やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

カテゴリ:海外美術鑑賞記 > 2013冬イタリア

朝一でシューネフェルト空港からローマへ飛ぶ。2時間弱で着いた。

着いてすぐに30ユーロでローマパスを購入。
これがあればバチカン美術館やコロッセオなど、
主要観光地の何個かが無料だったり半額になったり、
しかもチケット買う為に並ばなくても良い。地下鉄も3日間無料。

今日はバチカンを見て回る予定なので、
空港着いてバチカンへの行き方をインフォで聞くと、
中央駅までバスを出してるからそっから地下鉄に乗り換えろとのこと。

事前の下調べで電車だけでいけると思ってたが間違いらしい。
言われるがままにバスに乗るも怪しいワゴンタイプだ。
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空港のインフォが言ってるし何人も同乗客がいるから怖いことはないだろうけど、
いきなりちょっと不安だよ。
運転も荒かったが無事に中央のカルミナ駅に着いた。

まだ極寒なベルリンと比べてローマは晴れてて暖かく春先のようだ。
いきなり半分車道にはみ出て腹を出してゴロッと寝てるオバサンがいる。
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着いて早々に異文化をどんどん見せつけてくるな。

地下鉄の切符販売機でも、別のオバサンが勝手に買い方を案内してきて、
2ユーロ取られた。こんな手口で攻めてくるとは…油断!

中央駅から地下鉄に乗って、バチカン美術館へ向かう。
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重厚なこの壁の向こうがバチカン市国か。

14時くらいに美術館入ったけど、そこそこ混んでる程度。
オフシーズンだからかな?

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さすがにゴシック美術もデカくて質高いのが多いし、
オエエエってなるハイレベル宗教絵画の量。

そんな中、こんな作品も発見。
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18世紀前半の作品か。
月だけじゃなくて木星とか土星とか彗星などの天体が
そこそそのディティールをもって描かれていた。

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タペストリーの間に

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地図の間。

そしてラファエロのアテナイの学堂を含む壁画群もその場でみるとさすがに感動だ。

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下の像の描写はややユルい。

意外だったのが、近代のコレクションゾーンがあって、
宗教をテーマにした作品が並んでいた。
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モランディや、ダリ、ボテロなど。ボテロはちょっと笑う。

それにマティスの礼拝堂の下絵群が大規模で!
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この先のミケランジェロのシスティーナ礼拝堂は圧倒的でもう言葉も無い。
礼拝堂は撮影不可。

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中庭。
これはさすがに他の古典美術館とは全く佇まいが違うなあ。
美術館っつーかキリスト教美術本拠地の宝殿だもんな。
まず場全体のパンチ力の重みが違う。
それに、古典イタリア美術の堂々とした存在感たるや。

すでに頭痛がしているが、
美術館隣の超でかい立派な建築のサンピエトロ大聖堂へ移動する。
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夜に何か始まるんだろうか?椅子がたくさん並んでいた。
閉館間際なので、残念ながらクーポラにはもう登れず遠目に形だけ拝見して、
聖堂内部に入る。
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いきなりピエタに…
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この圧倒的スケール感…。

極めつけはベルニーニの司教座と天蓋。
突然明るくライトアップされてギラギラ見える!
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なんじゃこりゃあ。
これがカトリック総本山か。
キリスト教美術の本気はこちらを茫然とさせる。
人間の造形レベルの限界値を浴び続けておかしくなるわ。

いろいろ見て回って来たけど、
コツコツ勉強してきた美術の歴史には、
こんなにも凄まじいスケールと技術と精神性を持った作品が堂々と存在するのだね…
と今さら何をアホの如く実感しとるんじゃって感じだよ。
全盛期のカトリックの力と美術の力に色々な種類のショックを受けた。

すっかりヘトへト。
日が落ちて、すぐ近くの予約してたホステルに向かう。
どうも普通のアパートの中らしい。
チャイムを鳴らしても反応が無いので、電話をかけてみる。
出ない。あれ…どうなってんの!?
しつこく何度もかけてみると、オッサンがでた。
超カタコト英語で「今向かってるから!」って切られた。

