やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

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ギャラリートークのゲスト、Schwanenbergerさんのご厚意で、特別にドイツ電子シンクロトロンの加速器見学をさせてもらうことに!!今はもう稼働してないけど、グルーオンが発見された加速器とのこと。ハンブルク郊外にあったんだ、、。メカメカしさが剥き出しになってる感じが70sで感激。コイルをグルグル巻きにした機械とか、アルミホイルでカバーして少しでも温度を下げるとか、アナログDIYな試行錯誤がそのまま残ってる。

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朝から仙台ちょっとだけ観光。
駅前からバスに乗って、仙台市博物館へ。

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若冲が来てくれました プライスコレクション。
震災をきっかけにプライス夫妻の思いで実現した展覧会で、
収益は全部東北に寄付されるんだって。
駐車場満車でお客さんもいっぱい入っていた。

かなり充実したラインナップだった。
鳥獣花木図屏風もしっかり見る事ができた。
 
博物館の常設展示も充実していて、
もちろん伊達政宗の鎧とか伊達家の紋章が入った道具満載、
それと支倉常長の展示が充実していてなんだか勉強になった。
その人生を見てると切なくなったが、
スペイン、ローマに行ったっていう部分は
時代は全然違えど、
やはり自分も訪れているとそれだけで俄然リアリティが増す。

今年は慶長遣欧使節出航400年記念の年らしく、
しかも昨年その資料がユネスコ記憶遺産に登録されたらしく、 
盛り上がっているらしい。 

博物館から歩いてもう少し上まで登ると仙台城跡がある。
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 小雨がパラつく中、駆け足でぐるっと一周。ここも桜と共に街を一望できてよい眺め。

ちょっと距離あるが、また歩いてこんどはせんだいメディアテークへ 。
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特別な展示等はやっていなかったけど、建築そのものの雰囲気や、
図書館のオープンな感じがとても良い。
一階の本屋さんには美術・デザイン系の書籍も充実していて、
フェリー用の文庫何冊か確保する。

バスで駅まで戻り、さらにバスでフェリーターミナルへ。
なんとバスの中でauのwifiがきてるじゃないか。
だいたいどこのセブンイレブンでもwifiきてるし、
意外と国内でもwifi運用いけるんじゃなかろうか。

仙台はちょっとだけの滞在だったが、
昨夜から市街地を歩いた雰囲気だと、
平日なのにどこも人で賑わっているし
街の活気みたいなものを感じたなあ。

フェリーターミナルも震災時は津波被害があって、
その時の職員の体験談などが書かれていてゾクッとする。
今は被害の跡は見られない。

さあいよいよ、ホントの帰国だぜ。
きたかみに乗り込む。
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フェリーは、好きなのさ。
船内の昭和なまま感と、ゆったり過ごせる時間感覚がたまらん。
学生時代は東京に出る時によく利用していたけど
仕事してたりするとなかなか乗る機会作れないんだよな。
こういうときこそフェリーを味わうチャンス。
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2等客室。

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かつてない乗客の多さに驚き。
なんかやっぱり仙台は景気がいいのだろうか。

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出航。
だんだん岸が離れていくのをデッキでボーッと眺めてるのがいいんだよな。

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コンサートなんかも行われる。

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湯につかる。
すっごい揺れていて、湯がザバアアアアって波だって
お客さん同士で笑うしか無い状況に。

これだけ揺れてもあんま酔わないな。
未だフェリーで酔ったことがない。酔ったら嫌いになるだろうか。
 
起きたらいよいよ北海道なんだな〜…
飛行機使わないと、遠いな〜。

黒磯からさらに新幹線で北上する。
帰国後、北海道まで飛行機を使わずに行くのであれば、
被災地を訪れていこうと決めていた。
震災後一度も現地を訪れたことがなかったし、
あれから2年経って、1度海外に身を置いて戻ってきた今、現地がどうなっているのかを体感したかった。
いわゆる観光で行っていいものなのか、とも思いながら、どこに行こうか情報を調べてみて、
「ほぼ日」などでもウェルカムモードで紹介されており、
記憶はないらしいけど恋人が赤子の時に生まれ育った街でもあり、
それだけでもなんとなく気持ち的に行きやすい感覚を持てたので、気仙沼に決めた。
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一ノ関でローカル線に乗り換え。
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 単線。のどかな風景が続く。

到着し、まず駅近くの神社にお参りをする。
そこからの景色はこれまたのどかな光景だ。
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お宿は港近くの旅館金港館さん。
ここだけ見てももうわからないけど、
震災時は1階部分は津波が来ていたとのこと。

