やまもとのグレーゾーン

札幌の絵描き山本雄基のきまぐれ雑感と日常。

2020年10月

北海道の感染者数は69人とさらに増加してる中、
必要画材を調達しに大通りへ。
人出はフツーに多い。
土曜日でしかもハロウィン？仮装やメイクしてる若い人がたくさんいる。
若い人はそれでいい気もする。
ニュースでは感染数の増加をシリアス気味に伝えているけれど、
Goto関連で、感染者が増加するのは当然誰でも予想できる展開なので、不思議にも思わない。
想定外のスピードで増えてるのかな。その辺の増加率も見越した上での政策なんだよねえ？


せっかく大通に来たので、ネバーマインドザブックスに立ち寄り(すごい盛況！感染予防策も大変そうにこなされていた)、テラス計画で福嶋薫さんの個展をみて(大胆な描きっぷりがいい。倍くらい作品あってもいいくらい)、画材を買ってスタジオへ。

最近は黙々と次ターンのキャンバス貼りとアクどめ塗りを進めている。

と、昨日に続いて今日もドイツのギャラリーとスカイプ。
会場でこれまた遠くからご家族揃って来てくれた常連さんとやりとりしていたら、
高さ2m30cmある一番大きい作品が他のお客さんに売れて、
残り1点となった2番目の大作もご家族が最後に決めてくれて、
あっというまに両方売約済みになった。
これで会期2日目で完売！！！こんなスピードは初めてなのでびっくりだ。

ギャラリーのみきこさんとは気持ちで握手と乾杯！！
こんな感じだから、次はもっと沢山送ってとラブコール、、、手を動かさねば。

だいぶ肌寒くなってきて、布団から出るのが辛くなってきた。
そりゃあ10月ももう終わるんだものね。

昼過ぎから、naebonoにお客さんが来て、某企画のためにヒアリングを受ける会。
ここに来れば、プロとしてやってる美術家の知見が集まってる、
みたいな場所にしたいというのもnaebonoのひとつの理想形なので、
こういうヒアリング、ありがたいし、意識の共有もできる。気持ちがアガる。 

その後、
行きつけの中華屋さんで月イチのスペシャルラーメンを食べて、またアガる。 

その後、
先日購入した作品が届く。さっそくアトリエの壁に架ける。いいねえ。アガる。

その後、
今日のメインイベント、ドイツの個展のオープニング。
タイトルに「ハローの場」とつけた。
こんなご時世なので、堅苦しい小難しい印象もいらんだろうし、
自作の軽さや根本的な構造みたいなところにリンクしそうな響きを重視した。

渡航はできないので、ギャラリーとスカイプで繋いで参加することに。
あちらは来週からロックダウンが始まるくらいには新コロナ状況はよろしくない。
空間の人数制限もありなので、いつものようにガヤガヤとはいかない様子。
そんな中でも、みんなマスクして(洒落たマスク率高し)、お酒も飲まずに(信じられない)、
見に来てくれている。
個展のたびに喜んでくれる常連さんもずいぶん増えたので、
画面越しに久々のご挨拶だ。
冬にコラボしたフラボアの服を来て参戦したので、皆さん反応してくれたり。
IMG_4708
深夜のスタジオのこの感じのまま、綿布をまだ張ってないパネルを台にして、ひとりパーティに参加する変な感じ。
展示の評判も上々で、皆さん喜んで素晴らしい！と言ってくれる。
春に出来たカタログのエッセイではジョセフ・アルバースを引き合いに書いてくれてたので、
アルバースの色彩理論の話をお客さんとしてみたり。この辺がさすがにドイツ、、、バウハウスの国だなあ。
いつもと比べればさすがに寂しい人出ではあったけど、
わざわざ初日から足を運んでくれる人がこれだけいてくれるんだから、嬉しい。
今日は人混みを考慮していけないけど、時期をずらして必ず行きますというお客さんも多数。

そんなこんなで、
オープニングのパーティまでに、16点中14点が売約済みとなる。ええ！？
中にはドレスデンから電車で4時間かけてハンブルクまで来て、
購入作品を決めてそのまま帰っていった方も、、、
正直全く新コロの影響が読めなかったので、まさかこんな早い展開は予想してなかった。
しばらく生きていけそうだ！！！アガるアガる。

