やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

カテゴリ: 海外美術鑑賞記

南ヨーロッパ鑑賞旅最後の街マドリッド。

宿を出てすぐのマクドナルドで朝食。
イケメン系店員がカプチーノにスマイル顔を描いて、
Y子にニコヤカにウインクで決めて来た。
さすがラテンの血はイケてるなあ。

まずはプラド美術館へ。宿から徒歩10分だ。
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絵を描く者なら一度は見ておきたい、
ベラスケスの「ラス・メニーナス」がついに拝めるのだ…! 

期待通りさすがの巨大美術館な上にそのラインナップが独特。
ここも撮影禁止なので残念。なのでサラッと書く。

ベタだけどグレコが並ぶ部屋とか変すぎる。
でもグレコはファーストインパクトから慣れてくると物足りなくなってくるかも。

ベラスケス。
まとまっていろいろなベラスケス絵画を拝める贅沢さ。
まず、おそらくベラスケスの肖像画は飛び抜けて似ていると思われる。
なぜそう思うかと言えば、
どんな画家も顔を描くときって独特の表情クセがでてるものだけど、
ベラスケスにおいては、どの顔も表情まで完璧に描きわけているから。
ベラスケス絵画は総じてタッチが荒くてバサバサしてるのだが、
顔だけは筆跡もボカし気味にしてデリケートに扱っているし。
とにかく、人物の顔の描写は異常に丁寧で上手い。

ラス・メニーナスを実物の大画面で目の前で見ると
絵とのやりとりができる感がハンパ無い。
この絵は近づいて見るとかなりタッチが荒いので、
その描かれた空間には入っていきづらく描写の細部に目が行く。
ある程度離れたところで明らかに適正距離があって、
そこからの眺めは不思議でしょうがない。
絵の中のいろんな地点からこっちを見てくる。
こっちから絵の方を見て、遠い鏡から跳ね返ってくる視線は国王夫妻のもの。

はぁ〜 この今自分が立っている適正距離は、
絵の表面にあたる地点から後ろの鏡までの距離に等しいんだろうな。
絵の表面にあたる地点というのはいったい何なのか…
そんな絵画の不思議がとってもわかりやすく深く現れてるなあ。

ラスメニーナスでもやはり
王女から、美人の女官、奇妙な道化師、画家本人、
と並ぶ顔の存在感が凄い。
まさに傑作。

そして、さらに総合的に圧倒された画家は何と言ってもゴヤ!
コレクションがかなり豊富で、全時代のゴヤを一挙に浴びる事ができる。
初期の日傘もあれば、カルロス4世の肖像画もあるし、キリスト磔刑画もあるし、
マハも並んでる。 1808年5月3日の銃殺も。
…ずっと前に初めてNYのメトロポリタン美術館で見た時の印象は、
ちょっとヘタでファニーでおもしろい画家だな、
程度しか思ってなかったが、それは大間違いだった。

昨年の東京のゴヤ展で気付き始めたが、
ゴヤの上手さは単純な意味の正確なデッサン力というよりは、
人の表情やポーズ、動き、精神性、
それに絵画そのものに対する深い愛情みたいなことまで感じさせる演出力にある。
加えて大事なのはユーモア。 

ゴヤで一番衝撃だったのは、晩年の部屋。
ブラックペインティングと呼ばれる連作が並んでいて、
とてつもなく暗いというか怖い。トラウマになるが凄い。
「我が子を喰らうサトゥルヌス」もこのシリーズの1枚だった。
「砂に埋もれる犬」の不穏で謎な画面も素晴らしい。 

ボッシュの「快楽の園」も拝めた。
描写自体は高解像度の画集等でかなりいいところまで鑑賞できるので
実物を見ても想像範囲内だけど、三面開かれている佇まいと淡いグリーンの
画面のキレイさには、おお〜ってなる。

他にも有名作揃いで、
しかもこうなんというかパワータイプな感じの作品がズラリと並び、
結局丸一日プラドに費やしてクタクタになってしまった。

ホントは近くのもう1つの有名コレクションが集まる
ボルネミッサ美術館にも行きたかったのだが、無理だった。 

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雨もあがって青空の下のベラスケス像。

せめてスペインらしさをと、
宿の向かいの怪しいレストランでパエリアを食べて見たら
ものすごく不味かった。店のチョイスを間違えたようだ。
どうもスペインからツイてねえな。
 

丸一日寝たら、
朦朧としてはいるものの動けるレベルにはなったようだ。良かった。
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窓から外を眺めてみる。バルセロナは2日目も雨…あらら。
宿はカテドラルのすぐ裏なのだが、時間も体力も無いので
行き先は最低限に絞ることに。

宿からすぐ近くのピカソ美術館へ。
雨だけどずいぶん人が並んでいる。
20分程並んで入場する。立派な個人美術館だ。
撮影は不可。今回の旅では撮影不可がやたら多いなあ。

有名な初期作品の「初聖体拝領」や「科学と慈愛」、
15,6歳の時の作品とのことで驚かれる作品だが、
確かにめちゃくちゃうまいが描きかたなどはさすがにオーソドックス。 
それに根本的に根暗なピカソ…という感じ。

点数はそんなに多くないけど各時代毎につまみ食い的展示で
ピカソの驚愕の雑食感はあまりプッシュされてない印象。
展示は洗練されていてキレイ。
奥の広い部屋でラス・メニーナスのシリーズの多数のバリエーションが
一挙に展示されていて、それが一番おもしろかったな。

その後、サグラダファミリアへ移動。
地下鉄駅を出て振り向くと、さっそくあのファザードが見える。
サ、サ、サグラダファミリア… !
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もっとドデかい、それこそケルン大聖堂レベルのファザードかと思っていたが、
想像よりは小さい印象。しかしながらいやこらホントにもの凄い唯一無二感。
細部が…
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いっこいっこの彫刻がボリュームある。
これは時間かかるわけだ。

中に入ってなお驚く。
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こんな風になってんだ!
作ってる途中なのでファザードに比べると出来立てホヤホヤな質感だが、
上の方のギザギザなディティールは、
どういうスケールでどういう構造なのかもはやわからん。
ステンドグラスの抽象的な柄もカッコ良い。

全体に比べて祭壇が地味だったがこれもこれから変わるんだろか。
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作りかけの照明がごろごろ転がっとる。でけー。


しかし病み上がりの朦朧状態では。
ピカソとガウディだけでももうキツい。
一気に体力の限界がきて、向かいのケンタッキーで休む。
雨も上がらないし、本当はもっとガウディ建築を浴びたいのだけど歩くのキツイ。
渋々マドリードへ移動する事にする。 
ああ…現代美術館MACBAも行きたかったし、
海の方のバーなんかも見てみたかったなあ。
バルセロナらしさをほとんど体感できずに終わってしまった。

バルセロナ・サンツ駅へ。ここもキレイだ。
英語可能なチケット窓口が少ない。

スペイン国鉄レンフェ(Renfe)、イタリアに比べると高額だなあ。
Aveという特急でマドリードまで90ユーロくらいか… イタリアの倍する!
新幹線と同じくらいだな。
高いだけあって、ゲートが空港のような感じ。
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そんなのいらんわ〜 そして高い割には車内でwifi使えねえし。
と文句を言いつつ乗り込んで、
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3時間でマドリッド到着。

さすが首都、都会だ。
宿は駅からすぐ近く。ホステルというかホテルのようだ。
でも安い、一泊20ユーロ弱。 
体調も優れないので早めに寝よう。やれやれ。 

バスはいくつかの街に寄りながら、
朝6時前にバルセロナ北ターミナルに着いた。
気付けばたくさん人が乗ってる。風邪が皆さんにうつらないことを祈る。

まだ日も出てなくて、しかもなんとすごい大雨。
体調はMAX悪化して動けず。これは39度くらいはありそうだな。
ベネチアでY子を置いて楽しんだ罰か…!

ターミナルのカフェなども30分後じゃないと開かないので、
仕方なくベンチで座って雨が弱まるのを待つ。気温があんま寒くないのが救いだ。 
Y子もまだ本調子ではなくフラフラしており絶望的光景だ。今までの旅で一番ヤバい。
朦朧としながら暗い歌を歌っていた記憶がかろうじて残っている笑 

カフェが開き、ココアに救われ、
雨も少し弱まったので移動してみることに。

観光できるわけなくて、仕方なく予約してたホステルへ向かう。
しかし、こんな朝っぱらからチェックインできるのだろうか。
 
スペインは、誰もがスリに気をつけろと言う場所なので
どんだけ野蛮な街かと気構えていたが、
バルセロナにおいては
地下鉄や街はむしろイタリアなんかよりも清潔感あり。 

ピカソ美術館近くのホステル到着。
ヘロッヘロで受付のおっさんにチェックインをお願いしてみる。
おっさん、スペイン語しか話せないのでPCのモニタをコチラに向けて、
Google翻訳で会話してきた笑

そして、特別にチェックインしてくれることに。優しい!!!!
即眠り、昼過ぎに起きてY子が近所でご飯と薬を調達してくれて、また寝る。
やはり薬がデカすぎて飲むのがタイヘンだ。
Y子にどっか見て来て良いよと提案してみたが、
移動プランは基本自分が握ってるし、雨だし、1人不安ということで
今日は沈没。雨も止まず結局2人して寝るだけのグロッキーな日となった。
ベネチアの自分と比べY子は優しかったので反省した。
明日はせめてサグラダファミリアくらいは見れるといいのだが。

イタリアからスペインの間にわざわざニースに寄った理由はもちろん、
マティスのロザリオ礼拝堂を見るためだ。
 
正確にはロザリオ礼拝堂はニースからバスで1時間くらいの
ヴァンスという小さな町にある。

そんで事前に行き方をいろいろ検索してたわけだが、
どうも今はニースのバスターミナルをリニューアルしてる最中で
乗り場がバラバラになっているらしい。

結局正しい最新情報が全然わからんまま着いてしまった。 
持ってるガイドブックも古い情報しか載ってないのでやばい。
夕方にはバルセロナ行きのバス(ユーロライン)にも乗らなきゃならんのだが、
その乗り場もわからんのでまだ予約もしていない。う〜ん不安だ。

なので親切なホステルのお兄さんに必要なバス情報を
できる限り検索してもらって、
あとはデタトコ勝負。いざ出発。
 
朝一で動いてもかなりギリギリの予定なので
あまり写真を撮ったり街に感動してる余裕も無い事をご了承ください。

まずはニース市内にあるマティス美術館へ。
教えてもらったバス停が宿から歩いてすぐだったのでここは問題無く来れた。

割とコンパクトな美術館で入場はなんと無料。撮影は禁止。
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初期から晩年までの作品が、ちょうどよいボリュームで展示されていて見やすい。
特にブルーヌードやスイミングプールの切り絵作品を見る事ができて良かった。
切り絵もやはりその大きさに驚いてしまう。
礼拝堂のプランドローイングや模型等もあるので、期待が高まる。

ホントは近くにシャガール美術館もあるのだが時間がないので断念する。
そのままヴァンス行きのバス停へ向かう。
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トラムに乗りつつ、街の少し東側の何の変哲も無いバス停に着く。
がしかし。
教えてもらったバス停にはヴァンス行きのバス表示はなかった。
さあ困ったぜ。
こんなこともあろうかと早めの行動を取っていたものの
ホントのバス停はどこだ?

事前にいくつか調べてた情報で一番信憑性の高そうなのに賭けてみることに。
街の南側に横断している長い公園の南端、ビーチの目の前だ。
トラムで少し西まで戻り、歩く。
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この公園を大規模工事してるから、バス停の混乱が起きてるんだろうか。
まいっちゃうなあ。

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お祭りの時期なのか、ちょっとグロい顔のヤツを横切り、

ヴァンス行きバス「400番」の表示発見!でもここは到着バス停ではないか?
目の前のレストランの店員に聞いて見たら、
めっちゃメンドクサそうに「ここじゃなくてあっち側」と言われる。
きっと何回も聞かれててウザいんだろうな…
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公園の端っこをぐるっと反対側へ回ると、
マクドナルドの前にあったバス停!

でも停まってるバスは400番じゃなくて94番 ヴァンスって書いてるけど。
運転手さんに聞いて見たら、400番でも94番でもヴァンスに行くから大丈夫とのこと。
出発5分前、ギリッギリなんとかなった…
 
3月初めだというのに日差しは強くて、地中海が青い。
これがニースの光か。

確かに老後に訪れて長期間過ごしたくなるような雰囲気だ。 

バスは海岸線から山の方へ登って行く。
途中、山の上に作られた町が見えた。
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サン・ポール・ド・ヴァンスかな?