しばらくしてオッサンは現れた。
いかにもイタリア人な、愛想のいいオッサンだ。
オッサンというか、おじいちゃんだ。ジョージという名らしい。 

アパートの中に入ると、
ユースホステルというよりはジョージの部屋貸しって感じだった。
部屋に入って一息ついてると、
隣の部屋からはジョージのお年寄り特有の呼吸音が常に聞こえる…

これがイタリアのユースホステルスタイルなのだろうか。
初ホステルのY子に誤解されないように、これは異例だと説明する。
wifi来てるし安いからイイんだけどさ。 
…イタリア、今までの国よりクセものだな。 

ローマ2日目。
ジョージの目覚ましの音がピピピピ隣の部屋から聞こえてきて、止まる気配がない。
こっちが出発準備してるうちにようやく目覚めたようで、
最後にお礼を言って宿を出る。さらばジョージ。

快晴の朝、歩いて移動。
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サンタンジェロ城

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ナヴォーナ広場を通過してパンテオンへ向かう。

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パンテオンのドームの外壁。
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デカくて近くからだと写真に収まらん入り口。
朝だから空いている。

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朝から目が冴えるような神々しさ。
完全な半球型のデカくて美しいドームの天井には
タレルの作品を思い起こすような穴があいていて、
光が入ってくる。
これが紀元前の建築というし、 歴史の尺の長さが違いすぎる。2000年。
ラファエロなどの偉人の墓もあったり。
ちなみにY子がローマで一番見たい場所はパンテオンらしかった。
パンテオンが何なのかよくわかってなかった自分。歴史好きのY子がいると勉強になる。

さらに歩いてコロッセオ方面へ向かうのだが
そもそもローマのこと自体よく解ってなかったということが
歩きながらわかってきた。
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次々に遺跡やら巨大建築やらが現れるじゃないか。
パンテオンは飛び抜けてるにしても、街全体の歴史スケールがハンパない。
ローマってこういうのがボンボコ残ってる街だったんだ…と考えてみりゃ当たり前なんだけど実感としてすごい。
事前イメージが相当漠然としていたために、いちいちびっくりだ。

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コロッセオが見えて来た。でけえ!
コロッセオもこんな街中心部に残ってるってのは来て初めて実感した。

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ローマパスで行列をスルー!

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中も圧巻。
しかしいやーこんなバカデカいのを作らせて、奴隷を殺し合いさせてたって
権力と文化ってのはなんなんだい。
博物館ゾーンも充実しているようだったが時間が無いのでサラッと回る。

隣のフォロ・ロマーノも時間スケールを飛ばす異空間だ。
結構信じられないレベル、
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悠久の… 遥かなる…
というフレーズが勝手に頭に浮かんでくるわ。なんなのホント。

古代から今度は一気に現代美術へシフトしてみる。地下鉄と市電を乗り継いで
最近できたというMAXXIという現代美術館へ。ちょっと郊外にある。
建築はなんとザハ・ハディドってことで初ザハ建築訪問。
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ザハにしちゃ思ってたより地味な印象だけど十分未来的なデザインではある。
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展示室を繋ぐ通路もSFっぽい。展示撮影は不可。
またしてもなボエッティと、W・ケントリッジの個展、ドクメンタな顔ぶれ。
展示自体はもちろんどっちも面白い。
けどちょっとやっぱりクセのある展示室だなあ。
古代のインパクトが強すぎたのか、疲れてるのか、
ああこんな感じか〜っていう程度にとどまる。

カルミナ駅まで戻り、徒歩でまた移動。
サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会へ。
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びっしり施された装飾的な絵画彫刻群!!
ベルニーニの力量を存分に味わえる。
今の現代美術を順に遡っていくとこれらの表現に辿り着くっていう
実感があまり湧かない。

