やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

カテゴリ: 海外美術鑑賞記

サムの鍵を友人に渡してさらば美しいゲント。ブリュッセルへ向かう。
国が小さいので、主要都市も列車一本で一時間ちょいで回れてしまう不思議。

ブリュッセルには現代美術系のアートセンターもあるのだけど火曜も休みだったりして
残念ながら見れず。中央駅から徒歩10分程の王立美術館へ。
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古典はルーベンスやメムリンク、少しのブリューゲルなどがあるけれど
全体的にはやはり渋めなコレクション。
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さすがのルーベンスの大作は、なぜか壁掛けじゃなく足付きの展示。壁が弱いんだろうか。
これはこれでキチッと垂直に立っててなかなかカッコ良いけど。

もうひとつ目玉作品は、ダヴィッドの「マラーの死」。
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ドラマティックな作品ではあるけれど、
僕どうもダヴィッドってしっくり来ないなあ。
ルーブルで見たダヴィッドも、この絵も、サクサクっと上手く描き上げてる感じで、
執拗な描写エネルギーや絵画変態性をあまり感じないんだよな。
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優等生的な仕上がり。
マラーってダビッドの友人で革命家で、
きっとダビッド自身ももの凄くショックだったのだろうし、
右下のサインの存在からしても特別な思いで描いたと想像できるし、
光の当て方や構図は最大限カッコ良く描かれているのだけど、
形式的な演出力で感情的な部分はどうも外側にあるような感覚。
それは今で言うThe Big Pictureのような劇的な写真報道のような役割もあっただろうし、
モニュメントっぽいのがお得意だからなんだろうけど。

でも、今現在までに蓄積されたあらゆる絵画の魅力が出揃った目線から古典に遡っても
やっぱり同じようにグッとくる絵画ってあるので、そういうのが好みだ。
ダビッドで良かったのは、NYのメトロポリタン美術館で見た「ソクラテスの死」かなあ。

ちなみにこの王立美術館、現代美術の広大な地下ブースを現在増築中らしく、
それを見せて欲しい!って感じだ。
ベルギーは現代美術の整備を進めてる感がヒシヒシ伝わってくる。 

横にマグリット美術館が繋がっているのでこちらも駆け足で鑑賞。
撮影不可。
中期の妙にカラフルな色使いの見た事無い作品群が有名な時期の作品よりもずっとおもしろかった。
個人美術館はこういう、有名画家の定着したイメージの絵、じゃない絵が
1人の画家の人生の流れの中で見られるのが良い。
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これは美術館入り口にあった、マグリットの作品を元にしたオマージュ立体。
ほぼ同じ印象の作品があったのだ。

美術館前にちょうどバス停があったので、
ブリュッセルMidi駅まで行きそうなバスに乗り、
無事に辿り着き、今度はオランダへ移動する。
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ちなみにこれがベルギーの電車で、

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こっちがオランダの電車。
デザインと色彩感覚がそれぞれの国で違っておもろい。

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電車で2時間くらい、ロッテルダムに到着。
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駅の天井がカッコ良さげ、でも大部分が改装中状態。

サムに、ロッテルダムに行くならといくつかのオススメ美術スポットを
教えてもらっていたのでそれらに向かう。

美術館閉館まで時間が全然ないので何もわからず市電に乗り込むも
チケットの買い方がわからず、そのまま美術館前まで着いちゃった。
チェックマンに当たってたらやばかったな。
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街並にじっくり目を向ける余裕も無く、

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これまた駆け足でBoymans Van Beuningen美術館を鑑賞。

おおここも古典から現代まで、一通り揃っている。。。
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ブリューゲルのバベルの塔、有名じゃない方のバージョンがあった。
小振りで、塔の造形バランスがけっこう違う。
有名な方はウィーンにあるので本物見た事無いが、あっちの方が良さそうだ。
でも細部の描写はこちらでも十分見応え。
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デーハーなキャプション…

もう少しじっくり見たかったけど閉館ギリギリだったので仕方が無い。
ハデさは無いけどデザイン部門まで一通り揃ってる良い美術館でした。

近くのWitte de Withという現代美術のアートスペースにも立ち寄るも、
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こっちは展示替え中で入れず。うーむ今日は現代系に恵まれねえな。

もうちょっと歩いて、キューブハウスをチラ見。周辺にも不思議な建物が多い。
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すぐそこの駅からさらにデン・ハーグまで電車で移動する。
わずか3時間滞在のロッテルダムだった…。

陸路での移動は移動自体が楽しいので良いな。

デンハーグに着いたら夜。
着いてすぐのとこにあった適当な店でレーズンパンの詰め合わせを買ったら、
石鹸みたいな味がしてキモチわるい!
ヨーロッパでここまでマズいパンは初めて食べたな。失敗した。
大きめのユースホステル泊。 

本日月曜は美術館が休みDAYなので、
アントワープの聖母マリア大聖堂を見に行く事に。
本当はアントワープの現代美術館にも行きたかったけど仕方が無い。

ちなみに電車の駅チェックや時刻調べ等は
各国の鉄道会社のサイト(日本で言うJR的な)でだいたいなんとかなる。
わからなければチケット買う時に駅員さんに聞く。

ゲントから電車で1時間ちょいの大きな街だった。
ベルギーで2番目の人口のようだ。
着いてさっそく地下鉄に乗ってみる。ベルギー初地下鉄。わりとキレイ。
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市街地の西側の駅で降り…、
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すぐに現れたまたしてもデカいデカい聖母マリア大聖堂の前には、
ルーベンス像が頭にハトを乗っけて堂々としていた。
ルーベンスの出身地なんだもんね。

ある意味それ以上に驚いたのは、
聖堂の前にフランダースの犬の石碑が日本語でドーン。
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以前ここを訪れた鈴木君も言っていたけど、
現物をみるとやはりヘンだ。

そんなわけでここにはネロが最後に見たという設定の
「キリスト降架」というルーベンスの代表作があるのだ。
さらにキリスト昇架もある、マリア被昇天もある、キリストの復活もある、ルーベンス祭な教会。
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内部はこんな感じでずいぶんと絵画が全面に押し出された展開だ。
 
奥まで歩くとありましたキリスト昇架。
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うわ〜…とただただ圧倒されてしまった。
3面の絵画になっていて、
向かって右パネルの左上部に日食の描写があった。
福音書の記述の絵画化とのことだったけれど、
この劇的なシーンと一緒に宇宙の現象が描かれていたのは興味深い点だった。

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ここにも日本語解説が詳細に。ありがたいわ。
いやあやっぱり教会の中で宗教画を鑑賞するというのは体験として全然別物だ。
京都の寺院で国宝画を見るような感覚に近いっちゃ近いけど、
あれ以上にすいませんオジャマします…なちょっと後ろめたい気持ちを持ちながら、
ひんやりした、天井の高い荘厳な空間演出の中で、
未だ慣れない残酷な内容の絵を前にするのだから
何とも言いがたい感覚になる。 

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中央の祭壇前にはマリア被昇天。

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キリストの復活は残念ながら修復中だった。

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キリスト降架。

両面がそれぞれ、キリストがマリアのお腹の中にいる場面と、生まれたばかりの場面になっていて、真ん中のキリストとがっつり生死の対比がされていて強烈。
こういう構図は他の宗教画でも見覚えあるけど、ルーベンスの濃厚な表現だと一層参るし、
これでもかという程至る所で見てきたルーベンスの中でもこれらの出来は突出してるように見えた。 
苦手苦手と言ってきたルーベンスだったが、
数多く見ていくうちに慣れて来て、ついに完敗だ。この画家すげえよ…

ネロはこの絵の前で息絶えたので、こんな解説まで。
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日本人に質問されすぎてアントワープの人が調べたのか笑
このエピソード、丁寧に他国語に翻訳されてまで説明されていた。 

聖堂のショップ前にまで…
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これはだいぶニュアンスが違う!

帰りは歩いて駅まで行ってみる。
アントワープも街並が良い感じ。
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20分くらい歩いて駅。駅もカッコいい。

時間が余ったので帰りにブリュッセルに寄ることに。
これまた電車で1時間ちょい。
美術館以外のプチ観光を済ます。
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小便小僧と小便小娘がいたので、おそらくここは放尿の聖地なんだろう。

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いろんなとこで甘いお菓子の香りが漂うので
せっかくだしベルギーワッフルを食べてみた。おそらくうまかった。 

ゲントに帰って来る。2日連続して教会での宗教画に圧倒されたので、
もう少し基礎知識が欲しいところ。
どれ、iPhoneのアプリで何かいい聖書アプリでも無いかなあと探してみたところ、
「マンガ聖書」なるアプリを発見!
これなら敷居が低いし読めるはずと購入してみる。
よ、読める…これで今後の教会でも少しはマシな鑑賞ができるかもしれぬ。

ゲント翌朝。
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宿の部屋からの眺め…もしや夢ではという光景の昨夜の彷徨いはやはり現実だったか。
改めてなんなんだこの景色は。
宿のwifiで無事友人サム君と連絡がつく。
サム君はコロンビアへ彼氏のユアン君に会いにいってるので、
ゲントの友人に部屋の鍵を預けてるとのこと。

その友人アンドリュー君と連絡を取り、
お昼に街の中心部のスタバで待ち合わせ。
それまで周辺をブラブラ。
雪の降る白いゲント、またたまらん風景だ。
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あ〜この街歩いてるだけでめちゃ楽しいんですけど。
さすがの僕でも風景にたくさんカメラを向けちゃう。
しかも、こんな城まであった!! 石でできた古い城。
ハッキリ言って、ドラクエの世界観だよ。
こんな中世観ってドラクエやFFなどゲームの世界でしか体験したことなかったわ。
きっとこういう場所を取材して作られてるんだな…。

城の中に入ってみたら、博物館みたいになってた。
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剣や弓やヨロイにくさりかたびらなど武器防具、
やっぱりゲームの世界に入り込んだ感。
ギロチン台の複製まで。

その後アンドリュー君と会えまして、無事鍵ゲット!
サムのアパートまで案内してもらう。
サムの部屋はめっちゃ広かった。
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かなりボロいコンクリのアパートを、
自分でリノベーションしながら住んでる感じでカッコ良い。さすが建築士だ。

 さて一段落したので本腰ゲント視察へ。
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この街の真ん中にあるデッカいセントバーフ大聖堂で、
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目的その1ファンアイク兄弟の「神秘の子羊((ヘントの祭壇画)」を見る。
中は撮影不可。やはり荘厳な内部に、この作品専用の小部屋があって別料金で入場する。
一部修復中で印刷パネルにすり替わっていたけれど、十分すぎる見応え。
ものすごい描写の質だ。
それに教会で観音開きの宗教画を見られるという体験。
美術館で宗教画を鑑賞するのとエラい違いだ。

キリスト教のことをほとんど知らんかった自分にとってこのような宗教画は、
描かれているテーマが何なのかをある程度でも知らないと中身がさっぱりわからんわけなのだが、
ここにもなんと日本語の音声ガイドと解説文が!これはありがたい…
真ん中の、血がピューッと出ているのがキリストではなくて子羊だったり、
各パネルの配列や描かれた人物もわかってただただ勉強になる。
作品の裏側にも、パトロンの肖像画が一緒に描かれていた。

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聖堂の裏側には、ファン・アイク兄弟の銅像があった。

トラムに乗って中央駅方面へ向かう。
途中で降りて大きな公園を横切っていく。
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ソリ滑り。冬の光景もいいが夏も見てみたい街だ…
通行人に道を尋ねつつ、

目的その2 ゲント現代美術館S.M.A.Kも見る。
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あまり見た事がない現代美術作家の作品がたくさん見れておもしろい。
また一部だけ。
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Panamarenko パナマレンコ、名前だけ聞いた事がある。
キャプションの下のほうに、
ツイートのハッシュタグを指定しててノリがイケてる美術館だな。

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これ、なんかめっちゃ良かった。

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Mark Manders マーク・マンダースというオランダの作家だって。

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お、やっぱりありましたミヒャエル・ボレマンス。
実はヨコトリで見た時などあんまピンと来てなかったのだが、

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この不思議な家を巡る一連の物語的な作品群はおもしろかったな。

映像作品もあったし、

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ちょっと暗くて見づらいけど立体作品まで。これはイマイチよくわかんね。

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タイマンスもゆったり一部屋。

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Francois Morellet 初見の幾何学系抽象作家。

結局絵画ばっかり注目してみてしまうが、
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ラウル・デ・カイザーもしっかり締めとして展示。
大きい作品でも絶妙な抜けてる感は変わらない。
ベルギー現代絵画、アツいな。
フランシスアリスの絵画もそうだけど、
緩めにキャンバスを貼って、ボソっとしたグレイシュな気品塗りって感じの
ベルジャンペインティングの系譜ってのがあるのかな。

良質なオルタナ感に好感が持てるいい美術館だった。

隣のゲント市立美術館は古典絵画館。
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規模の割には地味なコレクションで
ドイツやフランスで見た様な大御所が並んでいない。
どこにでもあると思われたお隣の国のレンブラントも無いのは不思議だった。

ジェームズアンソールなんかが並んでたり
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ちょっと奇特な無名作家の作品等が目立ってた。
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なるほど。 
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こっちにもデ・カイザーか。すごいリスペクトされてるのかな。
いや〜見るたびに微妙に変化があっておもしろいな。

ゲント、良い!!!
サムのアパートに戻りひと息。
お風呂に浴槽があるので、超ひさしぶりに湯に浸かる。
自分のレジデンスもシャワーしか無かったし
今まで泊まり歩いたとこも全部シャワーのみだったので
これは嬉しすぎる。 

さて最近ランスという町にルーブルの別館が完成したとのことで、
建築がSANAA、
開館記念展でドラクロワの「民衆を率いる自由の女神」は
そちらに移動しているらしい。