こちらの朝5時(向こうの夜9時)までオープニングは続き、
久々に夜更かしをした。 

状況的に来場できないお客さんも多いので、
会期スタートと同時に、展示風景の動画も公開されることに。
ぜひご覧ください。
https://vimeo.com/477946949

起きたら、スタジオ連絡用のメッセンジャーで、
ネズミが罠にかかった動画が！
動画越しに動くネズミは、かわいらしさもあるものの、
コイツが糞をしたりキッチンにいたずらしたり何より大量のハエを呼び込んだと思うと、
やっぱり、ムキー！！
管理人さんが、一番嫌な処分の手続きを行なってくれたようで、感謝、、、 
次の心配は、一匹で終わるのかどうかだ。

そんなスタジオに今日は行く間もなく、
来月半ばに引っ越しすることになったので、
火災保険の説明を聞いたり、本契約をしたりと半日バタバタ。

夜は近所の絶品ピザ屋で密談。

明日の日本時間夜から、ドイツの個展がスタートする。
すでにウェイティングリストのお客さんがざわついてるようで、幸先よさそう。
11月2日から向こうは軽度の再ロックダウンに突入することが決まったらしいので、
オープニングは滑り込みセーフといった感じ。
明日はスタジオから、オンラインでオープニングに参加する。

個展情報

Yuki Yamamoto

PLACE OF HELLO
30. October - 4. December, 2020

Mon-Fri 14:00-19:00 A Sat 13:00-18:00

Opening Reception: 30. October 16:00~
Mikiko Sato Gallery
www.mikikosatogallery.com
Supported by EU Japan fest

山本雄基 個展 「ハローの場」
2020年10月30日~12月4日
火~金 14:00-19:00 土 13:00~18:00
オープニングレセプション 10月30日16:00~
ミキコサトウギャラリー 助成: EU Japan fest

 Yuki Yamamoto_DM_01

Yuki Yamamoto_DM_03

今年はフルでオンライン参加している、美術家加藤巧くんの勉強会、Vehicle。
今夜はジェスモナイトを学ぶ会で、ウチのスタジオからも複数参加。
事前に有料サンプルを送ってもらっていたので、会の前にその辺に落ちてるものを使って遊んでみた。

正確にグラム数を測ったり、粉物を扱ったりするのは、
料理しかり、大の苦手である。 
が、この手の素材としては匂いもなければ癖も少なく、
扱いやすい気がする。思った以上にカッチカチになる。
実験は必要だけど、アクリル絵具と混ぜて着色もできたりと、ぶっこみやすそうだ。

1980年代中盤にはイギリスですでに開発されてた素材でレイチェル・ホワイトリードの階段の型抜き作品、あれもジェスモナイトなんだとか！ 
それにしても、ロバート・ライマンも長年素材のエキスパートとタッグを組んで制作に取り組んでいたと言うし、アイデアを実現させるための素材アドバイザーの存在、結構デカそうだな。


ピンクのアクリル絵具を混ぜた実験では、硬化が弱くて簡単にヒビ入っちゃったな。（※ その後4日ほど経過したらバラバラになった破片はカチカチになっていた。）
心置きなく失敗に向かう。
自分の普段の制作ラインは基本的にかなり決まりきってるので、
こういった新素材にラフに触れる機会は、思わぬアイデアに繋がる可能性もあるし、
創作の初期衝動の地点に戻れるような気分になる。
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税理士さんのところへ、9月までの収入状況を渡しに行く。
今年は展示が無くなるやらでもオンラインになるやら、
給付金が入るやら、海外で結局展示はできるやら、
でも飛行機には全然乗ってないやら、
変則的なことばかりで、収支が全然わからんのでちょっと早めに確認してもらうのだった。 
青色申告を始めると同時に税理士さんにお任せするようになってから3年目、
確定申告の準備、大事ですわ。 
美術家の場合、けっこういろんな物が経費になるので、
ちゃんとやっておいたほうが良いし、
今年の給付金関係の申請でも、毎年の収入がはっきり出ている方がやりやすい。
計算の結果で、どのiPhone12を選択するかが決まる(笑) 