もうちょい歩いて、
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サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂にも。
撮影に失敗して真っ暗だが、グリッドの効いた直線的な構造でこれはこれでまた荘厳だ。

もうだいぶ疲れ果ててしまったんだけど
次の電車まで少し時間があったので、
せっかくだし!を合い言葉に、また地下鉄に乗って無理矢理近代美術館に行く。
地下鉄降りてからが意外に遠くて大きなボルゲーゼ公園を駆け足で通過し
閉館30分前に辿り着く。
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お、レディメイド。しかし点々と存在してる透明の動物がダサいんですけど…

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さすがローマ、良いトゥオンブリ。
でも、もっと大体的にブワッとあっても良いかと思いきや一点のみ。

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未来派とかキリコとか。

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突然クリムト、しかもこれ結構良い。

と、もの凄い駆け足で拝見したので作品に失礼かと思う。
揃ってる作品はそこそこだけど、
展示構成などがちょっと微妙で大きな首都の近代美術館にしては地味だ。


死ぬ程疲れた。
ローマにはまだまだ、さっきのボルゲーゼ公園内にあるボルゲーゼ美術館とか
もう一個現代美術館のMACROなどもあるし、
あとはスペイン広場とかトレビの泉など主要観光地もカットした。
1泊2日ではさすがに見きれないボリューム。

グッタリしてカルミナ駅からフィレンツェへ移動。
電車で2時間弱で40ユーロくらい。イタリアは電車が安いな。

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到着。やはり駅前にいきなり大きな教会が。
ローマよりはだいぶ穏やかな空気感。

そしてフィレンツェで予約してたホステルに到着したらまたアパート。
さらに今度は、80歳くらいのおばあちゃんが出て来て、またも部屋貸し風…
やっぱりこれがイタリアスタイルなの!?
しかもwifiのパスワード教えてもらうけど、どうも間違ってるらしい。
おばあちゃんだから全然わけわかってないらしく、
いつまでたっても正しいパスワードがわからないのでネット断念。 
う〜ん、いつも宿で翌日以降のプランのディテールを詰めていくのに、
調べものができないのは困るな。 

朝一でまずはウフィツィ美術館へ。
主要ポイントにはすべて徒歩で回れる距離だ。
細い石畳の道に入ると今が何時代なのかわからなくなる。
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ウフィツィ美術館も撮影禁止で、
クロックもないので、ちと辛い。
つい最近、天井の一部が落ちたってニュースになっていたが
確かにボロい笑

入場するとびっくり、なんと客の8割が日本人!
そうか今大学も春休みシーズンだし …つってもこんなにもか。
お金のない美術家はなかなか実物を見に行けず、
お金のある皆様はガンガン実物見に行ってるのね、なんか皮肉なものだ。

しかしちょっと注目してみると、
そのほとんどはツアーの団体なので見ているとけっこうなスピードで
超有名絵画の前でのみ簡単解説を聞き、去ってしまっていた。
ああ勿体ない…あれだと「鑑賞」と言うより「確認」って感じだな。
次々と違う日本語の団体に抜かされながらの鑑賞はなかなか落ち着かん。

僕の美術館での好きな光景のひとつは、1人で来てるお客さんが
じ〜っと長い時間1枚の絵と向き合ってる佇まいだ。
男女問わずあの光景はとてもセクシーであるので
よく写真に収めてしまう。鑑賞とはアレだよな。
 
ここではボッティチェリのヴィーナスの誕生や春、
ダビンチの受胎告知などの
超有名級の古典絵画はもちろん、
他ではあんま見ないギルランダイオがたくさんあったりした。
ベルリー二の数点も不思議な構成で良い。
フィレンツェでなら見れるだろうと思ってたポントルモも数点。良い。

後半は大掛かりな改築ゾーンがあったのでもっと拡張するんだろうな。
まともに見たらここも丸1日かかるボリュームだなあ。

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途中休憩ゾーンから、ブルネレスキのドゥーモのクーポラが見える。
壮大だなあ。
路地が狭いので歩いててもなかなか全貌が見えないんだよな。

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その後ヴェッキオ宮殿をチラ見する。
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次に、ドゥーモ。美しい!
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内部からみたクーポラはこんな感じ。高い…!