ひといきついて、街を歩いてぐるっと一周してみることに。
周りのエリアを見る限り瓦礫などは撤去されており、当時報道を通して見ていたイメージよりは和らいでいるけれど、それでも整地された土地や、壊れた商店の入り口などで津波の跡は今もはっきりわかる。
被害の跡が明らかに残っている所は、写真撮る気になれなかった。
一方、街なかのこれは撮ってみた。
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JRのアートプロジェクトだ。
ワタリウム美術館でやってたインサイドアウトのプロジェクトは日本では気仙沼が最初だったのね。
これ見て後で調べて初めて知った。
正直これだけ見たって唐突で、でも写ってる方々の表情は豊かに見えて、
結局のところどうなんだろう?って感じなので、
実際どんな風に実行されて、その後の街の人の反応も聞いて見たかった。
僕も美術家の端くれだけど、こんな風に作品を通して街への大胆な介入ができるタイプではない。
表現以前にまず、nowhere man状態のいち旅人として、歩いて実感して買い物すること。


鹿折地区方面へ行くと、
ここも瓦礫はもう無くなっていて、
広い更地の上に、住宅の基礎の跡がたくさん並んでいた。
これがすべて住宅で、このかずの暮らしがここにあったのかと思うと、
ただ呆然と立ち尽くしてしまった。 


ニュース等でみた第18共徳丸の姿も。
この場所まで流されてそのままここにあるっていう事実を、目の前にしてもうまく飲み込めなかった。
船の目の前には仮設のセブンイレブンがあり、観光客も集まっていた。

日も暮れてきて、街の方へ戻る。
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復興屋台村。おみやげ買ったり、コロッケ食べたり、

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その商店街の中、南街紫市場にある、◯安さんで一杯やる。焼き鳥(豚ホルモン)美味い。
常連のお客さん達と少しお話しすることができた。
現状の事を聞くとまだまだこれから少しずつ、とのこと。
ただの旅行者である自分に、答え難いかもしれないことをお話ししていただいて、
皆さん気さくで素敵な人達だ。 

旅館のおかみさんとも少しお話する。
津波被害が大きかった地域はこれからさらに土を盛って、
住宅の基礎も隠れるくらいに更地になる。
その後のことは決まっていない事も多く、
復興といっても震災前から若者が減ったりしており
やっぱりどうなるかまだまだわからないっていう話。
まだ2年、というのが実感として残る。

2日目は田中前エリアへ。
こちらにも復興商店街があったり、
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斉吉さんで金のさんまのおみやげを購入したり、

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気仙沼といえばフカヒレってことで、めん八珍でフカヒレラーメン。美味い。


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アンカーコーヒーさんでチョコデニッシュ、美味い。
若い人からお年寄りまで賑わってて店員さんともフレンドリー、
イイ感じの雰囲気で、ベルリンのカフェを懐かしむ。
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旅人気分ってことと日本語が通じるっていう喜びのせいか、ついつい、いろんな所で店員さんと話す。
皆さんめっちゃ良い人達で、仮設の建物でも、こういう状況の中で最大限、一歩一歩時間を進めている方たちの話が聞けると、やっぱり思い切って来てみて良かったんだなと感じる。


腹ごしらえをした後は、川を渡って南気仙沼駅方面へ。
こちらも、昨日に続き立ち尽くすしかない、つらい光景だった。
駅そのものがホームを残して何も無くなっていたり、
周辺の建物もほとんど無くなってしまっている。
整地作業のトラックやショベルカーが出入りしていた。
街の人にも聞いた、まだまだこれからだ、という言葉が、風景と一致する。
秒、分、時で決められてるようには、
時間の流れ方は1つではないんだ。
忘れないように、この光景を頭に焼き付けておこう。

もう一カ所、
リアス・アーク美術館を訪問したかったのだが、
この2日間、月火はどちらも休館日に当たってしまい、残念ながら叶わなかった。
これはまたいつか再訪しなければならないな。

市役所前から長距離バスで、仙台に向かう。
あら、たまたま隣に座った方にも話しかけられる。

聞けばこの方は、陸前高田でお世話になった方を津波で亡くし、
今回初めてその現地を見に行ったとのことだった。
やはり、住宅地エリアが広大に何も無くなっており、知っている土地が変わり果てた光景はショックだったと仰られていた。
 
自分も気仙沼までの足取りなどを説明し、たくさんお話しているうちに、仙台に到着した。
話が尽きず、そのまま駅前でその方と夕飯&晩酌をごちそうになってしまった。
聞けば元大学教授さんで、若者といろいろ話すのが楽しいと。自分も恥ずかしながら絵描きをやっていると自己紹介をした。
うーん、こんな一期一会が今日の最後に訪れるなんて、沁みた。
東北旅ではコミュニケーションの機会に恵まれてた。
 
夜は、駅から徒歩10分のゲストハウス、
宿や萩さんに泊まる。めっちゃ安いし便利。

坂井田君に板室温泉大黒屋さんまで車で送ってもらう。
途中、ものすごい水のキレイな川に寄る。
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うお〜底まで透き通ってる。すばらしい!