せっかくなので、次の国ベルギーに移動する前に立ち寄ることに。
カタカナで「ランス」と認識しているとアブねえ、
Reimsというもう1つのランスがあって間違うところだった。
Lensの方が目的地です。
行き方は、パリの北駅からLensに行きたい!と窓口に言ったら
サクッと教えてくれた。
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北駅の掲示板。さらばパリよ。
ランスへはTGV一本で行けた。
約1時間20分の40ユーロくらい。

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ランスは元炭坑の街で三角の山が何個もある所だと
途中隣に座ってたお姉ちゃんが教えてくれた。
言われたとおり三角の山が見えて来た。

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ランス駅を出るとちゃんと看板がある。
バスもあるみたいだったけど、試しに看板通りに歩いてみる。 
ちょこちょこ小さい方向指示があるので迷いはしなかったけど
どこまで歩くのかは不安にはなった。
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おお、遠くに炭坑山が2つ並んでる。

途中から歩行者通路みたいになって、ずーっとまっすぐ。
駅から結局20分ちょいかかった。

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雪の原っぱにメタリックで平たい建物が見えてくる。ルーブルランス到着だ。

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ガラスで区切られたコミュニティスペースや図書室、ミュージアムショップ、
その奥にカフェがあってオープンスペースみたいな感じ。
このスペースを中心に手前と奥に展示室。
手前の展示室がメインの常設って感じになっていた。

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地下にはクロックと何やらプレゼンテーション。

開館記念バージョンの常設展示に入ってみる。
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だだっ広くて長ーい空間の壁に西暦メーターが付いてて、
奥に進むと時間軸も進むような展示になっていた。
各地域の文化が並列的に展示されている仕組み。

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絵画作品はひと作品ひと壁ってな感じで展示されていたので、
本館に比べるとなんとなく安っぽくも見えたり。

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天球儀おもしろい。

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アングル作の肖像画とイラクあたりの王族の肖像画が並んでたり。

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一番奥にデーンと自由の女神が。

さらに奥の別部屋は時間をテーマにした小さな企画展。
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北フランスのお祭りに使われる大きな人形と、それを描いた昔の絵画を並列してたりして
おもしろい。

河原温の作品など現代美術もチラホラ混ざってた。
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温、箱とセット!

もう1つの展示室は企画展でルネサンスやってた。
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誰かのドローイング。複写の穴跡がいい。

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さすがに疲れたのでダビンチくらいはしっかり見とく。

土曜日だったからなのか、思ったよりたくさんの人が来場していた。
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カフェで休んでみる。なかなかうまくて10ユーロ以下。

遠くの方の三角山、
三角山どっかで見覚えがあると思ったら、畠山直哉さんの写真作品に
この山がモチーフになってるシリーズがあったんだ。
ミュージアムショップにその写真集も売ってて気付いた。


帰りも駅まで歩く。
途中、不安そうなおばさんが「ルーブルランスはどっち!?」て聞いて来た。
やっぱり不安になるよな〜ここ真っすぐだよ!って教えてあげた。

駅でブリュッセル行きの電車のチケットを買って、
少し時間が余ったので街を散策する。
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小さな田舎町で、パリとは全然違う雰囲気。
大都市ばかりではなくこういう場所も体験できるのはラッキー。
ルーブル別館をこんなところに建てたのもそういう意図があるからだろう。

さあベルギーへ向かう。
まずはもうちょっと北の街Lilleまで電車に乗る。
着いた駅はLille Flandres駅。まずは腹ごしらえ。
駅のマクドナルドに入って適当にセットを頼んだら、
ハッピーセットだったらしくピカチュウメガネをゲットした。。。
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そこから5分歩いたLille Europa駅からベルギー行きに乗り換える。
歩いていると、
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手塚治虫のマンガ展のチラシが貼ってたり、駅前に草間弥生の作品があったり、
あらあらLilleも大きな街でちょっとおもしろそうだけど今回は見送り。

Lille Europa駅では人がたくさんいた。
どうも雪でダイヤが遅れているらしい。大丈夫か。
一時間半くらい寒いホームで待ってようやく電車が来た。
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待っている間、大きな犬のぬいぐるみを持ったファンキーなニイちゃんが
チョコレートをわけてくれた。

2時間くらい乗って初ベルギーだぜブリュッセルMIDI駅。
フランスとはやや駅の空気も違って夜だしちょっと怖ええ。
ブリュッセルからさらにゲントまで乗り継ぐ。 

何とかゲントまで着いた。
レジデンスで仲良くなったゲント在住の友人の家を借りる予定でいたけど、
23時半。すでにスタバが閉まっててwifiが使えない!
これでは友人に連絡ができず、
どうやって鍵をもらったら良いのかわからなくてめちゃピンチになる。

ついにオレもここまでなのか…今までの旅路はしょせん奇跡だったのか…
いやおや何か良い方法は無いかと街を彷徨っていると、
中世の街並が目に飛び込んで来てピンチな気持ちがすっ飛んでしまった。
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なんなのこの街は!?めちゃくちゃ美しいんですけど!!!

そして地図アプリ(地図だけはオフラインで使えるアプリを入れているのだMaps with meってやつ)
を眺めながら、
前日なんとなく保険の気持ちで見てたホステルの位置を思い出し、
これがうまいこと見つかって、駆け込みで宿泊させてくれた。
時刻は1時近く。いや〜奇跡すぎる。助かった… !

まずはギュスターヴモロー美術館へ向かう。

午前の地下鉄内、ハンチング帽の皮ジャンおっさんが、
マイク片手にカラオケのような機械から音を出して歌いだした。
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これは新しい陽気なパターンだな!パリ流なのか?…みんな笑っとる。
手前のおっさんはなんでばっちりカメラ目線なの笑

到着。
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扉を押して下さい

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モローの家をそのまま美術館にしているので作品以外のあれこれも拝見できる。
部屋数たくさんの中にいろんな物だらけだ。

さらに上階に登るとそこからが本番。
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モローはオルセー美術館にもいくつかの代表作はあるけれど、
圧倒的にここで見るのがヤバかった。

壁中がモローの油彩で埋め尽くされている。大作も多い。
画面の中も描写の密度がギッシリ…!
装飾の散りばめられた描写が、装飾を超えて狂気になっとる。
1枚だけでも頭がクラクラしそうな絵なのに、それが壁中だよ!

未完のままサインを入れてる作品がいっぱいあって、
塗りかけの色彩と緻密で職人的な下絵の正確なラインの掛け合わせが
むちゃくちゃカッコいい。
画題も、神話をベースにしてるためか
だいぶ危ない非現実感がプンプンしてて
やたらアウトローだよ…!!

これはまた自分が積み上げて来た絵画感のカタストロフが…
オエエエエエエ気絶しそう!

神話の世界は全然わからないが、
ちゃんと日本語での画題の解説手引きも用意されていて
ありがたい。
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しかも、もの凄く大量のスケッチも見る事ができるので、
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そのアウトローっぷりを存分に体感できる。

僕は学生時代マティスの勉強をしていた時に、
マティスの先生がモローだったことを知ってから
興味があったのだけど、まさかここまでとは…衝撃。
これだけ作風が個性的で濃かった作家なのに、
真逆のような表現のマティスが生徒だったと考えると
先生としても優れていたんだろうなと思う。
ルオーも生徒だもんな。


その後、モンパルナス方面へ。
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全然撮ってなかった街並もたまに…

ブールデル美術館、
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カルティエ財団美術館でYue Minjunの個展
近作の展開はもがいている感じがした。撮影不可。
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マイヨール美術館、
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最後ルーブルで締める。閉館間際のモナリザ前…
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モナリザ独占の瞬間!
なんて落ち着いて鑑賞できるんだ…閉館間際はオススメです。
しかし完全独占は本当に一瞬で、同じ事を考えてる猛者達が数人おり、
みな長時間鑑賞をしていてた。ヤバいね。

パリ美術館巡り、これにてフィニッシュ!!
パリでは8割の美術館で例のユネスコのアーティストカードが使えたので、
入館料が殆どタダ。奇跡だ。

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雪のパリ街並み。

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近所のスーパーのスシはほぼ売り切れ。

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ちなみにパリに着いた頃から気になってたけど
この辺のエリアには、こんな骨董美術商ギャラリーがたくさんある。
いったい誰が買っていて、どういう風に商売成り立っているんだろうか。


みっちゃんちに戻って一息。
あ〜明日からまた移動だ。ちょっと緊張がよみがえる。
ルーブル新館からブリュッセルへの行き方を入念に調べる(調べてもらう)。
先輩のみっちゃんとも話し納め。毎晩多岐に渡ったもの凄い量の話をしました。
お陰さまで強烈ながら超充実できました。メルシー!!

今日はまず2日前に休館日だったオランジェリーの再訪問からの、
オルセーへという流れ。
ちなみにどちらも撮影禁止。
オルセーは以前は撮影OKと聞いていたのだけど改装後NGになったのかな。

みっちゃんちから歩いて5分のオランジェリー。
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ご来場ありがとうございました さようなら

オランジェリーはモネの睡蓮をパノラマで見る為の美術館で、
それはそれは素晴らしい楕円形の部屋が2つもある。
沢山見て来たモネの中でも、これらはモネが最も力を注いだ1つで間違いない。
部屋の真ん中の椅子に座り絵を見渡すと絵具の色彩の揺れにうっとりするばかり。
湾曲した巨大絵画群、近くによるとボソボソとしたタッチが無数にあって、
ものすごい量の色彩が置かれているわけで、チューブから出した原色だけではもちろんない。
庭の水面から感知した色彩をここまで絵具化できるものなのか。
ずーっと見てると恐ろしくなってくるわ。
たまにポロックのオールオーバーとモネを比較するような言説が見られるが
あんなのは嘘っぱちだろう。

実は地下の展示もマティスとピカソの良作がある。
マティスのニース時代の作品がいっぱい、あんま見れてなかったので
うれしい。
小振りながら印象派の良作もあり、コンパクトなので見やすい。



そして川を挟んですぐのオルセー。
もうここは印象派代表作祭。名作っつーか教科書で見た作品しかねえだろ!
っていう、これでもか感。
数年前に国立新美術館でオルセー展を見た時も
十分豪華に感じたが、これだけ何でも持ってれば納得だ。

たださすがに、印象派はすでに胸焼けする程見て来たので
名作ばっかりなのにちょっとオエってなっちゃって勿体ない…。
厚塗りの最初期のセザンヌなんかが見れて良かった。

それでも脳裏に焼き付いたのはやはり、
マネのオランピア、草上の食卓、
クールベのオルナンの埋葬、世界の起源。
これらの作品の、
何を描くかという知的な選択とそれを元にした絵作りの巧みさは、
実物を改めて目の前にしてみると強烈なインパクトがある。
今見ても。とても現代美術的。
あと、オルナンの埋葬においてはめっちゃデカくてそれもビックリした。

オルセーの印象派ラインナップを見ちゃうと
今まで見て来た印象派ものの半分かそれ以上は
割と凡庸なものだったんじゃないか、と思えてくる。

まあしかし、特に印象派近辺の作家の作品は
本当にどこに行っても沢山あるわけで、
驚くのはその生産総量だ。
ピカソは別格としても、一体どんなペースで描けば
これだけ各国に十分に散らばせられるくらいの枚数が揃うんだろ。
モネやルノワールは後期キャリアではもう勝ち組売れっ子だし
実際考え抜いて描く絵と自分の発明した手法で割とサクサク描く絵を
意識的に分けていたんだろう。

貸し出しで見れず残念賞は、
アングルの泉とマネの笛吹き少年、ミレーの落ち穂拾い。

あと、ルドンの装飾的な大作がとても良い。

ところで全体を通して冷静に考えると、
この人達どんだけ女性の裸体が好きなんじゃってくらい裸の絵が多く感じた。
彫刻だって裸ん坊だらけ。
写真発明初期の写真もあり、それにもたくさん裸が写ってた。
江戸時代っぽい日本人女性の入浴写真まであった。  

こんなに裸集合してる美術館あっただろうか。
マネとクールベも、
裸の女性を母体にどうやってスキャンダラスに持っていくかっていう
アプローチが目立つ。
…というか、それらの作品が強い印象過ぎて裸イメージを植え付けられたのかもしれないが。
そしてこの裸祭りに乗っかれていないゴッホに切なさを感じる。

あと吉岡徳仁のクリスタルなイスが印象派部屋とセットでした。



ちょっと時間が余ったので地下鉄に乗ってギャラリー巡りを少しだけ。
まとまってるエリアを数件まわってみると、
ギャラリーペロタンのクオリティがやっぱ飛び抜けて高い。
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 帰りの地下鉄。
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先頭に座ると、運転席が無い!自動制御なのかな。
トンネルの中が丸見えだ。

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駅のポスターでTamasaburo発見。
やっぱジャポニズム精神があんだな。 

3日目は歩いてポンピドゥーへ向かう。
セーヌ川沿いにはポンヌフからのノートルダム大聖堂。
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ああああクリストが包んでるの画像で見た事あるわあ

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ああああここも、いろんな絵の中で見た事あるわあ…
マティスもこの並びのアトリエから見ていた風景というわけだ。

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大聖堂。ケルンの巨大さから見れば穏やか。
でもやっぱりデカくて気品がある。


さらに歩くと、一本間違ってポンピドゥの裏側に出た。
こんな感じなのねえ。
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辺りをぐるっとまわりこんで、近所のゲームショップで
SDカードを買って正面から突撃だ。
ポンピドゥ、堂々とした佇まいでカッコ良い。
ダリの顔がドーンと。企画展はダリの回顧展だって。
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中はいきなり美術館ではなく、複合施設のようになっていた。
アートセンターってやつだ。