何とも素晴らしい田舎の眺めが続き、ヴァンスに到着。
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バス停から10分ちょい歩く。
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「チャペル マティス」っていう看板がぽつぽつ立っているので、
気をつけていれば迷う事はなさそうだ。
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いい眺め。穏やかな山奥って感じの町だな。

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アンリ・マティス通りを登るとついにロザリオ礼拝堂が見えて来た。
開館5分前に到着。何人か並んでる。うお、日本人も。
日本人の海外旅行情熱ってすさまじいな…。

礼拝堂は開館時間が限られてるので、これもサイトで要事前チェック。
 
いや〜…いつの日か訪れたいと思っていた場所だけど
いざホントに着いてみると、ここまで来れてしまうもんなんだね。
まだ入ってもいないのに感慨深くなってくる。

白い壁に青い屋根。屋根の上には装飾的な大きく美しい十字架。
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今まで見て来た巨大で豪華な教会にくらべると
ずいぶん小さくて素朴な存在感だ。

そしてついに開館。
中に入って階段を下りる。撮影はやっぱり不可。
チケットを買うと、フランス語で何やら説明された。
?という顔すると、入って来た入り口の横の窓を指差して
「Fish、Fish」と。あ、窓がステンドグラスになってて、
かわいい魚の絵になってたんだ。
これをちゃんと見逃さないでねってことだったのね。 

礼拝堂に入る。うわ〜…
これまた昨日の最後の晩餐と同じ様な、
立ちすくんでしまう感の共有。

と思ったら、おばあちゃんが、客を全員座らせてフランス語で解説を始めた。
英語しかわからないからと去ろうとした客がいたけど、
いいからまず座って聞きなさい!と強引に座らせてられていた。
おばあちゃんのフランス語は20%くらいだけ英語が混ざっていた。
ところどころ説明がわかる。
この人は牧師さんなんだろうか。
地元の方なら子供の頃にマティス本人に会ってるかもしれんよな。
今思えば聞いてみりゃよかった。
 
解説が終わり、空間に浸る。

ローマからミラノまでで喰らいまくった教会って
どこも特有のちょっと怖い感じの仰々しさというか
すいませんオジャマします…ていう居心地の悪さってのがあって、
それは自分がキリスト教じゃなくて馴染みがないから感じるのだろうけど、
ロザリオ礼拝堂にはその感じが無かった。 
むしろ居心地が良くなるような美しさ。

青、緑、黄色の植物の葉のイメージのステンドグラスから
入ってくる光。黄色の部分だけ曇りガラスになっていて、
床まで届く光は青と緑の部分だけ。
細かい光の調整をしているんだな〜。

壁も天井も床も真っ白なのだけど、
礼拝堂内に入ってくる光はステンドグラスを通過してくるので、
実はその空間全体は淡い緑色を帯びていることになる。
光が入ってくる量と、礼拝堂のサイズのバランスも心地が良い。
決して広くはない空間なのだけど、ゆったりした気持ちになる。
このスケールの感覚、マティスの絵画と一緒だ。包容力すごい。

そのことを利用した仕掛けがあって、
礼拝堂の横に小さな部屋がくっ付いており、
装飾が施されたドアで仕切られている。
装飾越しに部屋の向こうが見えるようになっていて
ここから漏れてくる光が目の錯覚で淡いピンクに見えるのだった。
これがまた美しいこと。タレルの作品に通じる光のコントロールだ。

白いタイルの壁には黒線の大きなドローイングが描かれていて、
それは聖書に描かれたキリストの生涯だ。
どの教会にもキリストの生涯がわかるような絵画や彫刻があるわけだが、
それらを散々見て来た後で、この極限にシンプルになった宗教画ドローイングを見ると
マティスの開放的な感覚がなお伝わって来る様な気がする。
コママンガのようだけどその境界線は無くて
各場面の並列と、場面毎に番号が振られている不思議なドローイングは
他のマティス作品とひと味違う。

向かいに位置するステンドグラスからの光とこのドローイングの掛け合わせ、
光の揺らぎと線のゆらぎが感動的。

祭壇はガサガサしたマチエールの黄土色の石壇で、
これはパンがモチーフになっているとのこと。
キリスト教ではパンが重要なモチーフらしく、
それを祭壇に当てることでどんな意味になるのかはわからなかった…
祭壇の上に置かれている十字架もキリストが線になっているシンプルさで、
テーブルクロスや燭台もデザインされている。

は〜…クリーンだ。心がクリーンになる!
人間なんてドロドロしてて、よって芸術もまたドロドロしてるはずなのに、
芸術を保ったままここまでクリーンな表現に到達してるのは
1つの奇跡だろう!!何なんだよこれは… 

ジーンと堪能して出口の方に移動すると司祭の祭服も展示されている。
これもマティスのデザインで、切り絵から起こしたものだがとってもカラフル。
祭服がこんなにカラフル…不思議だ。

名残惜しいけどニースへ戻る。正に夢のような体験ではないか。
ニースに戻ってからは現実が待っている。
果たしてバルセロナ行きのバスには乗れるのか。 

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ニースの地中海も夕日モードに突入。

バスの終着から歩ける距離にある
宿のニイちゃんに教えてもらったユーロラインの事務所に行くと、
チケットはここで買えるけど、
バス乗り場はなんと郊外のコートダジュール空港の近くだと説明される。
ここじゃないの!?

バス出発の時間までは1時間程。
電車に乗ればギリギリとか言われたけど
不慣れな街でギリギリ移動はキケン過ぎるので、
仕方なくタクシーに乗って、解決。 

検索しても辿り着けなかったので同じ境遇の人へ…
ニース(Nice)のユーロライン(Eurolines)乗り場のアンサーは、ここでした!(2012現在)
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ホントに一歩間違えたら乗れなかったレベルだな。アブねえ〜…。

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どこかから23番のバスに乗ってくれば、
ユーロライン乗り場のすぐ近くで止まるようだ。

これが乗り場だ!
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すげー適当な乗り場な上に、バスの運ちゃんには全く英語通じねえ。
スペイン語!手続きはユーロラインだったけど乗るバス自体はユーロラインのバスじゃないし、
自分ら入れて5人しか乗ってないけど大丈夫なんだろか。 

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行き先も紙っぺら1枚をテキトーに貼ってるだけだ笑

夕日に向かってバスは出発した。
ちなみにもちろん深夜バスだ。バルセロナ到着は朝6時の予定。
途中運ちゃんの自作CD-Rを爆音で流される。すごいセンスだ。

そして、今度はだんだん自分の調子が悪化していった。
パーキングエリアで夕食食べてた時はもうフラフラでだるくて
無意味にイライラしてくる。
あ〜これは絶対Y子の風邪がうつったなあ。
あってはいけない事態だ。
 
車内で相当具合悪くなっちゃって、まともに眠れない。
困ったな。
Y子もまだ本調子じゃないし、バルセロナどうなっちゃうわけ。 

ヴェネチア朝、
Y子もなんとか移動できる程度には復活したようだ。薬強ええな。
宿の朝食を頂く。パンがうまい。

よし朝一で出発。
Y子は結局、駅から300mしかベネチアを体験しないまま。いつかリベンジですな。
ミラノへゴーだ。
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ベネチアから海を渡って陸側へ。美しい!
千と千尋の列車シーンのイメージソースはここなのかな。
また移動2時間程。

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時間の都合でミラノで見るのは基本「最後の晩餐」のみ。
イタリアで一番現代美術が盛んなのはミラノらしいのでちょっと無念。

中央駅。立派。
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そのまま地下鉄で、
最後の晩餐のあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会へ向かう。
予約時間の20分前に着いてチケット貰わなきゃならんので急げ。

ミラノはどうも今までのイタリアの都市に比べてガサついた印象な上に、
ついに地下鉄内で女スリ4人組(たぶん)に出会った。
わけわかんねえことを話しかけられて油断したらカバンを触ってたので
何んなんだオイって顔したら去って行った。何も盗られなかったがマジでいますな。 
一気に印象悪い!ファッションな街ってイメージから怪しい街へ。

特に迷う事なく無事に教会到着。
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最後の晩餐は完全予約制で、
ギリギリまで予約が取れなくて半分諦めてたのだけど、
フィレンツェで晩飯食いながらwifi借りて予約サイト確認したら予約が空いたので超ラッキー。
ちなみにオフシーズンの平日なら、
朝一で並べばキャンセルが出て入れることもあるらしい。
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チケット売り場。後ろに最後の晩餐のパネルがあるんだが、
めちゃ発光エフェクトがかかってて笑える。

鑑賞は15分限定で、一度に30人くらいしか入れない。もちろん撮影禁止。
展示室に入るまでに3つの自動ドアを順番に通過して行く。
それは湿度に弱い最後の晩餐の劣化防止のためらしいが、
それが仰々しい演出にもなっていて良い。
たった1枚の絵を見るのにこんなドキドキさせてくるとは。

ついに最後のドアが開くと、
広いスペースの高い位置に「最後の晩餐」が。
一緒に入室したお客さん達との、うわ〜… という気持ちの共有感がハンパねえ。

今まで見て来たレオナルドの絵画に比べて圧倒的にサイズが大きいし、
フレスコなので色がとても柔らかい。
色だけでなく、画面に描かれた空気の感じや人物の感じも柔らかだ。
初めからこの1枚を見に来ているし時間制限もあるため、
集中して絵画体験できる。感動!!!

先日フィレンツェで見たばかりの、
若い頃のレオナルド作品「受胎告知」は
逆にレオナルドの中でも固かったので、ずいぶん違うもんだ。

しかし修復士もまた、凄いなあ。 
数年前まで修復してて見れなかったんだもんね確か。

広い部屋の反対側の壁には、もう1枚大きな絵画があってそれは
戦争で破壊された教会で最後の晩餐と共に生き残ったものらしい。
それと最後の晩餐のレリーフもある。
ただ、鑑賞時間があまりに限られているので、
皆やっぱ最後の晩餐に集中しちゃう。けっこう可哀想な作品達だ。 

いやーこれはわざわざこのためだけに寄った甲斐があった。
しかも電車までの時間が少しあったので、ついでに寄り道。
ベタにドゥーモへ行ってみる。
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ゴシックスタイル!でもケルンには及ばず!中にはコレと言って目玉作品も無く。

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目の前の広い広場には人がごっそり。
ここもなんだかガサついていて治安がイイ感じがしてこないなあ。

中央駅から今度は南仏ニースに向けて出発。さらばイタリア!

一度乗り換えありの約6時間で、
国をまたいでも値段はやっぱり1人4000円くらい。
地中海沿岸の夜景街並を見ながら23時くらいに到着する。
まさにリゾート地っぽい!
駅から徒歩5分くらいの、お兄さんが親切なホステル泊。 

一晩寝ても、Y子は回復しなかった。まったく歩けないと言う。
この日のみのヴェネチア視察なので、なんともかわいそう。
仕方がないのでY子は寝たまま、自分だけでヴェネチア探索することに。
しかもイヤミなほどよい天気!!暖かい。

まず近くのサンタ・マリア・グロリオーザ・フラーリ聖堂へ。
内部撮影不可で、なぜか外観も撮り忘れてるけど大きな聖堂。
ティツィアーノの大きな祭壇画「聖母被昇天」がある。
堂々としていてくっきり構図と色で画面を作っていてインパクトがある。赤いな。
そうかティツィアーノはイタリアの中でもヴェネツィア派か。
ちなみにヴェネチア派の絵画は基本的にボソボソした感じが
あまり好みでは無かったのだけど、
ドラクロワやプッサンの荒めの筆の置き方をみると
この辺りからの影響というのが大きかったのだと想像できる。

しかもティツィアーノはこの聖堂に眠っているらしい。

さらに歩く。ちょっと歩いてすでに驚き。
車の走ってない街ってこういうことだったんだ。
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車が走る時のしゅんしゅん風を切る音がなく静かだし、
あのスピードで動くものが街の中に無いので、
時間の流れの感じ方が違う。
小さい水路だらけで、どこ撮っても絵になる。
こんな街が存在しているんだなあ。
実は最初はプランにベネチアは入っていなかっ
たのだが
皆に「イタリア行くならベネチア行くべき!!」とゴリ押しされたので
旅直前にローマを一日削って無理矢理ベネチアプランを捩じ込んだのだった。
その甲斐あったな。

こりゃしかし迷路だな。僕は割と地理感覚は優れてる方だと自負してるが、
地図をみてもけっこう迷う。
地図無しでは現在地がさっぱりわからんくらいの入り組んだ街並で
迷いながら西エリアを南下。
う〜ん歩いてるだけで楽しいぞ。
こんな街でビエンナーレをやるわけだね。なんて贅沢なんだろう。

アカデミア美術館へ。
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ここにはダヴィンチの「ウィトゥルウィウス的人体図」ってあの有名な
人が手を拡げてるドローイングがあるのだけど、
ドローイングなのでたまにしか展示しないらしい。

期待して入ってみたけど、展示されてなかった…残念!
ヴェネツィア派祭りな展示、
ティントレットが異彩すぎてちょっと興味湧く。

あと、ジョルジョーネの「嵐」があった。
予想以上に小さい絵画。一見なんてことない風景画なんだけど
意味深な人や背景と主題を散らしたような構成が不思議な絵だ。

ところでイタリアに来てからあの美術館無料カードが全く使えなくて
入場料が厳しいんすけど、このアカデミア美術館だけは使えた。

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運河の対岸に渡り、パラッツォ・グラッシへ。
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しかし、今は展示をやっておらず閉まってた。調査不足!!
諦めて南下。

グッゲンハイムコレクションへ。
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最強にゴージャスな別荘感。ハイカルチャー過ぎて挫けそう…笑
とか思ってたら中庭にはペギーさんのお墓まで。晩年の家がここだったのか。
とてもシンプルなその墓の横にオノヨーコのfor Peggyな短冊の作品があったりして、
いやあなんというか、ハイな世界だけど美術愛に満ちている空間だなあと思った。
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これポロックの部屋。この縦長の作品なんかみてると
ピカソとマティスを自作の中に取り込んで絵画空間を生み出そうとしてることが
よくわかる。
奥の小さな企画室ではイタリアの現代絵画展やってて結構おもしろい。

さらにちょい南下。
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するとプンタ・デラ・ドガーナがある。
ここ、ここ、ビエンナーレでもないのにヴェネチアに来たからには
ここが見たかったのだ。

フランソワ・ピノーの財団の美術館で、安藤忠雄が改築したところ。
撮影禁止だがさすがに超有名作家だらけ。
ロニ・ホーンの透明なオブジェや、カテランの馬、
キーンホルツの部屋インスタレーションなどが大きな展示室に並ぶ。
何と言っても晩年ポルケの黒い連作がクソ良かった。
これたぶん数年前のビエンナーレ出品作だよなあ。
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海がグリーンでキレイすぎる…!

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屋外のチャールズ・レイのこれで締め。カエルはなんの象徴なんだろ。



昼過ぎまで満喫しヴェネチア前半戦終了。
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途中、病人に頼まれていたバナナをこの果物屋で買って
一度宿に戻る。
僕も今日の飯はバナナとみかんでいいや。バナナは安くて腹持ちも良いのでいいな!
貧乏旅行で食に困ったらバナナが良い。ヨーロッパ果物が安いからな。

宿で病人にバナナを与える。
相変わらずグロッキーで、少しの散歩もできないようだ。
こりゃもうヴェネチア観光は無理だな。

バナナを食べている間、いかにヴェネチアの風景が素晴らしいかを伝えて嫌がらせをする。
今度は駅前からヴァポレットに乗って水路を行く。
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右の平たい建物が駅です。
名物ゴンドラは高価すぎて乗れるわけないが、
ヴァポレットはバスや地下鉄感覚で運河を進んでいくのでこれでも十分。
つっても一回700円くらいでこれもけっこう高いんだけど…。 
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乗る。
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迷路を徒歩で行くのとはまた別感覚の風景、おい楽しすぎるだろ。

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さっきのグッゲンハイムを運河側から望む。

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プンタデラドガーナ付近も。

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40分くらいかけて、サン・マルコ広場へ。大きなブランド看板、違和感ない?

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おおおおお、この光景!カナレットの絵画で何度も見たことあるが、あのまんま!
あの光景の中に、ブランドショップや変な土産屋が入っとる!!