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大黒屋さんに到着。桜だ!
桜が咲いてる時期には初めて来た。キレイだな〜
日本の良さ。
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入り口に菅木志雄さんの作品が新設されていた。
鏡面がピカピカでカッコ良い。毎日磨かれているのかな。

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 皆さんに帰国のご挨拶。
ドイツ滞在の初期費用を作れたのは、ここでの個展のおかげだった。

温泉につかって、しばし湯の幸せを感じたり、
旅のまんまの格好でボッサボサだった身だしなみを整えたり、
一番肝心な来年の2回目の個展の打ち合わせをしたりと、
洋行浮かれな気持ちを引き締めてもらうような2日間を過ごす。

個展はちょうど一年後、桜の時期の2014年4月に決まった。
 

すっかり月日が流れてしまった。すでに僕はベルリンにいる。

前の記事を書いてる辺りから本格的に家の引き払い準備に追われ、
半ば記憶化する余裕も無いまま、あらら気付いたら渡航しちゃった感。

やっと少し落ち着いたので、これまでの流れを書いてみる。
これは5月9日に書いてるけれど 日付改ざんして5月2日ということにします。
以降カタール、ドイツ記も実際に動いてた日に日付改ざんします。
いつものことですが。

さて遡るは4月後半。
家の引き払い準備はは結局1人ではどうにもならないので、
同居人に叱られながら助けてもらったり、
後輩の西田君を呼んだり、最後には両親、妹夫妻、
ばーちゃんにまでご迷惑をかけるハメに… ホント申し訳ない。

大きな絵は同居人のばーちゃんちに置かせてもらう。
他にも、自分でも忘れていたデカい犬の置物もなんとかする必要が。
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今まではポルトの研究室に置かせてもらっていたが、
仕方が無いので半ば強引に自分のじーちゃんばーちゃんちに押しつけ。
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玄関に設置された犬を眺める我が祖父。
祖母はこの犬を「まもるくん」と命名していた。

この犬は、6年前くらいにJRタワーの企画で20人くらいが
好きな絵柄をこのデカイ犬に描くというもので、
最後は自分の元へ返って来た。
他の19人はどうやって保管しているのだろう。



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これら大量のゴミも、もうゴミの日とか言ってられず、
最後には便利屋を呼んで持っていってもらった。

これによって予想以上にお金が減る。
やれやれ引っ越し楽じゃねえなあ。
 一方で美術仲間、地元友達にも追い出し会もやってもらったり、ありがたや!!

実生活的にはそんな感じだったのだけど、
美術生活的には、いくつかの席で、
僕が札幌美術界のご意見番として慕っている
伊藤先生や磯崎さんに絵画の場合の感想をいただく。

引っ越しと渡航準備に追われ全く制作ができてない状況+キビシいご意見で、
袋小路な気持ちに。
美術について、絵画について、改めて考え直す時期に来てるような感じだ。

そうしたダメダメな流れを背負って、5月1日に北海道を発つ。
さらば、5年間住んだ築48年のアトリエ兼住居!!
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まずは東京で、ひっくりかえる展、大友克洋GENGA展、田中敦子+靉嘔展、
ボストン美術館展を見る。
とりわけボストン美術館展はおもしろかった、曾我蕭白には本当にびっくり。
チラシになってる有名な龍の絵はデカい!あんなのを飾っていたお屋敷も異端センスだが、
きっちりそれを重要物としてアメリカに持ち帰っちゃった摂取センスも素晴らしい。
他にも絵画の構図的に優れた大作や、人の動きや表情に相当の技術力を感じた。

噂のGENGA展も面白く、個人的には初期の作品で作品毎にいろんな画風を試してる器用さや、
カラーフィルムを貼ってるカラーイラストなんかに特にグッときた。
後半にいくにつれ描写の技術力が創造を絶するレベルに到達しているので、
AKIRAの後半とかは、
人がこれを描いてるという感覚を忘れてしまって、
逆に凄みがよくわからなくなるのだった。
この現象は、山口晃の作品を見た時にも発生したなあ…。
どうなっているのか分析のしようがない描写力は才能としか言いようが無い気がする。