今日も天気に恵まれたので、
もちろん、登ってみた。
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いや〜、素晴らしい。
ここまで来てもやはり日本語がたくさん聞こえてくる。

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上り下りの通路もらくがきだらけ。

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途中、さっき見上げてたクーポラの縁の細い空中通路を歩く。
もちろん柵はついてても、股間がキュ!となる高さで怖いです。

巻いて紹介。次は少し南下してヴェッキオ橋を通過して
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サンタ・フェリチタ聖堂へ。
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ポントルモの傑作、
十字架降下を見る。すばらしい。
暗くて見ずらいなと思ってたが、
隣のおばちゃんが横のマシンに1ユーロ入れたら照明がついてハッキリ見えるようになった。
教会もなかなかアコギなことをする。
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いろんな十字架降下を見て来た中で、
このポントルモのはやたらカラフルなことと
キリスト含む人物の配置が不思議だ。
シンメトリーを少し崩した様な。

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もう少し南下。ああ〜ピッティ宮もみたかったが既に疲れ果てて、もう夕方だし
もうだいぶお腹いっぱいなので今回は断念する。
まあ古典絵画はパッと見の情報量だけで凄まじいので、
本来一気に量を見るもんではないよなと自分らを納得させる。

そこから西へ。 
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サント・スピリト聖堂。高密度の街の中に突然あらわれる、
このスパッとしたファザードはめちゃキレイだ。
これもブルネレスキの建築のようだが、実際は未完のまま終わってるみたい。
中も整然と洗練されていて美しいのだが、疲れ果てていたせいで
撮ってねえという…。
ドゥーモの階段が相当効いてるな…

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さらに西へ歩くとサンタ・マリア・デル・カルミネ教会。
ここはどうしても見ておきたいのだが今日はタイムアップで
着いたらちょうど閉館しちゃった。
宿から近いし明日の朝に見に来よう。

フィレンツェ歴史地区はほぼ歩いて回れるサイズなので良いな。
イタリアに入ってからひたすら教会を周り続けて変な気分だ。

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夜近所のレストランっぽいところで食事してたらwifiが飛んでる事判明。
急いで調べものを済ませる。
出発前からチェックしてた、ミラノの最後の晩餐を見る為の予約が
ずーっとできないままだったんだけど、
ここにきてキャンセルが出て予約に空きができた!即予約。
よしよし順調だ。 

2日目。まずは再びカルミネ聖堂の中にあるブランカッチ礼拝堂へ。
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初期ルネサンスを代表する壁画群で遠近法と人物描写のリアリズムで有名。
その後の多くの古典巨匠達がここを訪れたとのこと。
まだ未読の岡崎乾二郎さんの「ルネサンス 経験の条件」の予習もこめて鑑賞、
っつーかここを見てからじゃないと読めん!くらいの勢いで来た。
マザッチオの楽園追放などは部分にすぎなくて、
複数画家によって描かれた複数パネルの場面に別れた構成だった。

…が、やはり、微弱な知識では宗教画の場面がわからない。
構成だけみると、上下左右で似た様な配置取りのバリエーションを展開している。
う〜ん、これを一体岡崎さんはどうやって論じているのだろうか。
そっちの方が気になってくる。

モヤッとしたまま今度は東の方へ。
これはウフィツィの裏あたりから振り返ったヴェッキオ橋。
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 次はサンタ・クローチェ教会へ。
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壁の色使いがピンクと緑でかわいらしい。
改築中で足場が組まれた礼拝堂の横にジョットの壁画、
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かなり剥がれていたが、それも含めていい感じ…

とは言え、やはりさっきのブランカッチ礼拝堂と同じく、
良い悪いがよくわからない。
というのも当時の人類の描写力は、
ルネサンス最盛期からみるとずいぶん劣るし、
その時代のトレンドの差も今ほど極端ではないので、
どう特筆すべき存在なのか実感しづらいってのはある。

ジョットの描写だからっていうよりは
この教会の壁画の存在自体が凄いっていう感じ。
スケールに驚き、フレスコの淡い色調と
背景のブルー(もジョットに限らず)の美しさ、
今もなお描かれたものが残っている歴史的事実に感動してるだけかも。
描かれたモチーフへの理解も乏しい。
ん〜、悔しいななんか!!!