トオンカフェで佐藤一明さんの展示をみて、
夕方から制作するなど。

スタジオには、カゴ型のネズミ捕獲罠とネズミ向け超音波マシンが設置された。 

ハンブルクより、30日から始まる個展のインストールの様子が届く。
自分がいないのはやはり初めてだけど、
もう4度目の個展、空間の想定もインストールのメンバーも慣れてるのできっと大丈夫。
だいたい作品の場所も決まり、自分が想定していた最初の配置プランとはだいぶ変わったけど、
なんか斬新な配置で、画面越しでも、良い展示になってる気がするぞ。  

東京からお客さんがわざわざ作品を見にスタジオビジット。
空港からレンタカーで直接スタジオに来られて、
作品を見ながら話し、1時間ちょい、
そのまままた空港に戻って行かれた。
ホントにここに来るのみで札幌まで来てくれたの！？

数日前に同じこと書いたが、
一緒に仕事したことある人でも、スタジオまで来てくれたことない人もいるのである。
この感染症下で僕のスタジオで作品を見るためだけに札幌まで来てくれた、
という心意気、こういうのにはグラっときちゃいます。
駆け足で他の作家の部屋も見てもらった。
来年、楽しい展開になりますように。
 


と、一件仕事を終えたところに、
共有の水場を見ると、ネズミがイタズラした痕跡が、、、。
ココアの缶やら、出汁の袋やら、ベニヤの出入口やらに噛み跡、
爪楊枝を棚から落下させている。げええ。
数日置いている、ペタペタ罠に引っかかる気配はない。 
ネズミ、賢いな。 


ギャラリー門馬でミィーティング。窓からみた紅葉が見事。image

制作が本格再開しミチミチになる前に、
家とスタジオまとめて掃除。

明日、東京からお客さんがわざわざスタジオビジットに来る予定があるので、
特にスタジオは見栄え良く。
今年は新コロナで naebonoのオープンスタジオも開催しておらず、
外向きモードになるのは久しぶり、作品もギャラリーっぽく並べて、
ちょっと気合い入れる。 
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去年、なえぼので参加させていただいた、
相模原のSUPER OPEN STUDIO、
今年は新コロナでやはり変則的な開催となるようだけど、
嬉しいことにその中のオンラインイベントに再び呼んでもらえることになった。
1day Open Studioというイベント内のステイスタジオミーティングという枠だ。

https://1dayopenstudio.live

今日はそのZOOM収録日。なえぼのからは自分と大橋君が登壇役で、
複数のスタジオを繋ぎ2時間ほど共同スタジオについてのあれこれのトーク。 
それぞれの軸の作り方の絶妙な違いが面白い。
何より、こうやって全く別のスタジオと意見交換したり、繋がりがもてるのは、
1人のスタジオでは起こり得ないだろうし、
札幌にもこういう場がある、ということを外向きにアピールできるので、
ほんと有難い。
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放映は11月1日のようです。 

今年は新コロナさえなければ、SOSメンバーを札幌に逆招待する予定でいたので、
来年には呼びたいよなあ、、、

しかしそんな北海道の感染者は60人と最多更新、よろしくない増加傾向。

今日の北海道の感染者数が、過去最高の51人だったそうだ。
正直いって、やはり慣れのせいもあるのか実感を持つことができない。
欧州のように、この後しばらくまた増えていくのだろうか。
 
実感がなくても、やや強めに用心はしておいたほうがよさそうだな。
すでに、お店などに行く時はマスク、入口で消毒液(ゲルタイプが苦手である)、
帰宅時に手洗い、は習慣化している。冷静に考えれば3月以前には考えられない行動ばかり。
一方で、 未だに近い知り合いで感染した人は誰もおらず、
スタジオ内の顔見知りなど身近な人と話すときはなぜか油断して対策が弱くなりがち。

最近は制作ペースもまだ緩めなので、
米炊いて簡単にスタジオで食べる頻度も多め。 
気持ち、自炊も増やして行こう。

アート台北の様子は今日もinstagramで覗く。
お客さんはかなりたくさん来てるように見える。
皆マスクしてる。感染者いなくてもマスクはちゃんと癖ついてるんだなあ。