東方君とも合流。彼も、同じタイミングで退職&家を引き払ったそうで、わたわたしていた。
大学時代の友人の家に泊まり、
芸術新潮を片手に5月2日に日本を発つ。いざカタールへ。
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カタール航空は噂通り快適。 機内食もそこそこ美味しい。
12時間のフライトは、まず芸術新潮を読破。芸術新潮は濃密な内容で、村上氏が自作を説明してるところは唸る…。また学生時代の行動などが今に繋がってて興味深い。
後は映画。忙しすぎて見逃したスピルバーグ「戦火の馬」にチャレンジしようとしたけど英語だし字幕はアラビア語で断念、仕方が無いので邦画をチョイス…お、三谷幸喜の「ステキな金縛り」!深津絵里に癒されたのち、あとはほとんど安眠して気付いたら到着してました。


搬出のために札幌から帯広に向かう途中、2カ所の寄り道。
まずは、トマムの雲海テラス
夜明けくらいに札幌を出発し、早朝にトマムに到着。
運が良ければ、雲海に浮かぶようなテラスを体感できたのだが、
晴れすぎちゃった!
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なんとまあ、雄大な山脈風景。これはこれですばらしい眺めだったけれど、
みたかったなあ、雲海。またリベンジしよう。


日高山脈を越えて、今度は十勝千年の森へ。
山の麓の広い敷地に美術作品も点在してるところ。
美術作品をがっつり楽しみにいくって感じでもなく、作品が点在してるあの敷地を堪能する感じ。

セグウェイがあって、乗りながら彫刻の周りを回ってる人達が滑稽だったな。
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みやげもののセグウェイTシャツが欲しかった。

ヤギと羊と戯れる。
ヤギには親近感を覚える。
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お誘いを受け、栃木県の板室温泉大黒屋に行ってきた。
先日は広報担当の小野塚さんが札幌まで個展を見に来てくれたばかり。
今回の訪問は、菅木志雄さんの新作展が大黒屋にて開催されるので、その搬入手伝いというレア体験や、来年の個展の話などをする、なども含め大黒屋と和気あいあいしてこようということで!

板室温泉までは、千歳空港から福島空港までAIR DOに乗り、空港からバスで福島県郡山市、郡山からJRで栃木県黒磯へ、さらにバスで板室温泉へ。だいたい4時間くらいの移動。

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先日聞いた話によると、大黒屋は創業460年で栃木県で一番古い企業なんだとか。460年っつったら、室町時代!!時間のスケールがでかすぎてよくわかりません。すごい。


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 本館の庭にも菅さんの作品が設置されている。そもそもこの宿がアートとのつながりを深めたのは、社長の室井さんが若い頃、お客さんに「楽しそうに働けていない」と言われ、どうしたらいいかそのお客さんに尋ねたら「東京の銀座界隈に貧乏だけど生き生きしてる連中がいるから見てくると良い」とアドバイスを受け、ギャラリー巡りをしてそこで菅さんの作品と出会ったのが始まりとのこと。その後実際作品購入して館内に飾る事で、手応えがあったのだとか。以来毎年菅さんの個展を行い今年で9回目。

そんなわけで室井さんがアートや文化のチカラを大事に思ってくれているという場所なのだけど、その室井さんの有言実行力や前向きな考え方がハンパなくて、話をしていると精神力のガソリンを注入されるようだった。

僕は通路の小作品の展示を任され、ドリルと水平器とメジャーをフル活用。まさか宿でいつものこの作業をやるとは笑
作品の裏側なども見れてラッキーだ。
作業してるうちに、菅さんは直接会場での作品制作を進めていた。

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菅さんのシャツの柄がかわいかった。


展示が終わってからは皆さんとお食事。
大黒屋のご飯は、めちゃくちゃおいしい!!
食べながら、室井さんと菅さんのこれまでのお話や、文化から政治の話、アートの話。
内容は、ひみつですw
菅さんは今年、ロンドンのテイトギャラリーに作品が収蔵されたそうだ。ひー
難解な話題もでてきて、なんだか階層の違う世界の話のように感じたけれど、そうも言ってられないんだろうな。
勉強しなきゃ。。。

夜は菅さんの作品説明会。お客さんも宿の社員さんも集まって話を聞いたり質問したり。おもしろいなー
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菅さんと記念撮影。