遠い文化の遠い時代の芸術作品にモヤモヤすると同時に
その時代背景を知って、当時どう受け止められたのかを理解したい
気持ちが沸々と湧いてくる。

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中庭はゆったりと。

そしてここにはマキャベリ、ミケランジェロ、ガリレオガリレイの墓があった。

これミケランジェロ…人様のお墓を撮るのもなんかアレですが…
やっぱ絵画と彫刻がセットでゴージャスになっとるのでつい。
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こっちガリレオ。
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かっけええ。この像を予備校の石膏像化してくれたら、
もっと描きたい意欲もあがってたことだろう。

次はサン・マルコ美術館へ。
撮影不可。
壁に描かれたフラ・アンジェリコの受胎告知を拝見。
すばらしい。
この辺までくると、素直に光との関係や描写の美しさに惚れ惚れする。

ズラリと並ぶ小さな各僧房ごとに、
主に十字架に架けられ血を流すキリストの絵が壁に描かれており、
ウォーホルかと突っ込みたくなるその連続出血に
さすがにううう…と精神的にヤられる。

もう何度も思っているが、
犠牲推しな感じ、血がピューっと、死人オラオラな
宗教画、こっちの文化圏に馴染んでいれば
違和感無く受け入れられるのだろうか。
ってことをY子にも聞いて見たら、
キリスト教の世界観はそれなりに知識として知ってるし
別に違和感ないそうだ。むしろ教会にいると不思議と落ち着くらしい。
そうなのね…オレは感動はするけど異文化すぎて落ち着かんなあ。
とは言え寺に行っても落ち着かんけどさ。フィットするのは神社くらいだな。

ここで連れのY子の様子がおかしくなる。
不自然なほどにダビデ像を見るのを拒否し
近くのカフェで待ってるという。

というわけで単独でアカデミア美術館でダビデ像を見る。
デカいデカいとは聞いていたが、マジでデカい笑
人の等身大を数倍超えた大きさなのに生きてる様なリアリズムが崇高っぷりを
倍増、その上高い台座に真上からの採光っていう見せ方さすが。
手前の掘りかけの人体像も、石の固まりから人が出て来てるようでおもしろかった。
撮影禁止。

その後、駅前のサンタ・マリア・ノヴェッラ教会を見る。
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ギルランダイオーの祭壇画。
さっきのブランカッチ壁画と比較してみると、
描写の臨場感はこちらのほうが後の時代だしリアリティもあるが、
ブランカッチの方が全体のバランス感に不思議さは確かに感じる。

ここでY子がもう限界宣言をしたので、
もう歩くのを止めて電車で早めにヴェネチアへ向かう事に。

どうもこれは風邪っぽい。前日のドゥーモ登りが効いたか。
まじかよ〜ヤバい。やっぱり詰め込み旅でムリさせすぎたかなあ。。。
まだ前半なのに、ここで足止めは仕方がないにしても、
風邪がうつって2人してダウンしたら予定がパアだ。
早く安静な状態にして寝せてなんとか治さなければ。

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移動。イタリアは山が多いので、この後はトンネルばかりだ。
着く頃には日も落ちたけど、海を渡ってヴェネチアに突入する感じはテンション上がる。
2時間弱でヴェネチアに到着。
駅から降りてすぐに船のザザアという音と運河が目に入って
自分はおお〜ってなってるが、Y子はもうほぼ死んでいて宗教画の中にでてきそうで不憫すぎる。