ついつい、落ち着かない。
制作も進んでいるんだかいないんだか。
ゆきちゃんもアシ君もまだお休みモードで、進みがかなり遅い。 

アート台北2020、
今日からVIP Previewが始まった。
もちろん僕自身も渡航はできず、現地に行けない方もたくさんおられるはず。
出展ギャラリーのAdmira Galleryサイトでは、展示作品のオンラインビューイングも始まっているので、こちらで新作をご覧いただければと、、、！
Admira Gallery
https://www.admiragallery.com/?fbclid=IwAR0u9E2XwDKHn9ZsTkx__a-DYrmffwHehJrDPCkJoc10M2EyYUTGhXUOxic

各出展ギャラリーの作家作品も、公式サイト内リンク先のArtsy特設サイトで閲覧できるみたい。
Art Taipei 2020
https://2020.art-taipei.com/taipei/en/


自分が現地にいけない展示というのは、初めてかもしれない。
アートフェアなので、まあある程度は任せてしまって大丈夫だとも思うけれど。
年に一度の台北出張、美味しいものも堪能できて最高だったのに、無念。
SNSで会場の様子を見る限り、人出も多く盛り上がってる感じはする。
インスタでもギャラリーのストーリーズをシェアしてみたり、
会期中にちょこちょこ様子や作品をアップするつもり。
https://www.instagram.com/yukiyamamoto_studio/ 

まあ、ぼちぼち制作は進めるも、なんとなく落ち着かん日ではあった。 
新コロナ禍だし、台湾の好感触もあるし、いつものフェアより点数多めに送ったし、
良い結果が出るとよいなあ。 


ART TAIPEI 2020

VIP Preview:
10.22 (Thur.) 12:00-21:00 
10.23 (Fri.) 11:00-14:00 

Public Opening 
10.23 (Fri.) 14:00-19:00 
10.24 (Sat.) 11:00-19:00 
10.25 (Sun.) 11:00-19:00 
10.26 (Mon.) 11:00-18:00 

Venue 
台北世界貿易中心一館 Taipei World Trade Center Hall 1 - Booth F 

塗り替えた床の色にまだ慣れておらず、
アトリエ出勤した時に、まだ一瞬うわっと驚く。

アート台北の搬入が始まったみたいだ。
新コロナ影響で、参加ギャラリーの数が今年はかなり減ってるせいか、
スタッフが送ってくれた画像を見る限り、
ブースがいつもの3倍くらいの広さになっている、、、
どんな反響があるだろうか。

一方、もうすぐ作品が到着するはずのハンブルクでは、
クラスターが発生してしまい、営業の制限がかかるようだ。
がーん。
オープニングも、人数制限と時間を早めに変更するみたい。
まだ一週間以上先だから、どうなるか心配だけど、
開催を祈るしかない！ 

昼から小樽文学館へ。

2年前にギャラリー門まで開催された「塔を下から組む」展、
企画のテーマ性とか打ち出すタイミングとか、意欲的な取り組みには感心を持ってるし、
若いうちから情熱を持って企画を立ち上げることに対する敬意もあり。
それとは別に、実際の展示内容は雑な点がたくさん感じられたり、
ムズムズするところも少なくなかった。

今回はそのテーマ展の続編、かつ塔の設計者本人も加えられたアップデート展とのことで、
企画者の佐藤くんから直々にお誘いも受け、いっちょドライブ。

井口さんの展示ゾーンは、当時の新聞記事やご本人の設計図、模型、パーソナルな創作が並び、
時代の熱のような感触がそのまま乗っかっている面白さがあった。
ひとつだけ、百年記念塔の模型の中で博物館名が「北海道博物館」に変更されてたのは、あれ？と。
当時は「北海道開拓記念館」だったはずなので。
キャプションには「2020年補修」と書いてあったが、博物館の名前は改ざんせずに当時のままを残して欲しかった。博物館名の変更と、塔の解体問題は無関係ではないはずだ。