美術館はだいぶ上の階なのでエスカレーターを上がって行く。
ちなみにアーティストカード、ここでは使えず!!
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まず常設から。
60年代以降の現代美術の入り口、
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トゥオンブリがいきなり。

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ブライスマーデンのこのシリーズ初見。
マットで粘土っぽい質感はワックスが混ざっているからだろう。
T字が並んだ様な意味深な構成と、各色面が別パネル、
鈍い色彩がイケてる。

同じ部屋にはライマンとケリーもあり。

そこから、長い通路の両脇に展示室があって、
時系列+国毎+系統毎にゆるやかにカテゴライズされてるような展示構成。
本格的な入り口はこんな感じ。
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モノクロのウォーホルの向かいにこのスーラージュが向かい合わせに展示されてる。
こういう組み合わせの時点でちょっと不思議な感じがする。

ちょっとランダムに写真をアップしていく。
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一番奥にネト。
で、回廊になってないのでまた折り返して展示入り口まで戻っていく。
独特だな…

展示全体の印象だけ記しておくが、
何というか、さすがのパリプライドを感じる展示の並びというか。
ユーロ圏ゴリ押しなラインナップでこれは新鮮。
ボエッティやペノーネなどイタリア現代ゾーンや、アンリサラやピエールユイグなど
ドクメンタで目立ってた作家もポツポツ重要っぽいポジションに置かれてるので
ドクメンタ見た後で良かったわ、自分も馴染みを持って流れを追う事ができたような。

メイン通路にはリヒターやポルケ、ライリーやドイグが並ぶ。
それらも、色彩の感じがパリチョイスっぽく感じるのはオレの先入観や偏見なんだろーか。
カタリーナグロッセの壁にスプレーじゃないキャンバス絵画なんかも。
なんとなくポップと言うよりは、
高貴な感じ華やかなビビッドさを持った色彩の作品チョイス。

アメリカ美術の比重が少なめな感じがすごーくした。
たまたまではないと思うんだけど。これも偏見なんだろうか。

上階に登って今度は近代ゾーンへ。
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ミロ。いつもは微妙に自分の琴線とズレる作家だが、この作品群はけっこうイケてる。

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下階と同じような展示構成。オエー同じボリュームがあんのか。
しかも間違いなく近代の方が点数が多い。

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さすが近代芸術の中心地だけあって、
序盤からマティスとピカソの重要な作品でがんがん攻めて来る。
クプカやドローネーなど、いぶし銀なポジションもしっかり並んでて見応えがある。

しかし!一番見たかったマティスの「コリウールのフランス窓」がやはり貸し出し中で見れず!
見逃したんじゃないかと思ってインフォメーションの人に泣きついたけど
やっぱり無いようだ。なんてこったい。。

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見覚えのない抽象達がたくさん。

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マレーヴィッチの大理石ペインティング。イイっすわあ。

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デュシャンも沢山あった。

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ベルメールの球体人形なんかも初めてみたが、
想像以上に手作り感や塗り感が強くてそれがけっこうイイ。意外。

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ベルメールからのバルテュス、とか。

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この構成にもけっこうビックリ。
ポロックとロスコの割と微妙な作品をポツンと単体で置いてる通路の奥に、
マティス晩年の切り絵の大作。
少なくともアメリカやドイツでこのような展示構成は見た事がない。

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このピカソに衝撃を受けた。
超晩年の作品たぶん80歳くらいらへん。
海辺で裸の女の人が放尿してんの。
空にはくにゃくにゃしたラインが浮遊している。
高齢の死に際でこんな表現できるかね。
ピカソの凄みを感じざるを得ない。
各時代のピカソが充実しているので、
所々でこの人まだこんなこともやってんの!?ってのが突然現れる。
正しいピカソの楽しみ方が出来てきた気がする。


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ジャスパージョーンズとラウシェンバーグは欧州でもどこの美術館にも人気なのかな。
かならずセットで置かれている。
上の作品はラウシェンバーグ、、、にしてはやや微妙なライン。
奥にジムダインも並んで。

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ポップアート辺りまで来るとこんな微妙な作品も…

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続・見慣れない抽象。


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アルマンやド・スタールも並んでくるのか。

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幾何学抽象まとめの部屋、モンドリアンを挟むこの謎の並び。

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後半はやっぱりアンフォルメルとかフォンタナとかイブクライン、
あとは妙なオップ系構成抽象、加えて堂々とヴァザルリがあったり、
妙なキネティックアートで締めるってのもおもしろい。

この何倍もの膨大な量があるので、目眩が…。

しかし自分の美術史の捉え方はニューヨークMOMA基準だったのねと
思い知らされた。
近代も現代も同時代の切り取り方がMOMAと全然違う!!!
アメリカ抽象表現主義をすっぽ抜いてる感が寂しいのだが、
そこが一番おもしろいっつーか。
フランスの現代美術の城がここ基準になってるのであれば、
アメリカとは全然美術観が違いそうだ。

ドイツだとそこまでの偏りはあまり感じない。

映像アーカイブの部屋もあって、かなりの量の有名映像作品を自由に見る事ができた。
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さすがに数作品チラ見で終えてしまったけどこれは良い。

もうすっかり疲れてしまって、さらに上階の企画は渋めでダリ。
ダリは結構見てるしさすが混んでたから、もうイマイチ気乗りしない。
でもせっかくだからと、いざ見てみると企画の厚みが今まで見て来たものと
格段に違ってとてもおもしろかった…!撮影は禁止なので残念。
小さい画面の絵画に持参の虫メガネを向けて観察するおじーちゃんにまで遭遇。

特に後半、ポップアートのようなドット絵画とかドリッピングとかを
積極的に取り入れててダリの印象からズレた作品がたくさん。
ホログラムの仕掛けを使った立体作品や、点滅するライトを仕込んだ絵画なども。
それらを見れたのが一番良かったな。

このエリアだけ、撮影OK。賑わってる中自分も行ってみる。
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真ん中の人は、僕です。
セットに座って、向かいのスクリーンに映った映像を記念撮影…

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展示エリアを出ればパリの街を俯瞰できる。
森美術館みたいな展望スポットとしての役割もあんのだね。
うおお、夕暮れのモンマルトルの丘だー。

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午前中から行って日も暮れかけるまでいたにも関わらず、
さらにもう1つ。
ポンピドゥのすぐ目の前にブランクーシのアトリエがあるので
こっちも。
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半分死にながら見てたのでもったいないが
必見だと思います。


夜はみっちゃんが厨房で働いてるレストランで食べた。
めっちゃ働いてた。Nanashiっていうお店で、
オシャレな客層でずいぶん繁盛してたしとてもウマかったです。
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癒しのおにぎり。

疲れのせいか1時間寝坊。
さすがにベルリンからぶっ続けで鑑賞旅の久々暖かい布団で寝たのでつい。
まあいいや。

朝近所のパン屋で買った1ユーロのクロワッサンが美味い。
みっちゃん曰く、フランスのクロワッサンとヨーグルトの質の高さは異常とのこと。
パリ滞在中は腹へったらクロワッサンで十分だな。

さて今日はオランジェリーとモロー美術館に行くぞと出かけたら
しまったどっちも休館日!事前リサーチのアラが出始めたなあ。
とぼとぼ無目的に歩いてみる。
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なんか…ゴージャス。

グランパレはホッパーで前ホイットニーで見たし、これまた休館日だし
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市立美術館に入ってみるも渋いし、
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あ、でもこんなあぶないクールベの絵があってさすがだなと思ったり。

ぼんやりとお昼になってみっちゃんと街中で待ち合わせ。
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パリ市内北西のほうの物騒なエリアを案内してもらう。
パリらしからぬベルリンっぽさ。移民の多いエリアなのだとか。

インド料理屋でカレー昼食を取った後に、
さあ、どうしようと調べ直したら
パリ近代美術館のコレクションが良さそう。
さっそく近代美術館へ。この選択が当たり。

マティスのダンスの下絵と完成絵が両方展示されてたー!
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これは感動。たしかバーンズ財団にあるやつのバージョン違いのやつ。
下絵も同じサイズでためしているのだな。
群像のバランスの取り方の葛藤と、最終的に黒とピンクのラインを追加して
だいぶシャープなリズムになっとる。
人のラインからちょっとはみ出たグレーなんかもたまりません。

マティスの対面には、
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あらダニエルビュランのこんなタブローっぽい作品が。シャレオツだな。

ここ、コレクションが実は充実している。
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デュフィの巨大な壁画とか。

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ボルタンスキーの部屋とか。

途中からSDカードの残量が無くなって撮影は封印されたが、
他にもいつもの近代の巨匠どころが一通り。
藤田嗣治の良い作品等もちゃんとあった。

その後近くのエッフェル塔へ。
ラッシュアワー3が見たくなるほどにエッフェル塔だった。
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塔の足下にエッフェルさんがいた。

あ〜、疲れた!!!
無駄に歩いてしまったな。
ところでパリの地下鉄構内は、なんとなく人の尿のかほりがするんだ。

ケルンから深夜バスに乗り8時間、早朝のパリに到着。寒い。
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昔東京〜大阪まで深夜バスに乗ったけど、感覚的にはそんな変わりがないな。
興奮のせいか3時間くらいしか眠れず。

大学の先輩のみっちゃんがパリ在住で、
けんさんや大島さんに、パリに行くならみっちゃんが泊めてくれるよという
アドバイスを聞きfacebookでみっちゃん発見、連絡。
そして無事お世話になることになっていたのだった。

教えてもらった通りに地下鉄に乗る。
改札があって気付いた、国が変わるとルールも変わる。
チケットの買い方を調べるのを忘れてあたふたしてたら、
後ろの親切な人に教えてもらった。
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すでに色彩センスがドイツと少し違う感じがする。
聞こえて来るのはフランス語だ。フランスに来たんだねえ。。。

降りたらそこはまだ日が出ていないパリの街並だった。
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パリにも木が落ちている…

いやしかし、パリに憧れはそんなに無い僕ですら
街並み歩くだけでここはパリじゃあああ!!って気分にさせてくるのがパリなのね。
NYに初めて行ってここはNYじゃあああって思った時のことを思い出す。

無事みっちゃんち到着。
そのアパートの場所が、なんとルーブル徒歩5分、オルセーにおいては隣のブロック徒歩2分っていう
奇跡のロケーションだ。
屋根裏系のワンルームで湿気に悩まされていたけれど笑、
住むには十分だなあ。

朝食の激ウマパンをいきなり頂きながら、久々のマシンガントーク。
みっちゃんは僕が今まで出会って来た人達の中で圧倒的に一番よく喋る人だ。
さんまさんかみっちゃんか、くらいの量だ。
めっちゃおもろい。

さて、歩いてルーブルへ向かう。
すぐにセーヌ川!オルセーも見えれば遠くにかすんでるのはグラン・パレ。
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川を渡った先にはもうルーブル!
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マジで近い。
そしてルーブル、デケええええええ!!
…ヨーロッパに来てから何回、「デケええええ」って言ったかな。
デカさで当時の国力を表してるといってもアホ程でかいから参る。

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まだ朝方の逆光、開館とほぼ同時に到着。
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月曜の朝一でまだそれほど混んでいない。
例のアーティストカードで、並ばずに各エリアをパスできる。
これホント便利だな!
何カ所か使えないところor学割って場合もあったけど、
とりあえず提示してみる価値はある。

看板頼りにとりあえずモナリザまでダッシュ。
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人が集まりだしてたけど正面キープもできた。
小さいし、遠いし、がっつり防弾ガラスに守られてるけど、
それがまた演出になってんのか神聖感がハンパねえ。
まさに人類の至宝って感じだ。
実物だとやはり絵画としても強度があるなあ周りの名画とも他のレオナルドの絵とも
なんか違う。と言っても、やっぱり遠いんだけどね…。
視力悪い人は全然わからないのでは。


絵画ゾーンの目玉、巨大絵画の部屋にはあれもこれも。
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ジェリコーのメデュース号の筏→画面の大きさや劇的な感じはもうハリウッド映画みたい。

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デカすぎるので、自分の視点に近くてじっくり観察できるのは
下部分のグレイな体の死臭がプンプンするゾーンばかり。


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ダヴィッドのナポレオンの戴冠式→巨大な報道写真か舞台っぽい。
ダヴィッドって、画面デカいししっかり構築してるし優等生タイプって感じでも
これといって絵画的なワクワクをなぜか感じないな。

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ドラクロワのサルダナパールの死→会田誠さんばりの裸の女殺しっぷりっていう画題に加え、
デカさも色も構図も絵画としておもしろいから巨大絵画ではこれが一番グッときた。


アングルのグランドオダリスク→表面がちょっとヒビ入ってる。
これは巨大ではないけど、
ヌメッヌメな質感が人の質感を超えていて人体のファンタジーに突入してる。
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肌の質感オタク。ここまで来ると美の狂気っぽくてヤバい。

地味な展示場所にこっそりまぎれてる現代美術。
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ブラックの天井画→ブラックらしからぬ装飾性。

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トゥオンブリの天井画→めっちゃ面積広い。
広大な青と星のような円、古代文字。美しい。
マティスの切り絵の世界に近い。

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キーファー→補修中。数年前に出来たばっかりなのに早すぎねえか。

超見たかったプッサンのアルカディアの牧人達が貸し出し中で見れず…!
これはショックだ。
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プッサンの中でもこの作品はどうしても見ておきたかったんだけど。
セザンヌやマティスの造形思考の骨組み(ってつまり近代絵画のベース)
の重要なソースの1つになってる作品だと思う。
例えばマティスの「金魚」の配置なんかだって
この作品から如実に持って来ていてそこからのアップグレードに違いない。
それだけに実物見れないのは本当に残念。

その他18、19世紀のフランス絵画ゾーンも改装中。シャルダンなど一切見れぬ。
だから日本でシャルダン展やってたのか。
フランドル絵画の一部も改装中。ヤンファンアイクのロランの聖母子も改装中でみれず。
結構、堂々といろんなところ封鎖してんのだね…しかも長期間。
一度来ただけではオイシイとこ全部は見せてやらんぜグヘヘって感じだよ。

以下膨大すぎてキリが無いのでここでも適当にアップ。
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館内のオーディオガイドは3DSで任天堂が開発してんのよね。
めっちゃ気になってたんだけど、
5ユーロかかるしガイドをじっくり聞いてまわる余裕がないので泣く泣く断念。

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あっ、マルスの全身像。
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無駄にニケの裏側から。

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昔からおっぱいのチラリズムは存在する。

エジプトとか遺跡系はかなり流し見したし実際飛ばした部屋もあるが
それでも丸一日。
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レッドブルを飲みながら休憩しても途中何度か仮眠した。
両足が痛ええええ。

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昼過ぎ以降のモナリザ前はもうめっちゃくちゃ。
鑑賞するというより、記念撮影所だ。
数年前は撮影禁止だったと聞くがそっちのほうがいいんじゃねえか。

と人の振り見て我がふりなおせ、
自分のこの詰め込み式の鑑賞の仕方だってきっと間違っているんだけど
しょうがないんだよなあ。
見たい絵を優先的にその日の前半に持ってくればギリ大丈夫だ。
余裕があればまた来よう、タダだし!! 