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 サン・マルコ寺院の豪華モザイクを見る。

隣のドゥカーレ宮にはティントレットの超巨大な油彩などがあるようで
入ろうか迷ったけど、だいぶ入場料貧乏になってきてるし
すでに今日の鑑賞キャパに限界が近づいて来ているため今回は断念。

きっとヴェネチアはビエンナーレもあるし
いつかまた来る事になるから大丈夫だろう。 

観光客だらけの広場周辺から少し裏道に入ったところに、
静かな広場とサン・ザッカリア教会がある。 
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壁にびっしり絵画があるここの目玉作品は、
ベルリーニの「玉座の聖母と聖人たち」。
上品オーラのでてる美しい絵だった。

ここからまた徒歩でホステルまで戻る。
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細い道のノリのまま観光客が溜まる買い物通り。
カンペール、日本の半額くらいで売ってるぜ…

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主要ルートを離れると、
観光客の全然いない、市民の憩いの場らしい広場があったり。
この街に住んでるってどんな感じなんだろうか。

さて薬屋さんを発見し、
身振り手振りをフル活用して風邪薬を買って帰る。
さすがに英語が少ししか通じない上、
症状の説明とか、何錠飲むとか質問しなきゃならんので焦った。

宿に戻って薬を開けてみると、
メントスくらい恐ろしくデカい錠剤が入っていた笑
このくらいのじゃなきゃ、体のデカいヨーロッパ人仕様の風邪は退治できないのか?

巨大錠剤2つぶ、苦しみながら飲む病人を哀れみながら、これも旅の思い出と写真に収める。
ホントは今日のうちにミラノに移動する予定だったが、
Y子の調子が戻らんのでこの宿にもう一泊して明日の朝一でミラノへ向かう。
宿のおっさんめちゃやさしくていいわ〜。 

2日目。まずは再びカルミネ聖堂の中にあるブランカッチ礼拝堂へ。
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初期ルネサンスを代表する壁画群で遠近法と人物描写のリアリズムで有名。
その後の多くの古典巨匠達がここを訪れたとのこと。
まだ未読の岡崎乾二郎さんの「ルネサンス 経験の条件」の予習もこめて鑑賞、
っつーかここを見てからじゃないと読めん!くらいの勢いで来た。
マザッチオの楽園追放などは部分にすぎなくて、
複数画家によって描かれた複数パネルの場面に別れた構成だった。

…が、やはり、微弱な知識では宗教画の場面がわからない。
構成だけみると、上下左右で似た様な配置取りのバリエーションを展開している。
う〜ん、これを一体岡崎さんはどうやって論じているのだろうか。
そっちの方が気になってくる。

モヤッとしたまま今度は東の方へ。
これはウフィツィの裏あたりから振り返ったヴェッキオ橋。
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 次はサンタ・クローチェ教会へ。
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壁の色使いがピンクと緑でかわいらしい。
改築中で足場が組まれた礼拝堂の横にジョットの壁画、
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かなり剥がれていたが、それも含めていい感じ…

とは言え、やはりさっきのブランカッチ礼拝堂と同じく、
良い悪いがよくわからない。
というのも当時の人類の描写力は、
ルネサンス最盛期からみるとずいぶん劣るし、
その時代のトレンドの差も今ほど極端ではないので、
どう特筆すべき存在なのか実感しづらいってのはある。

ジョットの描写だからっていうよりは
この教会の壁画の存在自体が凄いっていう感じ。
スケールに驚き、フレスコの淡い色調と
背景のブルー(もジョットに限らず)の美しさ、
今もなお描かれたものが残っている歴史的事実に感動してるだけかも。
描かれたモチーフへの理解も乏しい。
ん〜、悔しいななんか!!!

遠い文化の遠い時代の芸術作品にモヤモヤすると同時に
その時代背景を知って、当時どう受け止められたのかを理解したい
気持ちが沸々と湧いてくる。

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中庭はゆったりと。

そしてここにはマキャベリ、ミケランジェロ、ガリレオガリレイの墓があった。

これミケランジェロ…人様のお墓を撮るのもなんかアレですが…
やっぱ絵画と彫刻がセットでゴージャスになっとるのでつい。
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こっちガリレオ。
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かっけええ。この像を予備校の石膏像化してくれたら、
もっと描きたい意欲もあがってたことだろう。

次はサン・マルコ美術館へ。
撮影不可。
壁に描かれたフラ・アンジェリコの受胎告知を拝見。
すばらしい。
この辺までくると、素直に光との関係や描写の美しさに惚れ惚れする。

ズラリと並ぶ小さな各僧房ごとに、
主に十字架に架けられ血を流すキリストの絵が壁に描かれており、
ウォーホルかと突っ込みたくなるその連続出血に
さすがにううう…と精神的にヤられる。

もう何度も思っているが、
犠牲推しな感じ、血がピューっと、死人オラオラな
宗教画、こっちの文化圏に馴染んでいれば
違和感無く受け入れられるのだろうか。
ってことをY子にも聞いて見たら、
キリスト教の世界観はそれなりに知識として知ってるし
別に違和感ないそうだ。むしろ教会にいると不思議と落ち着くらしい。
そうなのね…オレは感動はするけど異文化すぎて落ち着かんなあ。
とは言え寺に行っても落ち着かんけどさ。フィットするのは神社くらいだな。

ここで連れのY子の様子がおかしくなる。
不自然なほどにダビデ像を見るのを拒否し
近くのカフェで待ってるという。

というわけで単独でアカデミア美術館でダビデ像を見る。
デカいデカいとは聞いていたが、マジでデカい笑
人の等身大を数倍超えた大きさなのに生きてる様なリアリズムが崇高っぷりを
倍増、その上高い台座に真上からの採光っていう見せ方さすが。
手前の掘りかけの人体像も、石の固まりから人が出て来てるようでおもしろかった。
撮影禁止。

その後、駅前のサンタ・マリア・ノヴェッラ教会を見る。
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ギルランダイオーの祭壇画。
さっきのブランカッチ壁画と比較してみると、
描写の臨場感はこちらのほうが後の時代だしリアリティもあるが、
ブランカッチの方が全体のバランス感に不思議さは確かに感じる。

ここでY子がもう限界宣言をしたので、
もう歩くのを止めて電車で早めにヴェネチアへ向かう事に。

どうもこれは風邪っぽい。前日のドゥーモ登りが効いたか。
まじかよ〜ヤバい。やっぱり詰め込み旅でムリさせすぎたかなあ。。。
まだ前半なのに、ここで足止めは仕方がないにしても、
風邪がうつって2人してダウンしたら予定がパアだ。
早く安静な状態にして寝せてなんとか治さなければ。

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移動。イタリアは山が多いので、この後はトンネルばかりだ。
着く頃には日も落ちたけど、海を渡ってヴェネチアに突入する感じはテンション上がる。
2時間弱でヴェネチアに到着。
駅から降りてすぐに船のザザアという音と運河が目に入って
自分はおお〜ってなってるが、Y子はもうほぼ死んでいて宗教画の中にでてきそうで不憫すぎる。

今度のホステルは駅から橋一個だけ渡ってわりとすぐのとってもマトモなところだった。
2人部屋を取ってもドミトリー料金とほとんど差がないので良かった。
病人を寝せて翌日の計画を練る。
まだベニスを300mくらいしか歩いてないが、すでに明らかに他の街と様子が違う。

朝一でまずはウフィツィ美術館へ。
主要ポイントにはすべて徒歩で回れる距離だ。
細い石畳の道に入ると今が何時代なのかわからなくなる。
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ウフィツィ美術館も撮影禁止で、
クロックもないので、ちと辛い。
つい最近、天井の一部が落ちたってニュースになっていたが
確かにボロい笑

入場するとびっくり、なんと客の8割が日本人!
そうか今大学も春休みシーズンだし …つってもこんなにもか。
お金のない美術家はなかなか実物を見に行けず、
お金のある皆様はガンガン実物見に行ってるのね、なんか皮肉なものだ。

しかしちょっと注目してみると、
そのほとんどはツアーの団体なので見ているとけっこうなスピードで
超有名絵画の前でのみ簡単解説を聞き、去ってしまっていた。
ああ勿体ない…あれだと「鑑賞」と言うより「確認」って感じだな。
次々と違う日本語の団体に抜かされながらの鑑賞はなかなか落ち着かん。

僕の美術館での好きな光景のひとつは、1人で来てるお客さんが
じ〜っと長い時間1枚の絵と向き合ってる佇まいだ。
男女問わずあの光景はとてもセクシーであるので
よく写真に収めてしまう。鑑賞とはアレだよな。
 
ここではボッティチェリのヴィーナスの誕生や春、
ダビンチの受胎告知などの
超有名級の古典絵画はもちろん、
他ではあんま見ないギルランダイオがたくさんあったりした。
ベルリー二の数点も不思議な構成で良い。
フィレンツェでなら見れるだろうと思ってたポントルモも数点。良い。

後半は大掛かりな改築ゾーンがあったのでもっと拡張するんだろうな。
まともに見たらここも丸1日かかるボリュームだなあ。

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途中休憩ゾーンから、ブルネレスキのドゥーモのクーポラが見える。
壮大だなあ。
路地が狭いので歩いててもなかなか全貌が見えないんだよな。

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その後ヴェッキオ宮殿をチラ見する。
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次に、ドゥーモ。美しい!
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内部からみたクーポラはこんな感じ。高い…!

今日も天気に恵まれたので、
もちろん、登ってみた。
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いや〜、素晴らしい。
ここまで来てもやはり日本語がたくさん聞こえてくる。

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上り下りの通路もらくがきだらけ。

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途中、さっき見上げてたクーポラの縁の細い空中通路を歩く。
もちろん柵はついてても、股間がキュ!となる高さで怖いです。

巻いて紹介。次は少し南下してヴェッキオ橋を通過して
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サンタ・フェリチタ聖堂へ。
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ポントルモの傑作、
十字架降下を見る。すばらしい。
暗くて見ずらいなと思ってたが、
隣のおばちゃんが横のマシンに1ユーロ入れたら照明がついてハッキリ見えるようになった。
教会もなかなかアコギなことをする。
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いろんな十字架降下を見て来た中で、
このポントルモのはやたらカラフルなことと
キリスト含む人物の配置が不思議だ。
シンメトリーを少し崩した様な。

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もう少し南下。ああ〜ピッティ宮もみたかったが既に疲れ果てて、もう夕方だし
もうだいぶお腹いっぱいなので今回は断念する。
まあ古典絵画はパッと見の情報量だけで凄まじいので、
本来一気に量を見るもんではないよなと自分らを納得させる。

そこから西へ。 
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サント・スピリト聖堂。高密度の街の中に突然あらわれる、
このスパッとしたファザードはめちゃキレイだ。
これもブルネレスキの建築のようだが、実際は未完のまま終わってるみたい。
中も整然と洗練されていて美しいのだが、疲れ果てていたせいで
撮ってねえという…。
ドゥーモの階段が相当効いてるな…

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さらに西へ歩くとサンタ・マリア・デル・カルミネ教会。
ここはどうしても見ておきたいのだが今日はタイムアップで
着いたらちょうど閉館しちゃった。
宿から近いし明日の朝に見に来よう。

フィレンツェ歴史地区はほぼ歩いて回れるサイズなので良いな。
イタリアに入ってからひたすら教会を周り続けて変な気分だ。

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夜近所のレストランっぽいところで食事してたらwifiが飛んでる事判明。
急いで調べものを済ませる。
出発前からチェックしてた、ミラノの最後の晩餐を見る為の予約が
ずーっとできないままだったんだけど、
ここにきてキャンセルが出て予約に空きができた!即予約。
よしよし順調だ。 

ローマ2日目。
ジョージの目覚ましの音がピピピピ隣の部屋から聞こえてきて、止まる気配がない。
こっちが出発準備してるうちにようやく目覚めたようで、
最後にお礼を言って宿を出る。さらばジョージ。

快晴の朝、歩いて移動。
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サンタンジェロ城

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ナヴォーナ広場を通過してパンテオンへ向かう。

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パンテオンのドームの外壁。
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デカくて近くからだと写真に収まらん入り口。
朝だから空いている。

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朝から目が冴えるような神々しさ。
完全な半球型のデカくて美しいドームの天井には
タレルの作品を思い起こすような穴があいていて、
光が入ってくる。
これが紀元前の建築というし、 歴史の尺の長さが違いすぎる。2000年。
ラファエロなどの偉人の墓もあったり。
ちなみにY子がローマで一番見たい場所はパンテオンらしかった。
パンテオンが何なのかよくわかってなかった自分。歴史好きのY子がいると勉強になる。

さらに歩いてコロッセオ方面へ向かうのだが
そもそもローマのこと自体よく解ってなかったということが
歩きながらわかってきた。
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次々に遺跡やら巨大建築やらが現れるじゃないか。
パンテオンは飛び抜けてるにしても、街全体の歴史スケールがハンパない。
ローマってこういうのがボンボコ残ってる街だったんだ…と考えてみりゃ当たり前なんだけど実感としてすごい。
事前イメージが相当漠然としていたために、いちいちびっくりだ。

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コロッセオが見えて来た。でけえ!
コロッセオもこんな街中心部に残ってるってのは来て初めて実感した。

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ローマパスで行列をスルー!