その後さらに、第一回公募の大賞の矢部さんと、カメラマンの鈴木さんと飲む。矢部さんはすっかり大黒屋に馴染んでおり、展示手伝い中に始めて会った時はエキゾチックな社員さんかと思ったw 情熱的なお兄さんで、作品はパワフルなものからポップな小作品まで幅広い。 鈴木さんは都道府県をまたいだ新聞の切り抜きや読んだ本のフレーズなどをノートに貼りつけているものを見せてくれて、インターネット時代を吹き飛ばすようなリアルな情報集めだった。魅力的なくせ者さん!言葉にも敏感で、適当なことを発言したらすぐに怒られた笑 おもしろかったなー

ゆっくりお風呂に浸かり、次の日は外を散歩。
デジカメの調子が最近とても悪くて、ピントが変。こりゃもうだめだなあ。
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別館には、過去の大賞受賞者の作品も。
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菅さんの展示、夜と日中では趣が変わる。
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菅さんの作品は、コンパネや木の枝やロープなど、素材をそのまま使っていながらどこかキャッチーなポップさも同居していて興味深く、そのバランス具合がなんともこの宿に合っている気がしました。

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室井社長とも記念撮影。

帰る頃には社員さんとも馴染んでおり、濃密な2日間だった。もっとゆっくり何週間かまとめて滞在したくなる不思議な宿です。

帰りはまた同じルートで福島空港へ。ちなみに福島空港にはこんなウルトラな方がいます。
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福島は円谷プロの円谷さんの出身地だそうで、空港にはいろんなウルトラマンが!しかしデジカメの調子が悪いのに、なぜかこのウルトラマンははっきりくっきり写ってる…さすがウルトラなマンだ。

 休日。こないだ買った大量のメディウムが届いた。重い。いつも3リットルの特注をまとめ買いするので、すっかり画材屋さんの店員さん達に覚えられている。
 さあ絵具も届いたし、大作の準備だ…ああなかなか木枠が完成しないのは、ベニヤを切るのがタイヘンだから。さっさとやれ。
 逃げるように、Sサイズの作品にとりかかり始めた。

 今日は2週間前に借りたお試しWiMAXの返却日だ。すっかり気に入ってしまったので、契約する事に決めた。ビッグカメラへ向かう。

 手続き完了、しかも複数の機器を繋ぐため、wifiモバイルルータもセットで購入。これは、すごいぞ。

 帰って早速繋いでみる。繋ぐのに手間取って2時間ほど悪戦苦闘したがなんとか完了!速度も大丈夫そうだ!!こりゃあ快適だーネットばっかやって引きこもりして絵を描かなくなったら超ヤバい。

でも大丈夫。我が家の居間のテレビの上には、「絵心」と達筆に書かれた石が置いてあるので笑、その石が視界に入るたびに、はっ、絵心!!とアトリエに足が向くのです。

この石は一年前日本一周旅行した時に、山口県の秋芳洞の土産屋さんで買ったモノ。おかっぱの達筆バアちゃんが自画自賛しながら、石に筆で好きな言葉を書いてくれるというすばらしい店があったので、自分の分は「絵心」と書いてもらった。せっかくなので、ライバル笠見君にもお土産に「アート魂」と書いてもらった(こないだすき焼きパーのとき、ちゃんとトイレに飾ってあった)。合計400円笑 価値ある買い物をした。

あれからもうすぐ1年かー。

3日目、朝から豪華な朝食を頂き檜風呂を満喫。のち、皆さんと菅さんの作品が大量に保管されている倉庫美術館ツアーへ。
大きなインスタレーション数作品と、壁の小作品が100点くらいズラリと並ぶ。素材のフェチ感覚と、作業痕跡と物質の構成や関係に没頭してる感じが伝わる。

これらの作品群を眺めながら大黒屋公募で選ばれた今までの作品群を頭に浮かべると、なんとなく、選ばれた理由がわかる気がした。

すっかり満喫し、皆さんにお礼。新幹線で再び東京へ向かう。強風にヤられたのか、目眩と頭痛でフラフラになりながらうたた寝しつつ、上野到着。なんと暖かい!マフラーとかアホのようだ。VOCA展を見る。

札幌で会って以来、大野智史君の作品ファンなので彼の作品を見るのが目的。デカい!!
ポートレイトの作品、目眩状態の自分をさらにグラグラにしてくる。
う〜んしかし、展覧会全体としては正直ちょっと違和感!