朝、荒川君とお別れし電車でクレーフェルトからケルンへ。約1時間。
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ヨーロッパの車窓からって感じ。Star GuitarのPVっぽ〜い。

一時間くらいで到着。駅の中からすでに巨大なあの建物がちらり。
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う〜ん、それにしても西のこの辺は都市同士が近いなあ。
フランクフルトーケルンーデュッセルって
岩見沢ー札幌ー小樽 的な距離感覚。
ベルリンは離れ小島のようでとても遠いというのがわかる。

旅を始めた途端に気温が下がってケルンも寒い寒い。
が、寒さを吹っ飛ばすスケールのケルン大聖堂が目の前にドーン!
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やはり想像を超えるデカさ。信じられん。
写真に収めきれないのでスケール感が全然写らない。
これらの10倍くらいの体感スケールくらいだろうか。

さっそく中に入ってみるも、日曜なのでミサが始まり見学コースに入れなくなった。
それでも平気で写真バッシャバシャとる観光客だらけでちょっと萎えてきたので
先にすぐ裏にあるルートヴィヒ美術館へ。
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ルートヴィヒは撮影不可。残念!

企画展はホックニーのBIG PICTURE展。これが見たかったのだ。
タイトル通りの巨大なペインティングはすごい迫力だが、
基本描いてるモチーフが田舎の風景なので、
サイズが小さい作品だと
あれ、某団体公募展でよく見かけるアレっぽい…
っていうキワドい作品もけっこうあって、
確かにおじいちゃんだもんな。
でもそこはやっぱりホックニーで、
視点に対する意識と色彩の扱いが独特。

何より凄いなあと思ったのは、展示プレゼンテーションがおもろいこと。
9台のカメラで多視点で撮影した風景映像と、
iPadでのペインティングが並ぶ。
iPadペインティングは、描写の手順が動画としてそのまま画面で再生されるので
ホックニーの絵作りを追体験できる。デジタル絵画だ!!
これを巨大に引き延ばしてプリントした作品も並ぶ。
おじいちゃんだけど最新テクノロジーを取り入れて、
あくまで画家としてのアプローチを見せるっていう気迫。

なんか宮崎駿の最近の映画とNHKのドキュメントを一緒に楽しむ感覚に似てた。

ここも常設がまたいっぱいあって、近代から現代まで見事にズラ〜リ。
どーなってんだよドイツ。割と大きめな都市にすんでりゃ一通りなんでもあるじゃん。。。
クリストファーウールの最近の抽象も1枚あってめっちゃ良かった。

地下は60年代近辺だらけ。
ラウシェンバーグとジャスパージョーンズの超デカい作品は圧巻。
なんだかこの2人の作品てヨーロッパでも人気なのかな。
ただこの地下ホールもとなりのポップアートの部屋も展示はややギュウギュウで窮屈。
高ーい位置にも絵が架かってたりしてリキテンスタインが2段掛けみたいな、
ちょっと無理ある感!

企画のAndreas Fischerの機会仕掛けの作品がとても良かった。

こんなにデカいとは思わなかったので既にフラフラで大聖堂に戻る。
旅3日目にして左足の裏がつりはじめた。
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外から見たこの高い窓のステンドグラス、見えるでしょうか。
これはリヒターが手がけたカラーチャートのステンドグラスで、
グリッドシリーズのステンドグラス版。

中に入って見てみると、
丁度高い西日がさす時間に行ったのでそれはそれは見応えがあった。
観光客もうわ〜って集まって写真撮りまくり。
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これまたさっぱり写真じゃ伝わらない。

画面殺しのリヒターだけど、このステンドグラスは光そのもので生き生きしてて
逆になんか感動してしまったし、このケルン大聖堂って言う超絶歴史の重みがある場所で
きっちり公共性も獲得できてるし崇高な役割も果たしていて
作家の器のデカさを思い知りました。
リヒターちょっと自分の中で意外と普通だなって思ってたけど
やっぱ相当凄いっていう頭に切り替えます。

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内部に入っても天井の高さに驚愕するばかり。
縦のラインが強烈。

次は歩いてコロンバ美術館へ。破壊された教会を改造した美術館で、
建築がめちゃくちゃカッコ良い。
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展示はさすが教会とくっついてるので、
現代の作家でもあの独特のウッていう慣れない生々しさの作品が多く、
ちょっと辛い。
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素晴らしい美術館だけど、
西洋人じゃなくてすいません…て感じにもなる。
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破壊された教会部分もそのまま残っていて回廊から見る事ができる。

古典美術館もサラ見。ルードヴィヒの現代コレクションにくらべると
ちょっと微妙な質。
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ドイツでは初めてみたかもムリリョの大作。

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大理石に描かれたペインティングちょっと気になる。

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ボナール等、近代の小振りの良作がけっこうあり。

日曜なのでギャラリーはやってないのだけど、
ギャラリーも現代美術が強いようなので、
現代推しって感じなのかな。
ケルンは街もキレイで雰囲気はデュッセルドルフと近い。
ベルリンとはだいぶ違う感じだなあ。

夜になると大聖堂もライトアップされてまた荘厳。
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大聖堂前で大島さん夫妻と再会。
いやあほんとこの街に住んでるんですね…!
ベルリンと全然違う感性になりそうだ。

大島さん激レコメンドのポメス屋さんが
日曜で閉まってたので、
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チャリのお二人に連れられて、
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アジア料理屋さんで乾杯!
最後は大島さんの職場に映画を見に行くが、僕の事前予約していたバスの時間が迫って来て
残り20分で見終わるってとこでタイムアップ。

めちゃギリギリだったので大島さんのチャリの後ろに乗っかって
さらに後ろから佐竹さんに撮影されるっていうレアな体験をした。
突撃訪問失礼しました〜。

ライトアップされた大聖堂を見納めて、
駅員さんに乗り場を聞き、
駅北のバスターミナルへ猛ダッシュ。
本当にここで合ってんのか不安で仕方ない。
もし乗れなかったら大島さん夫妻の家に居候だ。
しかしちゃんとバスはやってきた。良かった〜。
初ユーロラインの初深夜バス。

安心して乗り込みパリへ移動だ!
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深夜バスの運転手は、
好き勝手に音楽を鳴らすらしい。

こんな感じで国超えちゃうのか〜ヤバイね。 

凍死せずに極寒の一夜を過ごし、
クレーフェルトからデュッセルへ移動。
まずはK20へ。大学のすぐ近くにある、素晴らしすぎる近代美術祭りな美術館。
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うわ〜クラフトワークの告知が貼ってあるんですけど!

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入り口にはサラ・モリスのパブリックワークが。
ああ〜わかちゃいたけど去年絵画の場合展に出した自作とかぶっとる。
しかしこれ寄ってみるとタイルでできててけっこう荒くて微妙。

今は企画展はやっていなかったが、それにしても常設が素晴らしい。
まずおもしろかったのがワンフロアが丸ごと、
ポロックからウォーホルくらいまでの戦後アメリカ美術をまとめていたこと。
しかも良い作品がまとまってて展示もきれい。
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ちょっとしみ込み多めのモノクロポロック。

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ケリーを真横から見てみる。

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ウォーホルのボイス、このバージョンは砂絵のような不思議なマチエール。


それと比較するように上のフロアではボイス展示を広くとり、様々なタイプの作品が。
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とにかくカッコいい。

ローズマリーさんの良作もゆったり展示。
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あとはひたすら知ってる1900年代前半が、
真っ白の美しい展示室にブワーっと。

良作が多すぎて何をアップしたらいいのかわからないので適当に…

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良いピカソ。

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モンドリアンのコラージュっぽいアプローチと
かなりイケてるシュビッタース。

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レジェとデュシャンのタブロー。

こんなレベルのが大量に並んでる。
こんな美術館が大学から徒歩数分の場所にあるので、
いい環境だなあ…とうらやましく思う。

大学を挟んで逆側には市立美術館もあり、
グルスキーの個展やってたのだが時間無くて行けず。
教授のデカい個展も近くでみれて、議論なんかも白熱するんだろな。
きっとここには古典美術もあるのだろうし。

街中を歩いて移動。
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街自体は比較的小さな街で、
背の低い古めの街並。そういう建物の中にH&Mとか
恒例のお店が入ってて不思議な感じ。

次はK21。
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でけえ。
ここは60年代から現在までの現代美術ばっかり。
一部屋毎に区切られていて、一部屋一作家。規模もでけえ〜。
また一部を適当にチョイス。

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よく見かけるハンスペーターフリードマンとか。

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イミクノーベルとか

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ちょっと狭く感じたトーマスヒルシュホルン

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パイク。デュッセルで見れるとまた感慨深い。


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これ写真じゃ全くわからんけど、点いてるのと点いてない電気スタンドがあり
ガラス板で電球が反射して、観客の位置によって
点いてないスタンドに点いてるスタンドの反射が
一致するという…アイデアとスタイリッシュさがイケてる
インスタレーション。Alicja Kwadeていう作家。

さらに荒川君に教えてもらったJULIA STOSCHK COLLECTIONていう
個人コレクターのギャラリーへ。映像専門のコレクションていうめずらしい場所。
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ヨーンボックの大規模なインスタレーション+映像がグロかったけど迫力。
本人も出演しているマイクケリーの2011年の映像作品が異彩放ちすぎててヤバい。
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これはその映像のスチル写真を3Dホログラム化してた平面作品。

夜は荒川君と合流し、tanzhaus nrwっていうホールにダンスパフォーマンスの公演を見に行く。
これが偶然日本人作家で、梅田宏明さんという方。
自作の音と映像の中でダンスをするという表現だったのだけど
映像と体の動きのリンクが或る瞬間ひっくり返る様な不思議な快感があり、
ダンスというかビジュアルアートの拡張形体って感じだった。

今宵もクレーフェルトへ戻り、
昨夜より湯たんぽと毛布を増加して凍死に備える。
荒川君はこの寒さにすっかり慣れているらしく、
掛け布団1枚と普通の部屋着で寝れているらしい…
なんたるタフネス。 

計画もユルく決まり、ついに地獄の鑑賞旅行スタート。
早朝に電車で3時間強、ベルリンからまずフランクフルトへ。
先日みきこさんに教えてもらったんだけど、
ドイツの特急は座席の上に表示版がついていて、
ベルリン→ケルン
みたいに、指定席のお客さんがどっからどこまで乗るかがわかる。
その区間以外は自由席として使えるんだって。合理的!!