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中も圧巻。
しかしいやーこんなバカデカいのを作らせて、奴隷を殺し合いさせてたって
権力と文化ってのはなんなんだい。
博物館ゾーンも充実しているようだったが時間が無いのでサラッと回る。

隣のフォロ・ロマーノも時間スケールを飛ばす異空間だ。
結構信じられないレベル、
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悠久の… 遥かなる…
というフレーズが勝手に頭に浮かんでくるわ。なんなのホント。

古代から今度は一気に現代美術へシフトしてみる。地下鉄と市電を乗り継いで
最近できたというMAXXIという現代美術館へ。ちょっと郊外にある。
建築はなんとザハ・ハディドってことで初ザハ建築訪問。
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ザハにしちゃ思ってたより地味な印象だけど十分未来的なデザインではある。
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展示室を繋ぐ通路もSFっぽい。展示撮影は不可。
またしてもなボエッティと、W・ケントリッジの個展、ドクメンタな顔ぶれ。
展示自体はもちろんどっちも面白い。
けどちょっとやっぱりクセのある展示室だなあ。
古代のインパクトが強すぎたのか、疲れてるのか、
ああこんな感じか〜っていう程度にとどまる。

カルミナ駅まで戻り、徒歩でまた移動。
サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会へ。
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びっしり施された装飾的な絵画彫刻群!!
ベルニーニの力量を存分に味わえる。
今の現代美術を順に遡っていくとこれらの表現に辿り着くっていう
実感があまり湧かない。

もうちょい歩いて、
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サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂にも。
撮影に失敗して真っ暗だが、グリッドの効いた直線的な構造でこれはこれでまた荘厳だ。

もうだいぶ疲れ果ててしまったんだけど
次の電車まで少し時間があったので、
せっかくだし!を合い言葉に、また地下鉄に乗って無理矢理近代美術館に行く。
地下鉄降りてからが意外に遠くて大きなボルゲーゼ公園を駆け足で通過し
閉館30分前に辿り着く。
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お、レディメイド。しかし点々と存在してる透明の動物がダサいんですけど…

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さすがローマ、良いトゥオンブリ。
でも、もっと大体的にブワッとあっても良いかと思いきや一点のみ。

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未来派とかキリコとか。

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突然クリムト、しかもこれ結構良い。

と、もの凄い駆け足で拝見したので作品に失礼かと思う。
揃ってる作品はそこそこだけど、
展示構成などがちょっと微妙で大きな首都の近代美術館にしては地味だ。


死ぬ程疲れた。
ローマにはまだまだ、さっきのボルゲーゼ公園内にあるボルゲーゼ美術館とか
もう一個現代美術館のMACROなどもあるし、
あとはスペイン広場とかトレビの泉など主要観光地もカットした。
1泊2日ではさすがに見きれないボリューム。

グッタリしてカルミナ駅からフィレンツェへ移動。
電車で2時間弱で40ユーロくらい。イタリアは電車が安いな。

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到着。やはり駅前にいきなり大きな教会が。
ローマよりはだいぶ穏やかな空気感。

そしてフィレンツェで予約してたホステルに到着したらまたアパート。
さらに今度は、80歳くらいのおばあちゃんが出て来て、またも部屋貸し風…
やっぱりこれがイタリアスタイルなの!?
しかもwifiのパスワード教えてもらうけど、どうも間違ってるらしい。
おばあちゃんだから全然わけわかってないらしく、
いつまでたっても正しいパスワードがわからないのでネット断念。 
う〜ん、いつも宿で翌日以降のプランのディテールを詰めていくのに、
調べものができないのは困るな。 

朝一でシューネフェルト空港からローマへ飛ぶ。2時間弱で着いた。

着いてすぐに30ユーロでローマパスを購入。
これがあればバチカン美術館やコロッセオなど、
主要観光地の何個かが無料だったり半額になったり、
しかもチケット買う為に並ばなくても良い。地下鉄も3日間無料。

今日はバチカンを見て回る予定なので、
空港着いてバチカンへの行き方をインフォで聞くと、
中央駅までバスを出してるからそっから地下鉄に乗り換えろとのこと。

事前の下調べで電車だけでいけると思ってたが間違いらしい。
言われるがままにバスに乗るも怪しいワゴンタイプだ。
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空港のインフォが言ってるし何人も同乗客がいるから怖いことはないだろうけど、
いきなりちょっと不安だよ。
運転も荒かったが無事に中央のカルミナ駅に着いた。

まだ極寒なベルリンと比べてローマは晴れてて暖かく春先のようだ。
いきなり半分車道にはみ出て腹を出してゴロッと寝てるオバサンがいる。
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着いて早々に異文化をどんどん見せつけてくるな。

地下鉄の切符販売機でも、別のオバサンが勝手に買い方を案内してきて、
2ユーロ取られた。こんな手口で攻めてくるとは…油断!

中央駅から地下鉄に乗って、バチカン美術館へ向かう。
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重厚なこの壁の向こうがバチカン市国か。

14時くらいに美術館入ったけど、そこそこ混んでる程度。
オフシーズンだからかな?

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さすがにゴシック美術もデカくて質高いのが多いし、
オエエエってなるハイレベル宗教絵画の量。

そんな中、こんな作品も発見。
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18世紀前半の作品か。
月だけじゃなくて木星とか土星とか彗星などの天体が
そこそそのディティールをもって描かれていた。

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タペストリーの間に

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地図の間。

そしてラファエロのアテナイの学堂を含む壁画群もその場でみるとさすがに感動だ。

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下の像の描写はややユルい。

意外だったのが、近代のコレクションゾーンがあって、
宗教をテーマにした作品が並んでいた。
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モランディや、ダリ、ボテロなど。ボテロはちょっと笑う。

それにマティスの礼拝堂の下絵群が大規模で!
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この先のミケランジェロのシスティーナ礼拝堂は圧倒的でもう言葉も無い。
礼拝堂は撮影不可。

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中庭。
これはさすがに他の古典美術館とは全く佇まいが違うなあ。
美術館っつーかキリスト教美術本拠地の宝殿だもんな。
まず場全体のパンチ力の重みが違う。
それに、古典イタリア美術の堂々とした存在感たるや。

すでに頭痛がしているが、
美術館隣の超でかい立派な建築のサンピエトロ大聖堂へ移動する。
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夜に何か始まるんだろうか?椅子がたくさん並んでいた。
閉館間際なので、残念ながらクーポラにはもう登れず遠目に形だけ拝見して、
聖堂内部に入る。
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いきなりピエタに…
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この圧倒的スケール感…。

極めつけはベルニーニの司教座と天蓋。
突然明るくライトアップされてギラギラ見える!
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なんじゃこりゃあ。
これがカトリック総本山か。
キリスト教美術の本気はこちらを茫然とさせる。
人間の造形レベルの限界値を浴び続けておかしくなるわ。

いろいろ見て回って来たけど、
コツコツ勉強してきた美術の歴史には、
こんなにも凄まじいスケールと技術と精神性を持った作品が堂々と存在するのだね…
と今さら何をアホの如く実感しとるんじゃって感じだよ。
全盛期のカトリックの力と美術の力に色々な種類のショックを受けた。

すっかりヘトへト。
日が落ちて、すぐ近くの予約してたホステルに向かう。
どうも普通のアパートの中らしい。
チャイムを鳴らしても反応が無いので、電話をかけてみる。
出ない。あれ…どうなってんの!?
しつこく何度もかけてみると、オッサンがでた。
超カタコト英語で「今向かってるから!」って切られた。

しばらくしてオッサンは現れた。
いかにもイタリア人な、愛想のいいオッサンだ。
オッサンというか、おじいちゃんだ。ジョージという名らしい。 

アパートの中に入ると、
ユースホステルというよりはジョージの部屋貸しって感じだった。
部屋に入って一息ついてると、
隣の部屋からはジョージのお年寄り特有の呼吸音が常に聞こえる…

これがイタリアのユースホステルスタイルなのだろうか。
初ホステルのY子に誤解されないように、これは異例だと説明する。
wifi来てるし安いからイイんだけどさ。 
…イタリア、今までの国よりクセものだな。 

朝。ストームは過ぎ去ったようで晴れている。
雪が積もっている。やはり除雪車なども出動している。

ハンパに暖かいので、雪がベシャベシャになってて歩くと靴が濡れる。
これは嫌だなあと思いながらチェルシーのギャラリー巡りを少し。
どうも雪の影響で開けてないギャラリーが多数っぽい。
ガゴシアンのバスキアは無事に拝めた。美術館展示レベルの作品数だったので、
そこそこ見応えがあった。

特別グッとくるペインティングには出会えなかったけど、
マシューマークスのダレンアーモンドの月の光の写真作品と、
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Luhring AugustineでRagnar Kjartansson、
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マルチスクリーンの映像作品が良かった。

最後にもう一度MOMAへ。INVENTING ABSTRACTIONを見おさめる。
心奪われたので重い図録をその場のテンションで購入。
きっと帰ってアマゾンで買った方が合理的なのだろうが、
そういうことじゃねえんだ。ここで背負って帰りてえのよ。

最後マティス部屋にもごあいさつをして空港へ。
夕暮れの中の遠くの摩天楼の姿…おおさらば刺激的なNY。
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次はいつ来れるのか。なんとか定期的に来たいなあ。
 
帰りのフライトはベルリンへ直通8時間。
たった8時間。そこそこ美味い機内食を食べて寝てたら着いた。
早い。早いし安いし…さすが「欧米」ってくくれる近さだ。
この感覚も体感してみたかったんだ。

こちらの世界地図では、当然ヨーロッパが真ん中にあって大西洋が分割されてないので、
まさに移動の距離感もそういう感覚。
こちらの世界地図では、日本は右の端っこにある。遠いジパングだ。

アメリカ西海岸からだと、日本は近いと思われてるんだろうかなあ。 

ちなみにこれが今回の移動スケール。
青枠で北海道と比較して見ました。赤点は訪問都市。
アメリカ北海道
ニューヨークが北見付近だとすれば、
フィラデルフィアは帯広付近、
ワシントンD.C.は函館付近 って感じになる。
ピッツバーグはけっこう離れてるな。
さすがにアメリカは大きいわ。 

今日はオススメされたディア・ビーコンに向かう。
朝、ホステルのロビー情報によるとどうも今日は天気が悪いらしい。
あまり気にせずにグランドセントラル駅へ。
駅が立派!天井が星座でなんかロマンティックだし!
とテンションが上がりながらホントに間違えずに乗れるのかはいつも不安だ。

でもさすがにチケット買えるくらいのやりとりは英語でできるようになったので、
窓口で聞けばだいたい大丈夫。
Getaway Packageという往復チケットと美術館チケットがセットになってるのが
窓口で買えた。ホーム番号も聞いたしバッチリ。
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メトロノースに乗って約90分。
この電車はハドソン川沿いをずっと走ると聞き、
車窓からの田舎の風景を満喫しようと期待するも、
雪で真っ白だし遠くも見えん…ずーっと、 川しか見えん。これは残念!
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モヤに消える橋もキレイだけど、晴れてる風景がみたかったよなあ…。 

着いたビーコンは小さな駅。
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駅を出てすぐ、ディアビーコン行きの看板の示す方向が曖昧だけど、
道の数が少ないし10分ほど坂を登ればすぐ見えてくるので迷わなかった。
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奥の巨大な建物がディアビーコンだ。

入り口でチケット見せたら、
「ストームが来るので今日は14時で閉館です」だって笑
2時間しか鑑賞できねー!そして帰り大丈夫なのか!?
まあ不安になったところでどうしよもないので一回そのことは忘れてみる。

ここも撮影不可なのが残念。
ナビスコの工場を改造した美術館とのことで、
展示室に入った瞬間、「うわあ〜」て声が出てしまった。 

ミニマルの巨匠を中心にめちゃくちゃデカい作品がめちゃくちゃデカいスペースで
ゆったりと展示されていた。 セラのアホみたいにデカいのもここでした。
こんなスペース見た事ねえっす。

特にウォーホルの影ペインティングが数十枚並ぶ部屋、
ソルルウィットのウォールドローイングの部屋、
リヒターのミラー部屋、ロバートライマンの部屋、
河原温のデイトペインティングの部屋は、
絵画の事を考える上でも重要な部屋構成でひっくり返りそうになった。

それぞれがそれぞれの絵画の極北的表現なんだ。
極北なんだけれども感覚を震わせる豊かさが確かにある。
この豊かさをギリギリのラインで抽出できていることに感動するというか。

僕も、今度誰かがNYに美術鑑賞に行く時は、
こことフィラデルフィアをセットで巡ることをゴリ押ししよう。

その他チェンバレンやらイミ・クノーベルなど
とにかくすべての作家の展示スケールがデカくて、
作家としてこんな展示できるなんて至福だろうなあ、
でもこの空間成立させるとか相当辛そうだし予算とか一体どうなってんだ
など余計な事まで考えてしまう規模。

14時ギリギリまで鑑賞し、雪を浴びつつ駅へ。
電車は普通に動いていてNYにあっさり戻って来れた。良かった。

金曜の夕方はMOMAの無料解放タイムなので少し再訪する。
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こんな天気でもさすがに混んでる。

今日もギャラリーのオープニングがあるらしくまたかずえさんと待ち合わせ。
ベルリンでのかずえさんの異常なフットワークを思い出す。
しかしこれまたストームの影響でオープニング中止が連発。
ペインターのみほさんとも合流し、
チェルシーのイタリアンレストランで雪景色を眺めながら最後の夕食。

札幌の冬の降雪に比べるとストームってほどでもないのだけど、
NY的にはかなり多いようだ。
日本の豪雪地帯は異常なんだな。
あの雪で190万人都市が成立してる札幌はやはりミラクル…。

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ホステルからの光景。あーあ除雪車が入ってるわ。
明日帰るのに飛行機飛ぶんだろうか。 

4日目。まずはクイーンズのPS1へ。
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撮影不可。撮影できない美術館もけっこうあるなあ。
ここも以前来た時はまだ仮設っぽい場所もあったけど
かなり立派になってた。
もう同世代80年代生まれの作家の作品なども積極的に展示しており
作品の内容はピンキリとは言えやや凹んだけれど、
現在進行形な感じがしておもしろい。
Jeff Elrodという作家の絵画が気になった。

夕方からは昨日に続いてかずえさんと待ち合わせ、
ガイドしてもらうことに。
NEW MUSEUM初訪問。まわりの雰囲気からなかなか浮いてる存在感。
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展示室半分閉まっててちょっと拍子抜け残念。

Neue Gararieにウィーン分離派の良質コレクションがあるとのことで
寄ってみる。クリムトとシーレの良作を堪能。

さらにホイットニーの企画をサクッとのぞき、
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そこからすぐ近くの
マディソンアベニュー側のガゴシアンも初訪問。

さすがガゴシアンてな感じの巨匠並びで
良いポルケやアルバート・オーレン、
ブライス・マーデンなどに恵まれたのだけど、

一番ビックリしたのがジェフクーンズの新作ペインティング。
制作に3年くらいかけてるフォトリアリズム系のアレなんだけれど、
コラージュの元画像にデジタルノイズがチラチラと入っていて、
そのチラチラまで超絶な細かい描写で完全に描き切っている…。 

一体何人の描写職人が携わってるんだろう。 
同じ絵画でも自分からは遠い表現、それでも興味深い。
デジタル写真、CG、解像度という考え方が現れた後の絵画表現の
ひとつの可能性だなあ。
よろずのビジュアルイメージは、描いちゃえば絵画に取り込む事ができるし、
そこで絵画への落とし込みを突き詰めれば(それが難しいのだけど)
その都度絵画の不思議さを新鮮に感じられる。
不動の絵画のメディア特性。

夜になりチェルシーのギャラリーのいくつかがオープニング。
寒いけど凄い人の量だ。
Andrea RosenでAaron Bobrowの展示(微妙だった)からスタートし
Gladstone Galleryでボエッティなど。
ボエッティ故人だが今年はやたらプッシュされてんな。
やっぱビジュアルに落とすセンスガンガン感じる。
あとめっちゃ作品多い…。
あとモデルみたいなお客さんいっぱいいるわ。