長谷川等伯も見たかったけど、混んでそうで時間が無いので泣く泣く断念…

上野駅のホームで大学の後輩坂本っちゃんと山本さんに偶然遭遇!目がテンになって幽霊を見てるような眼差しの坂本っちゃん。一瞬だったが会話できて良かった、なんとか絵も描いてるみたいだ。

そこから川崎まで向かい、岡本太郎美術館に太郎賞を見に行く。
後輩で現在登り竜の東方悠平君が入選してます。彼の展示はちょっと可哀想な収まり方だったけど、それでも十分に可笑しいインパクトで1人で笑ってしまった。
勢いのあるエネルギーな作品が多くて刺激的。コンペや作品の中身やアートの文脈について色々考えた。

太郎美術館は大学2年生の時以来約8年ぶり。赤い入り口が懐かしくて感動した。岡本太郎については個人的に思い入れが強く、常設展で昔を思いだしながら熱くなったので、後で改めて書こう。

東京に戻り時間ギリギリで2121designsightのクリストとジャンヌクロードで締めようと思い走ったら、なんと火曜閉館ショック!北海道大学でのレクチャーにも行けなかったし今年は縁がない…。

あっという間に時間切れ、エア・ドゥで札幌に戻る。寒い!!雪が懐かしい!
そして気温差に完全ノックアウト、次の日風邪をひいた。


2日目は東京から栃木県那須塩原市まで電車に揺られ二時間半。さらにそこから送迎タクシーで山の間にある板室という温泉街へ。

大黒屋は清流と山のすぐ横にあり、非常に良い雰囲気!社員さん1人1人が挨拶してくれたりで親和的。菅さんの作品が通路にもたくさん。本当に良いところです。

コンペの入選作品は、サイズ制限もあったので小ぶりだけどもハイクオリティで作りこんだ「モノつくり」な作品が多くおもしろかった。1人の作家さんの作品をまとめてみたい。

受賞式では社長と熱いお話を交わし、審査員の皆さんともお話できた。う〜ん、とにかく、これからまた地道に制作して、来年のここの個展でまた勝負。

作家の皆さんは自分も含めて審査員さんに作品ファイルを見せたくて全体的にソワソワしながらも互いにトーク。

ほぼ皆さん学校を卒業して数年経ちながら踏ん張って作品制作を粘り強く続けてる方ばかり、アラサーのフリーターが多くて興奮した。

ご飯もとても美味しくて大満足。温泉なので風呂に入ったら出展作家さんはいるわ 天野さんは入ってくるわ小山さんも入ってくるわで、こんないきなり裸のお付き合いができるコンペはなかなかないのでは!?
82歳の大黒屋常連さんの方ともお話。ここの魅力を語ってくれた。心地よさそうでなんだかいいなあ。

話の流れでさらにその後天野さんの部屋に行き、スリーさんチームと戸田さんチームと飲む。
天野さんの関西ノリに大ウケしながらローカルトークやら美術トークやらに花が咲き、関西チームのトーク力になんとか対抗するため僕は秘伝の下ネタで太刀打ちする(太刀打ちできてたのか!?)

良い夜だったなー


さて 大黒屋の受賞式のため、関東に出向いた。

しかし、年を取るほど飛行機がイヤになってきたなぁ。あの滑走路にでてからグォォっと一気にスピードをあげるとこが特にイヤだ。
自分じゃどうすることもできない圧倒的スピードがかかっている実感が一番ある瞬間だから。飛んで水平飛行してしまえばスピードの実感がなくなっちゃうのがまた恐ろしいのだけど。

着いてまずGEISAI14を見に行った。出展しようかギリギリまで考えて止めたので、実際どんなもんかを見なきゃということで。

ビッグサイトは期待通りコスプレの人たちやキャラの袋をもつ若者がいて、これぞクレイジー東京だと興奮しつつ、それと比べるとゲーサイの会場は割りと閑散としていた…さすがアアト界だ!

ゲーサイは、もっとたくさん作品を見てみたい実力派から、謎の中年さんの暴走表現など様々。あの1人1人が出展料を払ってるのかと考えると、ふーむ不思議だなあ。しかしファイルとか名刺とか置いてるけどインパクトなきゃ容易に素通りされそうで、なかなか難しそうだなと感じた。

その後国立新美術館でアーティストファイル2010を見る。非常に安定感のある内容でおもしろかったー桑久保徹さんの作品、ホンモノ初めて見た。ホンモノ良いなあ。日本人ぽくない空気があった。

O JUNさん、なんか最近東京いくと必ずOさんの展示を見てる気がする!今回のは、展示室に入ると 津波のように絵が押し寄せてくる感じ。あの天井の高い部屋を存分に利用しており、またしても新たな異質の衝撃をくれたのだった。

続いて同行していたYと共にkockaというハイ・アナログな映像チームを組んでるゴンちゃんこと金子さんのカード展を見に丸ビルへ。

ずっと切り絵の作品を作っている。アートな文脈とは違うし非常にかわいらしいモノなので本来僕のようなウサンクサン者は門外漢なんだが、このゴンちゃんの作品、完成度があまりに高いしイメージの作りが丁寧でかわいい。ので素直に驚いてしまう。額に入ってた作品が良かった。

以前見たゴンちゃんの切り絵アニメーションがまたすさまじくて NHKとかイケるよ!て騒いでたら マジでその後デジスタで賞とってた!