6時台は外が真っ暗で、都市部を抜けたら明かり一つなく真っ暗って場面がけっこうあった。
寝てたら着いたフランクフルト。
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なんだか高いビルが並んでて資本主義!て感じ。

まずはフランクフルト近代美術館へ。
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トーマス・シャイビッツの個展目的だったけどあんまりピンと来ず。
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デカいタブローが並んでいて気持ちは良いが、
ちょっと貧乏くさい表面が良くも悪くもドイツ画家っぽく。
イメージの作り方と配色については結構面白くて、
逆に写真で見直すと良く見えたり。
意外と具体的なモチーフがソースなんだろうな。

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ドローイング。ペインティングより豊富な思考断片が垣間みれて楽しめる。

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立体のインスタレーションも作ってたりした。


違う企画のいろんな作家の写真作品等の方がむしろ楽しめた。
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ベッヒャーと河原温の展示。
温の観光地ハガキシリーズ初めて見た。
裏の宛名部分がもちろん同じフォーマットで統一されているからカッコ良いのだが、
展示の仕方もずるい。

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これはトーマス・ルフ。
大きなポートレートの作品に寄ると、
ダイヤ型の細かい網目の処理で像が出来ていた。
ポートレートでこんなアプローチもしてたんだ。
う〜ん、コンセプト系フォトでは、
圧倒的にルフさんがイケてると思う。

続いて近くのシルン美術館で、
カイユボットの回顧展とPRIVATという企画もみる。
どちらも撮影禁止なので写真は無し。
カイユボットの有名な床削ってる作品など代表作品がズラリで
とても混み合っていた。
鉄橋のフレームを背景の構成にダイナミックに使ったり、
人物の視点で画面の方向性を操ったりして
風景の選択と画面構築がおもしろい。

PRAIVATの方は写真や映像が多め。
ブラッケイジの作品数本などを中心に
展覧会タイトル通り個人の内面や記録に迫った展示。


そしてこの時点でだいぶ疲れたけど、
フランクフルトはシュテーデル美術館がメイン。
歩いて移動。
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ライン川越しに眺める金融街。

到着。
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古典から現代まで順を追って見られる大きな美術館。
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序盤の宗教画ラッシュはもはやお決まりのパターンで、
このゾーンによりだいぶ具合が悪くなる。

キリスト教文化に慣れている人達はどんな風に感じるのだろうか。
少なくとも僕は、繰り返し様々な場面設定で描かれる
キリストの処刑シーンの連発でちょっと参っちゃう。
流血とか死にたてとか死にかけとかの表情ばかりの残酷シーンを
嫌というほど見せつけられるわけで。
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1枚1枚の表現の在り方なんかは同じ場面でもホントに色々で
ちゃんと見たらおもしろいのだけどとにかく膨大で嫌になっちゃう。
このハードルはなかなか高い。


レンブラント(また)の大作良かった。
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これまた残酷描写なわけだが。
でもそれぞれの人の表情とかの狂気じみた感じは圧倒的。

フェルメールのこの作品もここに。
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一年前だったか、東京に来てた時に見た作品だ。
あんときは入場行列を経て、混み混みな中で遠目にみる劣悪環境だったのに
人だかりすら出来てないし間近で見れる。


ちょっと端折って近代数点。
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そんで地下の現代ブースは企業コレクションのようで、
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ドイツを中心とした、多くの現代美術がズラリ。

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やはりポルケさんは素晴らしい。
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各部屋には企業名が書かれていて、銀行名が多かった。_MG_1483
やっぱ金融の街だからなんだろうか。

いや〜、すっかり意識朦朧。
ちゃんと鑑賞できている気がしねえ…

予約してる電車の時間まで市街地をウロウロ。
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けっこう大きな木が切られたまんま放置されている…

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とても寒いのに外に椅子がならんでいる。

うまく雰囲気を撮れてる気がしないのだけど
全体的にベルリンより物騒な空気がした。なんとなく。

電車でデュッセルに移動。
坂井田君に紹介してもらった作家さん、
荒川創也君にお世話になることに。

大学近くのこの辺で有名なデュッセルの地ビールで乾杯!
めっちゃうまい。ここで作ってるんだって。
美術の話にも花が咲く。

デュッセルドルフ芸術アカデミーに在籍してるとのことで中に入れてもらえた。
美大の雰囲気は各国似てるのだな懐かしい。
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廊下に描きかけの作品達。学生っぽいけど
この下の絵なんかはちょっと良さげ。


アトリエにも入れてもらう。
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天井がめちゃくちゃ高いなあ!!!

先生部屋のネームプレートに
「Peter Doig」って普通に書かれてて、げげってなる。
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トマアブツも、アンドレアグルスキーも、タルアールも、ローズマリートロッケルも、
先生とのこと。教授豪華すぎるだろ…

荒川君の住まいはデュッセルから電車で40分くらいのクレーフェルト。
ボイスの出身地とのことだが、それは街ではあまりプッシュしてないようだ。
普通にボイスの生家の前を通った。

荒川君の家は極寒で、昭和初期の北海道の生活ってこんな感じだったのだろうかと
思いながら全力で防寒して寝た。

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街のいろんなところにモミの木が落ちている年始です。

さて年が変わりここ一週間くらい、
ちまちま制作してはいるが本当にちまちまでどうも集中ができないのは、
旅の準備がはかどらないため。

もうしばらく美術見たくねえわ!
って思うくらい一気に西洋美術を叩き込む為に、
地獄の鑑賞旅行を始める事にした。
先月のストックホルムは助走であって、
ここからが本番だ。

絵画を勉強し始めてからずーーーーーーーーーーっと、
美術史に残る西洋絵画達の実物の多くを見てないというコンプレックスを強く抱えてきた。
ベルリンからヨーロッパ各地への移動も少し慣れて来た
このタイミングで、コンプレックスを拭ってしまいたい。

2年前のブログにもこんなことを漏らしたが、
http://yamamotograyzone.ldblog.jp/archives/52048197.html
最後のくだりで書いたことを実行しようという作戦です。


まずは西ドイツ(デュッセルドルフ、ケルン、フランクフルト)→パリ→
ベルギー→オランダと一気に回る。
ロンドンも組み込もうとしていたけどダラダラ計画していたら時間が足りなくなってしまったので、
リキテンシュタインの回顧展がテートモダンで行われる二月以降に回すことに。

その後ベルリンに一瞬戻って、すぐに今度はNYへ行くつもり。6年ぶり!
airberlinって飛行機だとベルリンNY間がこの時期非常に安くて、
自分のチケットは往復470ユーロくらいだったけど400ユーロ切るチケットもあった。

しかし、先の予定を決めるというのが苦手なので、やれ移動の方法や予約、
宿の予約というのが億劫で仕方がない。
それに一度ストックホルムでミスを犯しているのでなんとなく気軽な気持ちにもなれん。

美術館の休館日を照らしながら、どう移動すれば一番効率が良くて安いか、
など考えているとパズルのようで頭が痛い。

どの街にどんな美術館があって、どんな展示やってて、
超有名なあの作品はどこの所蔵で…てググっていると1日が過ぎて行く。
実際ベルギーオランダとか知らんことが多すぎる…どうなることやら。

2日目はストックホルム近代美術館Modena Museetへ。
ホステルが街の中心で、そこから歩ける距離だけども
試しに2駅だけ地下鉄に乗ってみる。
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改札があって、きれいだ。

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長いエスカレーターでホームまで下ると、こんな感じ!
洞窟風な壁天井に、柄が塗られている。
センスがいいんだかよくわからんがインパクトはある。
田舎のアミューズメントパークっぽい。

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かわいい王冠のついた橋を渡り、シュップスヘルメン島へ。
少し坂を上ると見えてくるModena Museetの入り口。
ニキの彫刻が雪に埋もれていた。

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一番の目的はこの美術館のコレクション、
ラウシェンバーグの「モノグラム」という有名作品を見る事。
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うおおホントにあった。ガラスに入れられとる。
とりあえず激写する。

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ペイントを施された顔はなかなかキュート!

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ガラスが非常に邪魔なのだ。その分近づけるので無駄に上から撮ってみる。
この毛がワシャワシャな山羊ってのがいいよな。

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糞のように、薄汚いテニスボールが配置されていた。

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タイヤと台座の関係がガチッと垂直にキメてるのかと思いきや微妙にズレている。
この作品て搬入時にけっこう細かく分解可能で、
タイヤも実は外せちゃうということを知ったので
最後に設置した人がちょっとアバウトだったのではないかと怪しむ。

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台座となる絵画面もカッコ良い。床から浮かせてる。

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うーん、やっぱすばらしい!!!
これは絵画か?、みたいに取り上げられることもあるこの作品、
僕はあんまそういうのは気にならず。「コンバインペインティング」っつってるし、
絵画っぽさも感じるしヤギ入れた全体のバランスが造形として魅力的なので。
後からいろんなフォローができるような幅の広さを持たせちゃった、
的な感じがある。

後からここをオススメしてくれた張本人の伊藤先生に教えてもらったこの動画をみると、
http://www.youtube.com/watch?v=PiCnCN2NV-E

作家本人は、古道具屋でみつけた汚いヤギの剥製がかわいそうで、
作品にして生き返させたかったとか、
古道具屋とのやりとり思い出話、
最初は壁にかけたりしたがうまくいかなかったみたいな
作品化するにあたっての試行錯誤のことを
たぶん言っている。(間違ってたらごめんなさい)

思いのほか、動機やプロセスがシンプルなのねえ…!
後半の解説が、一般的なコンセプトとしてよく語られる部分だ。

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背後には、トゥオンブリとジョーンズの作品。
どこの美術館でも仲良く展示されてるよね…。

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ちなみにジョーンズさんの絵画も高レベルな逸品。
思いのほか1枚の中にいろんな描写テクニックが使われていた。

こんな感じで、コレクションは特別大きな規模ではないのだけど
ずいぶん質の高い有名所を一通り揃えていた。

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真ん中と右端は、I loveなムンク。
ロシアンアバンギャルドも充実していたし、
ポップ、ミニマル、コンセプチャルも部屋毎に纏まってました。

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マティスの大きな切り絵もある。

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80年代以降の部屋もざくっとこんな風。リヒターの良い抽象、
シンディシャーマンとトーマスルフが並ぶなど。車の作品はローズマリートロッケル。


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思いがけずこんな最近の絵画も拝めたり。
Tauba Auerbach。ほぼ同世代の絵描き。
キャンバス目がわかる程度のうす塗り描写で
光を意識したシワシワサーフェイスの細密描写。よかった。

あいだあいだにスウェーデンの地元作家の現代美術作品が挟まっていて
基本亜流っぽさ満載でちょっと微妙なのだけど、
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このDick Bengtssonって絵描きだけは少し気になった。
いるにはいるんだな。デンマークでも地元作家ゾーンのヒットはそんな感じだったなあ。



その他企画ではまずティルマンス。
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実は大きな展示は初めて見た。重みは無いがカッコ良いですな。

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展示細部をみるとやっぱり透明テープとか相当気を遣って貼ってる。
ピンで留めてるラフな方法でも、かなり繊細に取り付けてる。
こういうのが重要だよな。
展示以上に驚いたのが、出口にどっさり図録が置いてあってテイクフリーだったこと。

あとティルさん個別作品で言うと、常設の方にもあった1枚、2001年くらいのこれが
むしろおもしろかった。
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デジカメ発展途上期のせいだと思うけど、画面にノイズがけっこう残ってて、
それが2000年代前半の質感としてちょっとレトロっぽく見えるのだった。


地下の企画ではコレクションを中心としたピカソvsデュシャン展。
それぞれが別ブースで纏まってる展示。
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デュシャン側。
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回転盤。かっこよい。

有名所のレディメイドは所狭しとひととおり並んでる。
すんごい淡白なかっこよさ。
でも便器の台座はレンガ仕様でややダサい。

そして大ガラスのレプリカがあって驚き。
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裏側。
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サインも入ってる。

しかし何よりまず、…木枠!?けっこう野暮ったいデザインだし。
クールなイメージがなんとなく肩すかしくらうこの木枠は北欧流なのか…
便器のレンガ台座といい、この蛇足感にムズムズする。

裏側も黒い単色でなんかペラッとしており思いのほか拍子抜け。
これはレプリカのせいなのか?


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トランクの箱とかグリーンボックスは堂々としておりました。
これだけまとまってデュシャン見られるのは珍しいのでは。
マルチプルばっかで一点ものの絵画とかは無いので、かなりドライですが。


ピカソ側には小作中心。
うまく撮れなかったがトーチカみたいに光でドローイングした牛の映像とかあって
ちょっとおもろい。
ピカソは油断すると駄作ばっか見るハメになる。ここでも油彩はけっこう微妙。
コラージュとかいくつかのドローイング、制作記録写真などがなかなかおもしろい。
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という感じで、
全体の規模は大きすぎずちょうど良く、企画の質も高いので満足できる
美術館だった。強いて言えば、ローカル色が弱い。

近くにある王立美術館で古典も覗く。
やはりレンブラントとリューベンスは厚い。
レンブラントの大作はかなり良い絵だった。
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その他、シャルダンが5枚くらいまとまってて良かった。
まともに初めてみた。小さいし、色がやや茶色グレーにくすんでて素朴な上品さがある。
画面作りもフェルメールに通じる様な構築。とてもいいな。
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ブーシェの割と有名なやつも。
裸体の乳頭がどうも赤すぎるし、
あとさりげなく醜い要素を絵の中に混ぜ込んでるので
ロココの中でブーシェだけはおもしろく見てます。

やっぱり古典美術も同じように、ローカル色が弱い。

時間無くて飛ばしてしまったがモダンなデザイン展示室もあって
きっと美術よりこっちが北欧っぽさが強く出てるんだろうな。
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日が暮れて、宿へ歩いて帰る途中にスケートリンク。
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街の中心にあるアートセンターも覗いてみる。
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エントランス、本屋、映画館、おっさんたちのチェス場、以外はすでに閉まってた。残念!!

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地下街なんかも広くてキレイなのでホント札幌みたい。
視察完了。もちろん夕食はマクドナルドだ。 

再挑戦。ハンブルグ中央駅からバスで1時間、
今度はばっちりリューベック空港へ。
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すげー田舎っぽいとこにポツンと。
こんなに小さい空港は初めてだ…

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中もテントみたいだ。さすが格安航空会社のハブ空港。
FLY CHEAPERって堂々と書いてあるから潔い。

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乗る。1日1本のストックホルム行き。
easy jetと同じように自由席。
そして1時間遅れての出発…ぐぬぬこれじゃどの美術館にも間に合わねえ。


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約1時間半のフライトで、着いたのは夕方4時。
さすがさらに北、すでに真夜中のように暗いし雪が積もってる。

やや風邪気味で右鼻が詰まっていたので、
着陸前の高度が下がってる時に右耳に恐怖の激痛が。
あれホント死ぬほどつらい。

以前韓国の帰りの飛行機で
これなら死んだ方がマシだとか、早く気絶しろ自分!と思うくらい痛かったが、
今回もキツかったなあ 降りても水が溜まったような感覚…
ストックホルムは、いろいろ攻めてきますねえ。

北欧に似合わないお前が行くな!って
誰かにわら人形でも打たれてるのかもしれない。
 
到着したスカビスタ空港も、ストックホルムから90km離れた遠い空港だ。
観光案内所のおっさんに、ホエアアーユーフロム?チャイナ?と聞かれたので
日本からです!と答えると、
今日のこの空港初日本人だよコンニーチハ!といわれた。

さらにバスで1時間半揺られる。 

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ついた。キレイで近代的な都市だ。電飾はちょっと地方っぽい!