ここでもビックリしたのがガゴシアン、
バスキア個展のオープニングだったのだけどもの凄い長蛇の列!!
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この寒い冬のギャラリーのオープニングに、こんなに人が並ぶのか…しかもバスキア!? 
結局バスキアは入れそうにないので他にも数件をまわったけど、
あんまりピンと来る展示なかったなあ。

ギャラリー巡りって短期の旅行でピンポイントに来ても時の運なので、
そこはやっぱり現地に住んで見られるのはうらやましい。
自分に合いそうなギャラリーを探す目的を強くもって
時を改めてがっつり調べてじっくり回った方が良い気もするなあ。
そんくらい腰を据えないとすぐ疲れちゃうし、
面白くない作品にヤラれるケースも多いし。

あと、前回来た時はとにかくギャラリーの多さにびびってあれもこれも回ったけど
今回はかずえさんがいるのでちゃんとしたギャラリーをポンポン回る事ができた。

NYのチェルシーと言っても、変なギャラリーの方が多いからな。
今度それについても書いておこう。

かずえさんの同居人のコンテンポラリージュエリーデザイナーの方と
音楽ライブをみて晩ご飯を食べて終了。
情報量が多かった…さすがに頭が疲れる。 

NY3日目は自然史博物館へ。

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途中、消火栓から水がもの凄い勢いで道路に飛び出していたが、
いったい何なのだろう…。

これまた6年前の話。ここに閉館ギリギリに向かい間違った地下鉄に乗ってしまい
さらに時間が無くなったのでティラノサウルスの化石と宇宙柄のTシャツを買って
終わったという苦い思い出がある。 

おそらく誰でもびっくりするであろう剥製ジオラマの数々にまんまとヤラれる。
杉本博司さんのシリーズでも有名なあれこれだ。 
寄贈者の名前も書かれてる。
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何故かゴリラに両手を拡げるひと。

いやあこんなの並べられたら参っちゃうな。
デカいし、光の当て方なんかもま〜よくできてる。
そして背景画のクオリティが高い。
ドイツのミニチュアワンダーランドなどは背景が下手すぎて悲しくなるのだが… 。

そしてさらにこれを生きてるように撮る杉本さんの技術力が凄いという
きっと知ってる人は誰でも思うような感想。

ジオラマの数が多すぎて思いのほか時間を取られてしまったので
駆け足で見るハメになったけど、めっちゃおもしろい。
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民族のコーナーにはアイヌ文化の
紹介もあって思わず足が止まる。

ベルリンの自然史博物館と比べると、
ベルリンの方はより学術的という印象で、
こっちはビジュアルインパクトを大事にしてる印象。
まともに見たらここも丸一日必要だ…。


 セントラルパークを歩き、フリックコレクションへ。
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バーンズに続く邸宅系美術館。撮影不可。
バーンズ程のデカさではないけど、
やっぱデカいよ…家の中に庭あるしどうなってんだよ。

フェルメール3点、レンブラント等なにげに良作揃い。
中でもアングルの「ドーソンヴィル伯爵夫人の肖像」、
色っぽく描きすぎてて怖い。わざわざ後ろに鏡を設定して、
うなじから背中にかけての描写もしてしまうあたり
そうとうモデルに惚れ込んでる。 

次は歩いてグッゲンハイムへ。撮影不可。
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6年前は外壁の改装中だったので、白いグッゲンハイムを初めて見た。
ちょうど具体展の搬入中だったので、
一部のスペースで地味な展示構成をしてただけなんだけど、
その中の1つ、Zarinaの個展が思いのほか良い展示。
全然知らなかったし、
凄くシンプルなドローイングの作家。イメージの出所が不思議だし、
紙にポチポチ穴開けたり、抽象的な木版だったり、
なんか魅力的だ。
調べて見たらインドの女性作家で
もうかなりお婆ちゃんらしい。2011年のベネチアビエンナーレ参加もしてるんだな。


夜はベルリンのレジデンスで知り合ってお世話になったかずえさんと再会。
おいしい韓国料理を食べながら情報交換。
かずえさんはHodges Jim(ジム・ホッジズ?)の制作アシスタントもしていて、
トップレベルの作家との身近なやりとりの話が非常に興味深い。
もの凄く物腰が柔らかいらしい…
当り前だけどいろんなパターンのトップレベルがいるもんだ…

さらに安部さんとも合流、
オシャレなバーに連れて行ってもらう。
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安部さんの洞察力というか、世界を
どんな風に見ているかが話から伝わってくる感じは
ベルリンでお会いした時もヒシヒシと伝わって来たけれど、
やっぱりうーんと唸らされる。
今度ガゴシアンのグループ展にも作品が出展されるとか…ひええ。

がっつしNYで活動してる日本の作家さんの話をNYで聞ける有り難さ。
非常に気が引き締まる。

そして2人から、NYまで来たなら絶対にディア・ビーコンに行った方が良いとの
情報をいただく。ありがたやありがたや…! 
宿に帰って行き方の詳細や開館時間をみると、
おお明後日行けそうだ!!ほほほ〜ついにアメリカで電車に乗れる。 

ニューヨーク2日目。メトロポリタン美術館へ。
NYは主要美術館の休館日が何件かズレているのでブランク日が出なくて助かる。 
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前回、MOMA以上に感動したのが実はメトロポリタン。
古今東西、古典から現代まで何もかも揃ってる超巨大美術館、
エジプトの神殿そのものまであるので、
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ぶ、文化略奪…?と驚いたもんだ。 
戦後の絵画コレクションも良いのが揃ってる。

こちらも6年前と比べると基本はそのままだけど
ちょこちょこと展示室の雰囲気が変わってるんだな。
なんとなく現代的な(ホワイトキューブに近い?)見せ方になってる気がする。

マティスの企画展が数部屋使って開催されていて、
これ以前わざわざコペンハーゲンまで見に行った企画の巡回!がーん。
何度でも見れるのは良いことだし、コペンハーゲンは空いててみやすかったし、
展示構成の差を勉強できるし…とポジティブシンキング。

ブラックの後期作品、この見た事無い絵がめちゃ気になった。 
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日本美術ゾーン、前回は改装中で見れなかった。
質高い。企画で鳥ばっかだった。俵屋宗達すげえ。

鳥ばっか古美術ばっかの中に、ビカビカのシカが。
これが噂に聞いていた名和晃平さんがコレクションされたってやつか。
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でもなんかこれ1つだけ現代美術なので、浮いていた。 

現代ゾーンはデカい顔がいっぱいあった。すげーアメリカっぽい。
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顔ばっか並んでると、如実に描き方の差が比較できるのでわかりやすいっっちゃわかりやすい。
実際は間にホックニー等も隠れてたり、向かいの壁は抽象だったりするが。

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テリー・ウィンタースとか。これは90年代ものだが最近の作風の方が好み。


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マークタンジーの牛の絵が良い。

奥のカプーアの作品で目眩がする。
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ウォーホルもう1つ。各パネルがけっこうガタガタで隙間があんのよね。

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ドガの踊り子彫刻群にもまた驚く。


古典はわりと流し見してもやっぱり丸一日かかった。
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フェルメールの最も不気味な作品もあり。

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ダヴィッドのソクラテスの死はダヴィッドの中では良いと思える作品。

 本当に凄まじい広さだし、2回目なので全体的にコメントは省略気味で…。 

チェルシーから歩いてとりあえずMOMAへ向かう。
なかなか寒い朝だけど、歩きたかったのマンハッタン。
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子供の頃、「ニューヨークに行きたいかー!」という
某巨大クイズ番組があった。毎回楽しみにしていた。
あれがNYに行きたいと思わせる初期衝動だったに違いない。
あれを見てたか否かでアメリカに対する意識はだいぶ変わるんでないか。
自由の女神には行ってないし今回も行かないけど…。

しかしまさか2回目、しかも美術目的で来る事になるとはな。 

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MOMA。

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あら、インフォメーションの上にクリストファー・ウールのイケてる抽象!
ウール作品もだいぶ見たなあ。やっぱりこの抽象シリーズがかなりいい。

6年前のMOMAは改築後まもなかったので
各方面からの展示構成の悪評を聞いたが、それでも初めてだったので驚きの連続だった。

あの時マティスの部屋に感動しすぎて自分の絵画観が変わって修論もマティスを書いて
今もマティス作品は1つでも多くみておこうといろいろ回ってるのだ。

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今回はそのマティス部屋に、ダンス1も移動していたし
(前回はハズレの階段のとこに高く架けられていてとても遠くて見ずらかった)、
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念願のピアノレッスンもあったので大満足。
しかも隣の部屋ではムンクの小企画をやっており、俺得ゾーン…。
マティスとムンクは同時代だし、薄塗り基本の装飾的バランスに共通したニオイがある。
でも表と裏みたいな。南と北、人格者と狂人、みたいな。

あとモンドリアンの部屋、モンドリアンも各地で見て来たが
MOMAだけがガラスに入れない剥き出し展示をしてて見やすい。
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ブロードウェイブギウギ、やっぱステキだ。

その他前回との比較で少し思った事をちらりとメモ。
全体的に前回よりも流れが良い気がする。
60年代以降は今も細かく並びを組み替えているんだな。
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ポップの後に、FRPとか新素材使った系のアメリカ西海岸ムーブメントの部屋があったり、
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ボイスからポルケあたりのドイツ部屋などがあったり。パレルモの作品も。
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ポルケはなんかスパイダーマンの微妙な作品が展示されててやや残念。

ただ、60年代以降は作品に必要なスペースもデカくなってるので、
すでにこの部屋数ではフォローしきれていないような感じもした。

2階が現代の部屋だけど、
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今回のラインナップはサーレ、ロンゴ、G&G、
など80年代つまみ食いと、ドイツ・ケルン周辺に限った部屋など。
わざわざドイツから来てドイツ部屋を見せられるとなんとなく損な気が。
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アルバート・オーレンのこれはなかなか。

あとはマシューバーニーの微妙な小作や、
すでにいろんなトコで同じ様なインスタレーションを見て
割と飽きちゃったティスマンスのいつものやつなどが並ぶ。うーん。 

小泉明郎さんの展示ゾーンがあって、すげえなあ…て思った。
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作品もおもしろいし。
 

上階の企画展示は撮影不可なので入り口だけ。
まずTOKYO展。
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ユニクロが協賛企業になってるのか。
かなり詰め込んだ展示で疲れる。作品ラインナップはおもしろく
この中身だともっと広い空間が必要と思う。

それよりも個人的に超ヒットだったのだその隣の部屋でやってた
INVENTING ABSTRACTION1910-1925という展示! 
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渋い抽象画がメインで、ピカソの分析的キュビズムをスタートとして
画面内の色面形態がザクザク分裂しまくってる絵画ばっかり
ズラリと並んでいて思わず笑ってしまうほどのマニアックな内容。

この絞ったテーマのしつこさがすごく丁寧で企画展の意味を思い知る。
時代的には第一次世界大戦を挟んでいる時期だけど、
そういう時にエッジが効いてやたら分割線が多い抽象を描いてる画家達が
こんなにもいたんだという、別視点ての時代の証明になっているのも面白い。
別視点って例えば飛行機などの速度や空気を切るエネルギーとか、化学兵器の登場とか、
人が扱うスケール感の変化など決してそれらを直接テーマにしているわけではないのだろうけど、
個人の感覚レベルでリンクしちゃってるように見える。

個別の作家ではクプカやドローネーの他にもDavid bomberg、Vanessa Bell、
Ivan Klium、Georges Vantongertooなどグッときた。

あと、この時期のデュシャンの絵画はやはり出来が良い。
フィラデルフィアでは見れなかった回転マシーンもこっちで見れた。

展示は実験音楽や演劇の映像等も交えながら
レジェやピカビア、ロシアアバンギャルド、
デステイルと流れて行って抽象アニメーションあたりで締め。
いやあ参った。
同時期のピカソやマティスは最後まで抽象を選ばなかったし
だから最初のピカソ以外は展示の中には組み込まれていないけれど
そのパラレルな感じも脳においておかねば。 

2013年にまさに色面ザクザクで地味な抽象をやってる自分にとっては
なんというか勇気の湧く内容な反面、さあ今地味抽象やってどうすんべ、
というプレッシャーも同時に感じる。
図録もあります↓
 

 夜はDCに続き2度目の伊藤先生達と飲みアゲイン。
待ち合わせ場所までまた歩く。夜の中心部はモニタだらけで明るすぎ。
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黒いゴミ袋の山も懐かしい。

先生達は明日日本に帰国との事。
アメリカらしい肉をほおばりつつ、ここ数日の情報交換いろいろ。
あとは先生の2012年の活動が活発すぎて気になっていたので
作品の話をいろいろ聞きまくった。 

昨日ブライアンに教えてもらった自由の鐘、
実は泊まってるホステルのすぐ近くにあったので、
朝一で行ってみる。
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これがかの有名な。(全く知らなかった)
アメリカ史に精通してない人には
ピンと来ないモニュメントなのではなかろうか。
せっかく見たのであとで調べておこう…

さて、バーンズ財団コレクションへ。
フィラデルフィア美術館のすぐ近くだ。
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もともと郊外の邸宅だったらしく、
その邸宅ごと再現して最近リニューアルしてこの場所に移転したようだ。

本当は事前予約が必要な美術館なのだけど
本日第一日曜は、朝一で並べば予約無ししかも無料で入場できるとウェブサイトに書いてあった。
それならもちろん今日を狙って開館時間にゴー。 

受付にはすでに結構な人。入場時間は決められていて午後からのチケットを貰えたので、
それまで隣のロダン美術館をチラ見する。
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ロダンのエロい彫刻は良いな!