塔が竣工したのは1970年なんだな。
ああそうか、先日みてきた神田日勝の「室内風景」も、万博も、この塔もみな、
1970年なんだ。
塔と、旧北海道開拓記念館と、北海道開拓の村、森林公園、
これらのまとまりが、当時の日本全体の都市計画の潮流や、2年後の札幌オリンピック開催への行政や経済の状況、差別の問題などとどう関係していたりするのか。
70年代のリアルは、直接僕のような世代には体感しづらいが、当時思い描いていたような近未来が、50年後の現在になっているとは、ならないはず、、、。
井口さんの俯瞰視点で描かれた塔の立つ大地のパステル画は、継続するはずだったこれからの未来風景として哀愁が漂ってて、良さがあった。

そんな感じで僕は勝手に、過去の未来に結ぶ詩性に切り込むような作家選定と表現を期待しがちなテーマではある。

塔のふもとに「大地の手」というモニュメンタルな空間があり、
前回の「塔を下から組む」展では、大橋くんの作品内で、無邪気にバーチャル化され、映像の中でクルクルと回転していた。
あの表現の軽さがたぶん、偶然かろうじて、塔の存在だけに限定せず、公園全体が孕む70'sの空気にギリギリ触れながら、それを引き受ける気のない態度が詩情となって表出されていたような気もしたのだが、それって積極的に塔を巡る問題系に取り組むとは真逆のアプローチであり、
しかも今回の新作はさらに塔への関心から遠ざかってたようにも見えた。こうなってくると必然性がしっくりこず。

全体の印象としても、当時の背景への切り込みとはやや別方向で表現をしてる作家が多かった。個々それぞれの解釈と表現に面白みはある。森本さんのテーマからのイメージの膨らませかたなどは毎度感心してしまう。

ただ、企画全体をみるとそれぞれが大喜利っぽく並んでる印象も。

今回もまた塔に対する思いの強さだったり、塔をテーマにする必然を持った作家は少なく見える中、企画者本人の塔への熱量を補完して見えるのは、もちろん井口ゾーンなのだが、
「塔を下から組む」メンバーゾーンにおいては、新参加の写真家、佐藤裕治さんだったのかも。

そして出展作家としても参加してる企画者佐藤くんの作品は、
やはり前述した過去の未来に切り込むような画題とはなっているも、
前回と同じように、やや表現が雑に感じた。
例えば作品内のブリューゲルのバベルの塔の引用描写の表現の仕方などをみても、
バベルの塔は町の構造、塔のふもとの水流など、地に足のついてることが重要な要素でもあり、また多くの人々が塔の建設に関わってる描写や、そこに付随する人間臭いユーモラスな行動パターンまでがふんだんに詰め込まれている作品。それって、切り込み方によっては、記念塔の入り口付近にある佐藤忠良の「開拓」というレリーフや、塔と深い関係にある現・北海道博物館に展示されてる木村捷司の巨大絵画「開拓」なんかともリンクする。

なのでバベルの塔をファンタジー的に雲の上に浮かせ、細部の大地や人の描写を取っ払って、表層的なシンボルに使っているのは、そこにどんな意図があるかわからないけど僕からすれば勿体なく思っちゃった。
作品内に現れてみえる粗さは、
塔に対する思いの強さとはまた独立する絵画表現としての詩性や飛躍、どう美術表現に変換するか、という大事な部分の弱さに繋がっているように見えた。
それでも、何枚も繰り返し描いていたドクロのドローイングの線の在り方は、他の絵よりも何かが変質してるのかな〜。

、、、と、ざっくりとだけ感想を。
企画の切り口自体に批評性があるし、このエリアに住むひととしてテーマに向き合えるので、
考えながら鑑賞する面白さを楽しめた。

秋晴れで気持ちが良いので、ベタに小樽観光をした。
運河とか、北一硝子のカフェとか。
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若いカップルに、写真を撮ってくださいと言われたので、
撮ってあげた。かわいらしかった。
どこに行っても、よく写真を撮ってくださいと言われる。

平日の昼間にしては、そこそこ観光客もいた。
西の方の方言も聞こえた。
でも、長期休業している店も多く、そこはなかなか辛みもあったな。 

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明るくなった。
入居したままだったグリーンの無骨な床色、当時のリノベに時間がかかりすぎて、塗り替えないままスタジオ使用を開始して4年以上塗る余裕がなかったので、ついに、、、。
心機一転、次の制作を気持ち良く進めよう。