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駅から歩いてメイン観光地の旧市街に行ける。
そこらを散歩。 

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小道に坂に店の看板、おおお雰囲気がある。

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ふらふら歩いてたら人だかり発見。
小窓からサンタのおばちゃんが。歌を歌ってた。

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旧市街を抜けてちょっと歩けばすぐ船着き場。

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おっきいツリーも。奥の白い船はレストランだった。シャレとる。

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豪華なあれこれを横ぎり、

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クレーンでの雪落としを眺めつつ、

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市街地に戻るとやっぱり華やか。
先に美術館を封じられると、落ち着いて街を歩けるので
たまには良い。
なんか規模もちょうど良くて、札幌っぽい。

整備されててキレイだし、
久々にマトモな都会を見た気分だ。
こういう街と改めて比較するとベルリンはやっぱ異質だ。

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けっこう寒いのに、外で飲んでる人達…そんなに外が好きか。

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H&M。発祥地。

街をぐるっと一周して、値段が一緒のマックで夕飯を食べ、
近くのユースホステルに到着して1日目終わり。
宿も1泊20ユーロだがアットホームでキレイ。
印象いい街だな!

Peter Bjorn&Johnとか、The Radio deptとかがストックホルムのミュージシャンなので
現地で歩きながら聞いてみるとしっくりくる気がして
ややテンションが上がる。。。
エセ観光者っぽい。
十勝で松山千春を聞く感じだ。

でも一番アガったのはやっぱりアバだよ。

ハンブルグに作品を届け、ストックホルムへ。
万全の態勢でハンブルグ空港へ向かったが、
ストックホルム行きのRYAN AIRの窓口がない。

近くの職員お兄さんに聞いてみると、
「…空港が違うね、ここじゃない。もう1つの空港だね。」
なにー!!!! もう1つ空港があるのか!?

お兄さんは間に合うかどうかいろいろ調べてくれたけど
「ここから1時間以上かかるから、ちょっとキビシいかもな。
君はハンブルグの空港は初めて使うのかい?初めての人は、よく間違えるんだ。
これで覚えたね。」って…なぜかこういう時はスラスラ英語が聞き取れる気がする。

ホントだチケットよく見たら「ハンブルグ空港」じゃなくて、
「ハンブルグ・リューベック空港」って書いてる。わかりづらいっつーの!!
走って引き返してみきこさんに泣きの電話をいれて何か間に合う方法を
調べてもらうももうインポッシブルとのことで、さらばストックホルム…

いや、さらばじゃねえ。余計行きたい。
ので一旦ギャラリーに戻って、数日後に再予約。
ユースホステルにも日付変更の電話。
ぐへえええ お金が勿体ない…
 
海外滞在に慣れて来て油断している証拠だ。
いい引き締めにはなった。

前日に最後のアシスタントひがし君も去り、
自分は前々から計画していた、
デンマークのコペンハーゲンに一泊二日で行く。

ケルンにいる先輩大島さんのブログに触発され、
ルイジアナ美術館国立美術館のマティスを見るのが目的。

北欧と言えば文化の洗練度が高いオシャレイメージが強く、
自分にとって無縁な場所だと思っていたのだけど、
知るひとぞ知る、僕は大学院の時に少しマティスを研究してから修了したので
それは見に行かねば!と。
飛行機も往復7000円弱だったし…安い。

1日目(ルイジアナ)写真はこちら。
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.420969511296886.95033.100001515216496&type=1&l=c1f5f3482f

2日目(マティス)写真はこちら。
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.420987574628413.95035.100001515216496&type=1&l=2196c06990


しかしfacebookの写真シェア機能は便利だなあ
アップもしやすいしコメントも書けるし…

なのでこちらではサラリと書いて終わりにしちゃいますが。

ヨーロッパに来てから初めて海の見えるフライトに興奮しながら
早朝に到着。少し中央駅前を散歩した後に郊外のルイジアナ美術館へ。

閑静な住宅街に、質素な入り口の美術館…が、
入ってみるとすごくデカい。
デカいし、信じられないグッドロケーション。
隣が海なので、借景がすばらしい。
回廊を歩きながらジャコメッティを鑑賞し、
広い中庭にムーアやカルダーなどの彫刻が並び、
海を背景に鑑賞。加えて企画展示も盛りが良い。

セルフポートレイトの企画が面白くて、
マチスやピカソ、ムンクなどの近代巨匠の自画像から、
モンドリアン、ロスコ、ケリーなど抽象巨匠の自画像、
チャッククロースのモザイク自画像とルドルフスティンゲルの超巨大自画像が並ぶなど、
現代までの盛り沢山な絵画メインの企画!
ルドルフさんの絵は初めて見たが、
3m級で、モノクロの写真を元に描かれた
フォトリアリズム。映画のワンシーンのような。
筆跡がポツポツと意識的に残されていた。

あと、ミュージアムショップにボエッティ(また)の回顧展のカタログが
売っていてサラッと読み通したら、とてもおもしろかった。
バーゼルで飛行機のドローイングを見た時もそれだけではあんま良く分からんかったし、
ドクメンタのマップの作品もどういう位置づけかわからなかったし、
でもカタログでまとめて見ると一気に良く見える…なるほど。
つーか今年はテートモダンとMOMAで回顧展に、バーゼルにドクメンタ、
世界基準の場所でボエッティごり押しされてんのね。


1日目は日が暮れるまでルイジアナに居て、
夜は雨が降って来たし疲れたので、
そのままユースホステルに戻って過ごす。
晩ご飯はもちろんケバブだけどやっぱしベルリンの倍くらいする…


2日目は宿から歩いて行ける距離の国立美術館へ。
マティスは点数は多くないけれど、
同じモチーフのバリエーション展示で、
これらが一挙に並んで見られるなんて!!
というファンには堪らない企画。
ボリュームもちょうど良い。

6年前にNYで見た作品も4分の1くらいあったけど、
改めて見るとまたいくらでも発見があった。

1914年から1918年までのヤバいヤツがやっぱしメイン、
第一次世界大戦期にこれらを描いてたんだと思うとなお感慨深い。
ちなみに「夢」などの後期油彩作品も第二次世界大戦期…

ギリギリまで抽象に近づく単純化の作業と
描写する意識を保ったまま単純化する作業の差、

フレームの入れ子構造を試すための正面構図と
パースを効かせてその入れ子構造を崩すバリエーション、

カメラアイの差を見せた連作、

行為の後がそのままマチエールに変化する
サラサラなダイナミズム、

など、挙げればキリが無い数々の要素。

じーっと鑑賞してやっとその絵が少し分かったようになって来た頃に、
違う要素がまた絵の中に見えて、
マティスの絵は解釈から逃げて行く。
いつまでも謎を残したままでいられるような仕掛けが
絶妙なバランスで入っている。
それでいて、固くない。

ドクメンタの後に、
ちゃんと絵画の感動に戻って来れて良かった。

常設も駆け足でみたけど、
もともと良いマティスをたくさん持ってるんだなここは。
あと全体的に展示がすごく洗練されている。さすがデザイン大国か…

地元の現代美術の部屋もあって、作品はたまーに良いのが何点かあったけど、
空間の使い方とかこの美術館の建築自体がグッとくる。

結局2日目も日が暮れるまでここに居た。
他の現代美術館や街の観光等はできないまま、
デンマーク終了…
ちょっとだけ街の中を歩いたからとりあえずは良し!

マティス…1910年代の作品はもう結構見れているけど、
MOMAの「ピアノレッスン」と、
ポンピドゥーの「コリウールのフランス窓」は
まだ見ていない。
あとは、ニース時代のアメリカ文脈にあまり好まれてなさそうな
ルノワール方向に寄ってる作品と、
ロザリオ礼拝堂。
これらを滞在中にどれだけ押さえられるかは1つのポイント。 

しばらくしても
あのドクメンタ体験は一体なんだったのか…と
ボーッと考えたりして、作業しながら
まだまだアシスタントしてくれてるひがし君と
ドクメンタについて話して意見が一致しなかったりしてるが、

またtwitterで、鑑賞した人達のレポートが
次々に流れてくるのだけど、
その内容とか解釈の深さがパネえっす。

例えばこれら。
http://togetter.com/li/330943

http://togetter.com/li/376868?f=reco1
 

当然ながらここまでの解釈は無理でした。
英語でびっしり書かれたガイドブック読みこんだり
そもそも歴史観が頭の中に或る程度入ってないとわからないことで、
う〜ん…と唸るのみ。。
 
こういうのを読んでいるとまた、
ボエッティの展示っつーかボエッティの活動ってそういうことだったのか、
と思わされたり、
作品外のことや美術外のことも自ずと考えさせられるような。。。
どこまで背負ってるんじゃドクメンタ。

あとこれはディレクターのインタビュー。
http://gjks.org/?p=2251

カッセル最終日4日目。
見逃した作品映像やもう一回見たい作品をじっくり。

写真はコチラ
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.412743435452827.92638.100001515216496&type=1&l=64d02dfa61


O嬢は朝一で日本へ帰って行った。
300回くらいドイツに来て良かったと言っていた笑 
良かった良かった。
ベルリンに来た時は大丈夫かと思っていたが、
カッセルでは逆に助けられたなー
サバイバル能力があるんだな。


なのでこの日は1人で鑑賞。
英語だらけの作品が残ってませんように。


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駅でO嬢の特急を見送りながら待っていたSusan Philipzの作品は、
30分に一回の音の作品。

ホームの端までいくと、遠くにある駅のスピーカー十数台から、
バイオリンの音が聞こえてくる。
このロケーションと、
1人になった若干の孤独感すら勝手に相まって、
すげードラマティック気分に浸ってしまう。


朝は雷雨だったが、日中は晴れて来たので少し離れた場所で見送っていた
古い地下空間の展示の方にも行く。
作品というよりヘルメットまで装着して
展示を見に行くっていうシチュエーションに関心してしまった。

 
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 もう一回、Tino Sehgalの作品を見に行く。
この暗い部屋だ。この作品、昨夜気になってカタログを見たら、
作家名と展示場所以外作品情報が一切載っていないことに気付いた。
紹介されているはずのページが無くなっていて、
一瞬落丁かと思ったが、違うようだ。 
パフォーマンスの流れをもっと見るためにしばらく中にいたのだけど、
たまに電気がついて中の様子が一瞬見えたりもした。
その時に写真撮ろうとしたら、パフォーマーが踊りながらさりげなく
カメラのスイッチを切って来た!笑
やっぱり、記録を残したくない作家なんだ。 

昨日のお客さんは割と静かだったけど、
この日は修学旅行のようなヤング学生団体が中にいて、
ガヤガヤしていたが、それも作品に取り込まれてる。

暗闇の中でのパフォーマーのハイレベルな声のセッションは
やはりこれも鑑賞者と作品の境界を曖昧にしてしまうようだった。
ずっと暗闇にいると、目が慣れて来て中の動きが見えてくる。
10人くらいのパフォーマーは、観客に当たらないように踊りながら移動して、
入って来たばかりの観客は、何も見えないので恐る恐る入って来るのがわかる。

歌の区切りがついたら自然に拍手がなる事もあったし、
パフォーマーの1人が学生団体に話しかけ、
「私が学生の頃は、とてもシャイだった」といったような語りを始めたりもしていた。

常に流動的な創造が生み出されていて、すっかり取り込まれてしまう感覚に
味わったことのない感動をした。暗闇を出たあとに、またよくわからんが涙ぐんでしまう。
パフォーマンスとか結構苦手だったのだけどな〜これは相当すごいな。 


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オランジェリー館は科学博物館のような場所で、
常設の中に望遠鏡が並んでいるのだけど、この一部を覗くと
公園のアンリサラの時計が見える。
これに気付いたときこの作品の良さがブワーって入ってきた。

すぐ横の展示室が時計の歴史展示室で、古い時計がたくさんある。
そことの関係性が生まれて、時間空間距離の感覚がぶっ飛んでしまった。
時計のふもとには小さく人が歩いている様子も映り、
別の望遠鏡では時計が逆さにみえる。この場所ならではのアプローチ。


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終盤で、駅の映画館で作品上映してるのを見落としてることに気付き、
見てみたらイギリスの作家The Otolish Groupの福島の原発ドキュメント作品だった。 
劇中、港千尋さんがインタビュー受けてたりした。
福島第一完成直後に、初めて原子炉が臨界に達する時の映像と、
現状の映像を連続して映すシーンは重く、
当時の技術者の誇りを感じる眼差しや、
その映像から感じられる希望に満ちた感じが辛かった。
これをカッセルで美術展の中で見ることになるとは。


まとめ

初ドクメンタ。めちゃくちゃ良かった…!
ちょっと信じられないレベルだった。
これが世界最大レベルの展覧会なのか。
 

こんないい後味が残る展示はなかなか無いかもしれない。
帰りの電車を待つ間、駅の下品なバーガーキングにいてもなお
ずーっとジーンとしていた。
 

3泊4日とって、なんとかほぼ全ての作品を見て回れたけど、

とにかく毎日とんでもない人の数で至る所に入場行列ができていた。
老若男女、赤ちゃん連れも。

こっちでのこういう大きな美術展の存在って、
実際のところはまだまだわからんけど、
やはり身近で、かつ大切にされてるように見えるし
大人のアミューズメントパークって感じなのかな。

多くの人が辞書のようなガイドブックを持ちながら読みながら、
作品を鑑賞する光景が見られた。


美術を通して世界を見るきっかけとしてのプロセス、

美術は深い部分で大きな世界社会と繋がっている、と思わせてくる。
そこに知的興奮の快感も加わり、
ハイレベルなエンターテイメントってそういうことなのかな。


これだけいろいろなことに対し真摯な向き合い方をしている美術展に、
大量の人が足を運び、あーだこーだ考えるきっかけになってることに、
美術に対する希望を持ててその点でも非常に感動した。 