ロダン美術館はすぐ見終われる規模だったのでフィラデルフィア美術館も再チラ見。
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これ、ムンク。

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別館にはトゥオンブリの彫刻数点の展示。
それに今日はブライアンがいなかったので落ち着いてみれたデュシャンだった。
 

時間になったので再度バーンズコレクションへ。
撮影不可ですがひたすら後期印象派近辺の名作祭り!!素晴らしい。

最初の部屋からピカソマティスセザンヌスーラの傑作がドンドンドン。 
邸宅ってことで、名作が部屋の壁中にビッシリみたいなアメージングっぷり。
バーンズさん、度を超えて買い過ぎだし、しかも審美眼すごい。
誰かアドバイザーがいたのだろうか。
超一流コレクターって、どういう世界観の中で生きているのだ。

セザンヌのドクロ入り静物にも感動したが、
何よりここで見たかったのはやはりマティス。 
「生きる喜び」がここにある。
2階の真ん中にあるのだけど、ひたすら素晴らしくて泣けるよ。
同じ人間から、どうしてこんなタイプのユートピアな絵画が生み出されるのかと。
ユートピア絵画でありつつ空間は結構メチャメチャになっててわけわからん。
ところでゴーギャンの遺作を念頭に置いて制作したのだろうか。
画面構成は違えど、その舞台に共通性を感じるような。
真逆のオーラだけど。

「生きる喜び」と対面するように、吹き抜け越しに巨大な「ダンス」も配置されてるので
マティス好きには鳥肌もの!必見。
高い位置に設置された動感のある美しい作品。
マチスのタブローの中では相当ハードエッジな部類に入るが
固さは感じない。
パリでこれの別バージョンと下絵もみているが、
どれも人物と色彩のパターンを組み直していて、
このシンプルに見えるバランスの葛藤が感動するよなあ。

「ピアノレッスン」のより具象的なバージョンもあり。

お腹いっぱい。ここからさらにNYだ。
いや〜なんだかんだアメリカは強い。濃すぎる。

街の中のチャイナバス乗り場へ。旧乗り場は閉鎖されており焦ったが
すぐ近くに新しい複合バスターミナルがあった。
ここから約2時間、NYへ戻る。

NYでのホステルはチェルシーのガゴシアンから徒歩1分のナイスロケーション。
2人部屋が当たって、I♡NYのキャップを被ってる黒人のオッサンが相部屋だった。
そして弱々しく「オレ…いびき凄いんだゴメン。薬飲んだから。明日部屋移動するから」
と言われた。めちゃ良い人だけれども、不安だ。
先に言われたら、オッケーノープロブレムとしか言えん。

そしてこのイビキが過去最高に恐ろしい爆音で、グガーグガーっていうより、
ブオオオオオオオオ
ブオオオオオオオオ
ブオオ、ブッ!って、一瞬止まるのが怖い。 
おっさんが下のベッドなので下から突き上げてくる音でベッドが振動する。 
本当に薬飲んだのか!?寝れるわけねーだろ!

過去にも何度かホステルではイビキに悩まされたが
今回は戦闘力のケタが違う。
困り果てた挙げ句、iPodをカバンから取り出して、
音量最高にして大黒さんのアンビエントでイビキを誤摩化すのがファイナルアンサー。
奇跡的に寝れた。札幌の方角を向いて大黒さんに感謝した。 

今回のアメリカのメイン目的の1つは、
フィラデルフィア美術館でのデュシャン巡礼だ。
ベニスやドクメンタに行く現代美術ファンの多さに比べて、
フィラデルフィアまでデュシャンをまとめて見にくる人は少ないのではないか。
現代美術のスタート地点として規定されることもあるのに、泉の写真だけみて判断するわけにはいかん。
情報拡散まで美術に取り入れてるデュシャンに惑わされないためには、
本人の遺志で作品を一堂に集めたここを体感するのが一番だ。

で、旅の直前に発覚したのだけど、
昨日まで展示替えのせいでそのデュシャンの部屋が閉鎖されていて
急遽都市巡りの順序を変更したり無理やり調整をしたのだった。

宿からすぐ近くのバスターミナルからバスでフィラデルフィア美術館へ。
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ワシントンD.Cもそうだったけど、広い。道幅も広いし、街のスペースの取り方が広い。

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見えて来た。う〜ん、デカい。茶色い。

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ロッキーで有名らしく(見てないけど)、ロッキー像があり、
客も階段でロッキーのポーズをしてるフィラデルフィア美術館。

最初にビビるのはどこか見覚えのある巨大シャガール…
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これは青森県立美術館のアレコホールの連作の残り1枚じゃないか。
ここにあったのかー良いですな。
しかしこのスペースにしか飾れなかった感が満載だ。
むしろ展示室に入りきってる青森が凄い。

目的はデュシャンと決めてるので、他でも沢山見た古典ブースはサラッと…
と覚悟して来たが、サラッと見るにしてもボリュームがありすぎる。
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こういった部屋もたくさんある。

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気になるティツィアーノ。顔半分、画面半分が透明のカーテンで覆われてる。
誰のどういう状況なのか調べなきゃわからんが、それ抜きにしてもこれはヤバいな。
見る枚数を重ねるほど、ティツィさんが好きになる。
絵画自体の構造を検証してるようなアプローチが多々見受けられるので。

だいぶ端折ったけどかなり充実しとる。

目玉作品の1つで、見たかったセザンヌの大水浴図があるはずの立派な専用壁では、
なんとルノアールの水浴絵画にすり替わっていた(笑)
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確かに同じ水浴ではあるけれどこの絵、かなり微妙じゃない!?
…いや、実際僕はルノアールに全然反応できてないのだ。
これはこれで描いた本人も傑作と言ってるような作品らしい。
あまたの国の印象派コーナーでも、ルノアールはガツンと入って来ない。

まあとにかくセザンヌは一体どこに貸しているんでしょう…がっくり。

ここも現代ブースが目立って良質だった。
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これはケリーの初期絵画の部屋。

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スカリーのデカい部屋、

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ちょっとギュウギュウだけどトゥオンブリの傑作部屋。

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ジョーンズもラウシェンバーグも中期のハイクオリティなのが普通にならんでる。

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マティスのオーラな絵画(画像は拡大図)もここだったのか。 


そしていよいよ、一番奥のほうにあるデュシャン部屋だ。
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ホントは2部屋あるのに今は片方しか空いておらず
しかも半分はジャスパージョーンズの作品っていう
イレギュラーバージョンの展示。
これはこれでレアだし比較もおもしろいのだけれど
レディメイドが少ない(便器も無い)、回転板も無い、
階段を下りる裸婦2まで無いのがちょっと残念!
だいたいのレディメイドは他の美術館でも見たからいいんだけど、
やっぱり一気に並んでる展示が見たかったな〜。

とは言え、真ん中で堂々としている大ガラスにすぐに心が奪われた。
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ストックホルムで見たレプリカと全然違うし!
あれはやっぱ微妙な出来だったのか。

細部をたくさん観察してみる。
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裏も。裏なんてまったくレプリカと違う。
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パーツ毎の質感も違うしフレームもメタリックでカッコ良い。
そもそも質感含めた全体の構成から、
デュシャンの造形センスレベルの高さをヒシヒシと感じる。

絵画として図像をみたら、下半分は透視図法を使って床面を意識させながら、
ガラスによって面を無効化させようとしている。
上半分は、タイトルと解説を素直に受け取れば「花嫁」となる物体が、
画面上部から吊り下げられた状態を描いてる。天井。つまり上半分と下半分で天地を設定。
が、「花嫁」は下半分にくらべて正面性が強く、ペラッと描かれていて下半分に比べボリュームが不明瞭だ。いや不明瞭というか、僕らの現実とリンクしたサイズ感といえばいいのか。下半分は、画面内で完結するスケール感を持っていて現実とのリンクが上半分ほどではない。
「花嫁」3箇所の四角部分はガラスのまんまで、よりペラッと感が強調されている。
ガラスと構図と自身の解説をうまく使って、上半分と下半分のちぐはぐな空間性を強引に結合させている感じがする。タイトルとグリーンボックスの情報に引っ張られ過ぎると、ついこういう要素を見忘れるので注意がいる。デュシャンはむしろそういう惑わせ方を積極的に取り入れているように思える。

そしてよくもまあうまいことヒビが入っちゃたこと。
後ろからの窓の光がヒビに反射していい感じ。
見れば見る程、異彩を放つ唯一無二の変なモノだ。。

そして奥の部屋に遺作。
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このそっけない奥部屋の怪しい存在感。
お客がいない間に撮っておけ!

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覗き穴。

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よ〜く見ると覗き穴と手前のレンガ壁の間に、
透明の保護ガラスが確認できる。
レンガ壁によるフレーミングがよく出来ている。

ポイントは、覗き穴がちゃんと2つ空いてて両目で見れること。
これは…ぜひニンテンドー3DSで遺作体感コンテンツを作っていただきたい。

片目でみるともう少し情報が限定されて見えて来るのだろうが両目でみるので、
目の前に「出来がいいんだか悪いんだかよく解らんけどめちゃ頑張って作った謎のジオラマ」
があるっていうリアリティがもの凄い(笑)
実はもっともっと幻想的に見えるのかと思っていたんだけれど、
手作り感がとても近くにリアルに感じられる。

もちろん、見える範囲や視点移動の限界値、照明の入念な設定、
それぞれのパーツに対する造形愛などは伝わってくる。
背景の描写の妙な質感、スプレー塗装のような空と雲のボケ感や
ちょっとエルンスト風にも見えるしコラージュぽいペラッと感にも見える森の感じ、
流れる滝の明らかにローテクなキラキラも想像以上に手作りっぽさが…。

これをコソコソ最期の10年以上も作ってたのかと思うと、
デュシャン、あんたは一体何なんだ!という感じ。
死後10年経ってこれが発表されたときの、
リアルタイムの「ええええ!?」感はどんな感じだったんだろう。

遺作の部屋の観客観察も、おもしろい。
覗き穴の存在を知らずに帰っちゃう人、
覗き穴に気付いて、Oh....!と苦笑いする人、
そうだよな覗いて見たらいきなり裸の女が股拡げてるんだからそのリアクションが正しいんだ。
カップルで来て、片方が知ってるようでもう片方の覗いたリアクションを楽しんでる人、
子供に覗かせて、周りの観客が笑ってる光景。など。

そして自分が絵描きだから余計に思うのだろうけれど、
大ガラスと遺作においてはやはり絵描き畑の人の造形物って感じがものすごくした。
それでいて安直に絵画なところには着地したくなかったんだろなあ、と。
大ガラスはまあ絵画と言っていいけど、絵画か否か?みたいな境界論は、じっさい意味無し。

ちなみに、
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同部屋にある最初期のデュシャンの風景画。

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階段を降りる裸婦その1。


今でいうDVD特典メイキング映像的という位置付けと考えれば良いのか、
大ガラスと遺作をベースにしたメイキング作品の残し方も上手い。
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それに、物として欲しくなる要素満載だし。
グリーンボックスだってまず箱の質感とかデザイン、一つ一つのメモなど存在そのものがアイテムとしてカッコ良いではないか…。

このように過剰に造形的な大ガラスと遺作という2作品を軸に、
デュシャンが残した作品全体の押し引きを
俯瞰して考えられるのがおもしろい。
レディメイドや、それこそ一連の便器作品のスキャンダラスな流れ等も
全体から俯瞰して見た方が味わいがあるように思える。
未来から見た自身の見え方を想定していたのか。

ステレオタイプな「ダダ」!っていうイメージよりは、
考え方を拡張させながら芸術ギリギリを常に提示してたような感じだなあ。
レディメイドっていう手法のイメージが先行しすぎて、
たくさんの誤解が生まれているようにすら思える。

ところでこのデュシャン部屋、一番奥のせいなのか人がまばらで、
監視員がやたら話しかけてくるのでなかなか集中するのがタイヘンだった。
こっちも脳に焼きつけようといつまでも部屋をウロウロしたり
何度もこの部屋に戻って来たりしたので、
向こうもヒマだし興味を持たれたんだろう。
そのうちお互いの自己紹介タイムにまで発展する。
推定60歳くらいの彼の名はブライアンという。
数年前にも日本人で2週間程毎日このデュシャン部屋を取材してた作家が居たという。誰だ。

せっかくフィラデルフィアにいるなら自由の鐘も見て来なさい!と言われた。
最後はガッチリ握手して終わる。何なんだ。

他の部屋の監視員も鼻歌歌うしケータイいじってるし、フリーダムすぎる。

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なぜかトランクの箱は別ブースにありました。
コーネルなどと並べたかったのか。

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日も暮れかけ。
ああ、念願のデュシャン巡礼を達成した。
展示が完全体の時にまた来ないと駄目だな。 

早朝6時にピッツバーグ到着。
ピッツバーグの目的はアンディウォーホル美術館だ。
ここウォーホルの出身地なのだった。
 
しかしDCから一転、ものすごく寒い。
マイナス10度超えの寒さ。 
外を歩く気が起こらない寒さなので、
仕方なくそのまま美術館開館時間までgrayhoundバスターミナルで待機することに。
4時間もここでじっとしてるのか…まあフリーwifiも来ているし電源もちょうだいできる。 

やっと10時になり、徒歩で美術館へ移動。20分弱歩く。寒い!!!
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歩道に生えた煙突から白い煙が。

極寒なウォーホルブリッジを渡る。
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振り向けば、ピッツバーグ市街。

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到着。外見は地味だが、中に入ってみると
実は個人美術館なのに6フロアもあるデかい美術館だった! 
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入り口からテンション上がるも、中はまた撮影不可でした。

不運な事に、中期の巨大ペインティング部屋が丸ごと改装中だったのだけど
他の美術館でもその時期の絵画は結構見ているのでまあ良しとしよう…ガクっ!

それを差し引いても、見応えがある。
超ハイセンスな初期ドローイングから、
銀色のヘリウムバルーンや酸化絵画まで揃っている。
カッコいいし、とことん空虚。
タイムカプセルもあった。

しかもウォーホル以降の関連作家の巨匠レベル作品も実は結構展示されており、
リヒターやポルケもあるし、クーンズ、ウールや、
なぜかハンスフーケ、さらに村上隆2002年の作品なんかまで。
すげー豪華…そしてこれらもまたウォーホルをベースに並んでいるせいか、
他の美術館に比べると、
豪華な作品だらけなのにスカーっとしてて何だか奇妙に思えてくる。

映像も充実していて、
エンパイヤなどの有名な作品からインタビューのアーカイブまでズラリ。すっげー。
とても見きれる量ではないのでチラ見で終えてしまったけど、
ウォーホルがキャンバスに絵具を塗っている映像には
しばらく虜になってしまった。 
オシャレにシンプルなシャツを着たウォーホルがただ黙々と、
筆触を確かめながらペタペタと塗る映像…指なんかも使いながら塗る。
何か見えないアンテナが反応している様な、センスの場だ。
グッと来る…! 