T夫妻の赤ん坊と初対面、ん〜かわいいなあ。
新生児に出会うと大抵、
「抱いてみる？」と、提案をいただくのだが、
いや抱いてみたいけれど、首もすわってないこんな小さな子を、
もし変な持ち方したり手が滑っちゃったりしたら、責任持てない！！
親経験あるひとならまだしも、こちら未経験の不器用者ですから、
そんなもう無理無理無理無理、、、この文化、ここでストップしましょう！
、とかいいながら、結局抱かせてもらったんだけど笑
赤ん坊は、暖かくて重いのであった。

その次は、新婚O夫妻がやってきて、来週のイベントのスライド作り。
なんだか周りが健康的で幸せそう。
世の中ロクなニュースがないので、ポジティブ要素は必要だ。

スライドを完成させ、
ひとりになってようやく今日のメイン作業、アトリエの床塗り変え。
いろんな気分転換にちょうどいい。
ペタペタとただペンキを塗る作業は、 単純に楽しいね。
絵画のようなややこしい試行錯誤もなく、余計なこと考えずに塗る行為に浸ることができるからな。
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ペンキが全然足りなかったので、明日また買いたさないと。 

徐々にまた、地味な制作生活が戻ってきてる。
13℃のアトリエにストーブをつけ、
大きめのパネルをスローに進め、
一方でいくつかの下塗りを終えたキャンバスに一層目の円や最初の色面を塗り、
メディウムを塗り、、、 。
そろそろペースを上げていかねば、来年の予定もぼちぼち見えてきたし。
毎年何らかの意外な新規案件が発生するが、
来年はまただいぶ大変な年になりそうだ。
今から地味に地味に地味〜に、地盤固め。

朝昼兼のご飯は、アトリエで納豆、炒り卵、ウインナー。

ネズミはその後も、設置してるホイホイに未だひっかかっておらず、
姿を見せない。 

 

ドイツより個展のDMが届く。
もうすぐだ。
ヨーロッパでは、フランス、スペイン、イギリスと、
だいぶ感染状況が悪化して、夜の飲食などの営業自粛が始まってるとか。
ハンブルクはまだそんな空気ではないらしい。
個展のスタートは今月30日、無事にスタートできるよう粘ってくれ〜！！！

と、もしかしたら新しい展開につながるかもしれない、
一件スタジオビジットの希望メールあり。 
どんな話か全然わからないけれど、
遠くからわざわざ、この感染症下で札幌の僕のスタジオまで来てくれて作品を見たいと言ってくれる、
というのは、それだけでもすでに嬉しみでグッとくる。
一緒に仕事したことある人でも、ここまで来てくれたことない人もいるもんな。 


最近はまた、学術会議ナニヤラとか、
今日はまた、都議会で新コロナを複数人にうつした人は罰金という案がでるとか、
内閣が中曽根元首相の合同葬で忌意表明を最高裁に依頼とか、
なかなかどうかしてるクレイジーニュースで騒がしい。
美術のことでもひとつ、ああ〜理解されてない、ロジカルが全てではないが、
押さえてほしいところがズレているなあ、ということがあった。
雑な思考のエントロピー増大、、、に、
良いことで抵抗する方法を。
 

年内のうちに生活形態のリニューアルを進めることになり、
久々にとある契約書の記入をした際、
「勤務年数」「役職」「月収」「年収」
、、、といった、僕の業務形態に全くそぐわない項目に困惑する。
確定申告の資料をペラペラめくりながら仕事の形態や収入のことを担当のひとに説明。
いや〜勤務というかいつの間にか画家がスタートしていたもんで、バイト辞めたのは8年前ですかね、、、
いや〜絵を売って、というかギャラリーで販売してそのうち〇〇割が売上で、、、
いや〜月収という感じではなくて、無収入の月のほうが多いけど年に数回まとまった売上が入って、、、
いや〜かなり色々経費で落とすものがあるので、売上と年収の数字が結構違って、、、
、、、どうですかね〜と、解釈してもらいながらひとまず埋められるところはそれっぽく枠を埋める。
画家を名乗るのは、
なんともやりづらいとも言えるし、会話のネタとしてはまあそこそこ面白いかも、とも言えるし。
こういう時にこそ、フリーランスの生き様を殊更主張もせず、謙遜もしすぎず、
ただのやっかいな珍獣でもなく、
堂々と、というか普通の感じでお伝えしたいものである。
つか、ちゃんと契約成立すんのかなあ？大丈夫だとはおもうけど。