人類史や近現代の情勢、美術史がわかっていればいるだけ楽しめる
インテリチック内容だと思うのだけれど、
僕は残念ながら全然インテリでないので、

このジーンときた感覚は
どうもそれだけではなさそうだ。


こないだのベルリンビエンナーレのように政治や社会情勢をテーマにしている作品でも、
そのテーマをを媒体にしながら、人間そのもののことを言ってるような印象。


展示の組み合わせや作品アプローチが全体的にドラマチックで独特の気品がある。

企画全体でとても大きな詩のようだ。


世界のアンバランスさ、どうしよもないひっかかる背景を、
人の想像力から網羅するような。

ああ〜ここまでのスケール感を、
美術で引き受けようとすることができるんだな。泣けてくるわー。

やっぱり美術作品って基本的に個からの感覚がベースになってるわけで、

人間に対するものだしヒューマンスケールが前提だから
詩的なゆとりが無理なく創造性を深めてくれるという感じ。


今回のドクメンタのような感動は、
例えば名画1枚と向き合って深く感動するという体験と
根っこの部分では同じだけど、

1つのモノとしての美術作品という在り方もあれば、
そういうモノ(あるいはモノではない「作品」今回は音の作品も多かったし)を媒体にして世界を見る仕組みを作り出す、

あるいはその仕組みや場所を媒体にして、作品ができあがる、
という企画展示としての美術の在り方がある、
って当り前のことを、大きな実感を持って確認した。
もちろん意味不明とかどう見てもグッとこない微妙な作品もあったけど、
いくつものすばらしい作品と、総体としてのドクメンタっていう企画に
心の底から感激しました。

なかなか思えないけど、美術ってすごい。

土日を抜けたので少しは空くかなと思ってたけど、
依然ものすごい人の量。
三日目は美術館など建物中心に。できればほぼ見終えたい。

写真はこちら
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.412731965453974.92635.100001515216496&type=1&l=60b3faf681

ちなみに僕は貧乏性で写真をバシャバシャ撮っていたけど、
案外皆さんゆったりと、撮影魔にはならずに鑑賞しており、
分厚いカタログ片手にじっくり考えながら楽しんでいるようでした。

メイン会場のFriedrichsplatz。
この中のRotundaという空間に、
今回のドクメンタのコンセプトの代わりとなる展示が詰め込まれている。
そんなに広くはないこの空間に、壮大なスケール感を感じさせるような
カタログの文章と展示構成で魅せている。
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ここはやっぱり読みながらじゃなきゃわからんことも多いのだけど、
展示は美しく、詩的な中にいろんなヒューマニズムを引き受けようとしてる
ような感じがした。

モランディの絵画やそのモチーフそのものが並んでいて、
それもただ作品としておかれているのではなく、
大戦中のファシズム後に作られた象徴的なものとしての側面が強調されているようだった。
その壁の向こうにマン・レイのオブジェと、
リー・ミラーのヒトラーのアパートのバスタブで撮られた写真が
向かい合わせで展示されていたり。

パラグアイの親子アーティストJuana Marta Rodas and Julia Isidrez
の彫刻も良かったな。
 

アーティストの作品だけでなく、戦争で溶けたガラス片や
紀元前の中央アジアの彫刻作品なども並んでいた。

この
Rotundaに入って来る前の美術館最初の展示は
Ryan Ganderで、作品が無いので何かと思えば、
風が吹いているという作品だった。
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微風に吹かれてもらっているO嬢。
視覚的でない作品を伝えるのは難しいな…

いきなりこれだったので、ハテナな気分になったけど、
Rotundaや他の部屋を一回りした後だと、なんか気になる存在になった。

撮影禁止だったけどダリのこれまた戦争がテーマのような作品もあった。


この日は見た作品数が圧倒的に多いので端折りますが、
特に気になったのをピックアップ。
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ドクメンタ全体を通して絵画は少なかったしあんまグッとくるものも
少なかった中で、
Francis Alysのこの小さな絵画作品群は本当に良かった。
側面は麻剥き出しでタックが打ちっぱなし、
コラージュ部分もサラッと貼ってるだけなんだけど…
TVの画面を彷彿とさせる色面も
マットな表面で美しいし、
何なのか感情を揺さぶる秘密を持っている。
フランシスアリスはカブールの展示では映像を出品しているようで、
それは彼のサイトで見る事ができるんだけど、
(http://www.francisalys.com/public/reel-unreel.html)
 これもまた感動してしまう。


この辺りの展示はいいのが固まっていて、
すぐ近くのTino Sehgelのパフォーマンスの非常に良くて茫然としてしまった。
Theaster Gatesの滞在制作?場所も全体的におもしろかった。


 Neue Galerieでは
ジュークボックスのSusan Hiller。
ホワイトキューブの壁に100曲の歌詞、壁に埋め込まれた
一台のジュークボックスが音を響かせていてなんとも美しい。
公共空間と美術館空間の違いをうまく魅せていて、
それまで何回もみかけてきたジュークボックスの印象は
この部屋を体験する事で変わってしまった。
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ottoneumは自然史博物館。

会場の雰囲気ならではの作品が並んでいて、Toril Johannessenの光の作品が気になる。
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暗くて作品がうまく撮れず。
 

Docmenta-Halleは天井が高くて広い空間、
ダイナミックな作品が目立った。
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Thomas Bayrleのこの飛行機の作品はいろんなレポでも見かける、
「絵になる展示」な作品だった。カッコ良い。
近寄ると、飛行機の中に飛行機が描かれているんだな。
ユニットは紙で印刷物っぽい感じだった。 


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 Julie Mehretuもとにかくデカすぎ。


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駅側のはずれのほうに単独であったTacita Deanの作品、
30分ほど並んだけど、これも良かった。チョークで描かれた山のドローイング。


その他、病院跡、図書館やデパート内でも展示があり、
それぞれの場所に合ったインスタレーションの在り方が興味深かった。
作家の取材力や順応力を感じる。




ドクメンタではないけれど、近くの教会でバルケンホールの展示を
やっていて、それもおもしろかった。
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なんとか 85%くらいは見終えることができた。
夜は、オーストラリアで語学留学中の後輩Tっちーもドクメンタ見に来てると連絡があり、
謎の組み合わせな3人で飲んだ。 

二日目は公園制覇計画。

写真はこちら
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.412726758787828.92634.100001515216496&type=1&l=2173d3662c


公園は歩いてまわると一日じゃ無理な広さなので、
なんとかレンタサイクルを借りたいところ。
Konradという緑のレンタサイクルがいろんな所にあり、
サイトやiPhoneアプリもあるのだけど、
なにせ全部ドイツ語でなかなか借りる方法がわからない。

O嬢の英語に頼ってわかりそうな人に聞いてたら、
おや、近くにいたイギリスのゲイカップルも僕らと同じ困惑状態だった。

その後、数人のドイツ人をつかまえては英語コミュニケーションをまかせ、
みんなやたら親切に説明してくれてレンタル成功!!
ドイツの印象がまた上がる。
カッセルにきてO嬢のコーディネイター力も上がっている!
やっぱ英語できると便利だなー

ゲイカップルもほぼ同じタイミングでレンタル成功してて、
謎のグルーブ感が発生した。

ちなみにこのレンタサイクルの仕組みは、
まずサイトでアカウントとクレジットカードと電話番号とメアド登録、
その後パスワードメールが届く。
次にレンタサイクルに書かれている電話番号に登録電話からかけて、
アナウンスの後に、これもレンタサイクルに書かれている4ケタのナンバーを入力。

それで登録完了。自動的にクレジット課金されるという仕組み。1時間60セントくらいだったか。
鍵をしてまた開けたい時は、メールで届いたパスワードを自転車に付いてるタッチパネルで入力すればOK!返却は、レンタルゾーンに戻って来て鍵を締めれば完了というなんだかハイテクシステムだ。

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晴れてチャリでの公園巡り開始。ペノーネの彫刻は安定感あり。


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これはけっこうキツい坂を上り下りしながら音を聞く作品で、
足場も砂っぽいので滑り落ちてもおかしくない。
日本だったら危険だから却下されそうだけど、
キャプションに「自己責任で」って書かれてた。
おばあちゃんなんかも楽しそうに上り下りしていた…。


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作品にはこういう看板が立っているのだけど、
いろんな小屋に、Green Companyっていう会社の協力が書かれていた。
たぶん小屋制作はこの会社がだいぶ関わっているんだろうかな。

全体的に小屋については、中でインスタレーションか映像って感じで、
昨日見た展示に比べるとなんとなくユルいのでスタンプラリー的な楽しみ方になりがち。
公園のあまりの広さのほうがビックリ。

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小屋の中でおもしろかったのは大竹伸朗さんだった!
さすが小屋の扱いには慣れているのだろうか。。
小屋自体がオブジェ化していたし異彩を放っていた。
モンシェリー!っつってそういった日本語のおかしなニュアンスは
僕らは絶妙なセンスを感じる事ができるけど、
海外の人にはそこは伝わってないんだろうなあと思った。
どう見えるのだろう。
外から中を覗くようなタイプの小屋で、 
中に巨大なスクラップブックが。気合いを感じる。
木の上にカヌーが乗っかっていたり、裏の小屋は電力マシンのようになっていて
何かの暗喩に見れないこともない。


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駅で感動したJanet Cardiff & Geoge Bures Millerは公園にも作品が。
元々サウンドアーティストみたい。
こっちは銃声やレクイエムなど音を聞く作品。
林の中にスピーカーが何個も
仕込まれていて、ものすごいリアルな臨場感。
観客が皆じ
っーと静かに動かずに聞いていたのが印象的。 


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 Anri Sala、ええこれがアンリサラなの?ってこれだけ見るとハテナな気持ちになったが、
後に公園の端にあるオランジェリー館で感動する事に。また後述。


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Pierre Huygheの作品は公園の中では一番気になったかも。
荒れた現場に人体彫刻、そこにハチが群がっている。


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日々暮らしているとドイツの人たちは日本人以上に犬への愛情が強く見えるが、
そんな国の国際展だからなのか?犬への愛情がハンパ無い作品も何点かあった。
これはドッグレース場が作品になっていた。。。

写真に撮らなかったけど、ひとつ小屋の映像作品で
Omer Fastという作家の映像がおもしろそうだったなあ。
5分くらいチラ見しかできなかったけど、それでも引き込まれる何かがあった。
後で見たらカタログのスチル写真もカッコ良かったし。

だいたい公園を見終えるかなというところでチケットを紛失し、
アフター5チケットを買い直すハメに…こういうアホは必ずやってしまう。
最後に端のオランジェリーもとりあえずサラリと一周、
ここにはMika Taanilaの原発テーマの映像作品があり、
フィンランドの原発建設している街のドキュメントだった。
美しい映像ながらものすごく不穏な作品だった。

無事に公園制覇し、レンタサイクルも元に戻して二日目終了。

朝一でベルリンから都市間バスに乗りカッセルまで5時間。
同行したOもやっぱりそうだったけど北海道から来た人は口を揃えて、
ドイツ都市間の田舎の風景を見て、
「北海道とほとんど同じ」と言うのがおもしろい。
本当に空や空気の感じや植生など風景が近い。
建物の形と、風力発電の風車の数が差だろうか。
本州に初めて行った時の風景の違いの方が新鮮だったかもしれない。

というわけで、
年に一度ドイツのカッセル市で開催される
世界最大級の国際美術展、ドクメンタを初鑑賞!
表記はdOCMENTA(13)。

一日目写真はfacebookにアップしてます。
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.412722235454947.92632.100001515216496&type=1&l=475166cb24

写真で語りきれない興奮を書こうと思います。


昼過ぎにカッセルに着いて、いきなりコスプレガール達に遭遇。
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どうやらドクメンタとは別会場で、マンガフェスをやっているらしい。
ドイツのマンガフェスも気になるけれど、
やっぱりドクメンタ!
泊めて頂くお家のおっさんに迎えに来てもらい、
恋人のマリアさんともご挨拶と家の使い方を親切に教えてもらい、
さっそく会場へ向かう。会場の駅へは歩いて10分ほど。

まずは展示マップをショップで手に入れ2dayチケットを買うけど、
慣れないのでそのまま駅の行列に並びながら計画を練る事にする。
この行列はJanet Cardiff & George Bures Millerの作品の列で
一時間待ちでいきなり疲れる。
でもこれがめちゃくちゃ良い作品!!!