平日の朝っぱらなのでお客さんが全然いないわけだが、
スタッフばっかりやたらいる。しかも若めのスタッフ多い。
大学の研究とかと連携でもしてんのかな。

ちょっと時間があったので、そのスタッフを捕まえて
ピッツバーグの他のアートスポットを聞く。
近くのいくつかのオルタナティブスペースがあるけど内容は微妙との事で
郊外のカーネギー美術館をレコメンドされた。バスでの行き方も教わる。 

まちなかのオルタナスペース2軒ほど回る。
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確かに微妙だけど規模はデカめ。
さてカーネギー美術館方面へ。バスで15分くらいか。

カーネギー工科大学(ウォーホルの出身大学)が近くにあるので
学生街っぽい街並だ。
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美術館はやはりデカい。

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ソル・ルウィットのウォールドローイングも、この一連の旅中で何度目撃したことか。
だいたいこんな感じで現代系の美術館のエントランス付近にでかでかと存在してて
良くも悪くもハイセンスな壁紙化しとる。

古典は弱め。近代はそこそこ見応えあり。
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ボナールに隠れがちなヴュイヤールもちょこちょこ気になる作品がある。

油断するとこんなのも…これもアメリカ初期のリアルか。
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こんなキワドいのが収蔵されちゃってるんだ。
自国の試行錯誤の上でのアメリカ絵画ってのはこういう展示見てるとわかるような。

以降だいぶ見慣れた光景。
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どうも最近のマイブームか、マザウェルばっか見ちゃう。


おもしろかったのはここからの現代ゾーンで、
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ジョン・カリンとエリザベス・ペイトンの間にトーマス・シュッテなど。
シュッテは好みじゃないからあんまピックアップしてないけど、
ヨーロッパでもかなりたくさん見た。

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杉戸洋の大きくて見応えのある作品も!

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この並びもヤベえ。左からトマ・アブツ、グロッチャン、
デ・カイザー、sergej jensen(セルジュ・ヤンセン?)。

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アブツの本物もようやく拝めたな。すっげー面倒くさそうな処理を割と丁寧に
工芸的に処理してる感じ。綿布の布地がわかる薄塗り部分が、
厚塗り部分と意識的に分かれてて、各々の色面やグラデーションが
その色と形で空間の矛盾を起こしてる。
サイズが小さいせいか図録とのギャップは思った程ではないにしろ、
塗ってる感、手仕事性を直接愛でられるサイズ、存在感。
隣には真っ赤で同じ放射構図つながりのグロッチャンだが
グロッチャンのほうが物質感や塗りの特殊テクがだいぶ強くてスペクタクル的。

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こっち側、デカイザーとヤンセンはもう少しささやかな存在感なので地味だ。
地味なままイケてる。アメリカまで来てこういうの見ると凄いヨーロッパの抽象!て感じがするのは
勝手な思い込みか。

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Vija Celmins ヴィヤ・セルミンズの星ペインティングも。

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これはクリストファー・ウール。ドリッピングでも硬質な表面か。
側面見ると、これは支持体は固めの木材だ。アルミやらキャンバスやら木材やら紙やら、
満遍なく試してるんだなあ。
…でもちょっとこれは微妙かな笑

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締めはマイク・ケリー。

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逆側のエントランスにもめっちゃデカいウール。
…などなど、いやあ思わずおおおと唸るラインナップだった。
絵画好きにはたまらんな。
ウールはどの現代系美術館に行ってもあるので食傷気味になってきたが。

駅の方までまたバスで戻る。
ピッツバーグに安いユースホステルを見つけられなかったので、
泊まらずにまたバスで移動する。せわしいな。
今度はフィラデルフィアに向かうんだけど、
事前に検索したら電車はちょうど良い時間のが無いので、またバス。
megabusってやつ。こっちはグレイハウンドより適当な感じ。
すべてネット上で手続きして、
専用のバスターミナルもないという格安都市間バスらしい。
大丈夫かなと不安になったが、サイトで指示された場所で待ってたら
ちゃんとバスが来て乗れた。日暮れ前に出発!
こちらもフリーwifiプラス電源までついてて素晴らしいなあ。
素晴らしいけど、なぜか途中の休憩所で3時間も動かず待たされたんだ。
理由は聞き取れなかった…。

そのせいで、フィラデルフィアに着いたのがなんと深夜1時半。
どうやらもう地下鉄も来てないし、
何回深夜の知らねえ街に放置されればいいんだよ…怖ええ。
仕方が無いので駅から恐る恐る宿まで30分以上歩く。寒いし遠いよ。
ただDCでの失敗を元に、
ちゃんと24時間フロントが空いてるホステルを取ったのでばっちりなんとかなった。

 

DC2日目。またモールへ。
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博物館前に、倒れたまま放置された屋台が。

今日はハーシュホーン美術館からスタート。
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円形の広い回廊状の展示スペースが特徴的。
企画はアイウェイウェイの個展。
去年はまだ軟禁されてたはずなのに、この規模の個展か。 
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まとまった展示を見るのは初めてだ。
実際背景について詳しくないので深い鑑賞ができたとは思えないけれど、
中国の形に木を掘ってる割と有名な作品から、大きなインスタレーション、
映像作品まで幅広く、空間認識とユーモアのセンスがある。
監視カメラの彫刻家などおもしろいが、
全体的には、造形だけ見ると、そつなくこなせる器用な優等生って感じがする。
全活動を通してこそ重要な作家だと思う。
後にちょっと調べたら、アメリカ時代の大学の先生がショーン・スカリーで
そっからジャスパージョーンズ、デュシャンと系統を学んでいったとのこと。
なるほどねえ。

上階の常設は絵画が多くてうれしい。
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不気味なウォーホルを黒いベルベットの支持体に描いてるシュナーベルの絵画や、

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マークグロッチャンの厚塗りストライプの絵画。これは見応えがある。

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次はスミソニアン航空博物館へ。
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飛行機とか宇宙船の実物展示。子供でもかなり楽しめそうだ。
説明など読んでるヒマもなく割り切って駆け足でザーッと見る。

ナショナルギャラリーを一瞬再訪する。昨日閉まっていたマティス部屋を見に行く。
昼の数時間しか入れないようになってる。
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巨大な切り絵作品が額無しで見られる喜び。
だからこの部屋だけ時間絞ってるんだろうな。 

自然史博物館も覗いてみる。

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動物剥製ゾーンは、やけに動きを強調した展示。

鉱石&宝石ゾーンに思いのほか長居。
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透明の物質ってそれだけで興味をそそるんだけどそれはまあ自分の作品が
そういう傾向にあるからでもあり。。。

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展示もすごい綺麗!

何よりダイヤモンドの反射光に思いがけず見とれてしまった。
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ティアラとかすげー。
絞って反射光だけ撮ってみる。
宝石なんて無縁の世界と思っていたが、学術的なものとして見せられると
一気にハマる。博物館おもれーな。

あと虫ゾーンがやべえ。タランチュラを見た。
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それとイモ虫と戯れるオシャレお姉さんとちょっと引いてるその彼氏な光景を見た。
このような類いの女の人は、妙に魅力的に映るのだった。 

モールの博物館群は入場無料なのですばらしい。
満喫して、駅の上階から発車してる深夜バスを待つ。

さすがに気温も下がって来て冬に戻ったな、寒い。
バス到着。grayhoundというメジャーなバスだ。
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バスの中ではなんとフリーwifiが飛んでいる。
しかしまた夜間の移動だと風景が見れない。
真っ暗だなあ。 

次の行き先は伊藤先生におすすめされたピッツバーグ。 

午前中に本来予約してたホステルに移動、
荷物を置いてナショナルギャラリーへ。
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そういえば映画「ハーブ&ドロシー」でたくさん映ってた美術館だったな。
 見覚えのある場所もちらほら。

通路にやたら植物が茂っている。
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まずは古典美術巡り。
またしてもまたしてもビザンチン美術からの美術史の流れを
順に追える展示だ。
海を超えてもしっかり勉強できるレベルでなんでも持ってますね… 
それにここにもダビンチ作の小さな肖像画。
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背景の植物がいい。 

ヨーロッパ各地と違って、各国均等な分量で展開されてる流れで、バランスが良い。
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ルーベンス、ライオンを描く。

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ルーブルで見れなかったシャルダンもそこそこまとまってる。

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またフェルメーる。これはタッチを消してボカしを効かせてる。

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アングル、こんな画中画…というか
システィーナ礼拝堂の中のローマ教皇ってな作品も描いているのか。

当然1800年代から突然妙なアメリカブースが出現する。
畏怖の念があんましないようなロードオブザリング的な広大ロマン風景画とか、
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すでにちょっとアメリカンオリジナルなエレメントを感じる。

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印象派ゾーンでは、いつものメンツに紛れてメアリー・カサットがたくさんある。
良作が多いです。

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ピカソはこういう傑作をきっちり残してるから参る。

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ルドンはいつもこっそり気に入る。

地下通路で繋がってる別館は現代美術。
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チャッククロース細部。

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お、見た事ある夫妻が…

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おお〜スティルがどーんとあると、アメリカに来たなあって感じがします。 

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後期ポロックも、良い。

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これ小振りのマザウェル。やっぱマザウェル、かなりイイ。

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HOWARD HODGKIN 初見。イギリスの画家のようだ。

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撮影不可ゾーンの一番上の階のバーネットニューマンの企画、
晩年のシリーズ。これもとても良い。 

20世紀絵画のラインナップはやっぱヨーロッパとだいぶ違うな。
こっちの流れで勉強してきたので、しっくりくる。
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新館の建築、この感じはなんか知ってると思ったらは
ルーブルガラスのピラミッドとか、ドーハのイスラム美術館と同じ
イオ・ミン・ペイだって。

美術館を出てナショナルモール、どれ記念塔のふもとまで歩いてみるけれど
歩いてもなかなか近づかん…どれもこれも建物がデカいので距離感が狂ってるようだ。
結構遠い!!
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ホワイトハウスも遠目に眺めて、戻って来たらヘトヘトだ。
それにしても、どうしちゃったのというくらい暖かい。
なんと10℃以上あるようだ。春かと思うわ。汗だく。

夜は、大学の研修旅行でアメリカ滞在時期がかぶってる
(というかこっちがある程度合わせたんだけど)、
伊藤先生ご夫妻と久々に再会。旅行会社のM吉さんとも8年ぶりくらいに再会(笑) 
皆さんフライト直後でかなりお疲れのようだったけど、
いやあアメリカで顔合わせっつーのも不思議なもんだなあ。
OBOGをイジろうと思ったら近い年代のOBOGは居なかった…
自分よりかなり若い世代の見覚えのある子達3人のみを覚えた。
顔と作品がようやく一致した。 

今度はアメリカ東海岸視察だ。
オフシーズンのせいか、airberlinの航空券はなんと往復約450ユーロ。
円安になってきてても50000円以下ってとこだ。
日本からNYに行くのと比べたら半額くらいだし飛行時間も8時間。

NYの知合い作家さんも増えたし、
今回はフィラデルフィアとワシントンDCまで足を伸ばして
デュシャン巡礼もしてしまおう!
と年明けすぐに勢いで決めたのだった。

寝坊もせずに、ベルリン入りした時以来久々のテーゲル空港到着。
余裕をもって到着したが、窓口を間違えて並び30分程無駄にする。
そして正しい窓口に行ったら今度は、
「書類が足りないのでこれでは飛行機に乗れませんね」と言われた。
え??

わけがわからないので必死に質問すると、英語の説明が複雑になってきて
頭が混乱ひ汗。何度も聞き返してなんとかわかったことは、
ESTAが無いとアメリカに行けないということ。

ESTA?なにそれおいしいの?

どうもアメリカに入国するには観光ビザの代わりになるような
ESTAという証明をインターネットで取る必要があるらしい(15ユーロかかる)。
そしてそれを知らない僕の様なアホの為に、
空港内にESTAを発行できる窓口があると教えてもらう。
しかしさっき無駄にタイムロスしたせいでゲートクローズ時間が迫る。

空港内を超ダッシュでその窓口を探し、4回程窓口を間違えながらなんとか見つけるも
係のおっさんが英語全く話せないという新たなピンチに見舞われる。
 
イッヒ メヒテ ESTA!!!

と多分間違ってるけど多分通じそうなドイツ語を披露し、
おっさんも急いでくれる。が、なかなか何言ってるかわからん。
必死にボディランゲージと指差し連発してなんとかESTAの発行に成功。

猛ダッシュで窓口に戻ったけれど、結局10分オーバー!!
めっちゃ頼んだけれど完全にゲートクローズしたとのこと。
…ス、ストックホルムに次いで、またおれは飛行機に乗れないのか
しかし今回は損害のスケールが違うぞ…一体どうすれば。

頭真っ白になってると窓口のおばさんが
「airberlinではどうすることもできないけれど、
この便はデュッセルドルフで乗り換えの便だから、
デュッセルまでの飛行機が他の会社であればまだ間に合うかもしれない。
あっちのルフトハンザならあるかもよ。」
と奇跡の助言をくれた。こういうときは英語がすんなり耳に入って来るから不思議だよ。

ダンケダンケダンケシェーン!
超絶感謝をして、ルフトハンザの窓口へ行って汗だく半ベソで事情を説明すると
「あなたはラッキーですね。ちょうどぴったりの便がありますよ」だって!!
ダンケダンケダンケシェーン!!!!!
当日券の250ユーロ(痛い)を購入し、
無事にデュッセルで乗り換えることができたのでした。
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airberlinの機体!!!!泣けるわ!!!

ドイツの人の優しさに僕は感動した。
こんなアホな日本人に親切に教えてくれるんだねえ…。
いやあしかしハナからアメリカは敷居が高いわ。
機内でも入国の為のチェックシートを書かされたし。

ところで機内ではダークナイトライジングを見た。
映画が見れる程の英語力は到底ついてないのだけど、
なんとなく話の流れはわかった。
なぜ変な井戸の中で修行が始まるのかは解らなかったが、
きっと言葉がわかっても突っ込み所なんだろうなと思って最後までみた。
ダークナイトには到底及ばないが、
結局いつものハリウッドノリの集合で満足した。

さて奇跡的に到着できた6年ぶりのJFK空港に思わず笑みが…。
ボロい地下鉄も懐かしい。
うおーニューヨークのニオイがする。
マンハッタンのチャイナタウンから、
かずえさんに教えてもらったチャイナバスっていう格安バスに乗る。
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乗り場。
まずはそのままワシントンD.Cへ向かう。約4時間半で20ユーロ。安い! 
NYから出るってことにまずちょっと興奮、
遠ざかる摩天楼をバスの窓から眺める。

せっかくの長距離だが、NYを離れると景色も真っ暗。
何も見えなくて味気ない。昼だとどんな光景なのだろう。
そして特に問題もなくDCに着いたのが深夜11時。
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降り場もまたチャイナタウン。

ここから歩いて15分くらい、予約してたホステルに行ってみると、
おいおい!!10時半ですでにフロント終了してて、中に入れないじゃないか…!
 
なんで今日はこんなにピンチが続くんだ(理由は自分が馬鹿なことのみ…) 
仕方がないので深夜の街を徘徊しホステル探し…
深夜ウロウロしてて大丈夫なのか!?
…だめだ見つからねえっす。
その辺のホテルだと一泊200ドルとかだった〜無理です。
絶望しかけたその時、眼前にマクドナルドがぁー救いのMマーク!

