多さんが
会場に見に来て下さっていた。そのまま取材をうける。

その後すぐに、「アートを語る会」が始まる。
室井さんからの事前課題、
「制作のキーワードを◯、△、□、に当てはめて色紙に書いてください。」
悩んだ末、それぞれ「日常」、「宇宙真理」、「絵画」に当てはめて、そこから話を膨らませていった。
話した内容は、このブログにもいろいろ書いて来たような制作の考えや絵画のおもしろさについてなど。

いきなり密度の濃い一日で、バッタリ寝る。


10月20日
写真家の鈴木幸輝さんがやってくる。こうきさんが来たならば、夜は二人でお酒を飲みながらお話が恒例行事だ。
こうきさんは話の引き出しが異常に多いので、楽しいし勉強になる。
飲み終えた後は小一時間、夜勤の従業員さんも巻き込んでyoutubeでの音楽鑑賞タイムも恒例。
こうきさんの、死ぬ前に聞きたいイチオシ曲は、イーディ・ゴーメのthe giftだそうだ。


それとこのトニーベネット&レディーガガがすばらしいという話。


この日の夜勤の広田さんのイチオシはトム・ウェイツ。渋みありでカッコ良い。


僕はこの日はマイブラで!


みんなバラバラな趣味で盛り上がった。


10月21日
菅木志雄さんの巨大インスタレーションの搬入手伝い。
山口県立美術館から大きなトラックに載ってその作品はやってきた。
大量の木材と、重さ40kgの石が100個以上もある。
am422


悲鳴を上げながら運んで並べていく。
ズラッと一列に27メートル。
JrVW6
こうきさん(左)も、毎回搬入手伝ってます。


10人がかりでなんとか展示完了。こりゃスケールがデカイ。達成感。
wV796

日通の美術運送の方達は、プロ!って感じがヒシヒシと伝わってくる物の扱い方だった。
細かいところでも、必ず声を掛け合っていたなあ。

その後、事前に送っておいた画材が届いたので、公開制作を始める。
公開制作した作品は、そのまま札幌に送られ、Approach展に展示される予定だ。

夜はこうきさんと晩酌。昼間の日通さんの話で盛り上がる。
興味の幅はノンジャンルだけど、「プロっていうジャンル」が好きなんだよ
という話になるほど。


10月23日
今年の公募展大賞の、坂井田さんが金沢からわざわざ車で来館され展示を鑑賞していただいた。ありがたや!哲学の話をいろいろ伺う。ご飯を食べた後、また金沢に戻って行った…。
滞在時間5時間くらい…タフだなあ。

夜になって、ようやく滞在も落ち着いて来て気が緩んだのか、風邪をひいたようだ。喉が痛くて体がだるいので、
早めに寝る。

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