今度のホステルは駅から橋一個だけ渡ってわりとすぐのとってもマトモなところだった。
2人部屋を取ってもドミトリー料金とほとんど差がないので良かった。
病人を寝せて翌日の計画を練る。
まだベニスを300mくらいしか歩いてないが、すでに明らかに他の街と様子が違う。

一晩寝ても、Y子は回復しなかった。まったく歩けないと言う。
この日のみのヴェネチア視察なので、なんともかわいそう。
仕方がないのでY子は寝たまま、自分だけでヴェネチア探索することに。
しかもイヤミなほどよい天気!!暖かい。

まず近くのサンタ・マリア・グロリオーザ・フラーリ聖堂へ。
内部撮影不可で、なぜか外観も撮り忘れてるけど大きな聖堂。
ティツィアーノの大きな祭壇画「聖母被昇天」がある。
堂々としていてくっきり構図と色で画面を作っていてインパクトがある。赤いな。
そうかティツィアーノはイタリアの中でもヴェネツィア派か。
ちなみにヴェネチア派の絵画は基本的にボソボソした感じが
あまり好みでは無かったのだけど、
ドラクロワやプッサンの荒めの筆の置き方をみると
この辺りからの影響というのが大きかったのだと想像できる。

しかもティツィアーノはこの聖堂に眠っているらしい。

さらに歩く。ちょっと歩いてすでに驚き。
車の走ってない街ってこういうことだったんだ。
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車が走る時のしゅんしゅん風を切る音がなく静かだし、
あのスピードで動くものが街の中に無いので、
時間の流れの感じ方が違う。
小さい水路だらけで、どこ撮っても絵になる。
こんな街が存在しているんだなあ。
実は最初はプランにベネチアは入っていなかっ
たのだが
皆に「イタリア行くならベネチア行くべき!!」とゴリ押しされたので
旅直前にローマを一日削って無理矢理ベネチアプランを捩じ込んだのだった。
その甲斐あったな。

こりゃしかし迷路だな。僕は割と地理感覚は優れてる方だと自負してるが、
地図をみてもけっこう迷う。
地図無しでは現在地がさっぱりわからんくらいの入り組んだ街並で
迷いながら西エリアを南下。
う〜ん歩いてるだけで楽しいぞ。
こんな街でビエンナーレをやるわけだね。なんて贅沢なんだろう。

アカデミア美術館へ。
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ここにはダヴィンチの「ウィトゥルウィウス的人体図」ってあの有名な
人が手を拡げてるドローイングがあるのだけど、
ドローイングなのでたまにしか展示しないらしい。

期待して入ってみたけど、展示されてなかった…残念!
ヴェネツィア派祭りな展示、
ティントレットが異彩すぎてちょっと興味湧く。

あと、ジョルジョーネの「嵐」があった。
予想以上に小さい絵画。一見なんてことない風景画なんだけど
意味深な人や背景と主題を散らしたような構成が不思議な絵だ。

ところでイタリアに来てからあの美術館無料カードが全く使えなくて
入場料が厳しいんすけど、このアカデミア美術館だけは使えた。

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運河の対岸に渡り、パラッツォ・グラッシへ。
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しかし、今は展示をやっておらず閉まってた。調査不足!!
諦めて南下。

グッゲンハイムコレクションへ。
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最強にゴージャスな別荘感。ハイカルチャー過ぎて挫けそう…笑
とか思ってたら中庭にはペギーさんのお墓まで。晩年の家がここだったのか。
とてもシンプルなその墓の横にオノヨーコのfor Peggyな短冊の作品があったりして、
いやあなんというか、ハイな世界だけど美術愛に満ちている空間だなあと思った。
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これポロックの部屋。この縦長の作品なんかみてると
ピカソとマティスを自作の中に取り込んで絵画空間を生み出そうとしてることが
よくわかる。
奥の小さな企画室ではイタリアの現代絵画展やってて結構おもしろい。