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iPodとヘッドホンを渡されて、指定の場所に座って映像を再生すると、
同じ場所で撮られた映像作品が流れ始める。流れる作者の語りに従って、
映像と同じように自分が駅構内を歩いて行くというもの。

まずヘッドホンの音がものすごくリアルにできていて、
実際の音なのかヘッドホンからの音なのか区別がつかないので、
おそらくこの作品を鑑賞した人はみんなヘッドホンを取ってどっちの音なのか確かめたはず。
映像ではバレエダンサーや演奏隊など登場したり、
鏡に作者が映ったり、途中で電池を替える演出が入っていたり、
隙のないドキッとするポイントがたくさんあった。
収容所の話に触れたりもしていた。

映像と音に没入しながら実際の風景にも意識がリンクするので、半分映画の世界に入っているような、感覚の境界線がゆらいだ状態になる。
それを知らない周りの駅利用客は不思議そうに僕らをみているので、その構造もおもしろい。
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最後まで見終わって、あんまりにもビックリしてわけもわからず半泣き状態に。
この作品を最初に鑑賞したので、
ドクメンタの印象が爆アガリでブワッと膨らんだのはとてもいいスタート。
(追記:youtubeにこの作品の映像上がってました。
途中まで見れるので雰囲気はわかると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=sOkQE7m31Pw&feature=youtube_gdata_player)

以下、気になった作品をピックアップします。

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Susan Hillerの作品はジュークボックス。100日間のための作家が選んだ100曲が
再生できて、その後も街中のいろんなカフェや飲食店で見かけることになる。
3つ目くらいで、「またオマエか!」って思ってたけど、
別会場の美術館の展示でその意識がひっくり返された。それはまた後述。


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シリアのことをテーマにしている部屋は
Rabih Mroueの作品。
写真奥の作品はフリップブック(パラパラマンガ)の形式なのだけど、
それは携帯電話で兵士を撮影してる映像がフリップブック化されているもので、
撮影者が銃で撃たれてその映像が終わる。
先日のシリアでの日本人ジャーナリスト山本さんの最後の映像を思い出した。

横にボタンがあって、押すと、その時の音が一緒に流れる。
たかがフリップブックなんだけど
自分の手でそのような映像を進めていく妙なリアリティにぞっとしてきた。

こういった社会的な作品は、他にもたくさん見られた。

駅の一番奥の方にあるWilliam Kentrideの作品にも30分並ぶ。
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横にあるブラインドの作品はHaegue Yangの作品。


ケントリッジ作品は撮影禁止だったので
画像がないけれど、広い空間に5面の映像を投影して、
真ん中に謎の木製機械がずっと動いているという作品だった。
映像はシュールでわかりにくいのにユーモアがあったり毒があったり、
なんとなく人間とテクノロジーについての映像展開のように見えた。
映像の終わり方が何かの隠喩のような登場した人々のシルエットの行列で
なんかグッときた。

行列でけっこう時間をとられたので、駅の中でも見落とした作品がまだ残ったところで
一日目終了。とにかく人の量がハンパじゃないし、
作品の善し悪しはあれスケールもハンパじゃない。

朝5時半起き。
さてチェックアウトの手続きと思ったら、
フロント誰もいない… 
昨日、早朝にチェックアウトできるか聞いたら、
大丈夫って言ってたのに!
係の人への内線とかも無いので困った、
ノロノロしてると飛行機逃すので、
もう代金払ってるし、朝出発と言ってあるし、
鍵を部屋に置いて出て来てしまった…まあ大丈夫だろう。

あとは問題なく、飛行機の手続き完了。
居るだけでお金がガンガン吸い取られる恐ろしいスイスから撤退!!
子供の頃って、スイスはハイジのイメージや、中立国!的刷り込みで
謎の憧れがあったりするが、
金をたくさん取る国だと実感しました笑 
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ものすごく遠くにアルプス山脈も見えた。
いやしかし、バーゼルホント小さい街で、
でも街並みがとてもヨーロッパらしい
キレイなとこだった。

なんでこんなとこにデーンとアートフェアが?アート植民地的発想か?
と思って後で調べたら、
小さいとはいえ、スイスでは主要都市の1つで、
ライン川があって古くから物流の街として栄えてて、
ドイツフランスと隣接してる場所というのもあり、
文化的な街なんだとか。

今回は全然街を回る余裕がなかったけど、
たくさん美術館もあるようで、かつデカい銀行の本部もあったり、
なるほどもともとそういう基盤のある場所なわけね…。

ベルリンに戻って、こうガサガサした雰囲気に落ち着いて、
駅のアジアフード屋で焼きそばを食う。3ユーロ!
この感じ、やっぱいいなあ。

バーゼル2日目。たっぷり寝すぎた。
まず今日の宿は少し歩いた別の宿なのでチェックインし直し。
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すげー適当な中国人の家族経営宿…
安いだけあって、ホントに適当!wifi完備って書いてあったのに
全く使えないし笑
いやでも一泊くらい何も問題無し。
レラハ便利です。 

ここはドイツなので物価が安い。途中昼飯用のパンを購入し、
アートバーゼルに向かう。 
2日とも晴れて良かった。
原チャのおっさん。
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チケット一日通し券は約4000円。高い。でもその価値あり。
撮影禁止なので入場時にカメラ検査があり、クロックに荷物預けなきゃならんのだけど、
いざ会場に入ってみると、みんな普通にiPhoneで写真とってるし…どういうこっちゃ。
僕はとてもマジメなのでそんなことしないし、故にここにアップできる写真もございません!

超有名ギャラリーは、バンバン巨匠を展示。
現存ビッグネームの作品はほぼ見る事ができた。
テリー・ウィンタースの近作、マジでヤバいっす。
表面はボコボコ塗りっ放しで荒く新しい感じはしないのだけど、
不思議なバランスの抽象形態との掛け合わせがおもしろい。
Matthew Marks Galleryのサイトで見れます。
このギャラリーは僕のツボどころばっか展示してて、
テリーの他にも、ブライス・マーデンの大理石ペインティングが良い。
フラット表面のある不定形大理石に絵具で線引いてるだけなんだけど…。

昨日も見たジェフクーンズの絵画、
こっちでは、色面分割してない境界線をボカしてよりフォトリアリズムっぽく
描いてる作品が展示されてた。地味に塗りのアプローチ変えてんだね。

村上隆氏、デカい3つのギャラリーで全部新作展示していたが、
いづれも目立つ良い場所に飾られており、他の巨匠と並んでいても、
あれだけ作り込みを徹底したペインティングは無い。
やはり強烈なインパクト。

一方で昨日も見たウールの作品なんかはスカッとしていながら、
村上さんの作品と同等かそれ以上の絵画の力を持って見えることもあり、
作り込みがすべてじゃない絵画の深みというか難しさを感じる。

作家を挙げればキリが無いのだけど、
とにかく一番多いのはやっぱり絵画なので、
絵描きとしてはヨダレもの。しかも抽象が多い気がした。
ドイツ系の渋くてストイックな抽象作家なども初見できて興味深い。

具象で目についたのはアレックス・カッツがやたらいろんなとこあったなあ。

近代の作家の作品を扱ってるところもあって、
キリコの自画像だけ10枚くらい並んでるブースとか、
異彩を放ってて良かった。
美術館に収蔵されず、
ギャラリーが持ってる近代作品ってのもけっこうあるものなんだな。

ここでもやっぱり普段見られないような巨匠のヘボい小っさい作品がちょこちょこ並んでて、
いやあ、恐ろしいもんだ。
例えば車のスクラップ彫刻で有名、最近亡くなったチェンバレンの作品も
いろんなところで並んでたけど、手のひらサイズのスクラップ彫刻があったり笑、
ピータードイグのサムホールなんかも、
こじゃれた学生が描いたようななかなかヒドいものだった。

このような名のある作家達の多くは、とにかく大小ピンキリ、
しっかりしたものから片手間でホイホイやっちゃったものまで、
作品をものすごく作ってるんだ、おそらく。

アートバーゼルには、Art Unlimitedというインスタレーション専門の巨大ブースもある。
ものすごいデカいフランツ・ヴェストのピンク色の彫刻があったり、
ダミアン・オルテガのパーツ吊るしたインスタレーションなどいろいろ。
でかい空間の割に地味なのが多かったけど、会場のスケールの新鮮さもあり
おもしろく感じる。
映像作品もあったけど時間が無くて全部は確認できず。

いやしかしやはり膨大な数、
結局閉館時間まで7時間かけて、全部見て回ったけれど、
見落としが必ずあるだろうなあ。
昨日と作品を若干入れ替えてるギャラリーもあった。

ごたごた多くの人が行ったり来たりしていて、
じっと一点の作品と向き合えるような環境ではない。
各ギャラリー、もちろん最大限作品がよく見える展示をしているけれど、
美術館のような崇高な演出とはずいぶんと違った、
即売会なのだなあと実感。
ちなみにどの作品がいくらで売れてるのかはわからない。
赤マルつけてるギャラリーもあれば、
全くつけてないギャラリーもあるみたい。

現実的なマネー雰囲気の中、
ぐっと存在感のある作品の強さ。
作品の強さは、そのものだ。
どんな場所でも強いもんは強い。


僕のような地方に住んでて鑑賞貧乏!本物見たくて餓えている!
みたいな立場の人には、てっとり早いお得な鑑賞場。

逆に、もうウンザリするくらい作品見てる人は、
わざわざ見に来なくてもいいのかもしれないなあ。
コレクターは別だと思うけど…もう社交場だもんこれ。

明らかに美大生かあるいは卒業して必死に食いつないでるプアーアーティストと、
明らかにお金持ち風格をだしつつラフな格好のオッサン、
みたいな客層のギャップが不思議だ。

かずえさんもこの日別ルートで見に来てた。
友人宅がバーゼルにあるらしく、移動がラクそうでうらやましい。
閉館後に入り口で待ち合わせ、バーでヘトヘトになりながら感想会。
景色の良いバー。
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つーかかずえさんとどっかイベント行くと、
必ず誰か知合いに会って、オ〜!とハグ挨拶している笑
世界中に友達がいるのだろうか!?
帰りがてらアートバーゼル入り口でも、何やら気取った青年と沢山話をしてた。
後から聞けば、彼はけっこうやり手の写真家でコレクターがついているらしく、
これからブルジョワ界のパーティに行くと言って去って行った。


僕はまた国境をひょいと超えて、レラハの適当宿に戻る。
明日はまた朝一の飛行機で戻る。
時間が余れば周辺の美術館も行きたかったけど、今回は無理。

バイエラーで少し眠ってしまった後、アートフェア方面へ戻って昼食。
噂には聞いていたが、困った事に物価がベルリンの3、4倍! 
ドナーケバブー、ベルリンなら250円くらいなのに、
バーゼルだと800円近くする…!厳しいなあ
でもそれが一番安くてラクなので しゃあない。
腹ごしらえして、今度はSCOPEを見る。
Art Basel以外にも、同時期に幾つかの
若手ギャラリー系のアートフェアが開催されていて、
その中の1つ。
ザーッと撮った写真をいくつか載せますが、
前半はそれなりにパシャパシャやってても後半はバテタので偏りが…
そのため良い悪いのピックアップできてません…
雰囲気だけでも。
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ん?この抽象、ニューヨークで見た覚えが。

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おもしろいのは、こういう巨匠の普段お目にかかれないような
スーパーラフな小さいスケッチまであったりすること。
このウェッセルマンはまだマシな方で、
こんなヘボいのまで見せていいんだろうか…というのまであった。
巨匠になると、ゴミみたいなスケッチも摂取されちゃうのか。

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あ、ここはカイカイキキギャラリー。

やたらギャラリー数があるので、
睡眠不足と疲労でどんどん鑑賞力が落ちる。

次はVOLTAへむかう。
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 途中コンテナが大量に積まれててカッコ良い

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個人的にはSCOPEよりVOLTAの方が引っかかる作品多め、
あとギャラリー毎のパンフレットを挟めるバインダーをくれたり、
会場が少し離れているので、他のアートフェア会場への送迎バスを出していたり
細かい企画側の配慮が丁寧な感じだ。
体力の限界でフラフラだけど、送迎バスがあるもんだから、
ここまできたらもう一個行ってしまえとLISTEに向かう。
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このビル全部会場!うげえもう倒れそう…
LISTEは会場構成がダイナミックだったな。

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しかし、3つ通して見ると
おもしろいギャラリーもちょこちょこあったけど、
全体の空気はなんとなくシャキッとしてない感。
普通に弁当食ってるギャラリーもあったし笑

そして微妙な作品の方がだいぶ多いわけで、
そうなるととにかくものすごく疲れる。

ああ…このなんというか「周辺」の大多数感、
とにかく作品作ってる人も作品売ってるギャラリーも
めちゃくちゃ大勢いて、
自分も続けていけばこの雑多な中には
もしかしたら飛び込んで行けるかもしれないが、
その後この膨大な数のハンパな雑多な中に埋もれたまま抜け出せず萎んでいくのは、
うんんんぬぬ…
とかなんとか考え始めるとだんだん暗い気持ちになってきて、
 会場を出る頃にはうつむいちゃってんの笑。
若手を一気に見すぎるのは、健康的じゃないな!!

また朦朧としてフラフラ歩く。
バーゼル中心は、何か作ってるようだ、デカイ工事。
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でその隣でやってるのが、Art Basel!!
明日に取っておこうと思ってたが、
この鬱々とした気持ちのまま今日を終えたくないのと、
夕方5時以降はチケットが安くなるので、
下見程度に覗いて行く事にした。

さすがに、スケールのケタが違う。
通路がカーペット状でフカフカしてるところから違う!!

 そしてArt BaselのiPhoneアプリがあり事前に
入れておいたんだけど、これが凄い便利。
どのギャラリーがどこにあってどの作家を出してるのかを検索できる。
作家名でも出来るので、見たい作家から優先して探せるという、
なんという優れたガイドだ。 

というわけで、速攻でクリストファーウール検索。
ついにあの擦ってるデカい抽象作品を生で拝見することができた。
これは感動… !
スプレー吹いて擦って、どうして良い絵画に成ってるのか。
ざっくりしてるのに絵画の良さの謎を浮き彫りにしたような すばらしい作品だ。
ああー絵画はこれだよー

他のギャラリーにも別のウール作品があった。
シルクスクリーン全開の作品はあまりグッとこなかったが、
点々を打ってる作品等もけっこう良かったなあ。

その他ザーっと会場を確認し、一日目終了。これは明日が楽しみだ。
…いやまだ終了してなかった。国境を超えて宿に行かなければ。 

電車で行けるはずだったのに乗り方がわからんので、
とりあえずトラムで終点の国境前まで行く。レラハって書いてる。
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 この高速道路の出口みたいなのが国境?
なんか、人も車も普通に行き来してる… ので、
歩いて超えてみたら、何も言われなかった笑
初、国境徒歩越え!!

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あるいて10分で宿に着いた。
何とかなって良かった…

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