腹ごしらえでセットを頼み、ドリンクを
「コカ・コーラ プリーズ!」と全力の発音でお願いするも
は?という顔される。コカコーラが通じねえ。完全に自信喪失させられた。
あ、「コーク」って言えばまだ通じるのね…。
横暴な態度の店員がアメリカっぽい。

店内で飛んでるフリーwifiを捕まえて、
無事に別のホステル発見。さらに歩いて15分で到着、ステイすることができた!!
つ、疲れた…
まだ何も始まってないのにアメリカは1日目から攻撃力高い。

朝一の特急に乗ってアムスからオランダ北部の街レーワルデン(Leeuwarden)へ。

レーワルデンにあるオランダの司法省のエントランスホールに先輩のけんさんこと谷口顕一郎さんの彫刻がある。けんさんのサイトのトップ画像になってるのがその作品だ。
けんさんは前日にレーワルデンに入っていて、現地で再会することに。

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朝やけを眺めながら電車で移動。
ところが雪が降って特急が遅れてしまい、
途中の乗り換えがうまく行かず1時間以上遅れてしまった。
こりゃあピンチで困ったなと思ってたら、
なんとオランダの特急は車内でフリーwifiが使える事が判明。こりゃすげえ。
メールで伝えてなんとかレーワルデン駅前で再会することができた。
もー迷惑かけてばかりです… 

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これがオランダの司法省。建築がカッコいい!
司法省は厳重セキュリティで一般の人は入れないので、
作家さんが事前にアポをとって一緒に中に入るようになっている。
なので今回はご家族のみなさんに見せるタイミングにオジャマして見せてもらうことに。 
 
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幅10mの巨大彫刻がモダンな建築の中央に堂々と浮いている姿を見て、
思わず口が開きっぱなし。
この彫刻は過去に何度か移転をした司法省の建物跡地からの
凹みをトレースして、それを元に彫刻化してるとのこと。
一般の人が見られないのは勿体ないけれど、
どの階のデスクからもガラス越しにこの黄色い彫刻が見える様な建物の構造になっていて、
ここで働く人達にとっての大事なシンボルになってるんだろうなあと思った。
写真撮影基本NGで、
お願いして数枚撮らせてもらったけれど絶対人を写さないように厳重注意を受けた。
そういう張りつめた空気の中に浮かぶ作品の存在感。

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壁には各パーツの採取マップ。

完成まで3年もかかった大きなプロジェクトだそうな。
このような大きな規模でかつしっかりとした完成作品になっていくまでに
多くの人が関わって、多くのお金が動いて、
総合的な作家力がかなり必要なのは間違いなくて
今の自分からは到底想像できないスケールだった。

大きく年齢も離れていなくて昔から知っている自分の大学の先輩が、
札幌での学生期から一歩一歩経験を積み重ねて、海外に渡って、
この目の前の素晴らしい作品を完成させたっていう事実を体感するのは、
それはもう特別な経験だった。

無理してもらっちゃったけど見る事が出来て本当に良かった。

じーんとしながら、
電車でレーワルデンからベルリンに戻る。一度乗り換えしながら約6時間。

2週間ぶりのベルリンのこの感じ、なんか落ち着くわー。
ファッキン アレス!!などと叫んでる迷彩服のバカなおっさん達を冷笑する乗客達、
な夜の地下鉄。

朝起きると、ドラッグ兄ちゃんは普通の状態に戻っていた。
「Sorry,昨日の記憶があんまりないんだけど騒いでしまったよね…きみ名前なんだっけ? 」
とか言ってる。 ユーはドラッグとか風俗とかやらんのか?と聞いて来たけど、やらんよ!!
アムスって…。 

さてまずは第一目的の国立美術館へ。
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裏側。これまた改装中で2013年4月にグランドオープンとのこと、惜しい。
カウントダウンの電光掲示板らしきものが。

横の別館で簡易的なマスターピース展示をやってる。
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こういうのが並んでると海洋国家の美術館って感じがして良いなあ。

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レンブラントの、怪しい絵の前で何を学んでいるのだ。

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ここにはフェルメールの「牛乳を注ぐ女」とレンブラントの「夜警」がある。
これまたどちらも素晴らしい。

牛乳女はめちゃ小さい画面内にやはり完璧に計算されたピカピカの画面。
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フェルメールも振り返ればもうけっこうな数を見たけど、

デルフト眺望と牛乳女のピカピカ感は群を抜いてる。
寄って見た時の描写スケールがたまらん。
意外に荒い作品もチラホラあるんだよな。 

夜警はデかい!
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本当はもっとデカかったらしいけど、いつかの展示移動の時に
部屋に納まらなかったので左側をカットしてしまったとのこと。

カットする前の夜警を模写した小さい絵画が同室に並んでいて、
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確かにそっちのほうが
構図はゆったり余裕があるように見えてくる。

この大きさで視界がスッポリ絵に包まれる上に、
真ん中の人物2人がそれぞれ手と槍をこちらに突き出す様な絵なので
さながら3D映画のような感覚に陥る。
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手前に迫るこの描写はタイヘンだろう。
描写の実験を画題の中に紛れ込ませてるのは古典絵画のおもしろい点だ。

説明書きも相当丁寧に書かれていて、
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~年に客が絵を切り刻んで、ここが修復した跡だみたいな説明まで書かれている。


近くのアムステルダム市立近代美術館(Stedelijk Museum Amsterdam) へ。
ロッテルダム、デンハーグと近代以降のコレクションに
オランダの底力みたいな妙な迫力を感じていたが、
さらにここはデカくて質がめちゃ高い。
どうやらこっちは改装が終わったばっかりで新しいみたいだ。
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裏から見たら古い建築なのに表に回るとでーんと現代的な宇宙船チックな見栄え。

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入り口の雰囲気もジャッドのカラフルな作品を中心においてスタイリッシュな展示。
まずお決まりの近代美術の流れを順に回る。
もちろんデ・ステイルは幅広く、ってな感じだ。
キリが無いので割愛するが、マレーヴィッチのドローイングがズラリと並んだ部屋があり、
その作品群がおもしろく
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チラ見せ。

デザインの展示はやはりここでも充実。
余裕が無いので駆け足モード、この椅子欲しいわ〜。
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2階が戦後現代美術コレクションと企画展、
まず戦後コレクションが素晴らしい!
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ケリー

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ライマン

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マーデン

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ガストン

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Daan van Golden初めて見た。良い。

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マチスの切り絵も

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デクーニングが充実してたり。オランダ出身なんだもんなあ 。

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ニューマンのコレクション、装飾的。

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ジャスパー多めに撮っちゃった。
1枚の作品の中に意識的な行為が詰まってて飽きない。

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突然、金山明の作品が!

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キーンホルツ、ルイジアナ美術館に続き2度目。うまく撮れんが異彩放ってる。

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工藤哲巳も。

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いや〜、揃ってる。ヤバいわ。

さらに企画展のマイクケリーがめちゃくちゃおもしろい。
後期作品をメインにした展示。
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わけわかんなさの中に一貫したファンタジアが存在しているような…これは一体なんだ。

子供の劇の映像とそれに合わせたセットのインスタレーションも
正直何がなんやらなのだがどうも引っかかる。
ヨコトリで見た都市フィギュアみたいなシリーズも、
あの時はまるでピンと来なかったが妙に腑に落ちる。
いや、全然困惑したままなんだけども。
都市部分とその他の繋がりに危なさを感じる。
が大きなボンベに繋がったガラス玉に囲まれていたり、
ごつごつした岩みたいなものの上にボワッと存在していたり。

映像作品は先日デュッセルでも見たあの映像の他に初期作品も見る事ができた。
通して相当ヤバいのだが持続して気になってしまう。 


トラムで今度は中央駅前のホステルに移動。
小さな運河とレンガの目立つ狭い街並をトラムで抜ける感じに
テンションがあがる。また来るときはもう少しゆっくり歩いてみたいもんだ。


駅前は危ない雰囲気が強い。
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「コーヒーショップ」(ドラッグ屋さん)がいたるところに普通にあって
変なパイプとか売ってるし、とても入れる雰囲気ではない。

また「飾り窓」(風俗)ゾーンも近かったのでどれせっかくなので社会科見学してみたら、
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赤ランプの付いた怪しいアパートの部屋でカーテンが開いていて、
ブラックライトで光る下着を身に着けた黒人のブリッブリのお姉さんが
部屋の中から体をうねらせて誘惑してきた。
そういう部屋が並んでいて、20mくらい歩いたら恐ろしくなってきて逃げ帰って来た。 

これらが朝の兄ちゃんの世界なわけだな。
アムス…クレイジーな街だ!! 

デンハーグの朝。
ホステルの近くからトラムに乗ったら違う方向に行っちゃったので
すぐに降りて仕方なく中央駅まで20分程歩く。
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駅周辺の高層ビル。この街もフランクフルトのように金融街っぽい。

デン・ハーグには有名なマウリッツハイス美術館があるけれど、
現在改装中なので入れない。
改装期間中なのでここの目玉作品のフェルメール「真珠の耳飾りの少女」が
日本に貸し出されたりもしてて、残念ながら今は見れない。

ただ、もう1つフェルメール代表作「デルフトの眺望」は
デン・ハーグ市立美術館(Gemeentemuseum Den Haag)に
移動して展示されているとのことで
それを見に来たのだ。 
中央駅前からトラムに乗ってさらに20分程。
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到着。街の中心から少し離れたところにあった。

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チケットがなんとなくシャレとる…が、
モンドリアンの前で子が首を傾げてジャンプって
意味はわからない。

マウリッツハイス展示ゾーンだけは撮影不可。
レンブラントの解剖の絵もあってこれも相当凄かったし、
やはり目的のデルフトの眺望は素晴らしい!!
まずフェルメールにしては思ったよりも画面が大きい。
ガラス額に入ってるのだけど、
フェルメールだからなのか低反射ガラスで鑑賞もしやすい。

しかし、なんとまあ、絵肌の輝いていること…。
絵具を塗るというより優れた工芸作品のように小筆で絵具を置いていったような建物の描写は
感動的だ。物と物のキワのボヤけた色彩もたまらんし、空の色雲の面積、川の描写、
それぞれ塗りも変えて超テクニカル。

同じ部屋の別作家の細密な風景画も十分テクニカルなんだけれど、何が違うのか…
色も構図も絵具に対する愛情というのか、熱意が違う気がするな。
これだけカッチリ描ききっても、
そのカッチリさからはみ出る魅力を保ってる風景画、
いやー感動。

そしてこの美術館、近代以降のコレクションが中心で、その質が高い。
オランダもまたいいもん持ってるんだな〜。
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ルイーズブルジョワや、

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ブルース・ナウマンとベーコンを組み合わせた展示。
ベーコンは僕全然好きじゃないけど、ナウマンのせいでちょっと良く見える?
しかしナウマンもいろんな美術館でだいたい1つは見かける常連。
しかもだいたい良い作品、打率の高さ凄い。
この作品、左に見える赤いボタンを押すと、
メリーゴーラウンドのようにグルグル回る。

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PAEL THEK、う、ケルンのコロンバ美術館でグロい作品作ってた作家か。
めちゃくちゃ苦手だが、こんな絵画も描いてるんだな。

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グロいゾーンもまとめて続く。

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サスナルの小ちゃいけど気になる絵画。

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ライリーの丸使ったシリーズは、自分の作風もあり参考になる。
計算されたパターンの繰り返しによって画面に現れてくる、
ひっかかりのあるイリュージョン。

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ルウィットのウォールドローイングもいくつか。
これはマットな平塗りのパターン。

そしてさすが、デ・スタイルのゴリ押しゾーンがあるし
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何よりモンドリアンのコレクションが凄い充実。
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初期風景画もやっぱり画面内の構築がしっかり考えられているし
重ね塗りの色彩豊かでザクザク筆跡の残る感じ。
普通に、うまいしカッコいい。

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これもモンドリアン…これはどういうことだ。

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遺作の「ビクトリーブギウギ」!チケットで子が飛んでたのは、
展示位置が高かったからなのか笑

色面が貼り絵状になっていて、
手作業的な感覚がかなりダイレクトに残っている。
赤青黄に黒グレーも紙具合によって色彩の揺れが激しい。

加えて、紙の色違いのクリーム色っぽい貼りも散見される。
これは未完の証なんだろうか。

しかし、ヨーロッパで見るモンドリアンの多くはガラスに入ってる。
額装にも相当気を遣っていたである作家なはずなのに、
ガラス額装はベストなのだろうか?
NYのMOMAではちゃんと剥き出しで見れたはずだが。

予想外のボリュームに、バテた。

中央駅まで、またトラムで戻る。
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ここの駅も改装中でかなりワークインプログレスな雰囲気。
ファストフード屋でポメスを買い食い、今度はアムステルダムへ移動。

途中オランダらしいあの風車や広ーい川などが見えて、
オランダ!!て感じになってきた。(写真撮り忘れる)

夕方アムス駅に到着して、外にでるとこれまた独特の雰囲気…
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じっくり街並を味わう間もなくメトロに乗る。
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地下鉄の中には妙な絵が描いてある。

猛ダッシュでレンブラントの家へ。
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モチーフ部屋。


それとエルミタージュ美術館アムステルダムでゴッホを見る。
ゴッホ美術館もまた改装中なので作品がこっちに移動してるとのこと 。
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全館撮影不可。
トータルで1時間ちょいしか無かったのでホント駆け足で無念だった。
それにしてもゴッホの作品ばかりに囲まれると色感覚がヘンになりそう。
ちゃんとゴッホ美術館の改装後を改めて見に来たいものです。

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美術館近くの光景。絵に描いた様なオランダっぽさ。

夜、けんさんと待ち合わせ。
今回の移動ラストは、ここからさらに北のレーウワルデンで
けんさんの巨大パブリックワークを見に行くことで、
ちょうど今夜はお互いアムスに居るので夕食しましょうという話に。

しかし待ち合わせの電話中にプリペイドの残高が切れるという超絶アホをやらかしてしまい
冷や汗を書いたが、少しだけ話した内容で中央駅の入り口でダメもとで待っていたら
けんさんに見つけて貰えた奇跡のテレパシー!
そしてご家族のみなさんに夕食をごちそうになってしまう。 
けんさんの甥っ子君にちょっかい出して遊ぶ。

皆さんお酒が強くて自分はヘロヘロ。
吐き気を我慢しながらトラムに乗って、
国立美術館近くのホステル泊。
アムスは美術館が駅からちょっと距離あるのだね。

しかしさすがアムスだ。
ドラッグを決めた同室のニイちゃんがめちゃハイテンションで会話してきた。

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