その後後輩達となぜかYの兄と飲み、そのまま兄部屋に泊めてもらった。



 バイトを終えてそのまま札幌駅に直行、旅のお供のYと合流。寝台列車は思ってたよりフカフカしており寝やすい。しかもJRロゴ柄の寝間着もある。早朝に着くから早めに寝ておこうと思っても、
 北海道の車窓から
モードに突入、なかなか寝れません。なんたって夜の室蘭の景色は良かったです。工場と煙と白鳥大橋、相変わらず街の個性が色濃い場所だ。満足できたところで次に意識があったのは海を越えてからでした。

青森〜三沢までそのまま直行、青森の車窓からは杉の木が見える。観光鉄道に乗り換えて十和田へ。早朝の観光鉄道はスクール便、地元の学生しか乗ってねーや。

思ったより早く十和田に到着、美術館開館まで1時間…空いている店がない。そして強い寒気が我々を襲う!足がマヒする!!昨日の北海道より寒いなんて!2月の寒気を毎年忘れては思い出します。
いよいよ凍りそうになったので、目の前に現れたホテルルートインに逃げ込み、朝食バイキング中のレストランでコーヒー飲んでいいですか…?とウザイ客全開モード。
 すると少々困惑させてしまったが、なんとタダでコーヒー飲ませてくれた!なんていい方達…僕らは明らかに貧乏な美術館目的な人たちなのに。感謝。皆さん、十和田に泊まる際は、ぜひホテルルートインへ!!

十和田市現代美術館は9時から開館。おもしろかったのは、吉田初三郎 (鳥瞰図絵師)の作品。デフォルメされた超パースの地図がカッコ良い。十和田湖なんてドラクエ2のロンダルキアだ…春に日本をまわったせいもあり、ここをこう描くか!?というイメージ比べができた。

続いて無料送迎バスで青森県立美術館へ。
2回目ですが、ここはワクワクする美術館だ。

伊藤先生×岡崎さんの作品、とても良かった…
巨大な投影と大胆な視点移動で重力感覚が狂いそうになる作品。生原稿の上を見上げると地面に並ぶ人形土偶達。こちらも重力感覚がヘンになる。そして月と写真と地球。時空を超越していく希望なのかヒューマニズムなのか、そのようなテーマがシリアスとユーモアを孕みながら展開されてて感動。
模型に目を向ければ、緻密に作られながら際どいチープさを残したリアリティ。

それと、立石大河亞(タイガー)さんの陶器作品おもしろかったです 特にピカソに愛を感じた。つーかこんなの作ってたんだ つーか故人だとは…

桑原弘明さんの作品は自分としてはロマンチックすぎたが、モノとしての完成度がとっても高くてびっくり。

常設のアレコホールのシャガール絵画を見て、初めてシャガールの凄さに気付いた4年前。改めてやっぱこの絵、すげえや。特に薄い色の絵がすごい。そしてこの作品群が必要としている天井高がハンパないこの空間自体もまた魅力的。
ホワイトキューブの部屋も、床まで白くて、絵画作品をこんな場所で展示できたらうらやましいや、常設にある渋めの地元絵画群をこんなホワイトキューブで見てるなんて、ちょっと正直くやしい思いです。

青森市街に向かい、地元の人にその場で聞いたオススメ店、柿源という料理屋さんへ。ホタテです。青森だもの。ホタテバター焼き定食です。めちゃくちゃウマい!!!Y子はホタテフライ定食これまたウマい!!店主さんも良い人! 皆さん、青森で食事する際は、ぜひ柿源さんへ!!