さらにちょい南下。
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するとプンタ・デラ・ドガーナがある。
ここ、ここ、ビエンナーレでもないのにヴェネチアに来たからには
ここが見たかったのだ。

フランソワ・ピノーの財団の美術館で、安藤忠雄が改築したところ。
撮影禁止だがさすがに超有名作家だらけ。
ロニ・ホーンの透明なオブジェや、カテランの馬、
キーンホルツの部屋インスタレーションなどが大きな展示室に並ぶ。
何と言っても晩年ポルケの黒い連作がクソ良かった。
これたぶん数年前のビエンナーレ出品作だよなあ。
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海がグリーンでキレイすぎる…!

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屋外のチャールズ・レイのこれで締め。カエルはなんの象徴なんだろ。



昼過ぎまで満喫しヴェネチア前半戦終了。
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途中、病人に頼まれていたバナナをこの果物屋で買って
一度宿に戻る。
僕も今日の飯はバナナとみかんでいいや。バナナは安くて腹持ちも良いのでいいな!
貧乏旅行で食に困ったらバナナが良い。ヨーロッパ果物が安いからな。

宿で病人にバナナを与える。
相変わらずグロッキーで、少しの散歩もできないようだ。
こりゃもうヴェネチア観光は無理だな。

バナナを食べている間、いかにヴェネチアの風景が素晴らしいかを伝えて嫌がらせをする。
今度は駅前からヴァポレットに乗って水路を行く。
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右の平たい建物が駅です。
名物ゴンドラは高価すぎて乗れるわけないが、
ヴァポレットはバスや地下鉄感覚で運河を進んでいくのでこれでも十分。
つっても一回700円くらいでこれもけっこう高いんだけど…。 
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乗る。
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迷路を徒歩で行くのとはまた別感覚の風景、おい楽しすぎるだろ。

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さっきのグッゲンハイムを運河側から望む。

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プンタデラドガーナ付近も。

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40分くらいかけて、サン・マルコ広場へ。大きなブランド看板、違和感ない?

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おおおおお、この光景!カナレットの絵画で何度も見たことあるが、あのまんま!
あの光景の中に、ブランドショップや変な土産屋が入っとる!!

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 サン・マルコ寺院の豪華モザイクを見る。

隣のドゥカーレ宮にはティントレットの超巨大な油彩などがあるようで
入ろうか迷ったけど、だいぶ入場料貧乏になってきてるし
すでに今日の鑑賞キャパに限界が近づいて来ているため今回は断念。

きっとヴェネチアはビエンナーレもあるし
いつかまた来る事になるから大丈夫だろう。 

観光客だらけの広場周辺から少し裏道に入ったところに、
静かな広場とサン・ザッカリア教会がある。 
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壁にびっしり絵画があるここの目玉作品は、
ベルリーニの「玉座の聖母と聖人たち」。
上品オーラのでてる美しい絵だった。

ここからまた徒歩でホステルまで戻る。
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細い道のノリのまま観光客が溜まる買い物通り。
カンペール、日本の半額くらいで売ってるぜ…

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主要ルートを離れると、
観光客の全然いない、市民の憩いの場らしい広場があったり。
この街に住んでるってどんな感じなんだろうか。

さて薬屋さんを発見し、
身振り手振りをフル活用して風邪薬を買って帰る。
さすがに英語が少ししか通じない上、
症状の説明とか、何錠飲むとか質問しなきゃならんので焦った。

宿に戻って薬を開けてみると、
メントスくらい恐ろしくデカい錠剤が入っていた笑
このくらいのじゃなきゃ、体のデカいヨーロッパ人仕様の風邪は退治できないのか?