制作以外の労力を使ったので、今日はアトリエ作業を休みにして、
行きつけ居酒屋へ。おととい満席で断念したけど今日は入れた！
その後また満席になってた。
札幌、北海道は新コロナ第三波か？とも報道されているけれど、
ここはあんまり関係なく繁盛してるよなあ。
 

道近美の神田日勝展へ。
毎回、入館時に連絡先を登録するひと手間が面倒だなあ。 
平日午前中の割にはずいぶん混んでいる。なつぞら効果もありそうで、
盛況なのはいいことだ。

鹿追の記念館も行ってるし、近美の常設でも何度も見てるけれど、
ここまでたくさんの作品とか影響元とも並んで観られる機会は初めてだったのと、
自分もやや歳をとってきたので、また見え方が違うな。おもしろい。
画面に奥行き空間を与えずクローズアップ気味な構成の基本スタイルが、
画題と相まって見応えあるところだと思うんだけど、
それとは別の、
売り絵的な素朴派な農村風景画も並んでて、
かなり割り切った作風の使い分けをやってたのも現実的であった。

未完の遺作がシンボルマーク的な傑作に祀られるの、
やや不憫に思う。
もちろん、部分から描き上げていくプロセスや、ベニヤとの関係は面白いけれども
未完の作品は、ピエロデラフランチェスカでも、ターナーでも、
誰でも面白いし、、、それだけでMETで企画展やってたからな。

1970年、室内風景、東京ビエンナーレ、太陽の塔、か。 
後者2つに比べればモチーフはユニークでも、
絵画的アプローチは独立展らしい、現代美術っぽくなさが当時の時点では漂ってたはず？
それが21世紀の今になって、そういう垣根を超えてというのか、
古臭さみたいな捉え方はあまりされずに再熱というのも、わからんもんだ。 

午前中から夕方まで、所用でバタバタ。
疲れたので行きつけ居酒屋で一杯やろうとすると、19時で満席。
いやあ平日でも大繁盛だ。今日は諦めて近所のカレー屋で済ます。
少しアトリエ制作、大きめの木製パネルも作り始める。 
朝型生活をキープし続けているのが、全然慣れなくて、
1日が短く感じてしまう。
 

ギャラリーレタラで冨田美穂さんの等身大ホルスタイン作品の新作を堪能。
等身大シリーズ、広い部屋で一挙に見てみたいな〜。

その後、うつわのお店リヒトに初めて行ってみた。 
グッとくる品揃え、、
店主さんと共通のお知り合いが多く、知らない間に作品も見てもらってたようで恐縮した。 
こないだ結婚記念日だったので、そのノリで一枚かわいいお皿をゲット。
 
先日関東での個展が話題になっていたのイタリア在住某アーティストさんがスタジオにやってきた。
ずいぶん昔に札幌とご縁があったとのこと。
連れてきてくれたSさんオススメの某白石区のイタリアンにご一緒する。
イタリア在住の方も納得の美味しさ！
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ここはリピートしていきたい。
美味しい料理を食べながら、若い頃の制作費の捻出話とか、
いろいろ普段は見えてこない制作の裏側の話など伺う。
やっぱこれだなあ、会って食事を共にしながら話す大事さ。
ここぞというときしかまだ出動したくないけれど、今日は楽しかった。
新コロナ禍で、初めて地下鉄に乗った日にもなった。

あ、そうだ、
アーティストさんがスタジオに来た際、太ったネズミをみてしまったとのこと。
げえええええええええええ！！！！
焦って見回したけど、逃げられてしまったようだ。
夏の悪夢が蘇る。 
今度こそ出現元を見つけ出し、ホイホイで確実に仕留めないと、
またゴミをいたずらされ、挙句の果てに大量のハエが再発生する。
一度味をしめたら、奴らはなかなかしつこいんだなあ。 