そうして特急に乗り、札幌へトンボ帰りです。高速だったけど満足内容。
北海道はさらに寒く、家に帰ってきたら、でました水道凍結。落としてたから破裂はしなかったものの一時間ほど水が出なくて困った。

しかし、周りの同世代も結構ラブラブショー見に行ってるとのことで、伊藤先生が慕われてる事がヒシヒシと伝わるなあ…。東京より遠い青森まで行ってるんだもんなあ。

当時は伊藤先生の飲み会で突発的に発生する美術トークを理解するために必死に美術史を頭に詰め込んだものです。絵画を含む美術史全般に詳しいことと、美術とサブカルチャーなどの文化を優劣つけずに同じ価値で見つめてる態度にハッとさせられます。

↓伊藤先生HP
http://www.ne.jp/asahi/r/ito

 本日の寝台列車に乗り、青森に行くことに。寝台なんて修学旅行ぶり!
目的は、大学時代お世話になった伊藤先生が出品している、「ラブラブショー」を見に行くため。青森県立美術館です。十和田市現代美術館も連携してるので、そっちも行きます。

寝台で22時サッポロ発、朝6時くらいに青森到着、そのまま真っすぐ十和田まで行って美術館、そっから青森に戻って美術館、で、その日にまた帰ってきます。ひー

札幌から青森って、東京へ行くよりも遠く感じる。

ラブラブショー
/http://www.aomori-museum.jp/ja/exhibition/28

○日本一周旅行を終えた簡単なまとめ 

 4月〜5月にかけて、車で日本を縦断した。教師を辞めた記念というか、溜まっていたインプット欲を大決行。沖縄以外は一応すべての都道府県に寄ったことになる。ちなみに一番南は屋久島!

一ヶ月なので、移動するのが精一杯。その県をたっぷり堪能するというわけにはいかず、超有名な名所をつまみ食いするという修学旅行的な毎日だった。そのため各々の土地に潜む土着文化みたいなものはわかるはずもなかったのだが、重要だったのは、車で連続してこの列島を移動し続けたことだと思う。

 普段例えば北海道から東京に向かうなら、飛行機あるいはフェリーなのだけど、どちらも移動のスケール感は感じにくい乗り物。車だと、陸の形に沿って移動するし、自分がハンドルを持つので移動の実感がある。
 九州から東京までがいかに長いか…東京って、ホントに東の都だった!そこからさらに北上する東北の最果て感とは…空気がなんかせつない。
山陰地方の昔風な上品さや、飛騨山脈が日本の屋根と呼ばれる理由。町と町のつながりや、陸の高低のつながり、ザ・日本列島の連続性!これは飛行機では体感できないものだ。(もちろん飛行機にも、俯瞰するという別種のスケール感があるけれど)。
 そして日本がいかに山の国なのかがよくわかった。ちょっと都会を離れると、すぐ峠だ。山の間にある町などは、よくこんな斜面に建ててるなあ…という光景もしばしば。限られた平地には都市、ビルヂング。
 同時に、日本は海の国でもあった。海の表情が地域によって全く変わる。僕は北海道の太平洋側の黒い海が人生最初の海体験だったので、基本的に海には恐ろしいイメージを持っているのだけど、高知の桂浜などは、やさしい青で透明…これが同じ海なのか?と感じるくらい。
道路の密度や、町と町の距離なども新鮮に感じた。とくに西日本は、細くてヤバい道路があったり、国の密度が移動してるだけでよくわかる。

 そういった日本列島の大まかなスケールってのを体感できたことが大きな価値だった。
東北よりさらに海の向こうにある北海道(!)に住み続けていた自分が、いかに、ザ・最北端野郎か。東北の下北半島まで行くと、なんというか地図的に行き止まりだし、ずいぶんな移動距離を実感できたので、ああここまできたんだなあ…と感慨深くなったのだが、そこからさらにフェリーに乗って海を越えちゃう土地って一体なんだ!?ということになる。若干別モノである。
 実際旅を終えて北海道に上陸した時、北海道が特殊に見えた。道路は広し、土地も広し、広くて…なにもない!町と町の間に、なにもない。いやなにもないわけではないが、とくに印象深い風景が…だだっぴろい。そんな中の札幌に住んでるんだな。帯広から、ノコノコやってきたんだな。一見なんもないが僕はやはり北海道に愛がある!毎年毎年この土地ならではの春夏秋冬を感じニオイを感じ風を浴びてるのだー僕の土着性とはいったいなんだろう。

 ちなみに日本には美術館がやたら多く存在してるようだ。そんな大量にあってどうすんだ、コレクションは一体どうなっているのか。開館時間が限られてるもんで、寄れた美術館は全体のうちのほんの僅か。今度は全国美術制覇したいなあ。
悪天候で見えなかった青い富士山はいつになったら拝む事ができるのだろう…。
沖縄にはいつ行こうかなあ。

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