巨大錠剤2つぶ、苦しみながら飲む病人を哀れみながら、これも旅の思い出と写真に収める。
ホントは今日のうちにミラノに移動する予定だったが、
Y子の調子が戻らんのでこの宿にもう一泊して明日の朝一でミラノへ向かう。
宿のおっさんめちゃやさしくていいわ〜。 

ヴェネチア朝、
Y子もなんとか移動できる程度には復活したようだ。薬強ええな。
宿の朝食を頂く。パンがうまい。

よし朝一で出発。
Y子は結局、駅から300mしかベネチアを体験しないまま。いつかリベンジですな。
ミラノへゴーだ。
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ベネチアから海を渡って陸側へ。美しい!
千と千尋の列車シーンのイメージソースはここなのかな。
また移動2時間程。

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時間の都合でミラノで見るのは基本「最後の晩餐」のみ。
イタリアで一番現代美術が盛んなのはミラノらしいのでちょっと無念。

中央駅。立派。
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そのまま地下鉄で、
最後の晩餐のあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会へ向かう。
予約時間の20分前に着いてチケット貰わなきゃならんので急げ。

ミラノはどうも今までのイタリアの都市に比べてガサついた印象な上に、
ついに地下鉄内で女スリ4人組(たぶん)に出会った。
わけわかんねえことを話しかけられて油断したらカバンを触ってたので
何んなんだオイって顔したら去って行った。何も盗られなかったがマジでいますな。 
一気に印象悪い!ファッションな街ってイメージから怪しい街へ。

特に迷う事なく無事に教会到着。
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最後の晩餐は完全予約制で、
ギリギリまで予約が取れなくて半分諦めてたのだけど、
フィレンツェで晩飯食いながらwifi借りて予約サイト確認したら予約が空いたので超ラッキー。
ちなみにオフシーズンの平日なら、
朝一で並べばキャンセルが出て入れることもあるらしい。
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チケット売り場。後ろに最後の晩餐のパネルがあるんだが、
めちゃ発光エフェクトがかかってて笑える。

鑑賞は15分限定で、一度に30人くらいしか入れない。もちろん撮影禁止。
展示室に入るまでに3つの自動ドアを順番に通過して行く。
それは湿度に弱い最後の晩餐の劣化防止のためらしいが、
それが仰々しい演出にもなっていて良い。
たった1枚の絵を見るのにこんなドキドキさせてくるとは。

ついに最後のドアが開くと、
広いスペースの高い位置に「最後の晩餐」が。
一緒に入室したお客さん達との、うわ〜… という気持ちの共有感がハンパねえ。

今まで見て来たレオナルドの絵画に比べて圧倒的にサイズが大きいし、
フレスコなので色がとても柔らかい。
色だけでなく、画面に描かれた空気の感じや人物の感じも柔らかだ。
初めからこの1枚を見に来ているし時間制限もあるため、
集中して絵画体験できる。感動!!!

先日フィレンツェで見たばかりの、
若い頃のレオナルド作品「受胎告知」は
逆にレオナルドの中でも固かったので、ずいぶん違うもんだ。

しかし修復士もまた、凄いなあ。 
数年前まで修復してて見れなかったんだもんね確か。

広い部屋の反対側の壁には、もう1枚大きな絵画があってそれは
戦争で破壊された教会で最後の晩餐と共に生き残ったものらしい。
それと最後の晩餐のレリーフもある。
ただ、鑑賞時間があまりに限られているので、
皆やっぱ最後の晩餐に集中しちゃう。けっこう可哀想な作品達だ。 

いやーこれはわざわざこのためだけに寄った甲斐があった。
しかも電車までの時間が少しあったので、ついでに寄り道。
ベタにドゥーモへ行ってみる。
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ゴシックスタイル!でもケルンには及ばず!中にはコレと言って目玉作品も無く。

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目の前の広い広場には人がごっそり。
ここもなんだかガサついていて治安がイイ感じがしてこないなあ。

中央駅から今度は南仏ニースに向けて出発。さらばイタリア!

一度乗り換えありの約6時間で、
国をまたいでも値段はやっぱり1人4000円くらい。
地中海沿岸の夜景街並を見ながら23時くらいに到着する。
まさにリゾート地っぽい!
駅から徒歩5分くらいの、お兄さんが親切なホステル泊。 

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