朝起きると星野珈琲のモーニングも普通に行ける。
昼12時には制作開始。
15時には晴れた河原を散歩して、
20時半には先日いただいた絶品ナイタイ高原の和牛ハンバーグを食べて感激し、
(このハンバーグはゆきちゃんも食べれるらしく、想定を超える旨さに茫然としていた)
21時には制作を終え帰宅。
、、、健康生活だな。

久々に誰にも会わずに、アトリエでスローペースで制作をした。
アシ君がグループ展でずっと会場にいるし、こちらも急ぎの仕事もないので、
10月前半は休みましょうと言いながら、結局自分でキャンバス作りを始めちゃってるなあ。

全く別々の、
嬉しいこと、腹立つこと、また嬉しいこと、また腹立つこと、知らんかったこと、言うべきではなさそうなこと、
などが、次から次へと巡る日だった。
トータルとしては、良い。はずだ。 
相変わらずよく人と喋った。
ぜんぜん仕事が手につかなかったので、
週末は制作にこもろうかな。

感染者横ばい、核のごみ受け入れ問題のニュースが騒がしい。
77歳の火炎瓶って、世紀を更新するのは簡単ではないという表れのようだ。 

朝型生活が継続できてる。
モーニング割引で映画鑑賞。リオープンしたサツゲキに初めて行った。
座席と壁が赤くてややギョっとした。やはり感染予防のため夫婦で行っても座席は一つ置きに座る。
リヒターをモデルにした「ある画家の数奇な運命」 、
東西ドイツの芸術の体感差がうまく表現されていた。
東ドイツ時代の芸術観、現状の日本となんか重なって見える部分がチラホラ、、、？

多少リヒター周りの史実を知っていると、アカデミーの人間関係がより面白い。
イモを回転させるポルケもいたり。
フィクション要素も多々あって、登場人物の名前も全て変えているし終盤の画題の展開とか盛りすぎてたりもしたので、
同じ画家映画の「ポロック 2人だけのアトリエ」とか「残像」とかと比較すると伝記映画にはなっていない。画家映画なのに義父の悪役ぶりも際立っててドラマ仕立てだ。

画家自身の原体験と、芸術作品の関係、アカデミーでの出会いとか、
たぶん美大生、美術志望の高校生はもちろん、美術に興味ある人には現代美術を咀嚼しやすい構成になってると思った。
ただ全裸とセックスシーンがやたら多いので、
今の美大とかで見せたら下手すりゃクレームとか来んのかな。
後半、コロコロ回転セックスという技を連発するリヒターもどき。

アトリエでは昨日の続きでまたもSさんと美術談義。毎日これだ。
美術家は、よく話す。放っておいたら永遠に話し続ける。 
割とそういう印象あるのだが、札幌はその傾向はあまり強くない気がする。
忙しい時の長話は後で悲惨な目にあうけど、
Sさんばかりでなく美術家が美術談義する日常、もう少し多めでもいい。 
もう少しな。 

朝起き計画は順調、日光を浴びる毎日に慣れない。
知り合いから諸事情で余った高級牛のステーキ肉が届く。
ぐほほいつ食べようか。

なえぼのメンバーな「大橋鉄郎・葛西由香2人展」を見にコーヒースタンド28へ。
カフェラテのLが大容量で美味しいのでお得感。 
展示室が分かれていない飲食空間での展覧会はまあ集中してみれるものではないけれど。

ゆきちゃんの3日連続単発出動も今日でひと段落。

夕方は進藤さんのリクエストで近所のカレーを食べに行った。

小ぶりのパネルにアクどめシーラーを塗ったり、綿布を貼ったり、
次の制作ターンの準備を進める。

芸術の森美術館の、あまり好印象ではない妙なニュースが発信されてた。
美術館でアートフェアを開催するという内容。何それ。
ちらほら噂が聞こえてはきてたが、決定事項なのか？「美術館」の定義や理念に、即売会って合致するのか？企画詳細はまだわからんけれど、現段階の印象からは、疑問ばかり。

感染者数札幌38人、今後また増えるかな。 

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